[定義]
ユークリッド空間におけるルベーグ可積分関数の成す線型空間をL^1と書く. f, g\in L^1に対してf, gの畳み込みを
f*g=\int f(\cdot -y)g(y)dy
と定義する.
[命題]
ユークリッド空間における可積分関数の空間L^1は畳み込みを積として可換環であるが単位元が存在しない.
[証明1]
L^1\subset \mathcal{S}'である. 緩増加超関数の空間\mathcal{S}'におけるフーリエ変換を\mathcal{F}とする.
\exists{g}, \forall{f}, f*g=f
とする. f(x)=e^{-|x|^2}とおく. 両辺をフーリエ変換して
\mathcal{F}[f]\mathcal{F}[g]=\mathcal{F}[f]
である. \mathcal{F}は連続線型全単射だから特に単射, ゆえに\mathcal{F}[g]=1から\deltaをデルタ超関数とするとg=\deltaでなければならないが, \delta\notin L^1である.
(END)
[証明2]
\exists{g}, \forall{f}, f*g=f
とする. f(x)=e^{-|x|^2}とおく. 両辺をフーリエ変換して
\mathcal{F}[f]\mathcal{F}[g]=\mathcal{F}[f]
である. ゆえに\mathcal{F}[g](\xi)=1だから
\liminf_{|\xi|\to\infty}|\mathcal{F}[g](\xi)|\ge 1であるが, リーマン-ルベーグの定理より左辺はゼロでなければならないから不合理である.
(END)