「屋根壊れてますよ」2.8億円売り上げの裏に"人間心理を巧妙に操る"マニュアル...点検商法の手口とは?悪徳業者どう見抜く?対策は「家に入れない」【解説】
MBSニュース / 2025年2月22日 16時17分
「屋根に不具合がありますよ」などと不安をあおり、実際は不必要、または法外な価格のリフォーム工事の契約を取る、いわゆる『点検商法』を行っていたリフォーム会社「新日立建託」の実質的な経営者とみられる斎藤大器容疑者が18日に逮捕されました。 斎藤容疑者は、住宅の屋根の修繕工事を契約する際に「クーリングオフ」を故意に説明しなかった疑いなどがもたれています。被害者はこれまでに220人以上確認されていて、このリフォーム会社は工事代金として少なくとも2億8000万円を売り上げたということです。 今回摘発された「点検商法」。その巧妙な手口とは?今すぐできる対策は?消費者被害に詳しい岡田崇弁護士の見解を交えてお伝えします。
「たまたま見つけただけ…」“深追いしない”巧妙なマニュアル
YouTubeでは“投資家・牛飼”と名乗り活動していた斎藤容疑者。既に摘発されたリフォーム会社『新日立建託』の実質的な経営者とみられています。
リフォーム会社は不安をあおって契約させる「点検商法」を繰り返し、被害者は京都府などで約220人(去年1月17日~11月ごろ)、少なくとも2億8000万円を売り上げたとされています。
斎藤容疑者はトクリュウ(匿名・流動型犯罪グループ)のリーダーとみられ、SNSで「稼げるバイト」と高給をうたって集めた20代中心の“闇バイト”約50人で契約勧誘を行っていたということです。
注目すべきは勧誘の「マニュアル」です。点検商法は、「お宅の屋根、外れかけていますよ」などの声掛けから始まります。特に、災害後は要注意で、「先日の強風で…」「雪の重みで…」と話しかけてくるそうです。また、「棟板金が外れかけていますよ」など、聞いたことのない単語を使うことも特徴です。
そして、相手の反応に合わせてどう対応すべきかも、マニュアルに書かれています。例えば…
▼「お世話になっている塗装屋さんがいるので…」
→「塗装屋さんは塗る専門で、棟板金に関しては素人ですよ」
▼「お世話になっている大工さんがいるので…」
→「大工さんは家の骨組みを作るのが専門ですよ」
▼「お世話になっているリフォーム業者さんがいるので…」
→「結局来るのは、下請けの僕らですよ」
さらに、そこから…
▼「ちょっと見てくれる?」
→「たまたま見つけたから言いに来ただけなので…今忙しいので僕らの時間に合わせてもらえますか?」
▼相手側が何も言わない
→「気づいただけなので….。あなたに任せますよ」
ここでのポイントは“深追いしてこない”こと。警戒している相手の心理を読み、一度引いてくるそうです。
そして、値段を聞かれた場合は「最低でも20~30万円。何もなければ費用はいただきません」と、現実的に払える金額を言ってくるそうです。実際には、棟板金1枚の取り替え費用は約4~5万円とのこと(木造住宅塗装リフォーム協会理事による)。そして、去り際には「職人なので名刺ないんです」と、証拠になるようなものは残していかないということです。
「詐欺罪」適用されず“罰金のみ”で終わる可能性
今回の事件をめぐっては、被害者が約220人、リフォーム会社は2.8億円以上を売り上げたとみられていますが、斎藤容疑者の逮捕容疑は「詐欺」ではなく「特定商取引法違反」で、罰金のみで終わる可能性があると岡田崇弁護士は指摘します。
というのも、刑法246条・詐欺罪の成立要件は「財産や利益をだまし取る意図を持って相手をだます」ですが、今回の場合、工事は実際行っていて、そもそも屋根が壊れていたか否かの証明が難しく、「だますつもりはなかった」と言えてしまうのです。結局、訪問販売で必要な「クーリングオフ」の告知をしなかったなどの「特商法違反」だけが適用され、罪が軽くなってしまうといいます。
布団・宝石・着物といった「相場が分かりにくいもの」は、詐欺や悪徳商法などの消費者被害が起きやすいと岡田弁護士は指摘します。トイレのトラブルなどの“レスキュー商法”も同様で、インターネットで検索して見つけた業者の中に、悪徳業者が潜んでいることはよくあるそうです。
対策は…何を言われても「家に入れない」
点検商法の対策として一番大切なのが「ドアを開けない」、つまり家に入れないことです。家を建ててもらった業者に聞くのが一番いいのではないかと岡田弁護士は言います。また、レスキュー商法の場合、「格安」など安さを売りにしている業者には要注意です。
トラブルがあった場合、役所に相談すれば、地元の組合を紹介してくれることがあるそうです。また、時間に余裕のある時に、事前に業者に話を聞くなど下調べをしておいてもいいかもしれません。
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