ゲームのセリフ集など

管理人が好きなゲームの台詞などを書きとめ、まとめました。
公式とは一切関係ありません。
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プラネットライカ・セリフ集はじめに
1999年に発売されたPSゲーム、プラネットライカのセリフ集です。

分岐などは全部試していません。取りこぼしも多いです。

テキスト表示無しでボイスのみのセリフは、聞き取りなので聞き間違いもあるかもしれません。

きりのいいところで区切って通し番号を付けています。

01~09で終わりです。
プラネットライカ・台詞01・初~コロニー到着
初~コロニー到着

(ムービー、聞き取り)

(老爺の声)
もし、あなたが、あなたの知らない間に、別な人間として振る舞っていたら、どうしますか?
別な人間でいる間の記憶は、もちろん無い。
あなたの中の他人が、一体何をしでかすやら。
そんなことが本当にあなたの身の上に起きたら、どうしますか?
オホン。
このお話の主人公は、心の中に別な人格を住まわせています。それも三人も。
どうしてそんなことになったのか。
自分じゃあない自分が三人もいて、平気なんでしょうか。
お話の舞台となる火星には、あらぬ妄想をかき立てる力が、潜んでいるというではありませんか。
おおっ、恐ろしい…
やっかいなことにならなければいいのですがね…ふふふふ…
(小太りで仮面を付けた黒スーツの紳士のムービーが消えていく)

(クリスマスの室内、ツリーの下に宇宙船が置かれている)

(宇宙を宇宙船が飛んでいる)

自動着陸装置、確認。

装置、オン!
目標、シドニアエリア。顔のそば!

ザ・フェイス… 何がフェイスだ…
ちくしょう! 火星人め!

ヌーン、よしてよ。
火星人なんてもう滅んだのよ…

(宇宙船内)

エイプリル:
人間の顔を手に入れて、それで火星人は滅んだ…
なんか妙な感じね。

タトラー船長:
人間の顔が、彼らに災いをもたらした。
今ではそう考えられている。

ヌーン:
火星人のやつら、ハダに合わなかったんだよ、
人間の顔が。

タトラー船長:
地球からバクテリアを持ち帰ってしまった、
そんな説もある。

ヌーン:
けっ、大きなお世話って感じだな。

(アナウンス)
これより火星の軌道に向かいます。
これより火星の軌道に向かいます。

タトラー船長:
見ろ、あの狂おしい輝きを!

タトラー船長:
あれが火星だ!
災いの星、闘いの象徴…まやかしの惑星だ。

ヌーン:
ふん、イヤな感じだぜ、
とりわけ今度の任務はな。

ヌーン:
あそこにはおかしなウワサがいっぱいだ。
おかしなやつらもな。

(アラーム)
ライカ君、ライカ君だね…
そこにいるのは…

エイプリル:
無線テレビよ! 地球からね。

(ライカ、無線テレビを起動。司令官の顔が映る)
オクトーバー司令官:
ライカ君だね… 私はオクトーバー、
今回の任務の司令官を務める。
君を調査隊にすすめたのは実は私なんだ。
君の働きには期待しているからね。
さて、君たちが向かう火星だが、
どうも様子がおかしいんだ。
なんでも顔の形の怪物が現れただの、
世界の破滅が近いだの、
妙な噂が飛び交っている。
これから地球化計画を再開するにあたって、
そんなブッソウなことではいかん。
君たちの任務はうわさの真相を
突き止めることなんだ。
(別の顔が映る)
オクトーバー司令官:
ライカ君、この男を知っているかね。

(誰かの声)
ガリル大佐、先遣隊のリーダーだ。
(通信切れる。タトラー船長が来ている)

タトラー船長:
先遣隊が火星に送られたのは
10年前のことだ。
地球化計画の再開で、
火星に調査のためにやってきた。
ガリル大佐はそのときのリーダーだった。
神は死んだ、光の私…
ナゾのメッセージを最後に連絡は途絶えた。
火星に妙なウワサがはびこるようになったのは
それからのことだ。
我々はウワサの出所をさぐって、
火星はなんでもない、
平和で友好的だと報告しなければならない。
それが任務だ。

(船長、帰っていく)
タトラー船長:
いつまでそこにいる?
私をいらいらさせないでくれ。
着陸準備にかかるんだ。

(ライカ、部屋を出る。四人で集まる)
ヌーン:
でもなんで、ガリルって野郎は姿を
くらませたんだ?
10年になるんだろ、もうとっくに
くたばってるんじゃねぇのか。

タトラー船長:
ガリル大佐は火星が秘めている
よこしまな力に憑かれたのだ。
よほど強い意志の持ち主でない限り、
あらぬ妄想にとらわれてしまうというぞ。
自分を見失ってしまうというぞ。

ヌーン:
へっ、どんな妄想なんだ?
まさか滅んだ火星人をよみがえらそうって、
そんな計画とかじゃないだろうな。
クリスマスだっていうのに、
妄想野郎のお相手か。
こんなところで!
ちくしょう!

エイプリル:
オクトーバー司令官によると、
火星の土がいけないんだって。
土が人の心に悪い影響を与える…
だから私が呼ばれたの。
サンプルを持ち帰って調べるのよ。
地質学的な問題だそうよ。

タトラー船長:
ふふ、地質学的問題? モノは言いようだな。
土だと…ふふふ…
星全体が悪意を秘めているんだ。
ガリル大佐はその悪意に触れたに違いない。
神は死んだ、光の私。

ヌーン:
何だ? 光の私? やつの言葉か。
光の私ってどういうことだ?
輝いてるのか?
火星で、輝いてるってのか。

(アナウンス)
ただいま火星の軌道に入りました。
ただいま火星の軌道に入りました。

ヌーン:
いよいよだ、火星だ。
そこのふたり、用意はいいのか?
ルーキーの無線技師に学者のタマゴの
おネエさん…たのもしいかぎりだぜ。

タトラー船長:
ヌーン、よせ。誰にでも初心者の時期はある。
ライカ、君は宇宙飛行は確か…

エイプリル:
2度目よ。 前は人工衛星の修理。
私とはその時以来。

タトラー船長:
ふっ、人工衛星の修理とはな。
ライカか… ニックネームだな。
本当はなんて言うんだ?

(名前入力。入力した名前にノフが付く)

タトラー船長:
(入力した名前)ノフか。
由緒ある名前だ。

ヌーン:
でもよう、
ずっとずっとライカって呼んできたからな、
これからもライカでいかせてもらうぜ。

(火星着陸ムービー。人面岩を通る)

タトラー船長:
おっ! 見えてきたぞ。
ザ・フェイスだ!

エイプリル:
あれが…顔…

ヌーン:
どれどれ…
人類あこがれのお顔様ってワケか…

エイプリル:
火星人が残したのよ、
顔を忘れないように。

ヌーン:
へん、おかげで俺たちはこのざまだ。

タトラー船長:
さあ、みんな、着陸態勢に入るぞ!

(紫に包まれていく)

ヌーン:
何だ!この紫色のは何だ! 煙か?

タトラー船長:
ヌーン、もういちど着陸目標を確認してくれ!
たのむ!

(ヌーン、出ていく。船内が赤くなってライカ達が揺れる)

タトラー船長:
ヌーン! どうした、
着陸目標からずれたんじゃないのか。
ヌーン、答えろ、進入角が深すぎるぞ、
このままでは火星にぶつかるぞ。
手動でなんとかするんだ!

(船内ではない所に4人が浮いている)

(中年の人物が映る)
ヌーン:
ママ…ママなの、僕が悪かったの…
あああ、違う! ママじゃない、うそだ!

(若い人物が映る)
タトラー船長:
あああ…君は…あああ…まさか!
生きていたのか…いや、そんなはずはないぞ!

(荒れた部屋が映る)
エイプリル:
ここは…私の…どうして?
もうなくなったはずなのに…

(クリスマスツリーと宇宙船のある部屋が映る)
(ライカ無言)

タトラー船長:
みんな、惑わされるんじゃない!
何かの…その…幻覚だ。

ヌーン:
見えたんだ! 確かに。
あれは俺の、俺の…

タトラー船長:
ヌーン、よさないか! これは幻覚だ、
この星の邪悪な力が作用しているんだ。

(暗転)

怪物は心の中にいる。

(宇宙船、なんとか着陸する)

(テキスト表示のナレーション)

あまりにもはるかな昔のこと。
人類は火星人とひとつの契約を交わした。
それは「顔の契約」と呼ばれている。
顔を持たない火星人に、人間の顔を与えることで、
平和と友好を固く約束したのである。
しかし、人間の顔を手に入れた火星人はほどなく滅亡。
やがて火星は、流刑者や密航者によって荒んでいく。
そして星そのものがまるで意志を持つかのように、
よこしまなエネルギーを放ちはじめた。
心の悪を育てる力、イーブルマインドである――

(船内)

タトラー船長:
気を抜くんじゃないぞ。
降りたら勝手に動くな、全員で行動する、
分かったな。

ヌーン:
うまく着陸できた、機関も異常なしだ。

タトラー船長:
ヌーン、もういいぞ。
私たちは着陸すべくして着陸した。
そういうことだ。

エイプリル:
船長、ヌーンのおかげで私たち…

タトラー船長:
この船にアクシデントなどなかったのだ。
わからんのか…
報告書はそうまとめる。 さ、準備だ!

ヌーン:
けっ、とっととガリルって妄想野郎を
とっつかまえて地球に戻ろうぜ。
こんなブッソウな星に長居したくない。
この星には頭がおかしくなった
密航者ばかりだ。

タトラー船長:
密航者だけではない。
流刑者のなれのはても生きながらえている。

エイプリル:
彼らの協力が得られないと、
ちょっとやっかいよ。

ヌーン:
ふん! いよいよとなれば、力ずくでも…

タトラー船長:
さ、用意はいいか。
ライカ、なにをぐずぐずしてる?
君が最初に降り立つんだ。

エイプリル:
ライカ、大丈夫よ。
ハッチを抜けて右よ。
自分のヘルメット、
確かめてね。

ヌーン:
ロケットから離れるんじゃないぞ、
迷子になっても
ママはむかえに来てくれないぜ。

エイプリル:
前の任務もうまくいったじゃない。
今度もきっと平気よ。

ヌーン:
おっかなびっくりなんじゃねえのか?

タトラー船長:
ライカ、君がはじめの一歩を記すんだ。

(無線テレビを起動)
メッセージはありません。

(ドアを開けて外へ向かうと、船長、ヌーン、エイプリルがライカの後に続く)

「忘却の海」

(赤く広い荒れ地に皆で降りる)

ヌーン:
やけに静かだなあ。顔の怪物とやらは
でっち上げなんじゃねぇのか?
火星のやつら、地球から人が来ないように
ウソ言ってやがる… そうじゃねぇのか?

タトラー船長:
着陸予定地を少しずれたが、
なんとかなるだろう。
とりあえずコロニーをめざす。
実は先遣隊が隠れ住んでいるというウワサも
あるんだ。

エイプリル:
ヌーン、コロニーまでは遠いの?
たしかコロニーは、
ヨセミテ台地の上にあるはずよ。

タトラー船長:
ヌーン、どうなんだ、
コロニーまでは遠いのか?

ヌーン:
今いるところは、忘却の海だ。
この先にヨセミテ台地に登る道があって、
それから…
帰納の丘っていう場所を抜ければコロニーだ…
帰納って、なんだ?

エイプリル:
哲学用語よ。
ひとつひとつの事実を集めて、
共通することがらを見つけだすという。

タトラー船長:
うんちくはいらないぞ、
センセイ… あ、いや、エイプリル。
とにかくその帰納の丘を通れば
コロニーに着くんだな?

ヌーン:
ああそうだ、
地球からのご一行様ご到着ってな。

タトラー船長:
よし、コロニーをめざす。
さぁ出発だ、準備はいいな。
ヌーン、ライカの装備を見てやってくれ。

ヌーン:
へん、ちゃんとタンクも背負ってるし、
ヘルメットも着けてるぜ。
小さなハートもピクピクしてるぜ。

タトラー船長:
いかん、砂嵐が来る!
ぐずぐずしてはおれん、急ぐぞ!
暗くなるまでには着きたい。

(4人、歩き出す)
タトラー船長:
はぐれるんじゃないぞ。

タトラー船長:
イーブルマインドには気を付けるんだ。

ヌーン:
何だ? イーブルマインド?

タトラー船長:
火星の邪気だ。
紫色をしているぞ。近づくな。

タトラー船長:
イーブルマインドは妄想をかき立てるぞ、
あらぬことを考えてしまうぞ。

ヌーン:
ちくしょう!ろくでもないぜ!

(砂嵐がひどくなってくる)

ヌーン:
ああ、前が見えねぇ。

タトラー船長:
このままではまずいな。

タトラー船長:
ヌーン、どこかに待避場所はないのか?

ヌーン:
ああ、砂だ…ちくしょう、ざらざらしてきた、
頭ん中までざらざら、ざらざらだ。

エイプリル:
近くに避難小屋があるはずよ。ねぇ、ヌーン。

ヌーン:
あああ、避難小屋だ。

ヌーン:
ご一行は避難小屋に着きました、
そこでおネンネしました、

ヌーン:
目が覚めたらおウチでした。

ヌーン:
火星は平和でした、報告書はそう書けばいいんだ
そうじゃねぇのか?

タトラー船長:
ヌーン、おくれてるぞ。
ライカ、どうした、ペースを上げるんだ!

タトラー船長:
ライカ! なにをぐずぐずしてる、
はぐれてしまうぞ!

(ライカ一人歩いている。砂嵐が収まる)
(あたりが紫色になる)

(入力した名前)ノフ、
またお星さまとお話ししてるのか?

ひゃひゃひゃ、ケッサクだこりゃ!

いつまでいい子でいたいんだ、お前は?

そんな目で私を見るな!

(紫色が収まり、ライカ、倒れている)
(ライカの体から三人が出て来る)

ヨランダ:
今の聞いた?
ウラジミールとセルゲイの声よ。何でまた?

アーネスト:
へん! 俺には見えてたぜ。
ぴかっと光るお宝、俺のお宝だ。

スペーサー:
着陸地点に何かあったな。
お宝かどうかは分からないが、
岩にうずもれていた。
アーネスト、あれには君のパワーが必要だな。

ヨランダ:
ねぇ、どこなの、ここは?
やけにすさんだ場所ね。
せっかくのクリスマスよ、
ここはさびしいわ。

スペーサー:
火星だ。(入力した名前)ノフは
任務で火星にやってきている。
この星の何かが(入力した名前)ノフに作用して、
あんな声が聞こえたんだ。
つらかった子供の頃を思い出した…
(入力した名前)ノフは、忘れてなかったんだ。

ヨランダ:
あーら、作用だなんて、
いやな感じね。
これからアタシたちの出番、増えるのかしら。
それにしてもクリスマス返上なのよ。
宇宙航空隊の無線技師って、
えらく大変なお仕事なのね。

アーネスト:
へっ、結構なことだ。
ちょっとばかしタイクツしてたところだ、
せいぜい楽しませてもらうぜ。

ヨランダ:
じゃあ、ロケットから見えたのは、本物なのね。
火星の顔、あれがそうなのね?

スペーサー:
本物だ。 ザ・フェイスと呼ばれている、
火星人のイセキだ。
今回の任務となにやら関係がありそうだ。

ヨランダ:
ねぇ、ここで顔、作るの?
私たちも人間の顔になるの?

アーネスト:
私たちだと? おい、お前と一緒にするな、
俺はアーネストだ、分かったか!

スペーサー:
あらそいはやめるんだ、アーネスト。
どうする、君が表に出るのか?

アーネスト:
ああ、そうだな。
何が起こるか、分からねぇからな。

スペーサー:
誰か来る。
アーネスト、君の出番はなくなったようだ。

(三人、ライカの中に消える)

(浮遊するものが現れる)
スピリットマン:
ひょひょ、(入力した名前)ノフや、
お前はひとりではないな。
やはりそうだ、
お前はフクザツだ、ひょひょ。

スピリットマン:
この星には悪がはびこっている。
その影響を受けて、お前はどんどん変わるぞ。
人格変容するぞ、ひょひょひょ!

スピリットマン:
オーラだ、悪に触れたらお前の体から
オーラが現れるぞ。
オーラの色で悪の種類が分かる、
ひょひょ。
さあ、心の状態を見えるようにしてやろう。
マインドスコープだ、

(画面にマインドスコープが表示されるようになる)

スピリットマン:
これでお前の心が見えるぞ、のぞけるぞ。

(スピリットマン消える)

(ライカ、起き上がって歩き出す)

(砂煙が起こるのでそれを調べると、布をかぶった小柄な人物が現れる)

えへへへ、びっくりしてる…
ねぇ、そうなんだろ?

オーラだよ、あんたは感応してるんだ。
火星の人間はみんなこうだよ、
あんたを感応させるよ。

(動いていく砂煙を調べるとまた声がする)

この星はひどいよ、いろいろとね。
悪さをしかけてくるよ。
あんた、大丈夫なの? 耐えられるの?

いやな思い出がよみがえったり…
思い出だけじゃなくてね、ウソもホントも
何もかも。 惑わされるかもね。

心が弱いとダメさ。 あんたは…
うーん、読めないな。
強いのか、弱いのか、わからないよ。
さっきの人は読めたよ、ひどくおびえてるよ。
弱いんだね、きっと。

(砂煙消える)

(宇宙船の見える崖の所へ行くと、ヌーンがいる)

ヌーン:
おお、ライカ、平気だったか?

ヌーン:
あああ、砂だ、砂嵐で…
ああ、砂嵐で、頭の中がぐるんぐるんなんだ。
避難小屋はすぐそこだ。
船長達が待ってるに違いない。 急ごう。

ヌーン:
おお、あれだ!
避難小屋が見えたぞ!おほほー!

(画面青くなり、ヌーン、立ち止まる)
変だぜ、あああ、俺…
いやな気分でいっぱいになってきた…

ヌーン:
きっと砂嵐のせいだ、
砂が頭の中にまで入ってきたみたいだ…

ヌーン:
よう、さっきは悪かったな、
ちゃかしたりしてよ。
あんまりいい感じしねぇんだ、今度の任務はよ。
それに船長のやつも。

(画面青くなり、ヌーン、苦しむ)
ああああ、何だ?
ああああ、いやだ、来るな!
こっちに来るな!

ママ…ママなの?
どうして…僕のせいなの…

(ヌーン、後ずさって駆けだしていく)
(ヌーンの走って行った先に避難小屋がある)

「避難小屋」

ヌーン:
はあ、はあ…俺としたことが…くそっ!
いやな思い出がよみがえってきて…
なあ、お前、これ避難小屋に見えるよな?
俺にもそう見える…
ちょっと開けてみてくれ。
扉だよ、そこの扉を開けるんだ。

(扉を開ける)

ヌーン:
大丈夫だ…入ってみよう。

(小屋の中にエイプリル、船長、ヌーン、ライカが集まる)

エイプリル:
ライカ!
おそいから心配したよ! 大丈夫だった?

タトラー船長:
やっと全員そろったな。
ひとまずここで待機だ。
この星は予想以上にひどいことになっている。
暗くなる前に、
なんとかコロニーに到着したい。
ヌーン、コロニーまではどのくらいだ?

ヌーン:
コ、コロニー…
ふふふ、コロニーには誰がいるんだ?
誰かが待ってるのか?

タトラー船長:
ヌーン、どうした?気分でも悪いのか。
ここで夜を明かすわけにはいかないんだ。

エイプリル:
ヌーンは疲れてるのよ。
船長、ちょっと休みましょう。

タトラー船長:
ダメだ。
我々は任務をやりとげなければならない。
ヌーン、コロニーまではどのくらいなんだ?

ヌーン:
うふふふふふふ…
コロニー…コロニー…早くおうちに帰りたい。
ママが待ってるんだ!

タトラー船長:
いいかげんにしろ、キサマ!
私には時間がないんだ。
くそっ、これは任務だ! 私の任務なんだ!

エイプリル:
船長! 隊員の命を守るのも、
船長の役割じゃないの!

ヌーン:
命…いのち…

タトラー船長:
…………
ふ… 仕方ない。
分かった、ここで小休止だ。
エイプリル、ライカ、
君たちは二人で偵察に出てくれないか。
暗くなる前に安全なルートを確保したいんだ。
イーブルマインドにさえ
用心していれば平気だ。
どうやら酸素はうまく供給されているようだ、
もうヘルメットはいらないぞ。
さあ、偵察に出てくれ、たのんだぞ。

エイプリル:
行きましょう。

タトラー船長:
どうした、ライカ?
怖じ気付いたのか…
もうここは地球のようなものだ、
恐がることはないぞ。

ヌーン:
うふふふふふふ…
コロニー…コロニー…早くおうちに帰りたい。
ママが待ってるんだ!

