半数以上の医師の退職が懸念されている宮崎県の串間市民病院。
院長を兼任する事業管理者の人事をめぐって、島田市長は先週の市議会で医師としての雇用の継続を「考えていない」と説明していましたが、10日は、説明を一転し「本人次第」との考えを示しました。

串間市民病院をめぐっては、半数以上の医師が退職予定または退職の意向があり、市民に不安が広がっています。

串間市議会は、10日、この問題について市側に説明を求めようと、全員協議会を開きました。

(串間市 島田俊光市長)
「大変ご迷惑と心配をおかけしましたところ、深くお詫び申し上げたいと思います」


このあと開かれた本会議は、事業管理者を兼任する江藤敏治院長の人事をめぐって紛糾しました。


(串間市 島田俊光市長)
「昨年12月に、本人から病院事業管理者の退任の申し出を受けて、後任の事業管理者について検討いたしたところです」

(事業管理者 江藤敏治院長)
「ひとつ言わせてもらいます。私が事業管理者を辞退しますとは言っていない」


主張が食い違う市側と江藤氏。閉会後、取材に応じた江藤氏は、市側との溝について…

(事業管理者 江藤敏治院長)
「一番は(病院の将来の)ビジョンです。あともうひとつ、決定的になったのが、僕は診療を続けることはできないという答弁があった3月7日です。僕が4月1日からいなくなれば救急回らないんですよ」


先週の一般質問では、来月以降の病院の体制について次のような質問が…

(串間市議会 木代誠一郎議員)
「(江藤氏は)串間市民病院に残って診察・診療をされるのか、医師として、常勤医師、まあそういった形はどうなるか分かりませんが、そういうお考えなのか、人事権を持つ市長に聞きたい」
(串間市 島田俊光市長)
「そこは全く私としては考えておりません」

3月7日 串間市議会
3月7日 串間市議会

江藤氏の医師としての雇用継続について「考えていない」と答弁していましたが…

(記者)
「病院に医師としても残らないというところでそういう考えはないと…」
(串間市 島田俊光市長)
「そういうふうなことはないと思いますよ」
(記者)
「江藤先生が串間市民病院に残る可能性があるということですか?」
(串間市 島田俊光市長)
「それは本人次第ですね。そこは私はまだ確認してませんから。ただ、事業管理者のことだけをお願いしていたわけですからね。いきなり医者もやめるということが報道であったから私もびっくりして」


そのうえで串間市は、市民病院の新たな事業管理者の選定については県や大学と相談しながら進めていくとしています。

(串間市 島田俊光市長)
「みんなが納得できる体制づくりを、医者確保と市民病院が安心できる病院であるということを示さないといけないのでそういう体制づくりはしっかりやっていこうと思います」


江藤氏の人事、そして、ほかの医師の動向が注目されます。