ばくわな
猫捕獲ノ新必殺技ヲ考エテミヨウ
■ 紐罠はじれったい?
以前、紐罠で植木鉢に猫が首を突っ込む様子を監視カメラを通してリアルタイムで見ていたことが何回かあった。
普通の捕獲器でも猫が捕まるかどうかの瞬間に立ち会うのはドキドキするものだが、紐罠というのはまず紐が猫の首に引っ掛かるかどうかというのが第一関門で、
それで猫が植木鉢から首を上げて紐が引っ掛かっていてもその紐がしまるまで本当に捕獲に成功したかどうかはわからないという、さらにスリリングな罠なのである。
植木鉢の中の餌に食いつく確率は捕獲器の中の餌に食いつく確率よりはるかに高いので、紐罠の捕獲期待値は通常の捕獲器を上回ると見ているが、運的要素も多い罠なのでハラハラドキドキの末にがっかりというのもよくあること。
そんな時、つまり植木鉢に猫が首を突っ込んで餌を食べている瞬間に強く思ったことは
「今ここであの紐をほんの少しでも引っ張ってやることができたらこれ簡単に捕まえられるんじゃないかなぁ」
ということであった。
といっても手動で引っ張るのは論外なので、以来折りにふれて、それを自動で行う仕掛けを作ることは可能だろうか、それで本当に猫を確実に捕まえられるものだろうか、といったことをなんとなく考え続けていた。
実はそれと同様な考え方で猫を捕まえる罠というのはすでに存在していて一部地域で普通に使われている。
bẫy mèoという罠がそれで、bẫyというのはベトナム語で「罠」、mèoは「猫」の意でベトナムの猫罠という意味。
■ bẫy mèoという罠
YouTubeで『bẫy mèo』で検索してみるとその作り方を解説している動画もたくさん出てくる。
その一つを見てみる。
たいてい缶に棒を立ててくっつけたこんな形をしている。缶の口の回りにはワイヤー(紐の場合もある)を設置して棒の先端から伸ばしたゴムにつながっている。
缶の中には金属棒に刺さった餌があり猫がその餌に食いついて上に引き上げるとトリガーが引かれ、ゴムの縮む力でワイヤーが棒の先端の方に引かれる仕組みである。
くくり罠などとは違い、ゴムの力なので人が手を入れて作動させてもただ腕に巻き付くだけという感じで特に危険もなくいい感じの罠だなと思う。
だが私的視点ではこの罠にはひとつ重大な難点がある。
それは普通の人がこの罠を作るのは難しいということである。簡単に見えるが意外に難しい。
具体的に大きなネックになるのはこの二つの金属部品。
関連動画をいくつか見れば仕組みはすぐ理解できる。昔理科の授業で習った「てこの原理」で力点、支点、作用点というのがあったなくらいのことがおぼろげにでも思い出せる人なら簡単だろう。
問題は実際の工作。
仕掛ける時はゴムを引き伸ばしてこの金属棒の一端に引っ掛けるのだが、それに耐えられるだけの強度のある金属棒をこんな風に自在に曲げたり切断する作業はそんなに簡単なことではない。
ベトナムの人たちは簡単な工具とあとはテキトーに腕力で解決してるようだが・・・
普通はそこまでして作らない。腕力が要るということはそれだけケガのリスクも生じるということである。その前段階として最初に材料をそろえる必要があるが現実的にはそこからして頭を悩ますだろう。
本当に使えるかどうかもよくわからないものにそんな苦労はしないものだ。
少なくとも普通の常識的日本人ならあきらめるか、市販の捕獲器を買ってそれで良しとするだろう。
私は苦労が多かったりごく一部の人たちだけが作れるものを考えても、話は面白くならない、つまり今ある猫問題の対処には役立たないと思っているので、それではダメなのだ。
やるべきことがあるとすればこの工作のハードルを少しでも下げることかなと思い、私も一度このトリガーあたりの構造を改変して簡単なものにできないものかと模索したことがあるが、それも結構難しいのである。
ゴムを充分伸ばした状態でバランスを保つには意外に強い固定力がいる。かといって全体を弱めの力にしてしまうと猫に逃げられる。
捕獲器から抜け出すのとは違い、猫が首を引く動作などは一瞬で完了するものなのでそういうことも起こりやすいのだ。
■ ベトナム人のココロを読む
やや余談になるが、この失敗の経験を通して、私はこのbẫy mèoという罠を作っているベトナム人のことがすこし理解できたように思う。
おそらくこれを作っているベトナムの人たちはひとりで同じものを10個、20個と作っているはずである。それもすべて自分が使うために!
