川崎市立多摩病院(多摩区)で2017年1月、勤務していた男性臨床工学技士が、別の患者に使うための人工透析用の薬を70代の男性患者に誤って投与して死亡させた事故があり、指定管理者の聖マリアンナ医科大(宮前区)が医療法で定められた医療事故報告をしていなかったことが、分かった。10日の市議会予算審査特別委員会で、三宅隆介議員(無所属)が対応をただし、森有作病院局長は「報告義務違反で、市立病院として大きな問題」との認識を示した。
◆「報告には遺族の了承が必要と誤解」
医療法では、医療に起因して予期しない死亡や死産が起きた場合、速やかに発生日時や場所、状況などを「医療事故調査・支援センター」に報告するよう定めている。同病院は事故後、医師法に基づき神奈川県警多摩署には届け出たが、同センターには報告していなかったという。森局長は「報告には遺族の了承が必要という誤った認識があった」と述べた。同病院は「遺族の意向」として事故を公表していなかった。
病院が2016年に作成した患者死亡時の対応フロー図では、センターへの報告が必要なのは、事件性がないと判断されたケースや異状死の可能性がない場合とされ、医療法で定められた対応とは異なっていた。三宅議員は「医療法と医師法の手続きがごっちゃになっている」と指摘し、森局長も「フローが間違っているのは大変な問題だ」と認めた。三宅議員は...
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