本を読むとアホになる?

2019年7月の参議院選挙が終わってしばらくした辺りから、ある一人の男に注目しています。
それは、NHKから国民を守る党の党首、立花孝志氏。

この方は、非常識で破天荒な概念を何の恥じらいもなく気軽に口にするということで、典型的な日本人には大変嫌われるタイプかと思いますが、私はかなり面白く拝見させていただいております。

その彼が、とあるアンチとの対談の中で「本を読むとアホになる」という主旨の内容を語っています(下の動画の54分以降に出てきます)。
今回は、この内容についてとても興味深いと思ったので、少し掘り下げてみたいと思います。

私も数年ほど前から、「本をたくさん読んでも賢くはなれない、それどころか熱心に読めば読むほどバカになるのではないか?」ということを考えていましたので、今回この動画を見た時に思わずニヤリとしてしまいました。

しかし、これは昨今の世間一般に浸透している概念とは真逆の内容です。
今の世の中の常識としては、本はたくさん読んだ方がよいとされており、私も社会人になった時に会社の入社式で偉い人から言われた記憶があります。
なので、この立花氏の見解に違和感を持った人もたくさんいるのではないでしょうか?
事実、これについて疑問を持った人が、埼玉県の参議院議員補欠選挙の活動期間中に立花氏に真意を質問したりしていました。

この「本を読むとアホになる」ということについて、私の見解は次の通りです。
昔は本というのはかなり貴重なものであり、それなりの地位や収入の高い人しか手に入れることができなかったものだと思います。
そのような時代においては、本という物を所有して読んでいる人とそうでない人との間には、大きな情報格差が存在していたと思います。
このような場合には、確かに本をたくさん読んでいる人の方が社会的に有利な状況にあったというのは、疑いようのない事実でしょう。

しかし、インターネットの発達でこの辺りの事情が大きく変わってきたのではないかと思います。
現代はインターネットで検索すれば、誰でも簡単に大抵の知識は手に入れられる時代となりました。

この社会の変化を考慮すると、立花氏は自己申告通り確かに本は読んではいないかもしれませんが、インターネット上の文章やYouTube動画などで自分に必要な情報を最短で収集することで、現在の成功を勝ち取っているのではないかと思います。
つまり、本なんか読む暇があったら、その時間で自分が知りたい情報をインターネットで手早くダイレクトに手に入れるのが現代の賢い人の行動特性であり、わざわざ本を読むという遠回りな行動を優先している人は物事の本質がわかっていないアホだ、ということを立花氏は言いたいのではないかと推測しました。

ここで一人気になる人物がいますが、それは立花氏に興味を持っていて、N国党に言及した動画も時々出しているメンタリストDaiGo氏です。
彼は物凄く大量の本を読んでいるようであり、YouTubeの動画でも大量の本に囲まれて生活していることが分かります。

しかし、彼の本の読み方は、実は自分に必要な情報をインターネットで検索して探すことと本質的にあまり変わらないのではないかと思います。
つまり、本の文字を端から一字一句全て丁寧に読んでいるのではなく、目的を決めてそれに直結する部分のみを重点的に読んでいるように見えます。
その根拠は、下記の速読解説動画からも伺い知ることができます。

これを見ると、一字一句ゆっくり読むことはよくないが、やはり本をたくさん読むこと自体はよいことだと錯覚しそうになります。
しかし、冷静によく考えてみてください。
大量の本を購入して、必要な部分だけを読むという芸当ができるようになるために一番必要なことは何でしょうか?
それは、大量の本を購入できる財力、つまりお金持ちかどうかということです。

しかし、全ての人が大量の本を気軽に手に入れられるわけではありません。
なので、一部の大金持ちを除いて一般大衆が本を大量に読むことで賢くなり人生を変えていくというのは、極めて非現実的な行為ではないでしょうか?

お金を使わずに本を読む方法として図書館で借りるという手も考えられますが、図書館にわざわざ行くこと、借りた本を汚さないように気を遣うことなどの煩わしさや、自分にとって必要な本が必ずしもあるわけではないという不便さを考えると、これも現実的に効果が期待できる方法ではありません。

また、amazonのkindle unlimitedの様な定額読み放題サービスを利用するという手も考えられますが、必ずしも全ての本が電子書籍で読めるというわけではなく、更にGoogle先生にキーワードを託して欲しい情報を検索してもらうみたいな便利な使い方ができる訳でもないので、あまり利用価値を感じません。 

やはり、今自分にとって必要な情報をインターネットを中心として収集していくというスタイルが、誰にとっても最も実践しやすい方法だと思います。
個人的にはテレビは必要無いし、新聞もわざわざお金を出してまで読む必要は無いと思いますが、そこで浮いたNHK受信料と新聞購読料の分はインターネットのサービスプロバイダに支払い、ネットを使える環境は何が何でも維持していく必要があると考えています。

ここまで見てくると、逆に読書は意味が無いのではないか?と思うかもしれませんが、確かに自分にとって必要で旬な情報を得るという視点に立って言えば、メンタリストDaiGo氏みたいに無制限に自由に本を手に入れられるような財力がある人でなければ、大した意味は無いと言えるでしょう。
しかし、情報収集とは別の意義を考えれば、読書も十分に意味がある行為だと思います。

例えば、継続して読書をしていると語彙力が豊かになり、論理的思考力が鍛えられ、文章力もそれなりに向上します。
私がnoteでそれなりに文章を書き続けられる背景には、間違いなく普段の読書活動の成果があると言えます。
また、読書で他者の考え方を取り入れることで、思考の柔軟性や幅が広がりメンタルが強くなるというのは、実体験からも確信しています。
つまり、知識の習得よりも脳の基礎体力や人格の向上という面で、読書活動は有益であると考えています。

まとめると、現代の情報が大量に溢れていて変化の速い社会において、本を端から一字一句真面目にコツコツ読んでいても、時代の変化にはついていけません。
インターネットを中心に、その時その時で自分にとって必要な情報を素早く手に入れることがまず重要です。
そして、本を大量購入できる財力を持てるようになった特別な人は、本の中で自分に必要な部分だけを重点的に読むという贅沢なことをしてもよいと思います。
一方で、読むべき本を厳選し、語彙力や精神性の向上を目的に日々読書を続けるのは何も問題ないどころか、積極的にやった方がよいと考えます。

よく読書論などが書かれた本で、読書量と年収は比例するので本をたくさん読んだ方がよいという言説がありますが、これは本が売れない出版業界が本を売るために広めているビジネス活動の一環であり、妄信するのは大変危険なことであると穿った見方をしています。

実際、私の勤めている会社のとある本部長と酒の席で話をする機会がありましたが、その本部長が言うには本はよく読むときでも年間30冊、読まない時には年間3冊程度だと言っていました。
つまり、その程度の読書量でも本部長というポストまで出世できて勝ち組と言われるポジションにいられる人も実際に存在するので、いかに読書量と年収は比例するという調査結果が怪しいものであるかということが感じ取れると思います。

無条件に本をたくさん読むことがよいことだと信じて読書を続けていると、無駄な知識で頭でっかちになり、一方で行動力がまったく伴わず、常に誰かを批判しているだけの本物のアホになってしまうかもしれません(笑)

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