彼らはこれを自分の縄張りのような場所何か所かに同時に仕掛ける。
そして夜明け前あたりになったら仕掛けた場所を全部回って猫が捕まっていれば順次回収して、それをまとめて肉屋に持っていくわけである。
もちろんその背景にはベトナムの食文化があり、それを支える経済、流通のシステムがある。そこに猫を捕まえるプロやセミプロのような人たちが現れるのは必然である。
とにかく猫をたくさん捕まえたいという人たちにしてみれば、箱型捕獲器などは作るのが大変な上に、大きくて持ち運びも困難だし、数年もすればさびて使い物にならなくなるなど難点が多いとしか思えないだろう。
その人たちは簡単に量産できて効率的に猫を捕まえられる罠を必要としていた。bẫy mèoとは、そんな生活をかけた強烈なニーズからベトナム人が生み出した猫捕獲の必殺技なのだ。
そんなプロフェッショナルな人たちなら少し腕力がいるよ程度の工作なら簡単に乗り越えられるだろう。だいたいこういう物は1個作れれば、2個目以降は材料もノウハウもそろっているのだからどんどん簡単に作れるものである。
そのあたりに考えが至った時私も悟った。この罠は繰り返し作られる中でこの形でほぼ最適化されて来たのであり、改変するのはやはり容易ではないことを。
■ 所変われば品も変わる?
じゃあどうするか、という話である。
あっさりあきらめる?
もちろんその必要はまったくない。紐罠の紐を動かしてはどうか?という考えから最初に思い浮かんだのが「bẫy mèoを改変する」という案だったというだけでこれは唯一解ではないのだから。
こんなときは原点に帰るというか少し視点を変えれば良い。
そもそもbẫy mèoを作ったベトナム人と普通の日本人とでは同じような猫罠を作るにしてもそのニーズはまったく違う、ということがよくわかったのではないだろうか?
彼らは仕事として大量の猫を捕まえる必要から本気の人が量産できる罠を作ったのである。
対して私のような普通の日本人は猫害から身を守るため素人でも簡単に作れる優秀な罠を自宅用にたった一つ作ればよいのである。
そのニーズの違いをはっきり認識した上で、作るべきものを考えること。そこから始めたい。
■ 使命には試練がつきもの
そう、ここからが本当に知恵を使うところです。
あらためてここで話をまとめておきます。
紐罠の紐を動かして猫を捕まえる。それを考える過程で常に留意しておくべきことは次の三つ。
①簡単であること
普通の人が簡単に作って試せるものを考えるべきである。
例えば「ショコ棒の作り方」などは工程のひとつに突っ張り棒を分解するという作業があるが、あれはラジオペンチをかなり力を込めて使わないといけない。間違って指をはさんだりしたらあぶない。キリも使うし。
大した工程もなく、総じて簡単だがそのあたりケガの危険が少しあるので小学生にはやらせられないですね。
なのであれは中学生レベルの工作だと思っている。
同様の尺度で考えると、bẫy mèoなどは高校生レベルだろうか。あれは腕力に加えて技量の差が出やすそうなので満足に動作するものを作るには高校卒業生レベルの力が必要かもしれない。
普通の人が普通に作れるものを目指すなら最低でも中学生レベルまでハードルを下げる必要がある。
②安全であること
簡単であれば安全であるのが普通なので①に含めてもいいようなことだが、これも重要なことなのであえて確認の意味も込めて。
中学生レベルまでハードルを下げるべきと書いたが、理想は小学生の工作レベルまで下げることである。それは腕力不要は当然として、子供だけでやらせておいてもケガの心配しなくていいような安全な工作ということになる。
それと安全に関して言えばひとつ注意点が。紐を動かしても紐罠であることには変わりがないので、捕獲後はやはりショコ棒なりで確保する作業が必要になるだろう。その作業は猫の個体差による違いが大きく、大きくどう猛な猫がかかると簡単にはいかないので、もとより子供などにはおすすめするものではない。