(小屋の外に出る)

エイプリル:
ねえ、ライカは平気だったの、
イーブルマインド…
心に良くない影響を与えるって…

エイプリル:
船長、きっとイーブルマインドに
影響されたのよ…変だもん。
ライカたちより先に小屋に着いてたよね、
そのときしきりに女の人の名前をつぶやいて。
クロエ、クロエって。
なんだか気味悪くて…
前にヌーンから聞いたことあるのよ、
船長とそのクロエって子のこと。

エイプリル:
船長が士官学校時代に知り合った少女…
自分の妹のように可愛がっていたのに、
事故で死んじゃったんだって。
ヌーンが教えてくれたんだけど、
船長はその子の写真を今でも大切に
持ち歩いてるそうよ。

エイプリル:
さあ、この先よ。
ちょっと見て大丈夫そうだったら戻らない?

(エイプリル、先に行く)

(避難小屋の窓の人影に聞き耳を立てる)

違う!本当にいたんだ、あそこに、ママが!

ふっ、犯罪者のか…
獄死したはずだろう、お前の母親は。

いたんだ…僕を追いかけてきた…

死んだ人間がよみがえる…ふふふふ、面白い。
ここはユカイな星だ!

早く、帰りたい。

誰だ?誰かいるのか?

(タトラー船長が外に出て来るのでライカ、身をかがめる)
タトラー船長:
気のせいか…

(避難小屋の入口に戻っても開かない)

(先に進むとエイプリルが走っていく)

エイプリル:
ライカ! こっち、こっちだよ!
私の生まれた家よ、見せてあげる。
ねえ、来て、こっちよ。

(宇宙船の見える崖が紫色になり、さっきまで無かった扉が現れている)
(ライカ、扉を開けて中に入る)

(灰色の荒れた部屋で、声が聞こえる)

いけないわ、その箱を開けちゃ。
中には悪魔が閉じこめられているの…
エイプリル、分かって…お願いよ。

さあ、クリスマスプレゼントは
もうおしまいにして、私のところに来て、
エイプリル…さあ…

(ライカ、扉の外に戻る。扉、消える)

(先へ進むとエイプリルが来る)

エイプリル:
ああよかった、はぐれちゃったかと思った。
コロニーはこの先よ。
イーブルマインドは現れていないみたいね。
砂嵐の気配もない…
ねえ、小屋に戻りましょうよ。

エイプリル:
船長は何が何でも今日中にコロニーに
着くつもりよ。
だったら日が暮れないうちに出発しなきゃ。
それに…なんだか気分がすぐれないの。

(エイプリル、ライカ、避難小屋の前に戻る)

エイプリル:
ねえ…何か変よ…
扉が開けっ放しになってる。

エイプリル:
船長たち、出かけたのかなあ…
戻ってくるとき、
誰ともすれ違わなかったよね…

エイプリル:
ねえ、入ってみない?

(小屋の中には誰もいない)
(奥の部屋に入ると、巨大なおもちゃ箱の中身のような場所に出る)
(大きな扉が開いて大きな人物のシルエットが映る)

ウラジミール:
(入力した名前)ノフ! 何度言ったら分かるんだ!
ロケット遊びばかりしてるんじゃない!
こんなもん!

(ロケットが投げられて壊される映像)

ウラジミール:
セルゲイ兄さんを見習え!
ええ? 見習うんだ、できそこないめが!

(子供の笑うシルエット)

セルゲイ:
よう、宇宙飛行士殿、へへへ、
またヘマをやらかしたのか?
へへへへ、いいこと教えてやろうか?
父さんはお前がキライなんだよ。
お前達がこの家に来たときからな、
キライなんだ。
ひゃひゃひゃひゃひゃひゃひゃ。

(シルエットが消え、部屋が青くなる)

(入力した名前)ノフ、聞こえる? ママの声が…
お願い、自分を見失わないで。
ウラジミールはあなたの新しいパパよ。
セルゲイは新しいお兄さん…
あなた、兄弟が欲しいって言ってたじゃない。
セルゲイ兄さんとは仲良くしてね。

(部屋を出る。小屋を出るとエイプリルがいない)

(ロケットの所に戻り、アイテムシンボルに触れる)
おうおう、俺の石だ、お宝だ、
これは俺が見つけたんだ、
手を出すな、ちくしょう!

さっきは悪かったな、ええ?
あやまるよ、ほんとさ。
おわびに、ほら、これをやる。

さあ、食いなよ、俺の目の前で、早く!
ひひひ、腐ったパイだ、お前にぴったりだろ、

男の腐ったやつに腐ったパイだ、
ははははは、ぴったりだろ、
ああ臭ぇ、お前も同じ臭いがするぜ!

(宇宙船内に戻っても誰もいない)
(無線テレビを起動すると司令官の顔が映る)
オクトーバー司令官:
ライカ君…ライカ君だね…
火星はどんな様子かな?
実は火星人について、
新しいことが分かりそうなんだ。
ある昆虫学者が研究を進めていてね、
その成果と言うわけだよ。
もう少ししたら
その昆虫学者から連絡させるよ。
(通信終わる)

(避難小屋の先に行く)

おい、そこにいるの… あんただろ?
さっきのあんただろ?

(砂煙が舞う)

(入力した名前)ノフっていうんだろ?

(砂煙の中から、布をかぶった小柄な人物が現れる)

ダミアヌス:
不思議だなぁ…
あんたって…つかみどころないんだよ。
なかなか読めないからね。

(ムービー。ダミアヌス、マスクを取る)

ダミアヌス:
ライカ…
それがあんたのニックネームなんだろ。
僕はダミアヌス…
へへ、砂の子ダミアヌスさ。
あのふたり、どこに行ったか知りたいかい?
僕が誘導したんだ、
でも途中で勝手に抜け出したんだよ、ふふふ。

(クロエと船長、ヌーンと母親の映像)

ダミアヌス:
あのふたりはね、
この星に呼ばれたってこと。
ふたりとも弱いんだね。
ふふふ、女の子だけ帰納の丘に誘導したよ…
それにしても不思議だなぁ、あんただけは
誘導できなかったよ。
なんでかな…最大のナゾだね。
女の子はこの先、帰納の丘にいるよ。
ちょっと疲れたみたいだったよ。

(ダミアヌス、砂の中に消える。また戻ってくる)

ダミアヌス:
そうそう、あんたにあげるよ、砂のシンパシー。
いい名前だろ。
僕に用があるときには
それで呼んでくれるといいよ。
もっとも、この場所じゃなきゃ、
だめだけどね。

   砂のシンパシーを手に入れた。

(ダミアヌス、砂の中に消える)

(砂のシンパシー/ダミアヌスを呼び出す)
(砂のシンパシーを使うとダミアヌスが出て来る)
ダミアヌス:
えへへ、さっそくだね。
あんた、気がみじかいの?
僕が誰かってことだよね。 僕は砂の子、
えへへへへへ、でもオバケじゃないよ。
そんな僕にも分からないことがあるんだ。
どうしてだろう、あんたを誘導できなかった。
誘導っていうのは、その人を導くことなんだ。
ちょっとした遊びだけど、
あんたにはムリみたいだ。
さて、帰らなきゃ、またね。
(ダミアヌス、砂の中に消える)

(もう一度砂のシンパシーを使う)
何も起こらなかった。

「帰納の丘」

(夕陽の差す丘にエイプリルが立っている))

エイプリル:
あっライカ…
またふたりになっちゃったね。

エイプリル:
さっきの子、催眠術でも使ったの?
知らない間にここまで歩いてきた…
変な気分ね。
気をつけなきゃ。
この星に心をうばわれたりしないように。
…ねぇライカ、
ライカはこの任務に志願したの?

エイプリル:
私、この任務のこと
ほとんど知らされてなかったの。
ただ火星の土のサンプルを持ち帰る…
なんでもいいってわけじゃないけど、
急にそういう話になって…
オクトーバー司令官は、
火星の土に含まれてる成分が人に
幻覚をもたらす、そう考えてるみたいなの。
ほんとに急だったのよ。
はじめは乗り気がしなかったけど、
ライカと一緒って聞いて引き受けたんだ。

エイプリル:
ああ、夕陽ね、火星の夕陽…
今日はクリスマスイブね。
火星でクリスマスだなんて…
まだ気分がすぐれないから、
ちょっとここで休んでいくね。
ライカ、先にコロニーに行って。
ヘロデっていう人をたずねるの。
酸素屋のヘロデ。
その人がコロニーを仕切ってるの。
船長たち、もう到着してるかも知れない。

エイプリル:
ここでちょっと休んだらすぐに追いつく。
だから先にコロニーに行ってて。
酸素屋のヘロデをたずねるのよ。
彼が協力してくれるはずよ。

(ライカ、一人でコロニーへ行く)

「ブリックロード」

(誰かの声)
まだだめなのね。
アタシには見えない。
サイコちゃんには簡単なことなのに。
ふん、ラミーのやつ…
まだ何かアタシに隠してるのね。

(ドアを離れ、人が歩いてくる)
サミー:
あら、あなたは… ふふふ、新顔ね。
あなたは…どのタイプなの?
ねぇ、サイコちゃんなの?

サミー:
だったらそこの目玉、扉の前にある
でっかい目玉が見えるはずよ…どう?見える?

サミー:
見えないのね、そうよね。
だったらアニマルちゃんかしら…
それにしちゃ弱そうね。
まさかビジュアルちゃんじゃないわよね、
犬顔だものね。
地球から、でしょ。
何しに来たの、ここはサイテーよ、
どいつもこいつも、うそつきばっかで。
あなたも気を付けてね、
変なことに巻き込まれないように。

(サミー、去る。スピリットマン現れる)

スピリットマン:
ひょひょ、
あいつは見かけにこだわるビジュアル系…
火星の住人はみな悪を秘めてるぞ。
話をすると、お前の心に悪がたまる、
どんどんたまる。
その悪がお前を変えるぞ、
ひょひょひょ。

(スピリットマン、路地の先へ行く)

スピリットマン:
こっちへ来い来い、鏡の部屋だ。

(違う方へ行こうとする)
スピリットマン:
ひょひょ、(入力した名前)ノフや、どこへ行く?
こっちだ、来い来い、鏡の部屋だ。

(大きな鏡のある部屋に行く)

スピリットマン:
さあ、鏡の前に来るのだ。

スピリットマン:
そうだ、(入力した名前)ノフ。
今度は鏡に触れてみろ。
たまった悪でお前は人格変容するぞ。
自分を映して自分でなくなる、ひょひょひょ。

(クリスマスツリーと宇宙船の玩具のある部屋、苦悩するライカ)

スピリットマン:
これはおどろいたぞ、ひょひょ…
(入力した名前)ノフや、
お前の心は思ったよりうんと寒々しいぞ。
全てが止まり、色を失っているぞ…

(ライカ、変身)

スピリットマン:
現れた!
(入力した名前)ノフではない、お前は誰だ?

アーネスト:
おう、俺はアーネストだ。
お前こそ何だ?

スピリットマン:
ひょひょひょ! アーネストか、
見るからにお前はアニマル系だな。

アーネスト:
うるせぇ、俺は聞いてるんだ!
お前は誰だ、さっきもいやがったな!

スピリットマン:
見えていたのか!
(入力した名前)ノフの時も、表が見えていたのか!

アーネスト:
はっきりじゃねぇ、
ぼんやりだ。
お前が呼んだのか?
(入力した名前)ノフを火星に呼んだのか、
どうなんだ、答えろ!

スピリットマン:
呼んでなどいないぞ、アーネスト。
運命の輪が回り始めたのだ、ひょひょひょ。
さあ、自分自身を実感するのだアーネスト。

(スピリットマン消える)

(アイテムシンボルを壊して入手)
   タオゴールドを手に入れた。

(タオゴールド/EM値を回復する)

(コロニーの外との道にはスピリットマンがいる)

スピリットマン:
ひょひょ、アーネストや、
何をそんなに急いでいるのだ。
この先に何かあるとでも…
ひょ、まだお前はいろいろを
知らなさすぎるぞ。

アーネスト:
ちょろちょろしやがって、
うるせぇやつだ。 先に行かせろ!

スピリットマン:
ひょ、今はならんぞ、アーネスト。

アーネスト:
なんでだ? 後ならいいのか?

スピリットマン:
この先はまだ早い、もう少し学んでからだ。
さあ、アーネスト、お勉強の時間だ、
ひょひょひょ。

スピリットマン:
ひょひょ、アーネストや、
お前にできることは何だ?

アーネスト:
俺にできること…
へん! 力には自信があるぜ。

(サミーがいたドアは開かない)
アーネスト:
何だこりゃ…鍵がかかってるぜ。

(先へ向かう)

スピリットマン:
お勉強だ、アーネスト。

(スピリットマン現れる)

スピリットマン:
この星には力だけではままならないことが
あるのだ、それを知るがいい。

(敵が現れる)

アーネスト:
へん、現れやがったな、顔のバケモンめが!

スピリットマン:
こいつらはフェイスだ、
顔への妄念が実体化したものだ。
フェイスはお前たちの可能性が好物だぞ。
フェイスの攻撃でEM値がゼロになったら、
お前は消えてしまうぞ、ひょ。

アーネスト:
EM値だと? 消えるだと…
俺はそんなことにはならないぜ!

スピリットマン:
力では勝てんぞ、アーネスト。
お前の心が作り出すマインドコアで、
フェイスの念派をはね返すのだ。
タイミングをうまく合わせてな、
ココロの○ボタンを押すのだ、ひょひょ。
マインドコアを戻すときは、
ココロの×ボタンだ、
それがテクニックだ、ひょひょひょ。

(スピリットマン消える)
(敵シンボルに触ると戦闘)
(戦闘終了)

(鏡の部屋へ行くとスピリットマンがいる)

スピリットマン:
私は鏡の中にいる、
鏡の中でお前を待つぞ、ひょひょ。
(入力した名前)ノフに戻るのはたやすいぞ。
戻るか、どうするか?
戻るのなら鏡に触れてみろ

(鏡に触れずにコロニーへ向かう)

「コロニー」

(入口の機械)
アナタハ トウロクサレテイマセン。
クワシクハ カンリシャニ
オタズネクダサイ。

アーネスト:
ちくしょう!
なにが登録だ、くそったれ!

(鏡の部屋でアーネストからライカに戻る)
(スピリットマンはいなくなる)


――――――――――――――

プラネットライカ・台詞02・コロニー到着~記憶の谷
コロニー到着~記憶の谷

「コロニー」

(入口の機械)
ヨウコソ プリスン4ヘ。
ミスター(入力した名前)ノフ!

(コロニーに入れるようになる)

ブーマー:
見ねぇ顔だな…
もうヘロデんとこには行ったのか。
コロニーの親玉、酸素屋だ。
それともサイコハウスに用か?
ハウスのやつら、頭に電波だ、
電波が飛んでくるってな。

ブーマー:
ヘロデなら酸素屋だ。
ハウスならそこの扉だ。
俺は…夜が怖い。

「サイコハウス」

(アイテムが落ちている)
クロウドリームを手に入れた。

(クロウドリーム/夢の散歩者?)

クロウ:
おい、お前、何見てんだ?

クロウ:
何だお前は…
あのマシンか! あれは、スペースアンプだ。
集めてんだよう、力を!
へへ! 金星からやってくる力だ、
頭ん中に入って来るんだ!
へへ! それともなにか、使えもしねえ
無線テレビで遊ぼうってのか…へへ!

クロウ:
ヤングのやつが戻ったら実験開始だ、
金星の力だ、へへ!

(外へ出る)

トミー:
ようよう、兄ちゃん…兄ちゃんよう…

トミー:
兄ちゃん… ああん?
会ったことあるか、俺と?
くそっ、気分が悪い、吐きそうだぜ…
おぇっ、うぐぐぐ、おえっ…
なあ、酸素屋になんか用か?
リトルのやつ、さっきナイトプラネットの側に
いやがったぜ…
何やってんだ、あんなところで。

トミー:
ナイトプラネットは
ここまっすぐ行ったところだ、
ぐげげ、ケチな酒場だぜ。

トミー:
兄ちゃんよう、地球から来たんだな、
そうだろ、
それでヘロデんとこにあいさつに来た…
ぐげげげ、吐きそうだぜ、気分が悪いぜ…

トミー:
こんな早い時間から飲み過ぎたぜ、
くそっ、気分が悪い…

リンダ:
あらー、アタシに用?
そうじゃないのねー、顔?
ねぇ、あなたもその顔、なんとかするのー。
だったらあっち、リャンハウス、
整形屋ねー。
そっち、ナイトプラネット、
ケチな酒場ねー。あっちとそっちよー。

リンダ:
ここはねー、ちょっとねー、
いやな部屋よー、焦げ臭いのー。

(部屋を調べる)
チャーリー、目が覚めた、目が覚めた。

(整形屋の前)
マラケシュ:
あらいやだ、あなたも顔作りに来たの?
フェイはお出かけよ…フェイ…
知ってるんでしょ、リャンハウスのフェイよ、
整形屋さん。
アタシは洗顔に来たのよ、
寝る前のお洗顔よ。

マラケシュ:
地球じゃご法度よね、お顔なんて。
犬の顔で人類が平和になった、
そう教えられてきたものね。
でもガマンすることないのよ。
火星人は人間の顔の記憶を残して滅んだの。
それがあの人面岩、ザ・フェイスよ。
フェイはあそこで
強いインスピレーションを得たの。
それでこのお仕事、整形屋を始めたのよ。
アタシ、だんだん人間の顔に近づくにつれ、
優しい気分になれるの。幸せよ。

マラケシュ:
アタシ、だんだん人間の顔に近づくにつれ、
優しい気分になれるの。幸せよ。

(通りへ戻る)
リトル:
ううう、そうだそうだ、俺が…うううう…
(チャーリーの部屋の中に人がいる)

(路地の奥のセーブ犬)
お利口な諸君のことだ、
ここがどういう場所かすでに知ってるだろう。
ルールを守る限りにおいて、諸君は自由だ…
あああ、昔を思い出すワン…
あああ、犬だからといって、
そんなことにはならない、普通に話すぞ。
プリズン4、第四惑星の刑務所ということだ。
しかしそれも昔の話、
今となってはただのハキダメ…
そんなこと見りゃわかる。ここのやつらは
好き好んで火星に住み着いてる。
地球より居心地がいいってわけだ。
酒場もある、整形屋もある、だがそれだけだ。

「ナイトプラネット」

ゴールド:
何の用だ?まだ客は入れねぇ…
お前が客だとしてもな。

ゴールド:
酸素屋さがしてるんなら、見当違いだ。
こっちじゃねぇ。

(通りへ戻る)
リトル:
ううう、そうだそうだ、俺が…うううう…
(チャーリーの部屋の中に人がいる)
(部屋に入ろうとすると)

リトル:
ちくしょう! またか、また俺は…
今度は何をやらかしたんだ…
あああ、くそっ、思い出せない…

リトル:
お前は誰だ、地球から来たのか?

俺は…俺は…
リ、ト、ル…リトルだ、
そうだそうだ、俺は酸素屋のリトルだ。

リトル:
それがなんで…
ちくしょう、またやつだ、やつが俺の時間を!

(リトルの姿と別の人物の姿が重なる)
(リトル?歩いていく)

あんた、頭いい人でしょ。
きっと僕よりも頭がいいんだ。
あんたは本の中から生まれてきたみたいな、
そんな人なんだよ。
問題が起きないようにするのが
あんたの役目なんだよね。

(リトル?去る)

(路地裏で窓に耳を澄ませる)

もう寝るよ、
おじさん、僕、眠いんだ。

気分が乗ってるんだ、コスマス、
おじさんは気分だぞ。

「酸素屋」

イースト:
はるばる地球から来た。

ウェスト:
来た。
ヘロデさんに用…だと。

イースト:
だと。
見れば分かる。

ウェスト:
なら取ってこい。

イースト:
来い。 赤い石だ。
取って来い。

ウェスト:
取ってきたら会わす。

イースト:
ぴかっと光る。
うわさで聞いた。

ウェスト:
ブリックロードだ。
赤い家。

イースト:
扉、開かない。

ウェスト:
ナゾだ。

イースト:
なんとかして開けろ。

ウェスト:
頭いいと

イースト:
開けられる。

ウェスト:
鏡の部屋の先だ。

イースト:
分かるか、鏡の部屋。

ウェスト:
あるんだ、でかい鏡。

イースト:
鏡はキライだ、見たくない。

ウェスト:
鏡はタブーだ。

イースト:
赤い石、ヘロデさん。
分かったか?

ウェスト:
分かったろ。赤い家だ。
ブリックロード。

イースト:
赤い石、ヘロデさん。
分かったか?

