近況報告
先々週の金曜日から、週に2回の予定でショート動画の配信を開始しました。期待以上のアクセス数が与えられています。ショート動画をきっかけに、「イスラエル旅2023」の本編にアクセスしてくださる方が増えるように願っています。
7月1日から新プロジェクトを開始する予定で、詳細の検討に入っています。準備が整いましたら、発表させていただきます。このプロジェクトの上に神の知恵が与えられますように、お祈りください。
今回は、「人質解放か戦争か?トランプの警告とハマスの反応」というテーマを取り上げます。3月9日現在の情報を基にしていますが、事態は流動的です。
トランプ大統領の最後通告
(1)3月6日、トランプ大統領は、人質解放に関してハマスに、最後通告とも読めるような厳しい警告を発しました。英文の発言内容を要約すると、次のようになります。「もしそんなこと(人質の虐待と殺戮)をすれば、お前たちは終わりだ」。「残りのすべての人質を解放し、殺害した者の遺体を返還しろ。さもなくば、厳しい報いを受けることになる」。トランプ大統領は、人質問題の深刻さを強調し、従わなければ重大な結果が待つと警告しました。
(2)3月7日、ハマスはトランプ大統領の最後通告を一蹴しました。ハマスのオベイダ報道官は、「戦闘再開は人質の死を意味する」と逆にイスラエルと米国に警告を発しました。さらに、ハマスのカッセム報道官は、次のように語り、強気な姿勢を見せました。「トランプ大統領の最後通告は、イスラエルにハマスとの交渉を継続させないようにしている。彼の通告は、問題をさらに複雑にするものだ」。また、ハマスは、ウィトコフ米中東特使とイスラエルが支持する第一段階延長案も否定し、あくまでも、人質を全員取り戻したいなら、第二段階(イスラエル完全撤退)への移行を主張すると発表しました。
(3)ハマスが強気の姿勢を見せる中、イスラエルのザミール参謀総長は、就任初日に新しいガザでの攻撃計画を受け取り、これを承認しました。IDF(イスラエル国防軍)は再編成を続けながら、戦闘の再開に備えています。ガザにまだ人質が残されている状態で、戦闘が再開になれば、人質の命はさらなる危険にさらされることになります。
停戦交渉の行き詰まり
(1)ハマスとイスラエルの停戦交渉は行き詰まり、危機的状況にあります。
①イスラエルは、第一段階(人質解放)の延長を求めています。
②ハマスは、予定通り第二段階(イスラエルの完全撤退)への移行を主張し、対立は深まるばかりです。
③トランプ政権の特使がハマスと直接交渉を試みましたが、イスラエルを経由せず、アメリカ国籍の人質を優先しようとしたため、イスラエルが激怒し、交渉は失敗に終わりました。
(2)ハマスが戦闘再開を恐れない姿勢を示している背景には、3つの思惑があると考えられます。
①停戦交渉を長引かせる戦術
②国際世論を味方につける狙い
③ガザ内部での支持固め
(3)イスラエルは、戦闘再開を選択せざるを得ない状況にあります。
①ハマスは、「戦争が再開すれば人質が殺される」と脅迫しています。またハマスは、生存中のイスラエル兵マタン・アングレストさんのプロパガンダ映像を家族に送りつけました。映像に映った彼の顔は損傷し、右腕も機能していませんでした。家族は映像を公開し、「人質が拷問に遭っており、時間がない」と政府に訴えました。
②元人質50人以上がネタニヤフ首相に対し、交渉による人質解放を求める嘆願書を提出しました。彼らは、人質が拷問や飢餓、病気に苦しんでいる現状を訴え、「国が国民を守る唯一の方法は、人質全員を取り戻すことだ。今が最後のチャンスかもしれない」と強く主張しました。
今後の展開
ネタニヤフ首相は決断を迫られていますが、イスラエルがどのタイミングで戦闘を再開するのかが焦点となるでしょう。ハマスの強気な態度が変わらなければ、数週間以内に軍事行動が本格化する可能性が高いです。ただし、交渉によって事態が急変することもあり得ます。
祈りのテーマ7題
(1)人質の解放と安全のために
(2)イスラエルの指導者たちに知恵と勇気が与えられるように
(3)ハマスの悪しき策略が打破されるように
(4)イスラエルの安全と平和のために
(5)交渉の進展と公正な解決のために
(6)傷ついた人々の心の回復と癒しのために
(7)主の御心がなされるように
祝された1週間をお過ごしください。
感謝。中川健一
|
|