作って仕掛けるところまでは子供でもできるくらい安全なものであることが望ましいということなので、その点誤解なきように。
③有用であること
手間をかけたら何かその分の見返りがほしいものである。
紐罠の欠点のひとつにターゲットになる猫の大きさに合わせて輪の大きさを調整するというのがあるが、紐を能動的に動かすことで少なくともこの欠点は解消できるだろう。
あとは偶然性を廃することで捕獲期待値を高める、つまりいままでの紐罠を上回る捕獲成功率を当然期待したいところである。
■ 必要なのは試行錯誤とフィードバック
捕獲期待値の高い罠を作ろう、と意気込んで始めても実際に作ってみたらぜんぜんダメだったなんてのは普通のことである。
そこでめげてはいけない。
猫の捕獲器を自作しようとしたことのある人ならわかると思うが、ああいうものはたいてい最初の構想通りにはうまくいかないものだ。
猫というのは意外に素早かったり、意外に力が強かったり、意外に慎重だったりと、想定外のことがよく起こる。猫に限らず動物相手の難しさというものです。
それを自力で解決しようとするならば様々な試行錯誤が必須だし、そこからダメだった点をみつけて改善点につなげていく、いわゆるフィードバックを続けていくことだ。
それさえ続けていければ、試行錯誤とフィードバックの繰り返しの中で、最初はまるで使い物にならなかったようなアイデアもいつしか新たな必殺技になっていることだろう。
そして、ひもは動いた
まえおきが長くなった。
結果私はいかなるモノを作ったか?
ここからは私が実際にした工作をテンポ良く記していこうと思うが、なるだけ工作初心者にもわかり安く、再現可能なものにしたいところでもあるので、説明が長くなってしまう所も出てくるかもしれない。
なのでその前にこの罠の全体像をつかんでもらうのが良いだろう。
全体像がかすかにでもわかれば途中の工程も把握しやすくなるし、モチベーションのアップにもつながるというものである。
その一番の早道は最終到達点である猫捕獲の実際の様子、罠がどう働くかを知ることだと思うので、最初にこちらの動画を見てもらうことにする。
★ ばくわなでネコを捕らえる
工作を始めよう
■ ダイソーへ行こう
工作を始めるには、材料と工具が要る。
材料は誰でも入手しやすいものということで、九割方100円ショップのダイソーでそろえることにします。
工具はハサミ、ラジオペンチ、定規など。
いくつかの簡単なユニットを順番に作っていき、それを最後にクリップなどで組み立てて一気に完成させます。
まず各ユニットを作成する手順だけをざっと説明しますので、この項の最後にある『ユニットを組み立てて仕掛けを完成させる』も参照して各ユニットが最終的にどう機能するかを確認しつつ、ユニット作成作業を進めて下さい。
■ ベースユニット
他のすべてのユニットを取り付ける土台になります。
バスケット状の少し深めの箱を用意します。ダイソーで売っている穴のたくさんあいたこのバスケットが大きさ的にちょうど良い感じです。
取っ手は要らないので取り外して下さい。付け根のところをラジオペンチの先で強めに押してやれば外れます。
取っ手を外すと、幅17cm×長さ25.2cm×深さ12.5cmのバスケットになります。
ベースユニットはこの一部品で完成です。
■ スタンドユニット
紐を置くところになります。
ジョイントマットとかパズルマットとかいうこの素材を使います。
幅1.5cm×長さ45cmの大きさに切り出します。ハサミで簡単に切れます。切り出したら円形にビニールテープでくっつけます。
この長いマット素材は置いてないダイソー店舗の方が多いようです。その場合でも正方形型のがあるはずなのでそれを使って下さい。
1本で45cmの長さを取るのが無理な場合でも2本で45cmの長さにしてそれをビニールテープでくっつければ同じことなので問題ありません。
この円部品の両サイドに洗濯ピンチをくっつけます。
洗濯ピンチの足の先端にビニールテープを巻きます。それをビニールテープで円部品にくっつけて、そこにさらにビニールテープを巻いてしっかり固定します。