ウェスト:
分かったろ。赤い家だ。
ブリックロード。

(外へ出る)

トミー:
ようよう、兄ちゃんよう、
あいつらに何たのまれたんだ? え?

トミー:
おお? 兄ちゃんの顔、やっぱり
見たことあるぜ…
さっき会ったか、へー、
何たのまれたんだよ、言いなよ。

トミー:
何だよ、水くせぇじゃねぇか、
よう、赤い石だろ、図星!
ひーひひひ、あいつら欲しがってる…
へへへー、
でもな、赤い石なんて誰も見たことねえんだ!
なんでか分かるか? ああん?

トミー:
石のとこに行けねぇんだ! 扉が開かねぇ…
ブーマーのやつが力任せにやっても開かねぇ…
ハウスにいるヤングやクロウに言わせりゃ
火星人の扉だと。
へん! あるか、そんなもん!

トミー:
やつらにゃ目ん玉が見えるんだとよ、
人の頭ほどのでっけえ目ん玉がよ!
その目ん玉とお話しないと、扉は開かねぇ…
ひゃー! でっけぇ目ん玉だとよ!
恐々行ってみたぜ、俺もよ、見えねぇ…
俺には目ん玉なんて、見えねぇ…
くそったれ…
ううう、また気分が悪くなってきた…
吐きそうだ…おぇっおぇっおぇっ…
いつ会ったんだ…おえっ!

ブーマー:
目ん玉のところに行くのか?
見えねぇんだ、どうやってもな。
目ん玉なんざ、うそなんじゃねぇのか?

「ブリックロード」

マラケシュ:
あらイヤだ、あなたも鏡、気になるの?
大きな鏡があるのよ… 鏡なんてと思いながら、
でもやっぱり見てみたいの… 自分のお顔。

マラケシュ:
いじらしいと思わない、ねぇ、思わない?
 思う
 思わない

(思う)
マラケシュ:
そうよね、
見たくないけど見てみたい、そんな感じよ。
でも出るのよ、夜になるとオバケが出るの。
鏡がオレンジ色になって、
いやな女の笑い声が聞こえるの…
ビジュアル系の人は要注意よ。

(思わない)
マラケシュ:
冷たいのね、そんな制服着てさ。
せいぜいオバケには気を付けることよ。
夜の鏡はやばいのよ。
いやな女の笑い声が聞こえたりするんだから。
ビジュアル系の人は特にね。

マラケシュ:
アタシはごめんだけど、鏡の部屋ならこの先よ。
黒いカベの手前にあるわよ。

(鏡の部屋でスペーサーに変身)

スペーサー:
感じる…異質な空気だ…
それに…なにか臭う…

(アイテムシンボル)
スペーサー:
何かあるが…取れない、私では無理だ。

「コロニー」

(入口の機械)
アナタハ トウロクサレテイマセン。
クワシクハ カンリシャニ
オタズネクダサイ。

スペーサー:
やはりな…
私ではだめなのだ。

(入口の機械)
ヤハリ アナタハ
トウロクサレテイマセン。

スペーサー:
やはりな…
私ではだめなのだ。

「ブリックロード」

(扉の前に大きな目玉がある)

スペーサー:
…おかしい…私の中に…
言葉が聞こえる…

スペーサー:
一粒の砂にも世界を見て
一輪の野花にも天国を見る
たなごころの中に無限をつかみ
ひとときのうちに永遠を捉える…
古い詩の一節だ…預言者的な洞察を感じる…
それにしても、この詩は…

(暗転し、スペーサー、扉の中へ移動)
(フェイスと戦闘)
(戦闘後、落ちている物を拾う)

   赤い石を手に入れた。

(赤い石/狂おしいばかりの赤)

スペーサー:
この石は…これが酸素石なのか…
いや違う…他にもどこかで見たようだが…

(扉の外にはまだ目玉がある)

スペーサー:
どうしたというのだ…
か細い声しか聞こえない…

(鏡の部屋へ行くとスピリットマンがいる)

スピリットマン:
私は鏡の中にいる、
鏡の中でお前を待つぞ、ひょひょ。
(入力した名前)ノフに戻るのはたやすいぞ。
戻るか、どうするか?
戻るのなら鏡に触れてみろ

(ライカに戻る)

(コロニーに戻るとエイプリルのムービー)

(入口の機械)
ヨウコソ プリスン4ヘ。
ミスター(入力した名前)ノフ!

ブーマー:
イヤな夜だぜ…誰も戻らねぇ。
みんな夜につかまっちまうんだ、
夢に食われちまうんだ、みんな食われる…

トミー:
よよ、兄ちゃんよう、
赤い石、手に入れたのか?
すげぇな、そりゃすげぇ。
目ん玉はどうした? ほんとにあるのか?
 ある
 ない

(ある)
トミー:
ほんとかよ、へへ、
どうせ俺たちには見えねぇんだ。
兄ちゃんもハウスの野郎と一緒だ、
電波の実験してるやつと一緒だ。

(ない)
ねぇよな、そりゃそうだ、
ハウスのやつらはおかしいぜ。
電波の実験なんてよ、ありゃいかれてる。

トミー:
知ってるか、兄ちゃん。
ハウスの無線テレビな、
とっくに放送なんかやってねぇのによ、
ときどき妙なもんが映ったりするんだ、
気味悪いぜ、なあ兄ちゃんよう。

「サイコハウス」

(信号音を出している無線テレビに触る)
オクトーバー司令官:
あー、ライカ君、ライカ君だね…
いやあ大変だ、地球では火星がおかしなことに
なったと大騒ぎなんだ。
火星の顔が急に光を放ち、
いろんな電波や光線が攻撃してくるらしい。
たんなる光のいたずらだと思いたいが、
早くもいくつもの奇跡が報告され始めている。
あー、ペットが生き返った…
あー、円周率を思い出した…
だめだ、これは奇跡ではない。
とにかく、何かあったらまた連絡する。
(通信終わる)

リンダ:
ねぇ、アタシとさー、マラケシュさー、
どっちがイケてるかって、
聞きたいけどやめるー。

「ナイトプラネット」

ゴールド:
うろちょろするのが好きなのか?
このコロニーのこと、
何にも知らねぇみたいだな…
お前みたいに制服着てるやつが
観光できる場所じゃねぇ。
分かるだろ、分かったらとっとと消えな。

「酸素屋」

イースト:
来たか、持って、赤い石。

ウェスト:
その顔は、もちろん。

イースト:
出せ。

赤い石を渡しますか?
 渡す
 渡さない

(渡さない)

ウェスト:
それはない。
お前は赤い石を持ってる、
渡すことでお前は救われる。

イースト:
さあ、渡せ。
俺たちもたのまれてるんだ、さあ、渡せ。

(渡す)

ウェスト:
これだ…赤い石…

イースト:
よくやった、犬顔。

ウェスト:
そうだ、犬だ、お前は!
俺たちは犬キライ。

イースト:
そう、キライ。

ウェスト:
犬をけ飛ばす。

イースト:
そう、いじめる。

ウェスト:
好きくないんだ、犬が!

イースト:
犬がな!ひょー!

ウェスト:
ひょー!

(イーストとウェストの後ろから人が来る)

ヘロデ:
何の騒ぎだ?

イースト:
調査とな。

ウェスト:
火星の。

ヘロデ:
ふん、お前か、調査隊っていうのは。
また地球化計画とやらの話が持ち上がったのか。
それでこそこそ調べに来た、そうなんだな。
何をだ、何を調べてる…
ここはうまくいってる、とっとと戻って、
そう報告することだ。

イースト:
そうだ、うまくだ。

ウェスト:
問題なしだ。

ヘロデ:
地球のやつらが、
ここをどうしようっていうんだ?
いいか、これだけは忘れるんじゃない。
私はお前たちが見捨てたこの星を
なんとか立て直そうと、身を粉にして働いた。
鉱脈を見つけ酸素石を掘り出して、
地球と同じように暮らせるよう努力したんだ。
その甲斐あってコロニーはよみがえった。
もう流刑地などと呼ばせるわけにはいかない。
不満の冬が終わり、輝く夏に変わったのだ!

イースト:
終わったのだ。

ウェスト:
そうだ、輝くんだ。

ヘロデ:
ここにはあらそいもない、失望もない、
お前たちの出る幕もない。そういうことだ。

イースト:
ことだ。

ウェスト:


ヘロデ:
今夜の宿を用意してやる。
明日の朝、飛び立つんだ。

ヘロデ:
イースト、ウェスト、13号監房にご案内しろ。
私はそろそろ休むことにする。

イースト:
ヘロデさんはお休みだ。

ウェスト:
眠いんだ。

イースト:
お前は13号監房。

ウェスト:
昔は牢屋、今はホテルだ。

(ライカ、イーストとウェストに連れて行かれる)

イースト:
ここがホテル。13号監房だ。
そこの派手なのがリャンハウス。

ウェスト:
火星で人気の整形屋。

イースト:
犬顔、直す。

ウェスト:
俺たち、犬、キライ。

イースト:
冒険は終わりだ。

ウェスト:
もう寝ろ。

イースト:
冒険は終わりだ。

ウェスト:
もう寝ろ。

「13号監房」

(スイッチを押す)
まもなく消灯の時間です
照明を落とします、照明を落とします。

(暗転)

(ライカ、巨大なおもちゃ箱の中身のような場所にいる)
(大きな扉が開いて大きな人物のシルエットが映る)

ウラジミール:
なんだ、もう帰ってたのか、
(入力した名前)ノフ。
お前が早く帰ってきたからといって、
この私が喜ぶとでも?
セルゲイ兄さんに遊んでもらえ。

(ライカ、13号監房で目覚める)

(外への扉を調べると)
今日は店じまいか?

犬顔が来たぞ。
いい客だろ。

ねぇ、ヘロデが呼んでたよ。

呼んでた?
俺たちを?

さっきまで一緒だった。

アガタをさがして欲しいんだって。
もう眠いんだって。

ヘロデさんにはアガタが必要。

いないと眠れない。

俺たちじゃ務まらない。

悪夢だ、悪夢だ、悪夢はごめんだ。

(イースト、ウェストが去る気配がして扉が開くようになる)
(外に出る)

ヴェロニカ:
あんたも仲間なの?
あいつらと一緒なの?

ヴェロニカ:
簡単よ、あいつら動かすの。
あんたもあいつらみたいに簡単なの?

ヴェロニカ:
ねぇ、簡単ってどういうことか知ってる?
サイコロに命令するようなものよ。
何回かに一回、必ず命令通りになるの。
だから私、命令をためてる。
いざっていう時に使うのよ。

ヴェロニカ:
今は…そうでもないよ。
今がいざっていう時じゃないってこと。

ヴェロニカ:
アタシ、ヴェロニカ。あんたは?
 ライカ
 (入力した名前)ノフ

(どちらでも)
ヴェロニカ:
ねぇ、あんたの他にも新しい人見たよ。
ナイトプラネットのところで。女の人。
ナイトプラネットにはゴールドがいるの。
あとスモーキーもよくやってくる。

ヴェロニカ:
あいつ、大キライ。スモーキー…
死んでしまえばいいのよ。
あんたもきっとそう思うから。
(ヴェロニカ、去る)

リンダ:
ねえ、ちょっと、あんたずるいよー。
あんな可愛いコと一緒だなんてー。
あんたのこと、さがしてたよー。

(セーブ犬)
死刑がなくなって、お前たちは幸せか…
いーや、不幸だ!
ここで生きながらえるほど
不幸なことはないぞ。
酒場の手前にある屋根の崩れた部屋あるだろう、
昔は処刑室だったところだ。
プリズン4では
電気イスのチャーリーって名前だ。
チャーリーは処刑が大好きなんだ。
処刑のある日にはコロニー中の電気が
いつもより暗くなる。
チャーリーが電気を独り占めしてる、
そんなウワサが広まったこともあるぞ。

サミー:
あら、またまたサミーよ。
今夜はトミー、おかしいみたい。
すぐアタシになっちゃうの。
ねえ、ところでさ、
あんた一人じゃないのね。
可愛いコのこと、隠してたの?

サミー:
そのへんにいるはずよ、さがしてみれば。

ブーマー:
夢に襲われるんだ、
夜から抜け出して来るんだ…

(酸素屋の扉を調べる)
あなたね…
エイプリルと一緒だったのは。
行ってあげて、
彼女、あなたのこと待ってるわ。

「ナイトプラネット」

ゴールド:
見なよ、あいつ。

スモーキー:
へへっ、おまわり!
おまわりが何の用だ!

ゴールド:
おい、ここがどういう場所か分かってんのか?

スモーキー:
気取り屋のおまわりか!
ひょーひょー!

ゴールド:
なんか飲むのか?
ええ?

スモーキー:
おい! 俺に用じゃないのか?
くそったれ!
俺に用があるんだろ、俺をどうしたい?
このスモーキー様を
どうしたいって聞いてんだよ!

ゴールド:
どうした、酒は飲めねぇのか。

スモーキー:
ひひひ、とびっきりのやつを
ごちそうしてやる!

ゴールド:
おい、何とか言え!
飲むのか、飲まねぇのか、どっちだ!

スモーキー:
…どうした、おい! ちくしょう!
ふざけたマネしやがって、くそ!
吐くまで飲ませてやる!

ゴールド:
よせ、スモーキー。今夜はやばい。

スモーキー:
うるせぇ! 気に入らねぇんだ!
この野郎が!

スモーキー:
おい! 気取り屋!
強いんだろ?
かかってこいや。
てめぇなんか、ハイハイしながら
ママのミルクでも飲んでりゃいいんだ、
くそったれ!
ひぇへへへへ、どうした、
おっかなくて泣きだしそうか?
ママに抱っこしてもらいてぇんだろ、マヌケ!
ちょっとでも動いてみろ、
その小汚ねぇ犬顔、
血と涙でぐしょぐしょにしてやる!

ゴールド:
スモーキー!

スモーキー:
黙ってろ!

やめて!

(エイプリルが店に入ってくる)

ゴールド:
今度は女か。

スモーキー:
ひゅーひゅー!

エイプリル:
あなたたちとケンカするために
火星に来たんじゃないの。
この星に何やら良くないウワサがあって、
それを調べに来たのよ。
先遣隊のガリル大佐について何か知らない?

ゴールド:
ガリル! 今や伝説だ、
今頃は善人の光に包まれてることだろう。
へっ、要は変わり者だってことよ。
で、ここには何の用なんだ?

スモーキー:
飲みに来たんだよ、
俺たちと一晩中飲みたいってよ、ひょー!
おまわり酒場だ、ひょー!

エイプリル:
人をさがしてるの、仲間よ。

ゴールド:
人? お前らの他にもまだいるのか。
ここには誰も来ちゃいねぇ。

スモーキー:
お姉ちゃんよう、
そのうすのろぶちのめしたあと、
このスモーキーちゃんと
モクモクしねえか、ええ?

エイプリル:
いいかげんにしてよ!

スモーキー:
てめぇ! おとなしくしてりゃ、
でかい口たたくじゃねぇか、お姉ちゃんよう!

ゴールド:
おい、スモーキー、
今夜のところはもう帰るんだ。
騒ぎはごめんだ。

スモーキー:
くそ!手前ぇら、いい気になりやがって!

スモーキー:
気取り屋どもが!
せいぜい気を付けることだな!
(スモーキー、去る)

ゴールド:
お前らも帰れ。目障りだ。

エイプリル:
仲間のふたりが行方不明なのよ。

ゴールド:
ここにはいねぇ。見りゃ分かるだろ。
ここのやつらは、お前らみたいに制服着てる
やつにこっぴどくやられたからな、
いい気がしねぇんだ。くそったれ!

エイプリル:
私たちはあなたたちの言う
おまわりじゃないのよ。

ゴールド:
似たようなもんだ。人さがしなら
メディスンマンのやつらにでも聞いてみな。

エイプリル:
メディスンマン?

ゴールド:
知らねぇのか。
お前らと同じ、地球から来たやつらだ。

エイプリル:
先遣隊ね! 生きてたんだ!

ゴールド:
へん! 生きてたんだ!?生きてても
死んでるようなもんだぜ、あいつらは。

エイプリル:
彼らはどこ?

ゴールド:
やつらはロッジだ。
広場の換気塔の手前を右に行くんだ。

エイプリル:
換気塔の手前ね。ありがとう。
ライカ、行きましょ。
メディスンマンに話を聞くのよ。

(エイプリル、ライカ、店を出る)
(隣の家のドアの前に少年がいる)

お客さんなの?

コスマス:
お客さん?

エイプリル:
ちょっと聞いていい?

コスマス:
僕、コスマスだよ。 うとうとしてたんだ。
もう寝ようと思って。消灯時間さ。

エイプリル:
そう…今晩は、コスマス。
ねぇ、メディスンマンってどんな人なの?

コスマス:
お祈りしたり、おどったりする人だよ。
メディスンマンって、
病気を治す人って意味らしいよ。

エイプリル:
どうして彼らは離れた場所にいるの?
コロニーでみんなと一緒じゃないの?

コスマス:
彼らは特別なんだよ。超能力があるんだ。
でも、マウンテンはインチキだって言ってる。

エイプリル:
マウンテンって?

コスマス:
ハウスでいろいろ研究してる。
メディスンマンのロッジに入る暗証番号を
教えてくれるよ。
マウンテンはこっそり
ロッジの様子をさぐったりしてるんだ。

エイプリル:
どうしてこっそりなの?

コスマス:
マウンテンたちと
メディスンマンは仲が悪いんだ。
メディスンマンは金星人を
信じちゃいないからね。

エイプリル:
金星人?
ここには金星人もいるの?

コスマス:
ここにはいないさ。
力がやって来るんだ、宇宙からね。

エイプリル:
ところで、あなたのその顔、どうしたの?

(犬顔ではない、コスマスの人間顔がアップになる)

コスマス! コスマス! どこにいるんだ?

コスマス:
レッドおじさんだ…もう行くね、じゃあね。
(コスマス、家の中へ)

エイプリル:
メディスンマンに話を聞きに行かない?

「ナイトプラネット」

ゴールド:
まずいぜ、スモーキーのやつ、
あれでおとなしく引き下がるはずがねぇや。

(外に出る)

トミー:
へへ、換気なんてしてねぇのによう、
換気塔なんてよう、いらねぇ、いらねぇ。
酸素屋のヘロデがこしらえたけどよう、
あいつは役立たずだ。
毎日、朝も夜も、眠い眠いさ。
いっつも眠いんだ。

ブーマー:
夜が怖い、夢が怖い…

「サイコハウス」

マウンテン:
あんたは…そうか!
あんたか、新しい使者というのは!
喜びが増えるぞ。
で、どっちなんだ、
あんた自身は、分類として、
金星なのか? もう、すでに、そうなのか?
 金星から来た
 地球から来た

(金星から来た)
マウンテン:
あははははは、ユカイだ、いいぞ、そうだ!
つまるところ、あんたはむかえに行ったんだ。
いや、実際にあるぞ、プラズマになれば
星間飛行などたやすいことだ。

(地球から来た)
マウンテン:
誰でもそう思っているだけだ、
でも本当は違う、もっと別の現象だ!
カオスがのしかかっているからな、
星の名前があっちこっち動いたりするんだ。

マウンテン:
あんたを見て分かった、やっぱりな。
さぐりに行くんだろ、
やつらだ、メディスンマンのやつらだ。
あいつらはたぶらかしの天才、そうなのだ!
金星人を無視しようとする、いけないことだ。
よし、やぶさかではないぞ、
見つからないようにこっそりとな。
教えてやる、オートロックの暗証番号は…

マウンテン:
暗証番号は、6だ、そうだ!
6だ! オートロックだ、はっ!

マウンテン:
私は何も言わないぞ、
ただ心をきれいにして信じているだけだ。
実験が始まったら声をかけるぞ。

(外に出る)

エイプリル:
ちゃんと聞けた、暗証番号?
行こう、換気塔の手前を右よ。

(換気塔の手前の右に行く)

エイプリル:
オートロックよ…さっきの暗証番号、
覚えてる? 入力してみない?

(ライカ、ドアを操作する)

エイプリル:
え? ひとケタなの、暗証番号って。

(誰かの声)
誰だ?

エイプリル:
地球から来た…その…
世界連盟の宇宙航空隊です…

(誰かの声)
何の用だ?

エイプリル:
メディスンマンの方にお会いしたくて…

(誰かの声)


エイプリル:
私たちは不時着して、
それでこのコロニーに来る途中で
仲間とはぐれたんです。

(誰かの声)
ロッジには誰も来ない。

エイプリル:
…マウンテンって人から聞いたの、
あなたたちなら何か心当たりが
あるんじゃないかって…

(誰かの声)
マウンテン!? あいつはインチキだ。
あんなやつにたよってはいけない。

エイプリル:
じゃあ、お願いします。

(誰かの声)
…入れ。

(ドアが開く)

エイプリル:
この扉から入るのね。
ホワイトイーグルってどんな人かなぁ?

