基本的に小排気量二輪の
速度とトルクを上げるに
は、ボアアップという事
案が必ず出て来る。
道交法規制云々を抜きに
すれば、49ccよりも大排
気量にしてトルクとパワー
を得られるのが基本骨子
だ。
内燃機関において、排気
量の変更による効果は実
に甚大で、49ccをほんの
60cc未満に腰上シリンダー
とピストンを変更しただ
けで、全くエンジン出力
も特性も異なって来る。
排気量は小排気量になれ
ばなるほど、ほんの僅か
な容積アップで効果がて
きめんに出る。
そして、ボアアップという
排気量変更を前提とせずと
も、同排気量でもATスクー
ターなどの場合は、駆動系
の変更により特性が変化す
る。吸排気の変更もそれに
プラスとなる。
また、WR=ウエイトロー
ラーの全重量変更であった
り、プーリーの斜面形状の
変更であったり、ベルトや
その他の駆動系の重量変更
やハウジングの開きの速度
を変える為のバネ係数の変
更だったり、いろいろなア
プローチがある。
さらには点火系の変更や、
クランク重量の変更、点火
時期や電子ユニット交換に
よる電子的なリミッターの
カット等もある。
減速比もいろいろ変更した
りもする。
実は、ギア付きの小排気量
二輪よりもATスクーターの
ほうがいじれる部分は多岐
に亘る。
だからこそ、1980年代には
2スト原付スクーターの魔改
造が大流行したのだろう。
モトチャンプという改造啓
蒙専門バイク雑誌まであっ
た程だ。
2スト原付スクーターは実に
面白い。
なぜか。
「打てば響く」からだ。
二輪改造の基本が詰まってい
ると同時に、通常のオートバ
イ以上の奥深さが存在してい
る。
そして、2スト原付いじりが
面白いのは、それは小排気量
ゆえに、いじりかた次第で爆
発的な動力性能を現出させた
り、あるいはセッティングが
少しでも外れると全く話にな
らない実態を即見せる点だ。
2スト原付はまるで生き物。
なので、いじって乗る側の生
き物も、生き物に接するよう
に取り組まないと即そっぽを
向かれる。
原付スクーター。
かなり面白い。
こいつは生きてるぜ。