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マンボウ

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Last 5 Pages Viewed: マンボウ
マンボウ
分類
ドメイン : 真核生物 Eukaryota
: 動物界 Animalia
: 脊索動物門 Chordata
亜門 : 脊椎動物亜門 Vertebrata
: 条鰭綱 Actinopterygii
: フグ目 Tetraodontiformes
亜目 : マンボウ亜目 Moloidei
: マンボウ科 Molidae
: マンボウ属 Mola
: マンボウ M. mola
学名
Mola mola
(Linnaeus1758)
シノニム
-
和名
マンボウ (翻車魚、曼波魚)
英名
Ocean sunfish
Common mola

マンボウとは、フグ目フグ亜目マンボウ科もしくはそれに分類されるマンボウ属に属する魚類の総称、もしくはマンボウ属に分類されるMola molaを指し、本記事では後者について解説する。

形状[編集 | hide all | hide | ソースを編集]

体長2.5m。

太平洋のものは頭部・下顎は突出しないが、大西洋のものは頭部・下顎は突出する[4]。体側には皺がある[5]

TL193cm以上のものは舵鰭の鎖骨は波打つ。舵鰭軟条数は10-13本[6]

体側に白いまだら模様があり、個体や左右で模様が異なる。成長しても形は変わらない[7]

生態[編集 | hide | ソースを編集]

食性[編集 | hide | ソースを編集]

主食は海老イカクラゲ等。食べるクラゲはミズクラゲ、キタユウレイクラゲ、コンパスジェリー、Rhizostoma octopus[8]

捕食するタグクラゲは、アイオイクラゲ属、シダレザクラクラゲ属、ケムシクラゲ属など[9]

分布[編集 | hide | ソースを編集]

世界各地の温帯から熱帯に分布する。水深600mまで潜り、体温は2℃まで下がる。

マンボウは水深の深いところでは活動的であるが、水面では不活発であった[9]

マンボウは深層遊泳中、比較的垂直な姿勢を保ち、水面では側方姿勢になる。

深海に潜るのは日中が多く、夜間は比較的少ない[10][9]

春には黒潮を北上し、秋には、ほとんどのマンボウは日本沿岸に戻る[11]

カリフォルニアのものはメキシコのバハ・カリフォルニア北部および中部沖のSCBと隣接する海域の間を季節的に移動する[12]

アイリッシュ海では、夏季はマンボウが確認されたが、冬季にはマンボウは目撃されなかった。ポーキュパイン海峡では、特に夏季に密度が高くなる重要な海域があり、また、ポーキュパイン・シェルフの北端とそれに隣接する大陸斜面に、両シーズンの調査で高密度の海域があると推定されている[13]

昼寝[編集 | hide | ソースを編集]

時より、海面に横たわっている姿が目撃される。この行為は「マンボウの昼寝」と呼ばれる。

昼寝をする理由としては、

  • 弱っている説
  • 鳥に寄生虫を食べて貰う説
  • 深海に潜ると体温が冷えるため、日光浴をして体を温めている説

が上げられている。

Nakamura and Yamada (2022)は、日光浴説を支持した。

分類[編集 | hide | ソースを編集]

名前が似るアカマンボウは、特に近くはない。

マンボウは、カール・フォン・リンネにより『自然の体系』内で新種記載された[1]。その後、マンボウの新種が次々記載され、計33種になったが、Fraser-Brunner (1951)によるマンボウ科の再検討より、マンボウ属はマンボウとゴウシュウマンボウの2種とした[14]

相良ら (2005)で、マンボウは2グレードに分かれるとされ[15]、Yoshita et al. (2009)では、相良らで報告される2グレードを含む4グループに分かれ、AグレードとBグレードの間では形状的な差があると指摘された[6]。2010年、A種に『ウシマンボウ』と命名され、今まで『マンボウ』はB種の標準和名になった[16]

2017年12月、澤井達郎らによりB種がマンボウであると特定され、模式標本が現存しない事からマンボウのシノニムとされるOzodura orsiniのホロタイプ標本ががネオタイプに指定された[17]