(ドアの中に入る)

エイプリル:
バーにいた連中、イヤな感じね。

エイプリル:
火星には3種類の悪人がいるんだって…
アガタっていう人が教えてくれたの。
バーのふたりと、金星人を信じてるマウンテンは
きっと違う種類の悪人よね。

ノーブルロック:
サイコ系だ。金星人野郎はサイコ系、
我々はそう呼んでいる。

(奥から浮遊する人が来る)
ノーブルロック:
マウンテンにそそのかされでもしたのか?

エイプリル:
メディスンマンって、あなたなの?

ノーブルロック:
そうだ… 長老がお会いになるそうだ。
さあ、こっちへ。

「ロッジ」

ノーブルロック:
長老はロッジの中だ。私はここで待つ。

(建物の中へ入る)

地球から来たのか?

エイプリル:
そうです。
でも仲間とはぐれてしまったんです…

(浮遊する人が現れる)
ホワイトイーグル:
お仲間も
この星の悪意に憑かれたのじゃな。

エイプリル:
星の悪意?

ホワイトイーグル:
ふほほ、この星は悪意を持っておるのう。
わしらはイーブルマインドと呼んでおる。
星の邪気と言ってもいいじゃろう。

エイプリル:
イーブルマインド…
土が原因だったわけじゃないのね。
ガリル大佐もそのイーブルマインドに…

ホワイトイーグル:
ガリル! ふほ!
やつを追うのはあきらめろ、不可能じゃ。
やつは最後のピースじゃった、
そういうことじゃ。

エイプリル:
どういう意味?
最後のピースって?

ホワイトイーグル:
黒い騎士の話は知っておるか?

エイプリル:
黒い騎士…
世界に死をもたらし、破滅に導く黒い騎士…
それがどうかしたの?

(黒い騎士の映像)
現れたのじゃ、ここ火星にな。
黒い騎士がほうぼうで悪を吸い集めておる。
黒い騎士が完全な悪になったその時、
世界は終わるのじゃ。
審判の時じゃのう、
ふほ、この星の宿命なのじゃのう。

エイプリル:
宿命… 審判… なんだか預言みたいね。

ホワイトイーグル:
ほう! 預言! お前さん、
預言については、何か聞いておるのか?

エイプリル:
いいえ、何にも。私たちの任務は、
火星に妙なウワサがあると
地球化計画が進まない…
だからウワサの出所を突きとめることなの。
ガリル大佐が何か関係してる、
そこまではつかんでいるのよ。

ホワイトイーグル:
ふほふほふほ! 地球化計画とな…
またぞろぞろ人がやってくるのか…
いかん! それはいかん!
ますますいかん!

エイプリル:
どうして?人がやってくるのが良くないの?
治安が乱れるから?

ホワイトイーグル:
人というのは必ず心のスミに
悪をはびこらせておるのじゃ。
その悪がいかん。

エイプリル:
でも中には善人もいるのよ。

ホワイトイーグル:
善人!
久しぶりに聞いたのう!
いいか、忘れるでない、完全な善などあり得ん。
善と悪、それでバランスが保たれておる。

エイプリル:
そう…善人なんてあてにならない…
そういうことね。

ホワイトイーグル:
少なくともこの星ではな。お仲間はどうじゃ?
善人なのか?それとも…

エイプリル:
悪い人じゃない、それしか言えないわ。
まだ見込みはありますか?

ホワイトイーグル:
悪い人じゃない…そういうことなら、ふほ、
あそこに行くがよい。

エイプリル:
あそこって?

ホワイトイーグル:
記憶の谷じゃ。

エイプリル:
それはどこなの?

ホワイトイーグル:
ブリックロードの途中に、
黒いカベがあったのう。
そこに扉があるのう。記憶の谷へ入る扉じゃ。

エイプリル:
ブリックロードの黒いカベね。
ありがとう。

ホワイトイーグル:
おお、ばらよ!お前は病んでいる!

エイプリル:


ホワイトイーグル:
これが合言葉じゃ。それで扉は開く。

エイプリル:
おお、ばらよ!お前は病んでいる!
…これでいいのね。

エイプリル:
行きましょ、
ブリックロードの黒いカベのところよ。

(ロッジを出る)

エイプリル:
どうしたの、ライカ?
宿命とか審判とか、変な話ばっかり…
でもなんだか面白そうじゃない?

ノーブルロック:
記憶の谷へ行くんだな。
気を付けることだ、あそこはなくした記憶が
よみがえる場所だ。
それはウソのものかも知れん。

エイプリル:
ありがとう…
ねえ、ひとつ聞いていい?

ノーブルロック:
何をだ。

エイプリル:
あなたたちは整形を受けないの?
コロニーでは、ヴァニティフェイスが
流行ってるのよ。

ノーブルロック:
邪道だ。我々は人間の顔を手に入れるために
ここに来たのではない。
お前たちもそうだろう。

エイプリル:
でも、すごい美少年がいたのよ。
あんなにきれいになれるなんて…
大した技術ね。

ノーブルロック:
よこしまな気を宿してはならん。
イーブルマインドに憑かれてしまう。
用心することだ。

エイプリル:
きれいになりたいっていうのも、悪なの?

ノーブルロック:
そうだ。見かけにこだわる欲悪だ。
ビジュアル系と呼ばれている。
マウンテンどもは知悪だ…
ふん!こざかしい連中だ!
おかしなことに
うつつを抜かしている連中だ。

エイプリル:
欲悪と知悪。
知悪はサイコ系ね。他には?

ノーブルロック:
何故、そんなに知りたいのだ?
酒場にたむろする連中は力悪だ。
アニマル系だ。
なんでも暴力で解決しようとする。

エイプリル:
それで3悪ね…
ありがとう。

ノーブルロック:
記憶の谷では気を付けるんだ。
あらぬものが見えても心を
動かされるんじゃない。分かったな。

ノーブルロック:
記憶の谷はまやかしだらけだ。
気を付けろ。

(外に出ると隣の窓から声がする)

そうだ、コスマス、
早くその薬を顔に塗るんだ。

眠いよ…

コスマス、忘れちゃいかんなぁ…
誰がお前をこの可愛い顔に仕上げんだ?
ふうん?
俺はなぁ…今夜は気分が乗ってるんだ、
さあ、こっちへおいで。
おじさんが塗ってあげよう。



なにをぐずぐずしてる。
さあ、おいで。

エイプリル:
さっきの子ね。
無理に整形させられたのね…

ダンスの時間だ。

ひひひ、コスマス、お前は可愛い、
ほんとに可愛いぞ。

おじさん、眠いよ、眠い…

エイプリル:
あの子、なにかひどい目にあわされてるのよ。
なのにみんな見て見ぬふりしてる…
イヤなところね。

エイプリル:
ダンスの時間って?
なんだかあの子、かわいそうね。

(セーブ犬)
火星は小さな星だ。
しかしお前たちにとっては
とてつもなくデカイ星だ、忘れるな。
今は行けなくなったが、
記憶の谷からさらに下った自我の谷にも
コロニーがあったぞ。
陰気くさいところだった。
いつも霧におおわれていて、
ろくに前も見えない。
ある朝、コロニー中が紫になってたらしい…
夜のうちにイーブルマインドに
飲み込まれたんだ。
何人かはプリズン4までたどり着いたが…
おかしくなってしまった。

ラミー:
なんだな、僕だな、ラミーだな。
今度はふたりだな、あと何人だな…
仲間、はぐれたんだな。
記憶の谷だな、あそこだな。

ラミー:
はぐれたやつはきまって記憶の谷へ行くな。

「サイコハウス」

マウンテン:
円周率だ、円周率で増えたり減ったりするんだ。
定理を見つけたんだ。
小数点以下30ケタまで覚えているぞ。
聞きたいか?
 聞きたい
 聞かない

(聞きたい)
マウンテン:
3.141592653589793
238462643383279。

(聞かない)
マウンテン:
これは私の問題なのだ。
あんたではなく、私のだ。

マウンテン:
円周率はいろんな場面で応用が利くからな。
役に立つんだ。実験でも使うかも知れん。
実験が始まったら声をかける、参加するんだ。

(外に出る)

ブーマー:
夢見た…
陽は赤く燃え、その焼け跡に町を残した…

ブーマー:
夢が怖い、思い出も怖い…

(ブリックロード方面へ行こうとすると止められる)

イースト:
お前たち、お呼びだ。

ウェスト:
リトルさんがな。顔貸してもらおう。

イースト:
顔。

エイプリル:
何よ、今は先を急ぐんだから!
それにリトルさんって?

(ライカ、エイプリル、酸素屋の前に連れて行かれる)

イースト:
さあ、リトルさんは中だ。

ウェスト:
俺たちはここで見張ってる。

(酸素屋に入る)

リトル:
お前だったのか…
ふん、こそこそ何をかぎ回ってるんだ!

エイプリル:
知ってるの? ライカのこと。

リトル:
いや、俺は何も知らない、
そうだそうだ、何もな。

エイプリル:
ねぇ、どうしてここの人たちは、
みんなぴりぴりしてるの?
何かよくないことでもあるの?

リトル:
ここはカンペキだ。何も悪いところはない。
迷信に振り回されて大騒ぎしてるのは
お前たちの方だ、ええ?

エイプリル:
迷信? メディスンマンから聞いたのよ、
イーブルマインドや黒い騎士の話。
どこかで悪が大きく育っているのよ。

リトル:
やけに威勢がいいな、ええ?
隣の倉庫を見たか? あれが酸素石だ。
あれは俺たちが掘り出したものだ。
お前たちが見捨てたこの星は、
あの酸素石でよみがえる。
今さらお前らの手を借りる必要はない、
そうだそうだ。
この星にはこの星なりのやり方がある、
そういうことだ。

エイプリル:
分からない…
迷信なら迷信でいいの。
でも実際にザ・フェイスの上空で
おかしな光に包まれたのよ。

リトル:
ザ・フェイスには何の変化もない。
あれは滅んだ火星人の
置きみやげみたいなもんだ。
ご希望とあらば、ザ・フェイスまで
酸素パイプラインを敷いて観光名所にしたって
構わないんだ、ええ、そうだそうだ。
地球のやつら、人間の顔を拝みに
はるばるやってくるだろう、
そうだそうだ、整形屋はおおはやりだ!

エイプリル:
私たちが着陸しようとしたとき…それに…

リトル:
操縦を誤っただけだ、よくあることだ、
そうだそうだ。

エイプリル:
そうね…分かったわ、
はぐれたクルーを見つけて、
ザ・フェイスに何も異変が見あたらなかったら
さっさと引き揚げる、これでどう?

リトル:
賢明だ。さっさとな、
それが賢明だ、そうだそうだ。

エイプリル:
船長と機関士がいないと
ロケットを飛ばせないのよ。

リトル:
仲間さがしには協力をおしまないつもりだ。
明日の朝にでも人手を出してやろう、
そうだそうだ。

エイプリル:
もう行っていい?

リトル:
あのふたりに送らせよう。
(リトル、去る)

エイプリル:
あのふたりって…
あの人たちのことね。
ヒガシとニシからやってきて、
コロニーに居着いたんだって。

(外に出る)

イースト:
お前たち、明日帰る。

いいこと。今夜、寝る。

イースト:
俺たち、寝ずの番。

ウェスト:
見張る。

(13号監房へ連れて行かれる)

イースト:
着いた。

ウェスト:
入れ。

(13号監房の中にライカとエイプリル)

エイプリル:
どうしよう…
これじゃ記憶の谷へ行けなくなる。

エイプリル:
黒い騎士…審判…まるで黙示録ね。
黙示録では本当は青ざめた馬なの。

エイプリル:
青ざめた馬を見よ。
これに乗る騎士の名を死と呼ぶ。
死の騎士が駆け抜けた後、
世界のほとんどは死によって支配される。
飢えとおそろしい獣たちによって、
全ての人間は神のさばきを受けるだろう。

エイプリル:
黙示録のことは子供のころ本で読んだの。
全てがなくなる、世界が終わる…
ママに聞いたらそんなのウソだって。
世界は絶対になくなったりしない、
そんな心配より自分のことや
私のことが心配なんだって。
ママはいつも心配してたの。

(ライカがドアを開けるとアガタ登場)

エイプリル:
アガタ!
あのふたりを帰したの?

マダム・アガタ:
そうよ。
さあ、行って。早く!

エイプリル:
教えて欲しいの。この星には何があるの?
黒い騎士とか審判とか…

マダム・アガタ:
エイプリル、今は時間がないのよ。
あなたの仲間が捕らえられてしまうわ。

エイプリル:
誰?
そんなことする人って?

マダム・アガタ:
人?いいえ、人なんかじゃない。
さあ、早く、仲間を助けなきゃ。
地球に戻れなくなるわ。

エイプリル:
わかった。
ありがとう、アガタ。

マダム・アガタ:
記憶の谷はブリックロードから行くのよ。
黒いカベのところよ。

エイプリル:
なんで…
なんで私たちが記憶の谷に行くって…

マダム・アガタ:
この星に来て、迷いこむとしたら
あそこしかないの。
さ、行って。
気を付けてね。
(アガタ、去る)

エイプリル:
どうしたの、ライカ?
宿命とか審判とか、変な話ばっかり…
でもなんだか面白そうじゃない?

マダム・アガタ:
気を確かに持つのよ、
記憶の谷で何が起きても動じないでね。
この星のよこしまな力に
とらわれたりしないでね。

「ブリックロード」

エイプリル:
記憶の谷よ、ライカ。
きっとブリックロードの黒いカベに
入口があるのよ。

エイプリル:
何?
今なんか言った?

エイプリル:
誰?
誰か呼んだ?

エイプリル:


エイプリル:
おかしいな… 確かに私の名前を
呼ぶ声が聞こえたんだけど…

エイプリル:
いいわ、何でもない… 行きましょ、
この先にある黒いカベのところがそうね。

(黒いカベの所のドアに着く)

エイプリル:
ここね。 合い言葉、何だっけ?

1 おお?ばらよ、お前は病んでいる?
2 おお、ばらよ?お前は病んでいる!
3 おお、ばらよ!お前は病んでいる!
  1
  2
  3

(1)
エイプリル:
おお?ばらよ、お前は病んでいる?

エイプリル:
おかしいな…これじゃないんじゃない?

(2)
エイプリル:
おお、ばらよ?お前は病んでいる!

エイプリル:
おかしいな…これじゃないんじゃない?

(3)
エイプリル:
おお、ばらよ!お前は病んでいる!

(扉が開く)

エイプリル:
開いた!

(誰かの声)
なんだなんだ、おどかすな!

(扉の中に人がいる)
ヤング:
いきなり何だよ。
そんな古くさい合言葉なんてもういらないんだ、
普通に開いただろ、開かなかったか?

エイプリル:
閉まってたわ。
ホワイトイーグルに教えてもらったのよ。

ヤング:
おかしいな、まあいいや、
お前たちこんな時間にどこ行くんだ、
まさか記憶の谷に降りていくつもりじゃ
ないだろうな、
おっかないよ、
あそこはおっかないことになってる、
本当だ、
ちゃんと見てきたんだ、俺が見たんだ。

エイプリル:
何がおっかないの?

ヤング:
おっかないったら、おっかないんだ、
もうみんなコロニーには戻らない、
行ってしまったんだよ!

エイプリル:
行ったって、どこへ?

ヤング:
あっちの世界だ、あああ、
みんなロボットみたいに変な話し方をする。

エイプリル:
ロボット? ねぇ、ロボットって…
お手伝いロボットか何かいるの?

ヤング:
うははは、
マウンテンが言ってた奇跡が起きたんだ!
うははは… 奇跡だ、ロックバースの奇跡、
ははは、ざま見ろ!

(ヤング、いなくなる。エイプリル、ライカ、扉の中へ)

エイプリル:
やっぱり変よ。なにか起きてる。
マウンテンの奇跡って何?
それが審判のことなのかな…
とにかく記憶の谷へ行ってみましょう。

(エイプリル、階段を降りていく)

(ライカも階段を降りて記憶の谷へ)


――――――――――――――
プラネットライカ・台詞03・記憶の谷~コロニー
記憶の谷~コロニー


「記憶の谷」

(白い霧が立ちこめている)

エイプリル:
ここが記憶の谷ね。
酸素石はここで掘り出していたのよ…
なんだか吸い込まれてしまいそうな雰囲気ね。

エイプリル:
人の気配がしないけど…
奥に行ってみない?

(クロエのムービー。ライカ、ヨランダに変身)

(クロエの上半身が浮いている)

エイプリル:
まさか…あなたは…

エイプリル:
クロエ…そうよね… 船長が言ってた…

エイプリル:
ねぇ、どうして…
ライカ… ライカ!

エイプリル:
(入力した名前)ノフ!
どうしたの? ねえ!

(ヨランダ)
あなたがエイプリルね。
そしてそこにいるのが…

クロエ:
クロエよ。あなたは?

(ヨランダ)
アタシは、ヨ、ラ、ン、ダ…
ヨランダよ。

ヨランダ:
クロエちゃんね。
ねぇ、あなたとアタシは似てる、そう思う?

クロエ:
分からないわ。私はたぶん…

ヨランダ:
たぶん、何なの?

クロエ:
誰にも似ていない。

ヨランダ:
そう、同じね。
アタシもそう思うときがあるの。
ひとりの時に思うのよ、
アタシって何だろうって。

クロエ:
私もいつもひとりよ。今は違うけど。

ヨランダ:
そういうところもそっくりねー。
今はじゃあ誰と一緒なの?

クロエ:
タトラー…

エイプリル:
タトラーって… 船長?
ねえ、船長がいるの?

ヨランダ:
ふふ、いい人なの?
そのタトラーって、あんたのいい人?

クロエ:
いい人…分からない…

ヨランダ:
うーん、じれったいわね、
あんたの彼氏なんでしょ?

クロエ:
お友達よ。
ずっとお友達…

ヨランダ:
そう。じゃあ、
そのお友達のところに案内してよ。

(クロエ、奥の階段を昇っていく)

ヨランダ:
なにぐずぐずしてるの。
階段、のぼるのよ。

エイプリル:
あなたは…ライカ…
だよね…

ヨランダ:
もう! いい加減にしてよ。
何度も名乗らせないで。アタシはヨランダ。
せっかくのクリスマスだっていうのに、
誰かのせいでこんなところでうろうろ…さ、
船長さんを連れ戻して帰るのよ。
それくらいアタシにだって!

エイプリル:
わかったわ、ヨランダね。
私はエイプリル。

ヨランダ:
よろしくエイプリル。

(エイプリル、ヨランダ、階段へ)

(階段の上に行くと声が聞こえる)

エイプリル…あなたね…

可愛いエイプリル…
あなたがこんなに近くにいるなんて…
うれしいわ…エイプリル…私のエイプリル…

ヨランダ:
エイプリル、そっちじゃないみたいね!

ヨランダ:
ねぇ、町の中に入ってみましょう。

エイプリル:
誰の声なの… 私のこと…

(エイプリル、ヨランダ、階段の下に戻る)

ヨランダ:
それにしてもさ、何か陰気くさいところよね。
気が滅入っちゃう。

エイプリル:
町の中に入ってみない?

(ブリックロードとの扉は開かない)

(階段の下から町へ行く)
(入口に誰かがいる)

ヨランダ:
ちょっと、そこどいてよ。

酸素坑夫1号:
だめだ。
町には入れない、シーシー。
坑道はふさがってる、
酸素はもう十分だ、シーシー。

エイプリル:
酸素石じゃないの、仲間をさがしてるの。
お願い。

酸素坑夫1号:
仲間はいない。

ヨランダ:
何言ってんのよ!
あんたの仲間じゃないのよ。

エイプリル:
タトラー、ヌーン、
この名前を聞いたことはない?

酸素坑夫1号:
ヌーン!
…町長のことか! 知り合いか?

エイプリル:
町長?

ヨランダ:
ねえ、その町長さんはどこなの?

酸素坑夫1号:
町長は町長屋敷だ。

ヨランダ:
その町長屋敷はどこなの?

酸素坑夫1号:
町長屋敷は一番奥だ。

ヨランダ:
奥だそうよ。

エイプリル:
私たし、ヌーン町長と約束があるの。
だから通して。

酸素坑夫1号:
約束は聞いていない、シーシー。

ヨランダ:
ねえちょっと、いい加減にしてよ。

エイプリル:
ヌーンは町長なんかじゃないの!
私たちの仲間なのよ。
彼はウデの立つ機関士で、
私たちを地球に連れ戻してくれる、
その話があるから来たの。これでいい?