反対側にもうひとつ同様にしてくっつけます。
次に、0.1mmのカラーワイヤーという、やわらかい針金ですね、これを使って紐を置きやすいようにガイドを作っておきます。
ラジオペンチで8cmの長さの針金を3本切り出します。これを円の左右と下部に刺して円弧状のガイドを作ります。(上部ガイドはトリガーユニットに付けるのでここでは要りません)
マット素材は適度に柔らかいので簡単に刺せます。反対側に突き出るくらいまでまっすぐ深く刺して、ぐらつかないようにしておいて下さい。
左右ガイドは先程貼り付けたビニールテープの上から、円部品の内側よりの所を刺すようにして下さい。
下部ガイドは円部品の外側よりのところに刺します。
スタンドユニットの完成です。
■ トリガーユニット
猫の頭が触れて罠を発動させる部品です。
マット素材を再び使います。幅6cm×長さ15cmの大きさにハサミで切り出します。
猫の頭があたる部分に梱包材のプチプチをひと巻き、セロテープでくっつけておいて下さい。
これは「すべり止めシート」です。ハサミで6cm×6cmの大きさに1枚、2cm×6cmの大きさに2枚切り出します。
色鉛筆、挟口50mmの目玉クリップ、洗濯ピンチを用意します。
色鉛筆に切り出したすべり止めシートを巻いて、目玉クリップでマット部品といっしょにはさみこんで下さい。
続いてその両脇にもすべり止めシートを巻いて、色鉛筆に洗濯ピンチをはさみます。
先ほどガイドに使った0.1mmのカラーワイヤーを今度は20cmくらいの長さに切り出します。
これをマット部分に刺して先程作らなかった上部ガイドをここに作ります。
裏に突き出るように刺してあまった部分は表側に回して表側のカラーワイヤーにからめておけば良いです。
この山の高さが4cmくらいになるようにします。
目玉クリップの穴部分に麻ひもを短く結んでおきます。
「ボタン磁石」というこれもダイソーの品です。目玉部分の内でも外でも良いので、バランス用の重りとして2個ほどつけておいて下さい。
これでトリガーユニットの出来上がりです。
■ 爆弾ユニット
単三乾電池を使って爆弾ユニットを作ります。
「んなバカな」「それアブナイやろ!」等々のツッコミがここですかさず入りそうですが、大丈夫ですw
ここで言う『爆弾』とは『落とす』という意味を強調したいがための私流のただのネーミングですので、何かが爆発するようなことはもちろんありませんし、その他何らかのケガをするようなリスクも一切ありませんので安心して下さい。
ということで説明を続けます。
単三乾電池を使って爆弾ユニットを作ります。ただし乾電池は単におもりとして使うものなので、念のため完全に電池切れした廃棄寸前のものを使うようにして下さい。
単三乾電池3本をセロテープで巻いて束ねます。これを2個作ります。
ダイソーのこのマグネットピンを使います。強力な磁石付きのピンです。
他には、タコ糸と麻ひも、挟口20mmの目玉クリップ。
タコ糸をマグネットピンに結び付けます。(このタコ糸はバラけやすいので三重のコマ結びで固く結んでます。)
タコ糸の一方の端を目玉クリップの穴に通してからもうひとつのマグネットピンに結び付けます。
ピン同志を結ぶ糸の長さは短めにしておきます。短くしておいた方がトリガー発動後、猫にかかった紐をすばやく引けることになるからです。
結んだ二本のピンを乾電池側面に付けて見てみたら、ピンとピンのの距離は乾電池の長さよりやや短い程度でした。長さの目安にして下さい。仕掛け時の手間等も考えるとこのくらいがちょうど良いです。
続いてどちらか一方のマグネットピンに麻ひもを結び付けます。そして指2本が入るくらいの輪っかを作ります。
これで爆弾ユニット1個の出来上がりです。もう1個同じものを作る、でも良いのですが、もう一方の方はマグネット機能は要りませんのでもう少し単純に作ります。
1つのマグネットピンにタコ糸を結び付けます。タコ糸の一方を目玉クリップの穴に通してからタコ糸同志を結びます。これも短めに。