人間との関係[編集 | hide | ソースを編集]

名称[編集 | hide | ソースを編集]

この「マンボウ」という名前の由来は分かっていないが、「丸い(マン)」「魚(ボウ)」の転訛語という説や形がエイに似ている事から説、萬宝(ハスの葉の袋)に似るから説がある[18]

地方名として「ウキキ (浮木)」「オキナ」「マンザイラク (佐渡島)」「ナンボウザメ (神奈川)」「オキマンザイ」「シオリカ」「キナボ (福井県)」「シキリ (鹿児島県)」「ウキキサメ (東海)」「マンボウザメ」「サキザメ」等がある。

英名の“Sunfish“は、昼寝の様子に由来する。また“Headfish“という英名も存在し、頭だけに見える事からそう呼ばれるようになった。アカマンボウの英名は、マンボウとは対象的に“Moon fish“である。

漁業[編集 | hide | ソースを編集]

マンボウは、定置網で漁獲される。

食用[編集 | hide | ソースを編集]

マンボウは、宮城県や三重県、高知県等の日本の一部と台湾で食用となる。

欧州連合(EU)では、毒素を持つ可能性があるため、No 853/2004により販売が禁止された。

然し、同じでフグ目のハリセンボンと同じでマンボウは毒(テトロドトキシン)は持たず、食用となる地域では、スーパー等で販売される。

飼育[編集 | hide | ソースを編集]

マンボウの飼育は難しいが、日本の水族館でよく飼育される。マンボウ科の中で最も飼育される種で、水族館で見られるマンボウ科の9割は本種である。

単独飼育が多いが、アジなどと共に飼う場合もある。餌は、主にエビイカ貝類魚類を与える園が多く、キャベツオキアミを与える園も存在する[19]

脚注[編集 | hide | ソースを編集]