酸素坑夫1号:
住むわけではないのか、シーシーシーシー。

ヨランダ:
帰るのよ! 地球に。
こんなとこに住みたいなんて、
思うはずないじゃない!

酸素坑夫1号:
通れ。

(酸素坑夫1号、動く)

酸素坑夫1号:
シー、シー、やっぱりあやしい、シー。

ヨランダ:
何がよ、何があやしいの?

酸素坑夫1号:
シー、お前たち。
ここに住むつもりなんだろ、シー。

ヨランダ:
そんなワケないじゃない、こんな…

酸素坑夫1号:
こんな、何だ? シー。

ヨランダ:
いいの。 あんたたちは幸せそうね。
誰も邪魔しようなんて思っちゃいないから。
安心して。

ヨランダ:
家がみんな書き割りよ、ウソの町よ、
気味悪い。

エイプリル:
記憶… それとも願望なのかな…

(書き割りの家の中の人に、横から話しかけても無反応)

ヨランダ:
ねえ、町長屋敷はどこなの?

エイプリル:
あのー…ヌーン…町長に会いたいの…

ヨランダ:
何よ、失礼ね。

エイプリル:
ねえ、扉から入ってみるのは、どう?

(家の隣にモヤモヤした物がある)
ヨランダ:
何かしら…
ここに誰かいたのね、その跡ね。

(画面黄色くなる)
トーマス:
夜になると鏡の中に現れる、そういうウワサが
広まっているが、私はまだ見たことはない。
鏡の中なら、それはアマンダに違いない。
私なりに言うと彼女は鏡の精となったからだ。
鏡から鏡へ旅を続けている。
このことは寝ずの研究ではっきりしたが、
ときに私はぼんやりし始める。
(画面戻る)

エイプリル:
どうしたの、カベに向かって…
ブツブツやってたけど…

ヨランダ:
ん?

ヨランダ:
ああ、いや、なんでもないのよ。平気よ。

ヨランダ:
妙なカッコウね… なんだかね。

エイプリル:
私たちが見えてないのかな?

(書き割りのドアを開けて書き割りの家の中に入ると、家の中の人と会話が成立する)

酸素坑夫2号:
お前たち、この町に住む?

ヨランダ:
あーあ、ジョーダン言わないでよ。

酸素坑夫2号:
シーシー、
本当は住むつもりなんだろ、シー。

エイプリル:
私たちはヌーンに会いに来たの。

酸素坑夫2号:
町長か! この町は町長がこしらえた。
お前たちの家はない、シーシー。

酸素坑夫2号:
町長は立派な方だ、町長だからだ、シー。

ヨランダ:
そう、立派ね。よかったわ。

(次の家の中の人も、横から話しかけても無反応)
ヨランダ:
町長さんのお屋敷はこの先なの?

ヨランダ:
ちょっと、人が聞いてんのに、答えてよ!

エイプリル:
私たち、人をさがしてるんです。

ヨランダ:
ねえ! あんたたちのお遊びに
付き合ってるヒマないのよ! 分かる?

エイプリル:
もう一度、扉から入ってみない?

ヨランダ:
そうね… それがいいかも。

(書き割りの家の扉から入って話しかける)

酸素坑夫3号:
何だ、シーシー、人の家に勝手に…
そっとしておいてくれ。

ヨランダ:
あら! お言葉ね。 わざわざ出直したのに。

酸素坑夫3号:
俺に何の用だ、シーシー。

ヨランダ:
町長さんのお屋敷。

酸素坑夫3号:
町長に何の用、ほっとく、シーシーシー!

ヨランダ:
どうでもいいけど、
そのシーシーってどういう意味?

酸素坑夫3号:
そんなこと、言ってない、シー。

ヨランダ:
言ったじゃない、今。
あんた人をバカにしてんの?

酸素坑夫3号:
シー、シーシーシー、シー…

ヨランダ:
行きましょ。 きっとこの先よ。

酸素坑夫3号:
シー、シー、シーシーシー。

ヨランダ:
話にならないわね、これじゃ。

(書き割りの廊下のドアを押さえている坑夫に横から話しかけても無反応)

ヨランダ:
ちょっとあんた、何やってんの?
アタシたち、ここにいるよ。

ヨランダ:やれやれ、これじゃらちが開かない…

(そのまま奥に進んでもカラスの鳴く広場があるだけ)

ヨランダ:
何もないじゃない!

エイプリル:
ここの人たちにたずねてみない?

ヨランダ:
そうね。乗り気しないけど…

(戻って、酸素坑夫3号に横から話しかけても無反応)
ヨランダ:
町長さんのお屋敷はこの先なの?

ヨランダ:
ちょっと、人が聞いてんのに、答えてよ!

エイプリル:
私たち、人をさがしてるんです。

ヨランダ:
ねえ! あんたたちのお遊びに
付き合ってるヒマないのよ! 分かる?

エイプリル:
もう一度、扉から入ってみない?

ヨランダ:
そうね… それがいいかも。

ヨランダ:
なめられたもんね、あたしも。

(書き割りの廊下のドアを押さえている坑夫に横から話しかけても無反応)

ヨランダ:
ちょっとあんた、何やってんの?
アタシたち、ここにいるよ。

ヨランダ:やれやれ、これじゃらちが開かない…

エイプリル:
ねえ、ヨランダ…

ヨランダ:
何よ。

エイプリル:
ここの人たち、疑っているのよ…
私たちのことを…

ヨランダ:
だって、取って食うわけじゃないのに…

エイプリル:
こうしてふたりでいるのが良くないのよ。
別々に動かない?

ヨランダ:
いいわよそれでも。
迷わないでね。 町長屋敷よ。

エイプリル:
分かった。 そこの扉、ノックしてみたら。

ヨランダ:
そうね。ノックしてみる。
レディな雰囲気でね。

(書き割りの廊下のドアを押さえている坑夫に横から話しかけても無反応)
ヨランダ:
ねぇ、ホントに分からないの?
アタシのこと…分からないのね、そうなのね。

(廊下のドアをノックする)
ヨランダ:
ちょっと、ここを開けてよ。

ヨランダ:
ねえ、そんなに怖がらないで。
アタシは町長に会いに行くだけよ。

酸素坑夫4号:
シーシー…すぐに出ていくのか?

ヨランダ:
出ていくわよ。
町長屋敷にはどうやって行くの?

酸素坑夫4号:
この扉を抜けてまっすぐだ…
この扉を抜けないと着けないんだ。

ヨランダ:
じゃあ、通してよ。早く!

酸素坑夫4号:
シー!

ヨランダ:
シー!シー!シー!…これでどう?

酸素坑夫4号:
分かった…通す。

(酸素坑夫4号、扉を開ける)

ヨランダ:
このまま、まっすぐね?

酸素坑夫4号:
まっすぐだ、シー。

ヨランダ:
この先ね。

酸素坑夫4号:
シー。

「町長屋敷」

(書き割りの町長屋敷が建っており、中にエイプリルがいる)

エイプリル:
あっ、ヨランダ。

ヨランダ:
ここが町長さんのお屋敷ね。

エイプリル:
でも、誰もいないよ。
他に部屋はないみたいだし…

ヨランダ:
ちょっとさがしてみましょう。

エイプリル:
町長屋敷をさがしてみない?

エイプリル:
ねえ、ヨランダ、
あなたならヌーンをどんなふうにしかる?

ヨランダ:
しかる?
アタシが…ヌーンを?

エイプリル:
例えばよ。
ふざけてヌーンがどこかに隠れてる。
早く出てきなさい!
そんなふうに大声で呼んで…

ヨランダ:
あなたがグズだから、せっかくのスープが
さめちゃうじゃない、何してんのよ!
…こんな感じ?

エイプリル:
そう。 お母さんみたいに。
ヌーンはちょっとマザコンで、
すぐにホームシックにかかっちゃう人なの。

ヨランダ:
そうね…

ヨランダ:
ヌーン! 隠れてないで…
いるのはわかってるのよ! ヌーン!
あなた、ママのことキライになったの?
ママは悲しいわ。
ヌーン、あなたのためにパンケーキ焼いたのよ、
ねえいいにおいでしょ、ママもお腹ぺこぺこ、
あなたと一緒に食べようと思って…
いつまでも隠れてると
ママお腹すかして死んじゃうかも。

(どこからか声)
ママはそんなことじゃ死なないよ。

(ヌーン、現れる)

エイプリル:
ヌーン!

ヌーン:
エイプリルじゃないか!

エイプリル:
どうしたの、ヌーン! 何があったの?

ヌーン:
それにライカ君も…
これでお二方、おそろいというわけだ。

ヨランダ:
ちょっと、機関士のあんた、
なに気取ってんのよ!
それに、アタシのこと人違いしないで。
アタシはヨランダよ。

ヌーン:
ほう!
そう呼んで欲しければそれで構わない。
こんな夜ふけに、私の屋敷に何の用かな、
ヨランダとやら。

エイプリル:
ヌーン… ここは屋敷なんかじゃない、
それにあなたは町長じゃない、
私たちと一緒に来て。任務よ。

ヌーン:
任務!
ほほー、これはおどろきだ。
生憎だが今は書き物の最中でね、自伝だよ、
歴史が私の名を求めているのだよ。

ヨランダ:
何言ってんの、この人?

エイプリル:
ヌーン、お家に帰りたくないの?
任務が終われば、それだけ早く帰れるのよ。
ママの思い出に、会えるのよ。

ヌーン:
ううう、ママ! ママと一緒なんだよう!
ママ、もう僕のことせめたりしないで!

ヨランダ:
あなたが言うこと聞かないと、
ママ怒っちゃうわよ!

ヌーン:
うるさい! お前はママじゃない!

エイプリル:
ここはあなたのお家じゃないのよ、ヌーン。

ヌーン:
ううう、もらったんだ、
ガリルさんにもらったんだ、
ここでママと一緒になれる…

ヨランダ:
ガリル!
アタシたちがさがしている人ね!

エイプリル:
ガリルに会ったの?
ヌーン、目を覚まして!

ヌーン:
ママが呼んでる!
行かなきゃ、ママ!
僕、悪くないよ、しからないで!

(ヌーン、去る)

ヨランダ:
すっかりいかれちゃった、そんな感じね。

エイプリル:
ガリルがいるのよ、すぐ近くに。

ヨランダ:
よく思い出せないんだけど…
ロケットの中で話してたわね、ガリルのこと。
話の雰囲気からして、神様になろうとしている…
そんな感じじゃなかった?

エイプリル:
火星で多くの人が幻覚に悩まされたりするように
なったのは、ガリルが姿を消してからなの。
それまでは流刑者の生き残りが暮らすだけの
さびれた星だったのよ。
この星とガリルがつながっている…
光の私…船長はそんな言葉を口にしていたね。

ヨランダ:
船長たちねぇ…
そう言えばクロエちゃんのいい人って
タトラー船長のことでしょ。
どこにいるの? さがしてみない?

(町長屋敷を出ると、酸素坑夫3号の家の無線テレビが動いている)

酸素坑夫3号:
何だ?
違う、俺はそんな名前じゃない、シーシー。

エイプリル:
私たちにかな、メッセージ。

ヨランダ:
かもね…
新しいロケット飛ばしてもらわなきゃ。

(書き割りの家の扉を開けて酸素坑夫3号と話す)

酸素坑夫3号:
なんだ、お前たちは!
勝手に入るな、シーシーシー。

ヨランダ:
何かメッセージ、来てない?

酸素坑夫3号:
来てるが、勝手に入らないでくれ。

ヨランダ:
だから、こうやって来たんじゃない。

酸素坑夫3号:
シーシーシー! ダメだ、出て行け!

ヨランダ:
シー!シー!

酸素坑夫3号:
出て行け、シー。

ヨランダ:
はいはい、そうしますよ。

(書き割りの家の扉を開けて酸素坑夫2号と話す)

酸素坑夫2号:
お前たち、ほんとに住まない?

ヨランダ:
しつこいわね、住むわけないじゃない、
こんなところに!

酸素坑夫2号:
町長は立派なお方、この町作った、シー。

(酸素坑夫3号の家の無線テレビを調べる)

エイプリル:
気が付いていないみたいね。
無線テレビはどう?

(無線テレビにオクトーバー司令官が映る)
オクトーバー司令官:
あーあー、ライカ君かね?
あー、君はライカ君? そこにいるかね?

ヨランダ:
アタシたちに用なの?
ねえ、これ地球からなんでしょ?

オクトーバー司令官:
あーあー、君は誰?
あー、新しい事実だ、あーあー…

ヨランダ:
ちょっと、しっかりしてよ。
こっちも新しい事実が分かったのよ!

オクトーバー司令官:
あーあー、ライカ君に代わってくれ、
彼に話があるんだ、あーあーあー。
(通信切れる)

ヨランダ:
何よ! シーシーの次は、あーあーなの!

エイプリル:
私がもう一度やってみる。

ヨランダ:
あーあーよ。新しい事実がどうのこうの…
またあの名前で呼んでたわ…アタシのこと…

エイプリル:
…ちょっとやってみるね。
(エイプリル、無線テレビの前に立つ)

ヨランダ:
どう?うまくいきそう?
町長さんのこと、報告してみれば。

エイプリル:
ヌーンはあんな屋敷に住んだことはないの。
ここは変よ、
ウソの世界を見せられてるみたい…
ああ、ダメ、もう少しでつながるのに。

(記憶の谷の入口に戻るとスピリットマンがいる)
スピリットマン:
ひょひょ、こっち、来い来い、ヨランダ。
こっちだ、ひょ。

(酸素坑夫5号が出入り口の前にいる)
ヨランダ:
ねぇ、あんたたち、いつからここにいるの?

酸素坑夫5号:
シー、つながったんだ、シー。

ヨランダ:
何が? つながったって、
何がつながったのよ?

酸素坑夫5号:
夢と現実がだ、シーシー。

ヨランダ:
じゃあ、この町は夢なの? それとも現実?

酸素坑夫5号:
それを決めれば、だいなしになる、
ぜんぶだいなし、シーシー。

ヨランダ:
夢が現実で、現実が夢なの?

酸素坑夫5号:
シー、それ以上言わない、シー。
ところで私は5号だ、シー。

スピリットマン:
お前は何を求めているんだ、ヨランダ。
欲がお前を滅ぼすぞ、ひょ。
(スピリットマン消える。ヨランダ、ライカに戻る)

酸素坑夫5号:
ところでお前は…さっきのやつか?
私は5号だがな、れっきとした5号だがな。

(書き割りの家の扉を開けて酸素坑夫2号と話す)
酸素坑夫2号:
さっきと同じやつ… 違うやつ…

(書き割りの家の扉を開けて酸素坑夫3号と話す)
酸素坑夫3号:
無線テレビだ、シー…何年ぶりだ、シー。

(エイプリルの姿は無い)
(無線テレビを調べるとオクトーバー司令官が映る)
オクトーバー司令官:
あー、ライカ君だね、騒ぎは収まりそうもない。
そこで少し見方を変えて、火星人について、
掘り下げようと思う。
長年、火星人と昆虫との類似点を研究している
学者がいる。彼の意見を聞いてみて欲しい。

昆虫学者:
フンフン、聞こえていますか、フンフン!
フン!君は白アリについて、
どれほど知っていますか、フン!
白アリというのは実に不思議な生き物です、
フンフン!
彼らは何万匹という全体でひとつの個性を
作っています。
つまりです、一匹ずつではなく、
全体でひとつなのです、フンフン。
私の白アリ説を用いると、火星人が絶滅した
そのわけもはっきりしてきます、フンフン!
かねがね火星人というもの、白アリのような生態
ではなかったかと考えます、フン。
火星人がその昔地球にやってきて
人間の顔を求めた…
そう伝えられていますが、彼らに人間の顔は
合わなかったのです、フンフン。
顔の個性が邪魔をした、それで火星人社会の
ルールがおかしくなった、
そう考えられます、フンフン。
人間の顔がなんと火星人の絶滅をまねいたのです
フンフンフン!

(画面が赤くなり、「ALERT」と表示される)
坑道を閉鎖します。
閉鎖まで、あと少しです。
直ちに坑道から退出してください。
繰り返します。坑道を閉鎖します。
閉鎖まで、あと少し。
直ちに坑道から退出してください。
これは訓練ではありません。

(谷の出入り口に行くと坑夫たちがいる)
酸素坑夫1号:
おい!
大変が起きた!シー!

酸素坑夫2号:
お前の仲間がアイスレイクに入った、
アイスなレイクだ、古い酸素坑道がある、
シーシー!

酸素坑夫3号:
連れ戻そうとしたら、アラートだ、
警報だ、シー!

酸素坑夫2号:
お前が行け、シーシー、仲間だろ…
お前、さっきのやつ?

酸素坑夫1号:
行け。

酸素坑夫1号:
大変が起きたんだ、シー。

酸素坑夫2号:
お前の仲間だ、シー。

酸素坑夫3号:
アイスレイクだ、行け、シー。

(隣の入口からアイスレイクへ)

「アイスレイク」

(階段下の、鏡のような氷の前にエイプリルがいる)

エイプリル:
あっ…ヨランダ…
ここで私を呼んでいるの…誰かが…最初は
無線テレビ…だんだん声が大きくなって…

エイプリル:
ほら…また聞こえる…
私のこと、なつかしいって…

エイプリル:
ねえ、ライカ…ライカなんでしょ…

エイプリル:
ああ、よかった…

(アナウンス)
坑道閉鎖まで、あとちょっとです。
繰り返します。あとちょっと。
これは訓練ではありません。

エイプリル:
ここを出なきゃ!

(エイプリル、鏡の前を離れる)

エイプリル:
人が凍ってるの? イヤな感じよ…

(ライカ、エイプリルが階段を昇るとムービー)
(アイスレイクを出た所でシャッターが閉まる)

酸素坑夫1号:
大変だシー! 町長が! シーシー!

エイプリル:
ヌーンがどうしたの?

酸素坑夫1号:
ママを呼び出した!
お前らのせいだ! シーシー

エイプリル:
ママを?
私たちはただ目を覚ますように言っただけよ。

酸素坑夫1号:
やめさせるんだ!
俺たちの町が! シー!!

エイプリル:
なんだか分からないけど、行ってみない?

酸素坑夫1号:
町長がおかしくなったのは、
きっとお前らのせいだ!せいだ!シーシーシー

エイプリル:
ヌーンよ、彼が持ちこたえられなくなったのよ。
町長屋敷に行ってみない?

(書き割りの扉から入らなくても返事が来る)
酸素坑夫2号:
町長、町こしらえた、町長、町こしらえた、
ママは似合わない、シー。

エイプリル:
ヌーンのママがいるの?

酸素坑夫2号:
ママは似合わない、シー

エイプリル:
ヌーンのママはとっくに死んだのよ!

酸素坑夫2号:
町長、町、ママ、違う、シーシー。

エイプリル:
町長屋敷に行ってみない? イヤな予感…

(書き割りの扉から入らなくても返事が来る)
酸素坑夫3号:
せっかく静かに暮らしていたのに、シー。

エイプリル:
ヌーンがママを呼び出したの?

酸素坑夫3号:
シーシーシーシー!

酸素坑夫3号:
おしまい、シー、
もうおしまい、シーシー…

エイプリル:
ヌーンは機関士なのよ、
ここの町長じゃないの。

(扉を通らずに町長屋敷に行っても何も無い)
(扉を通って町長屋敷へ)

「町長屋敷」

ヌーン:
ママ、やめて… お願い… ママ…

ヌーン:
ママ! ママ! もういやだ!

エイプリル:
ヌーン!
私よ、エイプリルよ、分かる?

エイプリル:
ママを呼び出したって…
ヌーンの他に誰もいないじゃない。

ヌーン:
僕のせいなんだよね、ママ…

エイプリル:
あそこ! ライカ、あの窓よ!
中に誰かいる!

エイプリル:
誰なの?
いやよ、離して、手を離して、お願い!

(エイプリル、いなくなる)
(ライカ、窓の所へ行くと映像が見える)

ジュディ母さん:
パパは病気なんだよ、ヌーン、
パパは可哀想な人なんだよ。

ヌーン:
いやだ、ママ…
こっちに来ないで…ママ。
そんな目で僕を見ないで、
怖いよう、ママ!

(ライカ、戻ろうとすると大きな手に掴まれる)

病気なのさ、
そうだよ、パパは病気なんだよ!

ママ!やめて!

(ライカ、動けるようになり、ヌーンのそばへ行く)

ヌーン:
そうだよね…
ははは、ママの言うとおりさ、
パパは病気なんだ、かわいそうなんだ…
ははは…そうさ、かわいそう…

(クリスマスツリーのある部屋でジュディが刃物を持つ映像)

パンチ:
よせ! ジュディ! それをわたせ!
さあ、おとなしくわたすんだ。

うんざりよ… もううんざり…
全部おしまいにしてやる!