麻ひもを先程と同様にマグネットピンに結び付けて輪っかを作ります。
こちらはマグネット機能は使わないので、束ねた単三乾電池のマイナス極にピンをつけたまま、上から適当にセロテープを巻いて固定してしまいます。
爆弾ユニットの完成です。
■ 紐の用意
4mmのナイロン製金剛打ち紐を用意します。この紐は柔軟で丈夫で結びやすくそのうえ良くすべると、この罠には最適な紐だと思います。
これだけはダイソーでは売ってないのでホームセンターで調達して下さい。1メートル50円ほどで切り売りしてると思います。
TRUSCO(トラスコ) ナイロンロープ 4mm×10m 金剛打タイプ R-410NK
もしくはアマゾンで売っているこちらの品でも大丈夫です。
今回は実際にアマゾンでこれを購入して使ってみました。
ちょうど1メートルの長さに切りました。このナイロン紐の特徴として切り口がバラけやすいというのがあります。
ですが切り口をライターなどの火であぶってやると溶けてうまく固まります。あぶった後充分冷えて固まる前にさわるとやけどしますので注意して下さい。
紐罠の時と同様にもやい結びで小さな輪っかを作ります。
ここをもやい結びにすると輪っかの大きさが固定されて紐全体が必要以上にきつく締まらないので、あとで外すのが簡単で猫にもやさしい罠にすることができます。この紐罠の基本は変わりませんが、変えるところもあります。
紐罠の時は紐同志である程度摩擦が生じた方が良かったので小さめの輪っかにしてましたが、今回はなるだけスムーズに紐がすべった方が良いので紐一本が余裕で通る大きさの輪っかにします。また、結び目から出る端紐も少し長めに(3cm程度)出しておいて下さい。
作った輪っかに紐のもう一方の端を通し、大きな輪を形作ります。
通した紐の端にもう一回もやい結びで輪っかを作ります。仕掛け時にこの輪っかをカラビナに引っ掛けます。
■ ユニットを組み立てて仕掛けを完成させる
ユニットの組み立てには次の三つの品が必要になります。
すべり止めシートふた切れ、マグネットピン一個、これらはここまでの工作であまったものがあるはずです。
そして挟口25mmのダブルクリップ、これが要ります。
これで必要なものはすべてそろったので早速組み立てていきます。
トリガーユニットをベースユニットに取り付けます。
挟口25mmのダブルクリップを使います。
クリップをベースユニット側面上部(バスケットの取っ手が付いていたところのすぐ上)に取り付け、そのアーム部分にトリガーユニットを組み込みます。
ベースユニット上部にもクリップを取り付け、そこにマグネットピンを組み込みます。
トリガーユニットの目玉クリップに結んだ麻ひもにダブルクリップをはさんで、そのアーム部分をマグネットピンに磁力でくっつけます。
スタンドユニットをベースユニットに取り付けます。
スタンドユニットの洗濯ピンチをベースユニットの取っ手がついていたところの下半分辺りのところにすべり止めシートをかませながらはさみます。
スタンドユニット上部がトリガーユニットのマット板に接するところまでスタンドユニットを傾けます。
トリガーユニットに取り付けた上部ガイドを軽く曲げて紐を置きやすいようにしておきます。
スタンドユニットに紐を置きます。
輪っか部分を上部やや右よりに置いて、あとは針金のガイドに沿って置いていきます。
(実際に仕掛ける際は、左下の輪っかはブロックなどの固定物に結び付けたカラビナに引っ掛けます)
爆弾ユニットを取り付けます。
麻ひもの輪をトリガーユニット洗濯ピンチの足部分に引っ掛けます。
麻ひもを取り付けたマグネットピン(この場合は黄色のピン)を内側にして、乾電池部分は紐の上そして針金ガイドにもたせかけるようにして置きます。
左側も同様にしてもうひとつの爆弾ユニットを置きます。
このとき麻ひもを引っ掛けるトリガーユニットの洗濯ピンチの足部分は、麻ひもがずり落ちないように水平かやや上向きになるくらいに調整しておいて下さい。
