患者死亡事故があった川崎市立多摩病院 運営する聖マリアンナ医科大、報告を放置 マニュアル自体が勘違い

2025年3月10日 22時16分 会員限定記事
0

記事をマイページに保存し、『あとで読む』ことができます。ご利用には会員登録が必要です。

 川崎市立多摩病院(多摩区)で2017年1月、勤務していた男性臨床工学技士が、別の患者に使うための人工透析用の薬を70代の男性患者に誤って投与して死亡させた事故があり、指定管理者の聖マリアンナ医科大(宮前区)が医療法で定められた医療事故報告をしていなかったことが、分かった。10日の市議会予算審査特別委員会で、三宅隆介議員(無所属)が対応をただし、森有作病院局長は「報告義務違反で、市立病院として大きな問題」との認識を示した。

川崎市立多摩病院=川崎市多摩区で(資料写真)

◆「報告には遺族の了承が必要と誤解」

 医療法では、医療に起因して予期しない死亡や死産が起きた場合、速やかに発生日時や場所、状況などを「医療事故調査・支援センター」に報告するよう定めている。同病院は事故後、医師法に基づき神奈川県警多摩署には届け出たが、同センターには報告していなかったという。森局長は「報告には遺族の了承が必要という誤った認識があった」と述べた。同病院は「遺族の意向」として事故を公表していなかった。

川崎市立多摩病院が作成していた患者死亡時の対応フロー図。医療事故調査・支援センターへの報告への誤解がみられる

 病院が2016年に作成した患者死亡時の対応フロー図では、センターへの報告が必要なのは、事件性がないと判断されたケースや異状死の可能性がない場合とされ、医療法で定められた対応とは異なっていた。三宅議員は「医療法と医師法の手続きがごっちゃになっている」と指摘し、森局長も「フローが間違っているのは大変な問題だ」と認めた。三宅議員は...

残り 319/903 文字

この記事は会員限定です。

有料会員に登録すると
会員向け記事が読み放題
記事にコメントが書ける
紙面ビューアーが読める(プレミアム会員)

※宅配(紙)をご購読されている方は、お得な宅配プレミアムプラン(紙の購読料+300円)がオススメです。

会員登録について詳しく見る

よくある質問はこちら

記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。

記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。

記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。

記事に『リアクション』ができます。ご利用には会員登録が必要です。

カテゴリーをフォローする

  • 『カテゴリーをフォロー』すると、マイページでまとめて記事を読むことができます。会員の方のみご利用いただけます。

  • 『カテゴリーをフォロー』すると、マイページでまとめて記事を読むことができます。会員の方のみご利用いただけます。

コメントを書く

ユーザー
コメント機能利用規約

    みんなのコメント0件


おすすめ情報

社会の新着

記事一覧