パンチ:
わ、分からず屋は、お仕置きだぞ…
ひ、火かき棒でお仕置き…

返せ! アタシを返せ… ちくしょう!

(血しぶきの映像)

アタシのヌーンや、パパは病気だったのよ…
もう治らないの。 分かった…
仕方ないことなの…
ふふふふ、仕方ないのよ、ヌーン、
でなきゃアタシが殺されてた…
はははは、そうよ!
アタシが死んだ方がよかったの?
ヌーン!

(映像終わる)

ヌーン:
ははははははは!
そうだ、病気だ、パパは病気、ママも病気、
みんな病気、みんな死ぬんだ!
ははははは、僕も病気さ、
病気病気病気病気病気病気、あははははは…

(町長屋敷が燃え始める)

ヌーン:
みんな病気なんだ!

(書き割りの町に戻ると町も燃えている)

酸素坑夫4号:
俺の家が…シー…家…

酸素坑夫3号:
シーシー…燃える…

酸素坑夫5号:
燃える燃える、みんな燃える。
夢も希望も妄想も、心から現れたもの、
全てが燃える、シー。

酸素坑夫2号:
家が燃える、町が燃える、氷も燃える、
シーシーシー!

(出入り口を通ろうとすると建物が崩れて道が塞がれる)

うわー!
シー!

家が燃えて、落ちた、
穴だ、シー!

(わきに穴が開いている。そこに近づくと)

おーい、下だ。 シー!
落ちた、シー!
無線テレビでアラート解除してくれ、シー!

(酸素坑夫3号の家へ)

酸素坑夫3号:
燃えているのは炎なのか、家なのか、
どっちなんだ、シー?

(無線テレビを操作する)
アラートを解除します。
繰り返します。 アラートを解除します。

(扉を通っても通らなくても町長屋敷へは行けなくなっている。カラスの鳴く広場に出るだけ)

(出入り口のわきの穴の所に戻る)

(ライカ、地下へ)

酸素坑夫1号:
上でゲート、開けてくる。
リフトはひとり乗り、シー。
開けたらリフト降ろしてやる。
お前、アラート止めた、礼を言うつもりだ、
閉じこめられるところだった、
シー…礼だ…これでいいのか…
リフトはひとり乗りだ、
ゲート開けてくる、
シー…
早くしないと氷がとけてあいつが動き出す、
シー!

(1号、リフトで上へ行く)
(ライカ、リフトで上へ行くと、アイスレイクに出る)

酸素坑夫1号:
ダメだ、ゲートが開かない!だんぜん開かない、
ああ、俺じゃ力がたりない、
お前、貸せ、シー。
さあ、貸せ、力だ、
俺じゃ足りない、シーシー。

酸素坑夫1号:
なんだ、お前は? シー、それでどうする?
シー。なさそうだ、力、
お前、ダメだ、力、あるのか、ないのか、
あるのか、ないんだないんだ! 力、シー。

酸素坑夫1号:
お前、ない、力、ないないないないない、
シーシーシー。
力、力、力だ、
力のためには協力をおしまないぞ、シー。

(さっきエイプリルと話した、階段下の鏡のような氷の前に行く)
(ライカ、アーネストに変身)

アーネスト:
何だ、ここは…

(酸素坑夫1号のところへ)

アーネスト:
開かねぇのか?

酸素坑夫1号:
…さっきと同じやつ?
シー…

アーネスト:
さっきって何だ?
俺はお前なんか知らねぇ。煙が出てきたぜ。

酸素坑夫1号:
煙…燃えてる…シー。

アーネスト:
火事かよ…ついてねぇぜ、まったく。
そこどきな!

(アーネスト、扉を開ける)

アーネスト:さあ、開いたぜ。

酸素坑夫1号:
礼だ、シー。

アーネスト:
礼はどうした。

酸素坑夫1号:
これが礼だ、言った、今。
これも返してやる、さっきひろったんだ。
お前かあの若い女が落とした物だ。

 銀のカプセルを手に入れた。
(銀のカプセル/5つの預言をしまっておく)

アーネスト:
何だこりゃ? 銀のカプセル…まあいい、
もらっておくぜ。
それにしてもどうなっちまったんだ、ここは?

酸素坑夫1号:
ヌーン町長が町を作った、
その町が火事になった、
燃えてる、シーシー。

アーネスト:
火事…おい、あのこおった野郎は誰だ?

酸素坑夫1号:
アイスマンだ、ユニバーサルマンの分身、
死の動機に憑かれてる、シーシー。

(扉の外に出る。町はまだ燃えている)
(町の中に進むと誰かがいる)

タトラー船長:
おおおおお! ライカ君!
よかった、ちょうどよかった!
助けてくれ!

アーネスト:
何だよおっさん。
俺はアーネストだぜ!

タトラー船長:
ああ、ライカ君だか、アーネストだか、
誰でもいい、とにかく急いでくれ。
クロエちゃんが…
あああ、クロエちゃんが…

アーネスト:
どうしたんだ?

タトラー船長:
ううううう…
燃えてしまうぅぅぅぅぅ~

アーネスト:
ちくしょう!
どうなってんだ、ここは!

(家の奥で誰かが燃えている)

アーネスト:
燃えてるぜ。

タトラー船長:
ライカ君、頼む、クロエちゃんを!

アーネスト:
俺は…

タトラー船長:
クロエちゃーん、今そこに行くからねー

アーネスト:
何だ、あの青いのは?

タトラー船長:
バリアだ。
オリンピア2号が守ってくれてる。

タトラー船長:
ああ、燃える燃える、クロエちゃんが、
燃えてしまうぅぅぅぅ…

オリンピア2号:
ホノオがオソってきます。
オンドはアツいです。

タトラー船長:
早く! ライカ君、急いでくれたまえ!
私は表で待ってるからね!

アーネスト:
ああ、待ってろ!

(アーネストが外に出ようとすると)

タトラー船長:
燃える、燃える、何とかしてくれ。

アーネスト:
くそったれ! 役に立たねぇ野郎だぜ!

(クロエのところに行く)

オリンピア2号:
ホノオはヌーンのクラいジョウネンから
ウマれました。
ホノオは、このホシのアクイにフレて
イシをモッたのです。
ホノオとタタカってください。

アーネスト:
なんだか分からねぇけど、
どうやって闘うんだ?

オリンピア2号:
ホノオがハきダすネンパをはねカエすのです。
ココロのチカラでタタカうのです。

アーネスト:
はね返すんだな、念波だな。

オリンピア2号:
そうです、タイミングがタイセツです。

(フェイスと戦闘)

ヌーンは弱虫だ。お前もなのか、アーネスト。

お前は暗い思い出から抜けられないのだ。

ミーシャは死んだ。お前が意気地なしだからだ。

(戦闘終了)
(クロエのムービー)

クロエ:
助けてくれてありがとう…
はじめてよ…人に助けられたの…

クロエ:
アーネスト…そう言うんでしょ…
他の人たちのことも知ってるわ…
それにフェニックスのことも…
あなたは…私と同じ…体がないの…

アーネスト:
おう、何だ、びっくりするじゃねぇか!

オリンピア2号:
ワタシはツカれたので、
ココロがスコしミダれています。

(オリンピア2号、去る。タトラーが来る)
タトラー船長:
やあやあやあ、ライカ君! よくやった!
君のことは前から頼りにしてたんだ!

アーネスト:
俺は…アーネストだ…

タトラー船長:
あああ、クロエちゃん!
あはは! 平気だ、平気。
クロエちゃんが平気だ!

(タトラーとアーネストだけになる)
(町の火は消えて、白黒の焼け跡になっている)

タトラー船長:
ライカ君、よくやった。
クロエちゃんは無事だ。
少しやけどをしたみたいだが、おおむね無事だ。
礼を言うぞ。

アーネスト:
俺は…アーネストだ…

タトラー船長:
さあ、ライカ君、任務に戻りたまえ。
めざすはコロニーだ!
私はクロエちゃんの手当をしてから、
すぐに合流するぞ。

(焼け跡の町には誰もいない)
(町長屋敷の方面に行くと、壁ができていて、セーブ犬がいる)
(ザコのフェイスと戦闘がある)

(ブリックロード方面へ戻るとムービー)

アーネスト:
あいつのことか? 黒い騎士っていうのは…

(アイテムシンボルを壊す)
 イエロースモークを手に入れた。
(イエロースモーク/ヨランダのEM値を回復)

(階段の上で町を見下ろす)
アーネスト:
俺は…アーネスト…ミーシャを守る…
ミーシャ…俺の妹…

アーネスト…正直者のアーネスト。
ウソのつけないアーネスト。

アーネスト:
誰だ?俺を呼んだのは、誰だ?

誰でもない…
お前が忘れていったお前自身の声だ。

アーネスト:
俺が?忘れた?何を言ってやがる!

(ブリックロードに戻る)

(アイテムシンボルを壊す)
 ペキンを手に入れた。
(ペキン/知悪をかなり増やせる)

(コロニーの外に出て砂のシンパシーを使う)
何も起こらなかった。

(避難小屋方面にいくとザコのフェイスと戦闘)

(アイテムシンボルを壊す)
 マルセイユを手に入れた。
(マルセイユ/力悪をかなり増やせる)

「避難小屋」

(奥の部屋に入るとロケットが浮かんでいる)

(入力した名前)ノフ、
クリスマスプレゼントは大きなロケットよ、
町で一番大きいのよ!

アーネスト:
誰だ… この声は? 聞いたことがあるぜ。
ぼんやり覚えてるぜ。

どうしたの(入力した名前)ノフ、
ロケット、パパからのプレゼントよ。
素敵なクリスマスね。ママも嬉しいわ。

アーネスト:
ロケットだと? 俺はそんなもんで遊ばないぜ。
おい、俺をおちょくってるのか…
大きなロケットだと?
クリスマスプレゼントだと?

(部屋が閉ざされる)

(外に出てロケット方面へ行く)

(アイテムシンボルを壊す)
 Pカプセルを手に入れた。
(Pカプセル/知悪を増やすクスリ)

(アイテムシンボルを壊す)
アーネスト:
お宝だ…へへへ…俺のお宝…

 白い石を手に入れた。
(白い石/生まれたばかりの雪の白)

(ロケットの中には誰もいない)
(コロニーに戻る途中、ザコのフェイスと戦闘)

「コロニー」

(入口の機械)
アナタハ トウロクサレテイマセン。
クワシクハ カンリシャニ
オタズネクダサイ。

アーネスト:
ちくしょう!
なにが登録だ、くそったれ!

(入口の機械)
ヤハリ アナタハ
トウロクサレテイマセン。

アーネスト:
ちくしょう!
なにが登録だ、くそったれ!

(鏡の部屋へ行くとスピリットマンがいる)

スピリットマン:
私は鏡の中にいる、
鏡の中でお前を待つぞ、ひょひょ。
(入力した名前)ノフに戻るのはたやすいぞ。
戻るか、どうするか?
戻るのなら鏡に触れてみろ

(ライカに戻る)
(スピリットマンはいなくなる)

――――――――――――――
プラネットライカ・台詞04・コロニー
コロニー


「コロニー」

(入口の機械)
ヨウコソ プリスン4ヘ。
ミスター(入力した名前)ノフ!

(イースト、ウェストが来る)

イースト:
おい、犬顔! 見なかったか、リトルさんだ。

ウェスト:
いなくなった。お前がそそのかしたのか?

イースト:
ときどきガキみたいになる。

ウェスト:
声がおかしくなる。

イースト:
服も変になる。

ウェスト:
こんな夜中に!

イースト:
どこかに出かけるんだ。

ウェスト:
神様神様神様だ、独り言だ。

イースト:
独り言の後、いなくなる。

ウェスト:
見つけたら教えろ。

ウェスト:
犬顔。

(イースト、ウェスト、去る)

(セーブ犬)
お前たちがなにかを成しとげることなど、
誰も期待しない。
この星でゆっくりくたばるだけだ。
地球化計画が始まったのは10年前だ。
火星に住む流刑者たちによって
酸素坑道の工事が進められた。
記憶の谷を前線基地としてな。
ところが坑夫たちに変な幻覚を見る者が
続出したんだ。
これはイーブルマインドのせいに違いないと、
坑夫たちは特注のヘルメットを
かぶるようになった。

(チャーリーの部屋を調べる)
チャーリー、思い出す。昔、思い出す。

(酸素屋の前)
フェイ:
あら、あなたね、酸素屋に出入りしてるのは。

フェイ:
ねえ、私のお店をご案内するわ。
あっ、私はフェイ、リャンハウスのフェイよ。

フェイ:
リャンハウスは本当は
整形屋なんかじゃないのよ。
心の奥にしまい込んだ、小さな声に
耳をかたむけるの。それが仕事なのよ。
心のささやき…誰でもみんな同じよ。
きれいになりたい、女らしく、男らしく、
もっときれいになりたい。みんな同じなのよ。
整形は心をきれいにする手段なのよ。分かる?

(フェイ、去る)

「サイコハウス」

ヤング:
おっかないだろ、
やっぱりおっかないことになってるだろ。

ヤング:
へへへ、記憶の谷、そうだろ、
あそこはおっかない。
みんな憑かれてるんだ、審判の始まりだ。
足音を忍ばせて近づいてくる。 どこにだ?
へっ、心の中にだ。
ここはそういう星だ、
弱いやつらはみんなやられちまう。
俺たちは違う。見ろ!

(隣の部屋の機械が光る)

ヤング:
あれで集めてるんだ、
金星人のパルスだ。
もうじき角度が合う、金星を向くんだ。

ヤング:
心の弱いやつは審判を乗り切れないんだ。
でもな、金星人のパルスがあれば
大丈夫ってわけよ。
へへ、俺たちが始めたんだ、
もうじき実験だ。

ヤング:
金星人に最初に目を付けたのは
誰だか分かるか、マウンテンだ。
金星から気づきの波動が放たれているそうだ。
気づきだ、気がつくことだ、
ピンとくることだ、もうじき実験だ。

(外に出る)

(リャンハウス方面にフェイが立っている)
フェイ:
火星ではみんなヴァニティフェイスよ。
悪口言う人もあるけど、そんな人は
無理してるだけなのよ。
人間の顔になりたいのは誰でもそうよ。
さ、来て。私のお店を案内するわ。

(リャンハウスの入口)
フェイ:
簡単なことなのよ。
ヴァニティフェイスで性格が良くなって、
悪意が無くなる。
それでもう安心。 審判だの奇跡だの、
何が起きても変なふうにならずに済むのよ。
強くなれるのよ。

「リャンハウス」

フェイ:
ここがお店。
整形って呼ばれてもかまわないわ。
でも私はヴァニティフェイスっていう
名前の方が好き。夢があるでしょ。
誰だって自分以上の自分になりたい、
そう願ってるのよ。

フェイ:
ヴァニティフェイスはね、
一度じゃ済まないのよ。
本人が気に入るまで何度でも試すの。
けれど、中には最初の一回でカンペキな顔に
なれる人もいるわ…アマンダみたいにね
今となっては彼女は伝説よ。
美しい自分の顔を愛し、鏡を愛したの。
彼女がいなくなってもう何年にもなる…
私は決めたのよ、彼女に仕える、
アマンダに仕えようって。そしたら

(誰か来る)
レッド:
フェイ、薬だ、薬をくれ。

フェイ:
あら、もう切らしちゃったの?

レッド:
早くしてくれ。あいつが寝てる間に塗るんだ。

フェイ:
分かったわ。ちょっと待って。

(フェイ、奥へ)

レッド:
お前か、地球からやってきたっていうのは?

レッド:
で、こそこそかぎ回って何が分かった?
ここは万事うまくいってる、そうだろ?
みんな妙なウワサにふりまわされてるが、
俺はそんなことはない。
自分を信じてるからな
自分をつらぬいてるからな。

(フェイ、戻ってくる)

フェイ:
薬よ。

フェイ:
ねぇ、いつまで続けるの?
いい感じになったじゃない、コスマスは。
私はもう満足よ。

レッド:
まだだ。もっとよくなるはずだ、そうだろ?

フェイ:
審判には十分よ。

レッド:
おい、余計なこと言うんじゃない!
またあいつを連れてくるからな。

(レッド、去る)

フェイ:
ねぇ、酸素屋にはもう行ったの?
マダム・アガタには会った?

フェイ:
彼女には気をつけてね。催眠術よ…
まやかしの天才…まるで魔女よ。
アガタは催眠術でヘロデのことを支配してるの。
心の中まで全部ね。
ヘロデは見かけほど悪い人じゃない、本当よ。
子供みたいに純真なの。それをあの女が…
かわいそうなヘロデ…
彼は悪夢の中に生まれたの。
今でも半分は悪夢の世界に生きているのよ。
あの女はそこに付け入って…やりたい放題よ。

フェイ:
私には声が聞こえるの、アマンダの声よ。
アマンダは鏡の中に住んでいるの。
誰も彼女の美しさを越えられなかった、
伝説の美女。そして今じゃ鏡の精よ。
うふふ、夢のようでしょ、
美しさには限りがないのよ。
でも私ならだいじょうぶよ、
きっとね、うふふふふ。

(フェイ、奥へ去る)
(外へ出る)

リンダ:
あらー、もう話つけたのー、
予約でも入れたのー。
(13号監房を見て)
リンダ:
ねぇー、ここー、寝る時間でもないのに
消灯時間ですーっていうのよー。
変ねー、朝でもそうなのー。

リンダ:
変ねー、いつでも消灯時間だなんてねー、
あのベッドがこわれてるのよー。

サミー:
あら、またアタシよ。
トミーはね、お酒が入って寝ちゃったの。
ゴールドに聞いたわよ。
あなた、騒ぎ起こしたんですって。
それも相手はスモーキー…
イヤね、まったく。
どうかしてるのよ… 特に今夜は変よ。
今しがたもね、見たのよ、リトル。
血相変えて酸素屋から飛び出して行ったのよ。

サミー:
アタシ、思うんだけど、
リトルにもリトルじゃない誰かが
いるんじゃないかって。
前からね、気にはなっていたのよ。
さっき走って行ったのは、どうみても違った。
何が違うかって…

サミー:
そうね…目かな。 目、目が違うの。
遠くからだけど分かる、ほんとよ。

サミー:
リトルにも誰か別な人がいる、そう思うのよ。
目が違うの、ときどき入れ替わってるんじゃ
ないかしら。

「酸素屋」

(何か落ちている)

 赤い石を手に入れた。
(赤い石/狂おしいばかりの赤)

マダム・アガタ:
記憶の谷から戻ったの? 他の人たちは…
エイプリルは? エイプリルはどうしたの?

マダム・アガタ:
記憶の谷はなくした記憶が
よみがえる場所と言われているわ。
でもそれは本当の記憶じゃないのよ。

マダム・アガタ:
この星の力で歪んでしまった、ウソの思い出…

マダム・アガタ:
それに憑かれてしまうと、
元の状態に戻すのが大変なの…

マダム・アガタ:
エイプリルが変な記憶に
とらわれてなければいいんだけど…

マダム・アガタ:
こんなことあなたに言っていいのかどうか…
エイプリルには気になるところがあるのよ。
なんだか… 初めて会ったとは思えないの。
もちろん私の中でということだけど。
彼女のこと、前から知ってるような気がして…
本当はそんなことないのに、変ね。

マダム・アガタ:
ねぇ、ちょっと試してみたいことがあるの。
一緒に来ない?
 行く
 行かない

(どちらでも)
マダム・アガタ:
あなた、フェイに会ったことある?
 もう会った
 まだ会っていない

(もう会った)
マダム・アガタ:
なら話は早いわ。 もう一人のフェイに
話を聞いてみるの。 あなたも来て。

(まだ会っていない)
マダム・アガタ:
私にウソはつかないで。 お願い、信じて。
もう一人のフェイを呼び出して
話を聞いてみたいの… あなたも来て。

(外に出るとアガタが待っている)
マダム・アガタ:
ヴェロニカ…
フェイの別人格の名前なの。
ヴェロニカは苦しみの世界に通じている…
彼女の言うことには一貫性がないけど、
フェイよりも深くこの世界に参加しているの。
この星で起きていること、彼女が詳しいのよ。
それにフェイと違ってウソはないわ。
(アガタ、リャンハウス方面へ)

トミー:
兄ちゃんよう、
また酒が入ってくらくらきたぜ…
兄ちゃんよう、
アガタのやつと何かやらかそうっていうのか…
あの女は催眠術を使う、危ねぇんだ、
ようよう、頭ん中、ぐらぐらにされるぞ。

トミー:
ひゅーひゅー?何か飛んでる音してねぇか。
気のせいか。
いや、聞こえる、ひゅーひゅーだ。

トミー:
また始まったのか、変なまじない、
まじないダンスだ、へへへー、
ひゅんひゅん、飛んで来るんだ、へへー。
緑の光、あれに触れると、ひひひ、
バラバラになるぜ。

「ナイトプラネット」

ゴールド:
どこ行ってたんだ…
スモーキーのやつがお前をさがしてたぞ。
監房にもいねぇし、
俺がかくまってるんじゃねぇかって
疑いやがって、あの野郎!
何回もこの店に来たぜ。
ケンカはごめんだ、さ、もう店じまいだ、
出てくれ。

ゴールド:
おい、あんまりうろちょろしてると、
スモーキーのやつに見つかるぜ。
騒ぎはごめんだ、ケンカもな。

(リャンハウス前にアガタがいる)

マダム・アガタ:
私が先に入るわ。 後に続いて。

「リャンハウス」

(リャンハウス内にフェイ、アガタ、ライカ)

フェイ:
私に何かできるかしら。
今は何もしたくないわ。 眠いだけよ。

マダム・アガタ:
あなたは何だってできるのよ。
何だってよ。

フェイ:
そう… 私に? どんなこと?
私なんかに構ってないで、
ヘロデのところに戻りなさいよ。

マダム・アガタ:
時間はとらせないわ。 本当よ…
あなたの時間はなくならないの。

マダム・アガタ:
フェイ、私の声が聞こえる?