爆弾ユニットの目玉クリップを紐にはさんで取り付けます。右ユニットの目玉クリップは輪っか結び目から出ている紐の先端に、左ユニットの目玉クリップは固定物につながる紐の方にはさみます。
これで仕掛けは完成です。
■ 動作確認も念入りに
実際の仕掛け時にはこの箱の中に餌を置きます。
猫が餌にありつくには板がジャマになるので猫は頭で板を押さざるを得なくなります。
輪の中に手を入れてマットの板を押すと、左右の爆弾ユニットが同時に落ちて紐の輪が引きしぼられて腕にからみつくことを確認して下さい。
そこで手を少し振ると、ナイロン紐の輪っか結び目に磁石でくっ付いていた乾電池が外れます。
乾電池の重りは下に落ちきるまでは紐を引くのに必要ですが、その後は猫の首元に付いて紐がゆるむ原因になり得るので、猫が少しでも首を振ったりすれば自動的に切り離す仕組みにしているわけです。乾電池3本にマグネットピン1本では弱いので2本の磁石でくっつけてます。
マット板の位置調整は、ここのクリップが麻ひもをはさむ位置をほんの少し変えるだけでできます。
最初の捕獲動画では板の位置がやや奥気味で、猫が三度目に深く首を突っ込んだ時にようやく作動しています。警戒心の強い慎重な猫相手ならこれでも良いですが、通常はもっと手前に位置させて早めに作動させた方が良いです。
この板はやわらかめの板ということもあります。猫の頭が板にふれてすぐ罠が発動するわけではなく、猫が頭で板を押し込んだ時に罠が発動するので、それを計算に入れて仕掛ける必要があります。
猫が頭で押す動作がトリガーになっているというのがこの罠の大きなポイントです。罠が発動して紐が落ち始めた瞬間、猫の頭は多少なりとも前進しつつある状態にあるので、その状態から首を引いて突然落ちて来る紐をかわして逃れるのは猫の反射神経をもってしても困難なのです。それが板を浅めの位置に置いても大丈夫な理由です。
もしこれがbẫy mèoのように餌をくわえて引く動作がトリガーになっていたら、一番奥深い所でトリガーを引かせてようやく鈍感な猫が一匹捕まるかなぁ、みたいな話になってしまうでしょう。
次の動画は実際に板を浅めに置いて作動させている例です。こちらの方が本来の意図通りの動作と言えます。
★ ばくわな@迅速軽快
罠を仕掛けよう
■ いつものコンクリートブロックで
ここからはこの仕掛けを使って実際に猫を捕獲する現場での手順を説明していきます。
庭に罠を仕掛ける際はたいてい何らかの形でコンクリートブロックを使ってる私ですが、今回もこれで。
コンクリートブロックにはカラビナをしっかり結び付けてあります。このカラビナにもやい結びした紐の一端を引っ掛けます。
仕掛けを置くとこんな感じでうまくおさまります。
私はたいていこのやり方で仕掛けてますが、もし地面にしっかり打ち込んだ杭とかに紐を結び付ける場合でも仕掛けは何らかの台の上に置くようにして下さい。
台の上に置くことで爆弾ユニットの落ちしろを作ることができます。これがないと紐を十分に引くことができなくなってしまいます。
またあまり地面に近い所に仕掛けを置くと、輪の中に首を入れずに前足で餌をかき出そうとする猫がいて失敗することもあります。
このコンクリートブロックの台の高さは10cmほどですが、やはりそのくらいのちょうど猫が首を入れやすい高さに設置するのが良いのです。
ただしコンクリートブロック1個だと猫が首につけたままでも少しは動かせてしまう重さなので、庭などに設置してあまり動き回られたくない場合はもっと強く固定する方法を考えた方が良いです。
私の場合は一応この両脇のブロックも利用していて、真ん中のブロックの穴にボロ布とかを通しておいてそれを両脇のブロックで押さえつけています。
これでも大きな猫相手だと十分とは言えないので、ブロックを固定するにしても杭を打ち込む等やった方が良いのでしょうが永続的に設置するわけでもないので、長時間放置するとかでなければこのくらいでも良いかなと。
■ それでも4mmのナイロン製金剛打ち紐なら…ナイロン製金剛打ち紐ならきっと何とかしてくれる…?
