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Kodai Abe | 阿部幸大
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Kodai Abe | 阿部幸大
@korpendine
筑波大学助教。研究コンサルのベンチャー Ars Academica 代表(kodaiabe.com/?page_id=425)。YouTubeやってます(youtube.com/@arsacademica)
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言いにくいだろうが、コロナで変化した生活スタイルの方が自分に合うので正直たすかってる、という人はかなり居るはずで、しかしそれはコロナ自体の歓迎でもなければ被害者の軽視でもなく、以前の「ノーマル」な社会もまた特定のクラスタに強いストレスを強いる歪んだ制度だった、ということの表出だ。
ノーベル賞受賞者って、「私は若いころ苦労した、お前らも同様に頑張れ」みたいな負の再生産をうながす老害の説教じゃなくて、「若い人をもっと支援せねばならない、かつて私はそのおかげで研究に打ちこむことができ、成果を出せたのだ」っていう話ばっかりしてて、やっぱさすがに偉いよね。
授業中に学生が寝るの、教員からするとプラスかマイナスかでいえば当然マイナスだし、自分の授業がつまらないせいだ的な反省も可能だけど、10代の頃って俺も死ぬほど眠かったんだよね。自分ではまったくコントロールできない激烈な眠さだった。だから寝てる学生の印象べつに悪くない。寝るしかない。
たまに勘違いしている人がいるが、研究において「論破」という操作は基本的に有害です。相手の論証の隙をついて「ここで崩せる」ってのは、ようは揚げ足取りなんで、なんの貢献ももたらさない。できてもやらない。相手の議論は好意的かつ批判的に受け取るというのが、アカデミアの基本作法です。
「〜みがある」「〜みを感じる」的な表現をネットにおける日本語の乱れとか思ってるおっさん!あれ漱石『道草』の冒頭のオマージュだかんな!漱石読んで一種の淋しみ感じて出直してこい!
アメリカ留学で辛かったことといえば、日本人がほとんど居ないはずのキャンパスで日本人女性2人に話しかけられて、「なぜ日本人だとわかったんですか」と訊いたら「口笛で「ミニモニ。じゃんけんぴょん!」吹いてました」って言われたことですね。無意識すぎて死んだ。
家庭が貧しいと教育が受けられず貧しさが再生産されるという話、もちろん大問題だけど、同時に知ってもらいたいのは、教養のない田舎の家庭に生まれると、たとえ裕福でも教育には到達できないってこと。教育の重要性じたいが不可視だから。文化資本の格差は「気付くことさえできない」という点で深刻。
講談社のウェブマガジン「現代ビジネス」から依頼を頂いて、文化資本と教育の地域格差について記事を書きました。地元の釧路を例に、田舎から大学に入ることの困難を話しています。都会生まれ・都会育ちの人にとくに読んでもらいたい記事です。どうぞよろしく。
後輩が東大のTAの給料が低いと怒ってるのだが、俺も当時は生活の収入源とは見做してなかった。いま留学してるNY州立大は、週3h、1年で30回の授業を持つと、220万の学費が免除になり、給料は180万もらえる。これ、割ると時給4万超えるんですよ。金持ちでない州立でこれ。東大は1000円前後だった。40倍。
日本は、なんと言っても戦後ずっと自国の被害者性を目立たせることで加害性を隠蔽・抑圧・忘却してきた国なので、「こういう暴力が存在する」という可視化の声には猛烈な否認が殺到する。問題を存在しないことにする暴力がものすごく強い。国家レベルの歴史的な問題だと思います。
筑波、着任式で「筑波大学は研究大学です。研究成果を出してください」って言われて「俺のための大学か??」となり、直後に英文校閲費のコンペ的なのがあって「すぐ必要なんですが」と言ったら学部単位の会議にかけて〆切を早めてくれたりして、この大学すげーと思ったよ。国立大学の柔軟性じゃない。
みんなすごいすごい言ってる「みらい翻訳」、いやーすごすぎ……。ためしに自分の悪文を入力してみたが、ほぼ完璧に訳されてしまった。これ以上の英語が書ける日本人はほとんどいないだろうし、今後も出てこないだろうから、ものすごく重宝されるだろう。
すごく賢い人って、たぶん自分の学習プロセスをあまり意識したことがないせいだと思うんだけど、自分と同じようにできない人を、無能ではなく、怠慢とみなす場合があって、これが教師と学生のあいだで起こるとき、無能とみなすよりも強く傷つけることがあると思うのね。真剣な遅さを理解してほしい。
広義の「文学部」で学ぶべき能力とはなにか。そのひとつの答えは、小説も教科書も政治家のスピーチも、すべてが「物語 narrative」であるということを真に理解することだ。その次元での争点は、内容が事実か虚偽かではない。誰が誰になにをどのように語り、それがどのような効果をもたらすかである。
日本で教えてて、あらためて思うが、日本の新書文化というのはすごいね。ここまで短くて安くて、およそどんな話題でもかなり本格的なレベルまで学べて、そういう本が何冊もある。ありすぎて選ぶのがいちばん難しいくらい。これは英語圏に対応するメディアはないはず。ということは読者層もいない。
英語で小説を読めるようになりたいけど、英語が平易な初心者むけの短編なんて自力で探せないというひとは、柴田元幸に頼ってください。このシリーズが和文・英文併記の対訳で大量に勉強できるんで最高です。いま自分が学部生なら、俺もこれから始めますね。