フェイ:
聞こえてるわ、もちろんよ。

マダム・アガタ:
私の目を見て。
呼吸を合わせましょう。

フェイ:
目を見てるわ…

マダム・アガタ:
あなたは浮かんでいるのよ、フェイ。
宇宙の無重力の中で、
誰にも邪魔されずに浮かんでいる…

フェイ:
浮かんでいる…
無重力…

マダム・アガタ:
鏡よ、鏡が見えるわ。 鏡は入口よ。
あなたは鏡に近づいていくの。

フェイ:
入口…

マダム・アガタ:
そうよ、入口よ。 鏡はもう目の前。
あなたはその中に入っていく。
何もためらったりはしないの。
予定通りなのよ。

フェイ:
入口に入るわ… 真っ白な入口…
ああ、全てが真っ白よ… きれい…

(フェイの人格が入れ替わる)

マダム・アガタ:
あなたは? ヴェロニカね。
今晩は、ヴェロニカ。

ヴェロニカ:
おなかすいたよ。
今日、何も食べてないんだ。

マダム・アガタ:
ヴェロニカ、
あなたに聞きたいことがあるの。

ヴェロニカ:
もうかなりたまったよ。

マダム・アガタ:
何がたまったの?

ヴェロニカ:
命令よ。 言ったでしょ。

マダム・アガタ:
ええ、知ってるわ。 命令がたまったのね。
せっかくためたのに、使わないの?

ヴェロニカ:
さっき使ったよ。
(入力した名前)ノフを出してあげたの。

マダム・アガタ:
そうなの?
(入力した名前)ノフは… 気に入りそう?

ヴェロニカ:
分からないよ。
アタシはお酒はきらいだよ。

マダム・アガタ:
ねぇヴェロニカ、
フェイのこと話してくれない?
彼女は何かをたくらんでいるの?

ヴェロニカ:
あの女は欲のカタマリなのよ。
なんでもかんでも、
手に入れなきゃ気が済まないのよ。

マダム・アガタ:
何を手に入れるの?
あなたも手伝っているの?

ヴェロニカ:
なんでアタシがフェイを手伝うのよ。
あの女はアタシのことをいなくていいと
思ってるのよ。
そんなこと思われて、
平気でいられる?

マダム・アガタ:
フェイは美の権化になりたい、
そう願っているんじゃないの?

ヴェロニカ:
そうだよ、鏡の精に自分の体を差し出すの。
それでずっときれいでいられる、
あの女はそう考えてるのよ。

マダム・アガタ:
鏡の精ね… 前に聞いたことあるわ。
たしか名前は…

ヴェロニカ:
アマンダよ。整形してすごい美人になったんだ。
それで、ずっと鏡ばかり見続けていて、
そのうち鏡の中に吸い込まれたのよ。
フェイは会ったことないみたいだけど、
ヴァニティフェイスの仕事を始めてから、
アマンダの声が聞こえるようになったんだよ。

マダム・アガタ:
アマンダはフェイになんて言うのかしら。
鏡の中へ来いって誘ってるの?

ヴェロニカ:
新しい鏡を作れ、
アマンダはフェイにそう言ってるの。
世界のすべてを照らし出す鏡だよ。
そしたら、あっちこっちで悪が生まれるんだ。
みんな悪に飲み込まれるんだよ。消えるんだよ。
審判の鏡だって、エッジが教えてくれたんだ。

マダム・アガタ:
審判の鏡…
エッジってあなたの大の親友よね。
他にはどんなこと教えてくれたの?

ヴェロニカ:
審判の鏡が、心の悪をみんなみんな照らすんだ。
それで黒い騎士が完全になって奇跡が起きる。
よくわからないけど、
そんなことよ。
新しい世界が生まれるんだって、
誰も残れないんだって。消えてなくなるのよ。

マダム・アガタ:
フェイは美の権化になって残るのね。
あなたはどうなるの?

ヴェロニカ:
わからないよ!
そんなことになる前に合わさるんだ。
アタシひとりになるんだよ!

マダム・アガタ:
ヴェロニカ… もう帰るの?

ヴェロニカ:
帰りたくない…
真っ暗なんだよ…

マダム・アガタ:
ヴェロニカ、
ちょっとわからないわ。

ヴェロニカ:
帰るのイヤだ。

マダム・アガタ:
さっきの話、合わさるって、
どうやって合わさるの?

ヴェロニカ:
いいこと思いついたんだ。
でも教えないよ。

マダム・アガタ:
そのこと、フェイは知ってるのかしら。
あなたが合わさるって思ってること。

ヴェロニカ:
まだ気付いてないよ。
あの女が変なことになる前に合わさるんだよ。

マダム・アガタ:
ねぇ、
そんなことが本当にできるのかしら。

ヴェロニカ:
できるよ、できるんだ、
絶対できるんだ!

(ヴェロニカとアガタの会話、終わる)

フェイ:
審判の基準なんてないのよ。
自分が納得できればそれでいいの、分かった?

マダム・アガタ:
そうね。
あなたは自分の顔に納得してるの?

フェイ:
もちろんよ。アマンダほどじゃないけど。
とにかく私は大丈夫よ。

マダム・アガタ:
他の人たちはどうなの? 人間の顔に似せて、
それで審判を乗り切れると思う?

フェイ:
さあね… ヴァニティフェイスを信じることよ。
それは自分を信じること… そうでしょ?
顔がきれいになって、心がおだやかになれば
それでいいのよ、そうでしょ?

マダム・アガタ:
ありがとうフェイ。
今夜はもう帰るわ。

フェイ:
アガタ。ヘロデをこれ以上苦しめないで。
彼が悪夢の世界から離れられないのは
あなたのせいじゃないの?
あなたが催眠術で
よけいなことしてるからじゃないの?

マダム・アガタ:
彼には眠りが必要なのよ。
すべては彼のためを思ってのことよ。

フェイ:
だといいけどね。
おやすみなさい、マダム・アガタ。
それから地球の人もよ。

マダム・アガタ:
ライカよ。

フェイ:
おやすみ、ライカ。

(ライカ、アガタ、リャンハウスを出る)

マダム・アガタ:
ヴェロニカはフェイを
取り込もうとしてるみたいね。
どうするのかしら…
それにしても心の悪を照らす鏡だなんて、
イヤな話ね。
そんな鏡、どこにあるのかしら。
鏡のことはフェイに
それとなく聞いてみるしかなさそうね。

マダム・アガタ:
あっ!

(アガタが光る)

マダム・アガタ:
いけない… ヘロデが目を覚ましたの。
悪夢の世界で眠れなくなると大変…
こっちに戻れなくなるのよ。
彼は悪夢の住人なの。もう行かなきゃ。

(アガタ、去る途中で振り返る)

マダム・アガタ:
ねぇ、何かエイプリルの持ち物ない?

マダム・アガタ:
そう… 私、物の記憶が読めるの…。
物を見るだけで、いろんなようすが
目に浮かんでくるの。
物はいろんなことを教えてくれる…
でもここじゃダメね、集中できないから。
何か私に見せたい物があるときは、
私の部屋に来て。 テレビのそばにある
クリスタルボールに触れてみて。

(アガタ、去る)

リンダ:
あらー、あなたも催眠術するのー、されるのー。
気をつけないとねー。おかしくなるよー。

リンダ:
あたしもよー、アガタとお話してからー、
おかしくなったのー。
なんて言うかー、この星が何かたくらんでるって
気になったのー。変ねー。

ヤング:
お前、おっかないの、好きなのか?
あの女は魔女だ、催眠術使いだ。

ヤング:
あの女にかかると、誰でもいいなりだ、
なされるがままだ、ひゃ!おっかないぞ。

ヤング:
さっきから無線テレビが点いたり消えたり、
それもアガタの魔術だろ。
点いたり消えたり、放送なんかしてないのに、
おっかないぞ。

ヤング:
俺たちはな、宇宙の力だ、
波動の中にいるからな、それが本気なんだ。
魔術なんかにはたよらない。宇宙の波動だ。

トミー:
また始まったのか、変なまじない、
まじないダンスだ、へへへー、
ひゅんひゅん、飛んで来るんだ、へへー。
緑の光、あれに触れると、ひひひ、
バラバラになるぜ。

トミー:
インディアンのまじない、
へへー、緑の光、バラバラごっこだ。

マラケシュ:
あーら、どこ行くの?
ねぇ、ドールダンスって知ってる?
メディスンマンのまじないよ。
変な人形使って、人のタマシイを
出したり入れたりするのよ。 怖いのよ。
またロッジで始まったみたいよ、
あの人たち、こりないのよ。

マラケシュ:
こりないの、ほんとよ、
インディアンのあの人たちよ。

「サイコハウス」

(無線テレビ)
オクトーバー司令官:
ああ、ライカ君、私にも見えたよ。
火星の顔の付近は、確かに妙な輝きに
包まれている。
火星人がよみがえり、今度は人間の体を求めて
襲来するんじゃないかと地球では大騒ぎが
始まった。
ライカ君、イーブルマインドの状態は
どうだろうか?
一説ではイーブルマインドは
滅んだ火星人の邪気が実体化したものと
されている。
それが本当なら、
イーブルマインドが今回の騒ぎに
何か関係しているはずだ。
ところでクルーのメンバーは
みんな無事かな。
忘れていたんだが、今日はヌーンのお母さんが
亡くなった日だそうだ。
あああ、また連絡するよ。

(通信終わる)
(外に出る)

(セーブ犬)
変化! 変化こそお前たちにとっては福音だ。
だがプリズン4にとってはただの災いだ。
前に調査隊がやってきたのも10年前だ。
なんでも10年前だな。
そのときの隊長がガリルだ。
ガリルはイーブルマインドの存在を知り、
深い興味を持った。
兵器にでもするつもりだったのか…
イーブルマインドをさぐるうちに、とうに
死んだ流刑者が残した預言に触れたらしい。
世界の再生を語る預言だ。

「酸素屋」

(クリスタルボールに触れる)

マダム・アガタ:
何かを持ってきたのね。
それを読んであげるわ。
夢の中で手に入れたものは、
それを読み終わったら消えてなくなるのよ。

(クロウドリーム)
マダム・アガタ:
これは…
クロウのアレだわ、ずいぶんと古そうね。
さて何が見えるかしら…
穴の中に何かあるわ、白っぽいもの…
いやだ、あれは子猫よ、死んでるみたいね。
生き埋めにしたのね、それを掘り返してる。
あれはクロウよ、子供のころのクロウよ…
地下室みたいなところよ、
古びたコンロが見えるわ、
上にナベが乗ってる、
ああ、猫よ、さっきの死体がナベの中に…
ああ、コンロに火がついて…
あああ、いやよ、怖ろしいこと…
なんてこと…

マダム・アガタ:
あら、これも同じね。
夢の中で手に入れたものとおなじ…
はかないわ、消えてしまうわ。

(銀のカプセル)
マダム・アガタ:
見えてきたわ… 白い部屋よ…
少女が見えるわ… かわいい少女…
あの子、そうよ、あの子は
エイプリルじゃないの、すごく似ている、
そっくりよ。とても美しいわ。
歪んで見える… ここはどこかしら…
何かが光ってるわ…
氷ね、まわりに氷がいっぱいのところに
埋まってたのね。
人が動く様子も見えるけど…
よく分からないわ。 氷の中よ。

(その他のアイテム)
マダム・アガタ:
これは… ありふれたものなのかしら…
あなたの役には立ちそうね。
夢の中で何かを手に入れることもあるのよ。
そういったものは、多くのことを
教えてくれるのよ。

(外に出て13号監房に行き、スイッチを押す)

まもなく消灯の時間です
照明を落とします、照明を落とします。

(ライカ、ゆがんだ大きなおもちゃばこの様な所にいる)

ディセンバーを手に入れた。

(誰かの言葉)
お客さんだね、そこにいるの。
わかるんだ、
ここは僕の夢とつながってるからね。
それで何を見つけたの?
12月って…
そうか、いろんなことが始まったときだね。
何があったの?
アガタに読んでもらうといいよ。

(ライカ、13号監房で目覚める)

(ディセンバー/予感に満ちたやさしい12月)

「酸素屋」

(クリスタルボールに触れる)

マダム・アガタ:
何かを持ってきたのね。
それを読んであげるわ。
夢の中で手に入れたものは、
それを読み終わったら消えてなくなるのよ。

(ディセンバー)
マダム・アガタ:
ディセンバー、春のような12月よ。
1台のバスが見えるわ。
小さな男の子の手を引いた…
男の子はあなたね、あなたとお母さんよ、
ふたりがバスから降りてくる。
ポーチでむかえているのは… お父さん…
ウラジミールよ、あなたの新しいお父さん。
赤ら顔なのね。
離れた窓にもうひとり… これがセルゲイね。
じっとあなたたちをうかがってるわ。
彼はとても暗い目をしているわ。

マダム・アガタ:
わかったわね、夢の中で手に入れたのものは (原文通り)
はかないのよ。 消えてしまうわ。

(外に出る)

トミー:
兄ちゃんよう、変なんだ、
ぱーっと緑色に染まるんだ。
やつらが始めたんだ、
メディスンマンのやつらだよ、
まじないダンス。
そうだ、前にもあった、まじないダンス。
そん時、俺の頭ん中に緑の光が来たんだ。
同じだ。

トミー:
きっとそうだぜ、まじないダンスのせいだ。

(ロッジ方面のドアを開けて入る)

(緑の光の線が走っている)

ノーブルロック:
この先は危ない。

ノーブルロック:
ああ!
何故だ、何故こんなことに!

ノーブルロック:
いかん! ここはいかん!

ノーブルロック:
タンキー人形がひっくり返ったのだ!
逆ドールダンスだ!
タマシイが体から抜け出している、
巻き込まれるぞ!

(ノーブルロック、去る)

(ライカ、緑の光が当たり、浮いて奥へ移動させられる)

「ロッジ」

(緑の光を発する人形と、ホワイトイーグル?がいる)
(ライカの中で誰かが目覚めるムービー)

ライカ…?:
ねぇ、教えてよ、
神のさばきがくだる、それが審判なんだろ?
ここには神がいるの?

ホワイトイーグル…?:
神はいつもおいでじゃ。
だがやつは、ガリルは神ではない!

ライカ…?:
ガリルが神?
すごいことになってるんだね。

ホワイトイーグル…?:
なんともはやだ。
ガリルは神への階段を昇ろうとしておる。
得体の知れない死の情熱で、
肉体を超えた存在になろうとしておるのじゃ。

ライカ…?:
死の情熱?
まるで自殺願望だね、それじゃ。

ホワイトイーグル…?:
やつにとって死はたわむれじゃ。
心の悪のそのすべてを浄化したとき、
永遠の存在になるというのじゃ。

ライカ…?:
悪を浄化するって、どうやって?
お祈りでもするの?

ホワイトイーグル…?:
シークレットパワーじゃよ。
我らがメディスンマン一族に伝わる禁断の力。
ガリルはユニバーサルマンから
うばったのじゃ。

ホワイトイーグル…?:
おとろえておるが、
まだ少しは役に立つじゃろう。
この力をお前にさずけよう。

ライカ…?:
あたたかいよ… これがシークレットパワー…

ホワイトイーグル…?:
シークレットパワーは、
心の悪を浄化する力じゃ。
お前の心に積もった悪をな。
だが、ひとりではできん。その悪をそそぎ込む
相手が必要じゃな。
心が弱い相手じゃと、ふほ…
おかしくなってしまうかも知れないのう。

ライカ…?:
人をギセイにするんだ…
その人はおかしくなるの?
気が変になるとかなの?

ホワイトイーグル…?:
ふほ、そうせかんでもええのう。
その力はやがて役に立つじゃろうて。
ふほふほ。
お前には資質があるということじゃなぁ。
まことにそういうことじゃ。

ライカ…?:
資質って?僕は特別なの?

ホワイトイーグル…?:
ふほ、お前とそれからもうひとりの…
ふほ、もしや預言にあるマコトの双子…
いやわからんのう。
わしにはそれ以上は見えんのじゃ。

ライカ…?:
僕はどうしてここにいるの?
この星に?

ホワイトイーグル…?:
呼ばれたのじゃな。この星では古くからの
言い伝えがある…
完全なる善と、完全なる悪、このふたつが
出会うときに世界は再生されると
言われておるのじゃ。

ライカ…?:
じゃあガリルは…
もしかして完全なる善になろうってことなの。
すごいや、それで光の私なんだ。
輝いてるんだ。

ホワイトイーグル…?:
全ては妄想のなせるワザじゃ。
ガリルはイーブルマインドをさぐるうちに
世界の再生に触れた預言と出会った。
とうの昔に死んだ流刑者が残したもので、
エレミヤの預言と呼ばれておる。

ライカ…?:
そうだったのか…さっき見た黒い騎士も
その預言から現れたんだな。

ホワイトイーグル…?:
ガリルの妄想をふせぐには、
エレミヤの預言を得ることじゃ。
5つの預言全てを銀のカプセルに
閉じ込めるのじゃ。
やつはまだ全てを手に入れたわけではない。
今のうちじゃ。

ライカ…?:
銀のカプセル… 確か記憶の谷で…
ねぇ、預言はどこなの?
ユニバーサルマンに会えばいいの?

(部屋が歪んで消えていく)
(人形も、ライカ?もホワイトイーグル?もいなくなる)
(ノーブルロックが来る)

ノーブルロック:
タンキー人形はどこだ…
ドールダンスでタマシイを戻さねば…
正しいドールダンスで…

(ライカ、どこかを漂っている)

セルゲイ:
いつまでロケット遊びしてるんだ?

(誰かの声)
先生、(入力した名前)ノフはどうなんです?

ウラジミール:
なぜ私を父さんと呼べない、
ええ、呼んでみろ!できそこないめが!

(誰かの声)
この子は助かるんですか?
手術すれば、本当に助かるんですか?

セルゲイ:
どうした宇宙飛行士殿。
服が泥まみれだぜ、ひゃひゃひゃひゃ

(誰かの声)
(入力した名前)ノフ!しっかりするんだ!
パパの声が聞こえるか?(入力した名前)ノフ!

(誰かの声)
手術?手術で僕をどうしようっていうんだ?
僕はどこにも行かないよ。(入力した名前)ノフ!

(ライカ、コロニーに立っている)

ヤング:
あいつらも波動を感じはじめたのか?
なぁ、どう思う…イーストとウェストだ、
うろちょろしてたぞ。

ラミー:
びっくりしたな、緑の光だな、
頭に入ってきたな、僕はラミーだな。
あんた、ここで何してるな。
僕はこの世界のからくりを考えてるな。
ふたつのことが、どこかでつながってるな。
ふたつのどちらを知りたいですか?
 コスマスのこと
 エレミヤのこと

(コスマスのこと)
ラミー:
そうだな、コスマスだな。
あいつは心のトモダチとお話ししてるな、
今もだな、お話の最中だな。
窓のわきにいると聞こえてくるな、
声だな、お話の声だな。

(エレミヤのこと)
ラミー:
とうに死んだ流刑者だな、
預言を残したな。
マコトの双子が現れて、
人類が再生するんだな。
再生って、どうするんだかな、
わからないな。
ふたつのこと、つながってるな、
僕の読みだな。

ラミー:
考えすぎだな、
頭がぼんやりしてきたな。

(リャンハウスの前にイースト、ウェストがいる)

イースト:
おい、どこ行く?