今回、4mmのナイロン製金剛打ち紐を特に指定しているのには大きな理由があります。
今までののシンプルな紐罠には私は通常3mmのビニロン製金剛打ち紐を使ってました。ビニロン製の紐は適度に摩擦があって輪がひろがったりしないので紐罠には良いのです。
その流れでこの罠でも当初は3mmのビニロン製金剛打ち紐を使ってましたが、ある時2回連続で紐を切って逃げられるというトラブルが発生しました。
紐罠では同じ紐を使っていても切って逃げられたことはなかったのと、それまで紐罠で捕まえた猫を観察してきた経験から
「猫には“紐を噛み切れば逃げられる”という因果関係を理解する頭はない(学習させれば覚えることができるかもしれない程度、かな?)」と思っていたのでこれは意外なことでした。
なんでだろう?としばらく考えてみて、思い当たることがひとつ。
ポイントは紐を結び付けているカラビナの位置です。
わかりやすくシルエット図にしてみました。
猫が罠から逃げようとすると、紐が引っ張られて必然的に図のようになります。ばくわなの方に注目して下さい。この状態から首や体をひねって少し体勢を変えるとそれだけで紐が自然に口の中に入りやすくなっていると思いませんか?つまり猫は単純に目の前の邪魔モノ、なぜか口の中に入って来た邪魔モノに本能的に噛みついて攻撃していたら紐が切れた、そういうことじゃないかと思うのです。ひもわなだと図のように紐がやや上方に伸びているので、紐を噛み切るには冷静に体を引き起こして意図して口にくわえなければならないということになります。
ともかく紐が切られるというこの問題に対処する必要から、丈夫なナイロン紐を使っているわけです。
ただし、このナイロン紐なら絶対切られないかというと実はまだそれほど検証してません。私の場合捕まえた猫をそんな長時間放置するということはまずないので。ナイロン紐に変えてからは切られたことはないのでまあ大丈夫かな、という程度です。
どうしてもそんな丈夫な紐が用意できないとか、ナイロン紐でも不安という場合は、噛み切り対策としてもうひとつ策があります。
先の仮説が正しいとして紐罠の紐が切られないのなら、それと同様に紐を少し上方に結び付ければ良いのです。
具体的にはこんな形にします。
カラビナに結び付ける紐は少し余裕を持たせるくらいで良いと思います。これだと左側の爆弾ユニットは落ちきりませんが紐を低く押さえる役目はするので、あとは右側の結び目の方に付けた爆弾ユニットが輪をしぼる十分な仕事をしてくれるので大丈夫です。
問題は、これだと設置場所がしっかりした柱や木の幹などがあるところに限られること。紐罠のところでやってたようにブロックを積み上げて、みたいな方法もありますがその場合はブロックを簡単には倒されないように対策する必要があります。
■ 2月22日は『ばくわな記念日』
今日は2022年2月22日です。
2並びの日に特に意味があるわけではないが、このような日の効能として「覚えやすい」というのがある。
私は昔のことを思い出すときに、それがどういう季節のことだったかくらいは思い出せても、それが何年のことだったか、何年前のことだったか、となるとまったく思い出せないということがよくある。
私が猫対策を考え始めたのは何年前だったのか?とか、ショコ棒使い始めたのは何年?とか。
でも今日ならたぶん忘れない。その自信はあるので、あえて今日という日に照準を合わせて今成すべきことをしよう、と今回は少々頑張ってみた。そんなところでしょうか。
ということで、これから毎年2月22日は『ばくわな記念日』ということにしましたのでよろしくお願いしますw
話を戻します。
ここからは写真でささっと仕掛け手順を追っていきます。
餌を置けるように中にアルミホイルを敷きます。アルミホイルの四隅には小石を重しに置いてます。
アルミホイルで簡単な雨除けフードを作って付けました。
罠ごと風などに吹き飛ばされないように上に石を置いて重しに。
餌を手前から奥へと誘導するように置きます。見ての通りモンプチです。
マタタビもサービスします。餌が見当たらなかったときマタタビだけで捕まえたこともあります。
この罠は頭を突っ込んでくれさえすれば良いので吊り餌式罠のように餌を選びません。なのでそんなことも可能なのです。
タヌキやイタチなどが餌に反応して罠を作動させてしまうことがあります。タヌキもイタチも大きさや首、頭の構造が猫とは違うのでこの罠が作動しても捕まることはないので良いのですが、
そんな誤作動が頻発して困ることもあります。そんな時にマタタビだけ振っておくというのは有効かもしれません。
あとは紐と爆弾ユニットをセットするだけ。
その際の細かい仕掛け手順や注意点に関しては、ユニット組み立て時の最後および動作確認の項あたりですでに詳しく述べてあるので、そちらを参照して下さい。
ばくわなの仕掛け完了です。
以上。
ですが「こんな長い説明読んでられないわ、最後の結論だけ見といたろ」てやった人に朗報です!
『ばくわなの作り方』『ばくわなの仕掛け方』として二つの動画にまとめておいたので、こちらをご覧下さい。
★ ばくわなの作り方
★ ばくわなの仕掛け方
動画を見てもっと詳しく知りたくなったらこちらのページに戻って来てください。
逆に、写真と文章だけではうまく伝わらないところを動画で補完できてる部分もあるので、ここまで読んで興味がわいた人が動画を見ればさらに作ってみようかなという気になるやもしれません。
私の話はこれで終わりです。
いつか野放し猫のような害獣がいなくなる日が来ることを願いつつ
by 皆ショ計画