  1. 以下の位置に戻る: 1.0 1.1 Linnaeus C. (1758). ”Systema Naturae
  2. Cuvier G. (1797). ”Tableau élémentaire de l'histoire naturelle des animaux”. Paris. i-xvi + 1-710.
  3. 以下の位置に戻る: 3.0 3.1 Bloch M. E. & J. G. Schneider (10 November 1801). ”M. E. Blochii, Systema Ichthyologiae Iconibus cx Ilustratum. Post obitum auctoris opus inchoatum absolvit, correxit, interpolavit Jo. Gottlob Schneider, Saxo. Berolini”. Sumtibus Auctoris Impressum et Bibliopolio Sanderiano Commissum. i-lx + 1-584.
  4. Wirtz P. & Biscoito M. (2019). “The distribution of Mola alexandrini in the Subtropical Eastern Atlantic, with a note on Mola mola“. Bocagiana. 245 : 1-6.
  5. 澤井悦郎. (2021). “写真に基づく三重県初記録のウシマンボウ,およびマンボウ属の新たな分類形質“. Ichthy, Natural History of Fishes of Japan. 8 : 31-36. DOI:10.34583/ichthy.8.0_31.
  6. 以下の位置に戻る: 6.0 6.1 Yoshita Y., Yamanoue Y., Sagara K., Nishibori M., Kuniyoshi H., Umino T., Sakai Y., Hashimoto H. & Gushima K. (2009). “Phylogenetic relationship of two Mola sunfishes (Tetraodontiformes: Molidae) occurring around the coast of Japan, with notes on their geographical distribution and morphological characteristics“. Ichthyological Research. 56 (3) : 232-244. DOI:10.1007/s10228-008-0089-3.
  7. 久志本鉄平, 柿野敦志 & 下村菜月. (2022). “マンボウとヤリマンボウにおける体表模様による個体識別の可能性“. Ichthy, Natural History of Fishes of Japan. 19 : 1-7. DOI:10.34583/ichthy.19.0_1.
  8. Houghton J. D. R., Doyle T. K., Davenport J. & Hays G. C. (2006) ‘‘The ocean sunfish Mola mola: insights into distribution, abundance and behaviour in the Irish and Celtic Seas’’. Journal of the Marine Biological Association of the United Kingdom. 86 (5) : 1237-1243. DOI:10.1017/S002531540601424X.
  9. 以下の位置に戻る: 9.0 9.1 9.2 Itsumi Nakamura, Yusuke Goto, Katsufumi Sato. (2015). “Ocean sunfish rewarm at the surface after deep excursions to forage for siphonophores“. Journal of Animal Ecology. 84 (3) : 590-603. DOI:10.1111/1365-2656.12346.
  10. Cartamil, Daniel & Lowe & Christopher. (2004). “Diel movement patterns of ocean sunfish Mola mola off southern California“. Marine Ecology Progress Series. 266 : 245-253. DOI:10.3354/meps266245.
  11. H. Dewar a, T. Thys b, S.L.H. Teo c, C. Farwell d, J. O'Sullivan d, T. Tobayama e,1, M. Soichi e, T. Nakatsubo e, Y. Kondo e, Y. Okada e, D.J. Lindsay f, G.C. Hays g, A. Walli h, K. Weng i, J.T. Streelman j, S.A. Karl (2010). “Satellite tracking the world's largest jelly predator, the ocean sunfish, Mola mola, in the Western Pacific“. Journal of Experimental Marine Biology and Ecology. DOI:10.1016/j.jembe.2010.06.023.
  12. Tierney M. Thys, John P. Ryan, Heidi Dewar, Christopher R Perle, Kady Lyons, John O'Sullivan, Charles Farwell, Michael J Howard, Kevin C Weng, Bertha E Lavaniegos, Gilberto Gaxiola-Castro, Luis Erasmo Miranda Bojorquez, Elliott L Hazen & Steven J Bograd. (2015). “Ecology of the ocean sunfish, Mola mola, in the southern California Current System“. Journal of Experimental Marine Biology and Ecology. 471 : 64-76. DOI:10.1016/j.jembe.2015.05.005.
  13. Patricia Breen, Ana Cañadas, Oliver Ó Cadhla, Mick Mackey, Meike Scheidat, Steve C. V. Geelhoed, Emer Rogan & Mark Jessopp. (2017). "New insights into ocean sunfish (Mola mola) abundance and seasonal distribution in the northeast Atlantic". nature. 7 (2025). DOI:10.1038/s41598-017-02103-6.
  14. Fraser-Brunner A. (1951). “The ocean sunfishes (Family Molidae)“. Bulletin of the British Museum (Natural History) Zoology. 1 : 1-120. DOI:10.5962/bhl.part.21630.
  15. 相良恒太郎, 吉田有貴子, 西堀正英, 国吉久人, 海野徹也, 坂井陽一, 橋本博明 & 具島健二. (2005). “日本周辺海域に出現するマンボウMola molaにみとめられた2つの集団“. 魚類学雑誌. 52 (1) :27-34. DOI:10.11369/jji1950.52.35.
  16. 山野上祐介, 馬渕浩司, 澤井悦郎, 坂井陽一, 橋本博明 & 西田睦 (2010). “マルチプレックスPCR法を用いた日本産マンボウ属2種のミトコンドリアDNAの簡易識別法“. 魚類学雑誌. 57 (1) : 27-34. DOI:10.11369/jji.57.27.
  17. Sawai E., Yamanoue Y., Nyegaard M., Museum A. & Sakai Y. (2017). “Redescription of the bump-head sunfish Mola alexandrini (Ranzani 1839), senior synonym of Mola ramsayi (Giglioli 1883), with designation of a neotype for Mola mola (Linnaeus 1758) (Tetraodontiformes: Molidae)“. Ichthyological Research. 65 (1) : 1-19. DOI:10.1007/s10228-017-0603-6.
  18. 山下欣二. (1992). “マンボウの名称に関する歴史的考察“. 動物園水族館雑誌. 34 (4) : 80-83.
  19. 鴨川シーワールド. (2010). “マンボウ類の飼育に関する調査“. 動物園水族館雑誌. 51 : 62-73.
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