ウェスト:
知ってるだろ。

イースト:
リトルさん。

ウェスト:
居場所だ。

イースト:
物音がした。

ウェスト:
ロッジだ。

イースト:
あいつらの。

ウェスト:
連れてけ。

ウェスト:
今すぐだ。

(ライカ、イーストとウェストにロッジ前に連れて行かれる)

イースト:
お前は誰なんだ?

ウェスト:
リトルさんの夢の中に

イースト:
お前が出てきたそうだ。

ウェスト:
夢にだ。一緒にお祈りしたそうだ。

イースト:
お祈りだ、神様だ、リトルさんの神様。

ウェスト:
メディスンマンのやつらの入れ知恵なのか。

イースト:
吹き込まれたんだろ、あること、ないこと。

ウェスト:
そうに違いない。

イースト:
開けろ。ここを

ウェスト:
開けるんだ。リトルさんはきっと中だ。

(ライカがドアを開けると、イーストとウェストが中に入る)
(ライカも中に入る)

ノーブルロック:
大丈夫だったか…
お前のタマシイは抜けていないな。
ホワイトイーグルはドールダンスで
タマシイを戻さなければならない。
今度は正しいドールダンスだ、
それで抜け出したタマシイを戻すのだ。
今は入れない。
ドールダンスの最中は立入禁止だ。

ノーブルロック:
タンキー人形はタマシイを操る。
人から出したり入れたりできるんだ。
さっきはひっくり返った…
事故だ。
さあ、コロニーに戻れ。
今はタマシイを入れてる最中だ。

(外に出る)

レッド:
お前か!
おい、コスマスにちょっかい出したのは?

レッド:
コスマスをどこに連れて行った?
さっきまで部屋にいたんだ。
マラケシュに聞いたら
お前がうろちょろしてたってよ。
余計なことしやがったら、
俺が許さねぇ。

レッド:
コスマスはあと一歩で完成するんだ、
分かったか、くそ!

(レッド、去る)

マラケシュ:
ねぇ、また始まったよ、コスマスの独り言。
あの子、おかしいのよ、変よ、
ダークマンがどうしたこうしたって…
いじめられすぎたのね。
窓のところに回ってみれば?聞こえるから。

マラケシュ:
コスマスがまたお話ごっこを始めたのよ。
聞こえるから…窓のところよ。
あなた、聞き耳、得意なんでしょ?

(路地裏の窓のところにいくとコスマスのムービー)
(コスマスの左手が黒くなる)

コスマス:
ダークマン、さっき呼んだとき、
どうして来てくれなかったの?

お前の声はかき消されてしまったのだ、
コスマス。

コスマス:
僕だけのダークマンじゃなかったの。

苦しみが育っているのだ、コスマス。
お前の声では小さすぎるのだ。

コスマス:
もっと苦しまなきゃならないの?

いずれ私は限界をむかえるだろう。
この星は苦しみの王国となるだろう。

コスマス:
行かないで!ダークマン…

コスマス:
お客さん…そこにいるの、お客さんだよね。
分かるんだよ、気配で。

コスマス:
ねぇ、ひとつお願いしていい?
僕を自由にしてくれる?
 もちろん
 どうやって?

(もちろん)
コスマス:
ありがとう。きっとだよ。約束だよ。
ダークマンの言ったこと、
本当だったんだね。今に救われるって。

(どうやって?)
コスマス:
簡単なことさ。
僕はこの顔で不幸になったんだ、
元に戻したいんだよ。

コスマス:
ダークマンを呼び戻すからね、
助けてくれるのはそれからでいいよ。
あんたはリバーをさがさなきゃ。
彼、あんたのこと待ってるよ。
イースト、ウェストに見つからないように…
コロニーの中じゃないけど。どこかな…

コスマス:
ねぇ、あんたはケンカする人でしょ、
分かるんだ。ダークマンはお見通しだよ。
教えてあげるよ。
火事…リバー…導いてくれる…
預言の場所にだよ。
うん、火事って言葉が浮かんできたよ。

コスマス:
リバーが待ってるよ。
待ってるのはあんたのことじゃないよ、
あんたの中の誰かさ。
きっといろいろ話したいんだろうね。

マラケシュ:
たしかにね、そうよね、
コスマスってどこか人の心を見通してるような
ところがあるのよね。
じっと見つめられるとさ、
心がスケスケになるのよね。

リンダ:
ここの人、
みんなあさっての方向見ちゃってるのよねー。

リンダ:
リトルって知ってるよね、
あの人もあさって組よー。
気味の悪い顔のお化けを神様だなんて、ねー。
どうしちゃったの。
あー嫌だ嫌だ、
あんたも変なやつらと
付き合わない方がいいよー。

リンダ:
審判なんてうそっぱちよー、
焦る気持ちは分かるけどねー。
みんな自信ないのよー、
それでおかしくなるのよー

(コロニーの出入り口にブーマーがいる)
ブーマー:
悪いな…顔貸してくれ。
広場でスモーキーが待ってるんだ、来てくれ。
広場だ。

(広場にスモーキーとライカ、ブーマー)

スモーキー:
なかよし広場へようこそだ。
ママー、ママー、ひゃ!
何だ、大好きなママ呼ばねぇのか、
早く呼びなよ、白ブタのくそママを!

スモーキー:
へっ! 臭うぜ…
ああ、くせぇ、白ブタくせぇぜ。

スモーキー:
なめたマネしやがって…へっ!
女に助けてもらわなきゃ、今頃どうなってたか
分かるか?ああん?教えてやろうか。

スモーキー:
おい、ブーマー、通せんぼだ、通せんぼ。

スモーキー:
へへへ、へへへへへへ、ショータイムだ!

スモーキー:
どうした、こら!白ブタ呼びな!
さっきの女でもいいぜ。
スモーキー様がいたぶってやる、
はん!メスブタどもが!

(ライカ、倒れる)

ヘロデ:
幸福か?
ええ、どうなんだ、お前は幸福なのか?

ヘロデ:
俺の心には恐怖という名の
タネがまかれている。
この星では何かにつけそいつが発芽する、
ワケの分からない恐怖に
追い立てられる毎日だ。
俺はこれまで、
人生を実感したことなど一度もないんだ。
何がいけない? この名前か?
ただ運が悪いだけなのか?
それとも生まれてきたのが間違いなのか?

(誰かの声)
おい、大丈夫か、お前。
おっかないことになったのか?

(ライカ、広場の横で目覚めると、目の前にヤングがいる)

ヤング:
おい、どうなんだ。

ヤング:
ちょいと手を借りたいんだ。
スペースルームに来てくれ。
分かるか、スペースルームだ、
ハウスにある。いいな。

「サイコハウス」

マウンテン:
あんたも見えるんだな、あの目が。そうだろう、
タイプなんだよ、私たちと同じタイプだ。

マウンテン:
いろんなことが関連づいてる。
おい、ロックバースの奇跡を知ってるか?
 知っている
 知らない

(両方)
ヤング:
ロックバースだ、岩から世界が生まれるんだ。
ふん!預言なんてインチキだ。流刑者だぞ、
エレミヤとかいうやつはただの流刑者だ、
しかも今は腐れミイラだ、ははっ!

マウンテン:
ロックバースは火星の宿命だ。
ガリルとか言うバカも関係ない、これは宇宙の
波動がもたらすイベントなんだ。
そしていよいよその時が来たのだ。

ヤング:
俺たちはなぁ、波動にかかわってるんだ、
そうだよなマウンテン?

マウンテン:
もともと波動の乱れは深刻だ。放置しておいたら
いろんな意味が失われてしまう。
例えば3だ。3と1は緊張した関係にある。
同じ奇数というだけではない。
3と1だ、お前はどっちの味方なんだ?
 3
 1

(両方)
ヤング:
マウンテンはな、どんなことでも
関係に目が行くんだ。

マウンテン:
つながった1と3はプラスの世界ではもちろん、
マイナスの世界でも緊張関係にある。
そこに気が付いた私はこのマシンを作った。
スペースアンプだ。
見ろ! あそこに書いてあるAとMの後ろに
ピリオドはいらない、そう思ってるだろ。
これでいいんだ。このアンプがエナジーを
増やしてくれる、すばらしい体験だ。

(背後の機械には、「SPACE★A.M.P」と書かれている)

ヤング:
賢くなるんだ! 円周率も覚えるぞ。

マウンテン:
宇宙には波動が満ちている。
少しずつ周期的に変化する波動を集めて
幅を持たせることができるんだ。
私には確信がある!

ヤング:
へへーっ!金星だ。
正しいのは金星だけなんだ!

マウンテン:
金星からの波動が全ての基準になった。
あと少しで幅が決定される。
幅だ、重要なのは幅なんだ。
そこを見落とすやつがおおすぎる。
お前はどうだ?見落としてこなかったか
 見落としてきた
 見落とさなかった

(両方)
ヤング:
幅が教えてくれるんだ、いろんなことをな。

マウンテン:
そうだ、金星人だ。
まだ発表はしていないが、金星人は
私たちのことをすでに知っているんだ。
星の運行が少し変わったのも
そのシグナルだと思う。
彼らもチャネリングしたい、
私にはそう思えるのだ。

ヤング:
金星人は星の運行で知らせて来るんだ、
すげぇな。

マウンテン:
ただやっかいなことが起きた。
イーブルマインドが増えて、
世界がにごり始めてる。
このままではメッセージを
受け取れなくなってしまう。

ヤング:
実験を急ぐんだ、
世界がにごる前になんとかするんだ。

マウンテン:
ちょっと見てくれないか、
このスペースアンプの中にある眼だ、
こいつと思念をかわしてみてくれ。
言葉があふれ出てくるだろう…

マウンテン:
どうだ? 何か分かるか?
見えてるんだろ、思念の眼だ。
まさか見えないなんてことはないだろ。
どうなんだ?

ヤング:
おい、答えろ!

マウンテン:
独り占めはいけないことだ、本当だ。

ヤング:
何とか言え!俺たちをなめてるのか、お前!
さっき助けてやったろ。

マウンテン:
はは、ヤング、よせ。

マウンテン:
こいつの頭の中にはいろいろ現れてるんだ。
私たちと同じように。
そうだろ、後でたっぷり聞かせてもらう、
お前の頭の良さを見せてもらう。

ヤング:
おい、お前、このサイコハウスの中にある
ヨセミテの日記、見えるか?ああん?
どうなんだ…
ヨセミテはメディスンマンのひとり、
何でも知ってるすばらしいやつだった。

マウンテン:
ああ、ヨセミテには多くを学んだ…
彼の日記が見えれば、お前は仲間だ。

ヤング:
日記が見えなきゃ、ただのボケだ、
そうだろ、マウンテン!

マウンテン:
ああ、そうだな。
いやきっとこいつには見えるんだ、
俺たちに通じるところを感じるぞ。

マウンテン:
どうした、
波動を感じるようになったのか?

ヤング:
こいつ!おい、お前、
あの魔女に変な魔法でも
かけられたんじゃねぇのか、ひゃ!

マウンテン:
ふふ、今に分かる。
こいつが本物かどうかな。

ヤング:
へっ!
どうだかな。

(外に出る)

ブーマー:
悪いな、逆らえねぇんだ、
スモーキーのやつにはな。
あんた、表に行くなら気をつけな。
夜は化け物が出やすいんだ。

ブーマー:
夢にもな、
夢にも逆らえねぇ…

「サイコハウス」

(無線テレビを調べる)
ヤング:
何だお前…いまどきそんな無線テレビ、
どうしようってんだ?
もう放送なんかしてねぇ。映りっこねぇ!
さっきは目のサッカクだったんだ、
リアルじゃないんだ。

(外に出る)

(路地裏のコスマスの家の窓)
コスマス:
ねぇ、あんたはケンカする人でしょ、
分かるんだ。ダークマンはお見通しだよ。
教えてあげるよ。
火事…リバー…導いてくれる…
預言の場所にだよ。
うん、火事って言葉が浮かんできたよ。

コスマス:
リバーが待ってるよ。
待ってるのはあんたのことじゃないよ、
あんたの中の誰かさ。
きっといろいろ話したいんだろうね。

トミー:
よう、兄ちゃんよう、
リトルのやつのこと、知ってるか?
あいつ、神様こさえてるんだ、ひゃ!神様だ。
こさえた神様にお祈りしてるんだ、
あるか、そんなもん!

トミー:
リトルのやつな、声がひっくり返って、
神様神様だ、へん!
こさえた神様がなんになる?
やっぱりあいつにも、別な誰かがいるんだ。
きっとな。
心の中に用意してるんだ。違いないぜ。

マラケシュ:
鏡のところには行ったの?
鏡はね、人をまどわすのよ…
昔ね、リャンハウス始まって以来の
美人がいたの、アマンダって名前の女よ。
最高にキレイなお顔を手に入れて、
いつも鏡に見入っていたの。
そしたらどうなったと思う?
変なお話よ。アマンダは鏡に飲込まれて、
鏡の精になったのよ。
こんなのって、信じられる?
 信じる
 信じない

(信じる)
マラケシュ:
鏡の精よ、そんなのいるの…
だったらオバケのことじゃないの?
そういえばリンダが鏡のそばでなにやら
ブツブツやってるの、見たわよ。
オバケ、呼出してたりしてね、
ああいやだ。

(信じない)
マラケシュ:
そうよね、鏡の精なんてね。
案外オバケの正体だったりしてね…
そういえばリンダが鏡のそばでなにやら
ブツブツやってるの、見たわよ。
オバケ、呼出してたりしてね、
ああいやだ。

マラケシュ:
あのときのリンダ、
リンダじゃないみたいだった…
鏡って怖いのよ、人をおかしくさせるから。

リンダ:
ねーねー、いいこと、教えてあげるよー、
顔のこと。ヴァニティフェイス、
どうやって作るか、知ってる?
 知ってる
 知らない

(知ってる)
リンダ:
うそばっかー。
布よ、ヴェロニカの布…
あー、布をどうするー…
そばにマラケシュがいると、
アタシ、うまくないのよー。
後で教えてあげるねー。

(知らない)
リンダ:
すごいんだからー、すごいの。
布よ、ヴェロニカの布…
あー、布をどうするー…
そばにマラケシュがいると、
アタシ、うまくないのよー。
後で教えてあげるねー。

リンダ:
ヴァニティフェイスのこと、
後でねー、教えてあげるー。

(セーブ犬)
お前たちは一人前だ…
なぜなら息をしてるからだ!
自分の酸素くらいかせげ、
さっさと石を集めに行け!
火星の酸素は酸素石によって供給されてる。
酸素石を掘り出してミキサーにかけて、
それで酸素を取り出す。 簡単なことだ。
この10年のあいだに、
酸素は火星のほとんどに行き渡ったぞ。
もうヘルメットはいらないんだ、
星が生まれ変わったんだ。

(コロニーの出口に行くとフェイがいる)
フェイ:
あら…何してるの、こんなところで?
もう地球に帰るの?

フェイ:
ねぇ、アガタには気を付けてね。
あの人、きっと邪悪な心の持ち主よ。
私、思うの。
ときどき自分がどこにいるのか
分からなくなることがあって、それはきまって
アガタに会った後なのよ。
おかしいと思うでしょ?ねぇそう思う?
 おかしい
 おかしくない

(おかしい)
フェイ:
そうよね。きっと私の心をアガタが…
ああ彼女が私の心を乗っ取ろうとしているのよ。
気分がすぐれないわ…眠れそうもないわ。

(おかしくない)
フェイ:
本当にそう思うの?…私はね、アガタが私の心を
乗っ取るんじゃないかって、それが心配なの。
ヘロデを支配している催眠術なら、
なんでもできるのよ。
ああ、いやな気分よ…まだ眠れそうもないわ。

フェイ:
マダム・アガタはまた催眠術の最中よ。
こりないのよ…ほんとに…

「ブリックロード」

(誰かの声が聞こえる。マインドスコープはアーネスト状態)

悔しくないのか、アーネスト。

お前は負けたんだ、野良犬のようにいたぶられ、
そしてはいつくばった。 そうだろ。

思い出せ、
お前はどこでうちのめされたんだ?

それともやつの居場所を突き止めたいのか?

さあ、行くんだ、アーネスト。
3倍返しだ、お前の力を見せてやるんだ。
本当のお前を、お前の恐ろしさを!

(声、聞こえなくなる)

オリンピア2号:
ワタシはココロがミダれたのでしょうか。
あなたをオいかけてサンソヤのマエを
トオりかかったとき、
キュウにヘンなコトバがやってきました。
ワタシのココロがウけとめました。
そのコトバをあなたもキいてみますか?
 聞いてみる
 聞かない

(聞いてみる)
オリンピア2号:
エイプリル、だめよ、
それはカジロボットよ、
テがヨゴれるからサワっちゃだめ。

オリンピア2号:
トツゼンです、サンソヤのマエで…
こんなこと、はじめてです、
フシギなことです。
サンソヤにはナニかあるのでしょうか。
ワタシはずっとカセイにおります。
いろんなゴシュジンサマにツカえましたが、
あんなコエはシりません。
それともワスれたのでしょうか。

(聞かない)
オリンピア2号:
カジとはスイジとかセンタクとかでしょうか。
なんにしても、くたびれていますね。
コエにトゲがありますよ。
ジンセイとはこんなものですか、
ままならないものですか。
それにしてもこのコエのヒトは、ダレですか。

オリンピア2号:
トツゼンです、サンソヤのマエで…
こんなこと、はじめてです、
フシギなことです。
サンソヤにはナニかあるのでしょうか。
ワタシはずっとカセイにおります。
いろんなゴシュジンサマにツカえましたが、
あんなコエはシりません。
それともワスれたのでしょうか。

オリンピア2号:
ナニか、あなたにしてあげられることが
あるのです。
もうスコし、おマチください。
もうスコしです。

(鏡の部屋でアーネストに変身)

オリンピア2号:
ワタシはジブンをワタシとヨびますが、
オレと言うのはヘンですか?

アーネスト:
何ごちゃごちゃ言ってるんだ、
どっちでもいいじゃねぇか。

オリンピア2号:
タイクツだぜ、こんなところでよ、
おい、おマエ、なんでオレをミるんだ?
じろじろミるな!

アーネスト:
な、なんだと、おい!
変なかっこうしやがって、
ロボットか、ガラクタか?

オリンピア2号:
ちくしょう!
わけもなくハラがタつぜ、いらつくぜ!
なんだ、テメエは!

アーネスト:
おおおお、
俺にケンカふっかけようってのか、ああ?

オリンピア2号:
ケンカはウっても、カっても、ソンするぜ。
おマエはどうだ、ソンするタイプか、
これでスコしはトクしてみろ。
(オリンピア2号、アイテムを投げる)

オリンピア2号:
オマえはソンしない、ケンカでソンしない、
そういうことだ。

アーネスト:
おい、他にないのか、もっとくれねぇのか。

オリンピア2号:
ソン、トク、ソン、トク、ケンカ。

 アストロキットを手に入れた。
(アイテム詰め合わせ)

「コロニー」

フェイ:
あら、あなたも眠れないの?

アーネスト:
あんたに聞きたいことがあるんだ…
鏡だ、鏡のことだ。
なんてったっけ、みんなが消える鏡…
何のことだ?

フェイ:
ふふふ、審判の鏡のことね。どこで聞いたの。
なんだかうろ覚えのようね。

アーネスト:
ああ、でも分かるぜ。
ここのやつらは鏡をイヤガってる、
そうじゃないのか。

フェイ:
そうよ。見たくないのよ。
鏡に自分の顔を映すと憎しみがわいてくるのよ。
分かったでしょ、鏡は悪をはぐくむの。
みんなが自分の悪につぶされるの、
それが審判よ。

アーネスト:
へん!悪をはぐくむ鏡…
それをあんたが作ってるんだな。

フェイ:
ふふふ、私はたのまれてるだけよ、
アマンダにね。

アーネスト:
アマンダ…誰なんだそいつは?

フェイ:
鏡の精よ、ふふふふふふ。美の権化よ…
いずれ私のものとなるの、ふふふ。

アーネスト:
アマンダ…誰なんだそいつは?

フェイ:
鏡の精よ、ふふふふふふ。美の権化よ…
いずれ私のものとなるの、ふふふ。

(入口の機械)
アナタハ トウロクサレテイマセン。
クワシクハ カンリシャニ
オタズネクダサイ。

アーネスト:
ちくしょう!
なにが登録だ、くそったれ!

「ブリックロード」

アーネスト:
おいオンボロ! なんかよこせ。

オリンピア2号:
キサマにくれてやっても、ブタにシンジュだろ
ウマのミミになんとかだろ!
(オリンピア2号、アイテムを投げる)

 マーズキットを手に入れた。
(アイテム詰め合わせ)

アーネスト:
これだけか。まだあるだろ、もっとよこせ!

オリンピア2号:
これでオワりだ、アトでコい。

――――――――――――――

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