あなたがダンまちの世界にINした夢小説


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作:ルーピア
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ヘスティア・ファミリアの拠点(ホーム) 廃墟の教会の隠し地下部屋。

 

ステイタス更新をしてもらったあなたとベル。

 

その内容がヘスティアの口頭で伝えられた。

 

「そ、そんなに伸びてるんですか! 僕たちのステイタス!」

 

「ああ、恐ろしく成長が早い。言っちゃえば成長期だ」

 

ベルの【憧憬一途(リアリス・フレーゼ)】とあなたの【原作一途(ダンマチ・ファンゼ)】のスキルを伏せ、飛躍的なステータスの伸びを成長期で説明するヘスティアさま。

 

「これはボク個人の見解にすぎないけど、キミたちには才能があると思う。キミたちはきっと強くなれる」

 

ヘスティアさまの見解を聞き、嬉しそうに表情を緩めるベル。

 

強くなれる。

 

その言葉は今のベルが一番求めていたものだ。

 

「そして、ベルくん。キミ自身も今より強くなりたいと望んでいる」

 

「はい!」

 

「──くんもそうなんだろ?」

 

せっかく神の恩恵を授かったのだ。覚悟の大きさはともかく、強くなりたいと思うのは自然なことだろう。

 

あなたは、はい、と首を縦に振る。

 

「うん。そのキミたちの意思は尊重する。応援も手伝いもする、力も貸そう。だから約束して欲しいもう無理はしないって……お願いだからもう僕をひとりにしないでくれ」

 

「はい! 無茶しません! 強くなれるように頑張りますけど、絶対神様をひとりにしません! 心配させません!」

 

ベルは力強い赤い瞳でヘスティアさまを見据えて誓う。

 

あなたもベルに倣って、一点の曇りもない青い眼でヘスティアさまを見据えて、言葉を紡ぐ。

 

無理しないといけない場面じゃない限りは無理しません! 神様のことは自分に無理のない範囲でひとりにしません! あと、親密な相手ができた時の外泊は許してください!

 

「その言葉がきけて安心したよベルくん。 ……──くんは、今度二人でじっくり話し合おうじゃないかっ!」

 

笑顔のまま怒るヘスティアさま。

 

ひぇっ。

 

「もう──」

 

ベルがあなたに苦笑いする。

 

あなたは知っている。

 

他人事みたいに言ってるいけど、ベルはこの先、様々な事件(イベント)に巻き込まれてかなりの頻度で無茶や無理をしまくることになる。

 

ヘスティア・ファミリアの一員となった以上、あなたも例外ではない。

 

無理や無茶を通さなければいけない場面が必ず訪れる。

 

あなたは怒っているヘスティアさまの名を呼ぶ。

 

「なんだい?」

 

不機嫌そうな声で返事するヘスティアさま。

 

あなたは本心からの言葉を伝えた。

 

冒険者である以上、無理や無茶をして心配をかけてしまうこともあると思います。想定外の事態に巻き込まれて、ヘスティアさまをひとりにしてしまうこともあるかもしれません。それでも、あなたを悲しませるような真似だけは絶対にしません。それだけは絶対です。

 

「──くん……。も、もう! そんなことを言われたらもう何も言えないじゃないか! でもそういうことならさっきの話し合いはなしってことにしても……」

 

でも親密な相手ができた時の外泊は許してください(迫真)!

 

「よし! 今度二人でじっくり話し合うのは決定だっ!」

 

「──……」

 

ベルはあなたの名を呼び、憐憫まじりの呆れた視線を向けるのであった。

 

 

ヘスティアさまとの2人っきりでキャッキャウフフなお喋りデートが決まって数分後。

 

「ベルくん、──くん。ボクは今夜から2、3日留守にするけど構わないかな?」

 

「はい? 多分大丈夫ですけど、どこに行くんですか?」

 

「ちょっと久しぶりの神友に会いに行こうかなあって……。ああ、勘違いしないでくれよ? ボクは遊びに行くんじゃないんだぜ? 大事な用があるんだ」

 

「大事な用、ですか?」

 

「ああそうさ。だからベルくん、──くん、ボクが留守の間拠点(ホーム)のことを頼んだぜ。あと、ちゃんと約束は守ること! いいかい?」

 

「はい!」

 

ラジャーです。

 

あなたは、敬礼のポーズをとりながらそう言う。

 

「ら、らじゃあ? って?」

 

困惑した様子でベルが訊ねる。

 

神々が言うところで、了解って意味さ。因みにこの言葉を使う際は可愛らしく敬礼のポーズをとるのが作法とされてるよ。

 

「へ、へぇー。……神様、僕もラジャーです!」

 

あなたを真似て可愛らしい敬礼のポーズをとるベル。なんとも微笑ましい光景だ。

 

「……ベルくん、その言葉を使う時は別に可愛いらしく敬礼のポーズをとる必要はないんだよ?」

 

「えっ、そうなんですか!? もう──!!」

 

(からかわれて、怒ってるベルくんも可愛いなぁ……)

 

ベルに和まされた。

 

 

 

「──くん、ボクが居ない間、ベルくんに変なことを吹き込むんじゃないぜ?」

 

出発直前、そう釘を刺すヘスティアさまに、あなたは「わかりました(ヘスティアさまが居ない間は、吹き込みません。居る時は吹き込みます)!」と気前のいい返事を返した。

 

「うん! 嘘はついてないみたいだし、安心かな」

 

へっ、チョロいぜ。

 

「んん? なんか今──くんの魂に翳りが見えた気が……」

 

ヘスティアさまは可愛い! マジ女神さま!

 

「気のせいだったみたいだね☆」

 

ふぅ、危ないところだった……。と内心、冷や汗をかく。

 

「それじゃあ、行ってくるよ〜!」

 

「いってらっしゃい神様!」

 

いってらっしゃーい!

 

そして、あなたとベルは、ヘスティアさまが拠点をたつのを見送ったのであった。




次回はいよいよシルバーバック戦!
アンケートも次話で行う予定です!
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