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英語はけっこう読めるのに英作文が極端に苦手なひとは、騙されたと思って旺文社『表現のためのロイヤル英文法』の付録「暗記用例文300」をガッと暗唱してみると良いですよ。知識が300増えるんじゃなくて、手持ちの知識を作文に応用するコツがつかめる。色々試したけど、これの効率がダントツでした。
定期的に「アメリカの大学院に行くには大金が必要」という誤解が飛んでくるので、定期的に訂正しますが、アメリカの【博士課程】は、基本的に、
①TAをやりながら
②学費は全額免除で
③生活費も支給されつつ
④5年くらい在籍可能です。
初期費用は要りますが、大学への出費はなく、借金しません。
卒論のときは「卒論というのは出しさえすればよいのです」と言われた。その通りだった。
修論のときも「出しさえすればよい」と言われた。その通りだった。
博論のときも「出せばよい」と言われた。やはり、その通りだった。
オチなし。ぜんぶ出せばいいです。
なかなか伝わってないっぽいのであえて極端な例と比べておくが、「夜の街」が感染源だという都の指摘は、ナチスがユダヤ人を指さしたのと同じことで、なにが同じかと言うと、権力による超あからさまな差別の産出だってことです。特定のクラスタを恣意的に選んで、究極的には殺していいことにするわけ。
安部公房の「発想メモボード」、さすがに気になるでしょこれは。観に行って真似しよー。
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神奈川近代文学館 公式
@kanabun_PR
【安部公房展】
特設サイトにメインビジュアルをアップしました!
写真は箱根の仕事場で「方舟さくら丸」を執筆中の安部公房。8月刊行の『安部公房写真集』を編集した近藤一弥氏によるデザインです。
10月からの展覧会をどうぞご期待ください。
koboabe.kanabun.or.jp
はやく、朝起きて夜寝るというリズムがいかに特殊なもので、それを「健康」と呼ぶイデオロギーがじつは別のリズムで生活する人間を苦しめ排除し病理化しているのかが明らかになって、早起きとか言ってたあの時代はなんて野蛮だったんだろう!ってことにならないかな。
某メンタリストがYouTubeのサジェストで流れてきて10年ぶりくらいで観て思ったのだが、この「〜大学の研究によれば」っていうふうに研究成果を大学の名前に帰属させるのって自然科学では実際にある感覚なんですかね?他ではこういう表現、メディアの報道くらいでしか聞いたことないのだが。
高校レベルの英文法に不安があるひとはこれ。何周もして隅から隅まで覚えるという使い方をすべき問題集。この1冊だけで、文法も単語も相当なレベルになります。単語帳いらない。
英語にかぎらず、大学受験の全科目・全参考書中、1冊だけ選ぶならこれですね。旺文社最強。
論文が書けるようになるために、どんな分野・レベルの書き手にも薦められる、現時点でもっとも効果的な和書のひとつは、野矢茂樹『論理トレーニング』です。
これを「読む」だけでなく、参考書のように手を動かして「やる」と、読み方も書き方も変わります。信じてやってみ。
勉強なんて本読んだほうが効率良いわけだから、俺は授業では授業に特有の価値を提供したいと思ってるんだけど、そのひとつの方法は自由に脱線しまくることで、これは雑談が面白いって話じゃなく、「どんな情報に触れたとき、他のどんな事項を思い出してるか」という知識網を見せてるんだよね。
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ほんと研究者志望の人はさっさと留学したほうがいいですよ。日本は優れた先生は沢山いるし、俺も彼らに憧れて志したので日本のアカデミアを今でも心から尊敬してるけど、それと大学の環境は関係ない。学徒たるもの清貧が美徳みたいな雰囲気さえあって本当によくない。研究するには金と時間が要ります。
唐突ですが、「アートとしての論文」という怪文書をブログに書きました。論文執筆の初級者が中級者になる=査読に通るためのキモい勉強方法を紹介しています。人文系の院生むけですが、ひろく物書きの参考になるといいなと。10000字。ながい!よろです!
このTwitter地獄において、われわれ研究者はアカデミズムの基礎である「批判的だが好意的である」という知的態度と対人関係がありうることを示してゆかなくてはならない──いや、まさしく大学教員こそが、その正反対の醜態を晒しつづけているのかな。
昔「こんなことも知らん学生おんねんけどww」的なツイートしてるクソ教員がいて、スクショ撮って晒したんだけど、本人から「研究者の先輩として忠告」とかいう噴飯DMは来るわ、大学教員から教員擁護のリプ超つくわ、恫喝めいたメールすら来るわで、日本の大学教員は終わってんなと確信したのよね。
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そういう田舎にいると、大学というのは「高校の次に行く学校」ではなく、「ハカセが実験室でフラスコ振って爆発させてるところ」的なイメージしか持てない。俺の地元はまだマシで、たまたま中学で勉強ができて学区トップの高校に行かされた人間だけは、大学進学という脱出ルートの情報に触れられた。
いまんとこ一番多い質問が「一日のスケジュール教えてくれ」というやつなんで(20件くらいきてる笑)、院生時代から現在までまとめました。
むちゃくちゃだから絶対参考にならないぞ。
俺の卒論はそこそこだったのだが、修論はゴミだった。が、それは手を抜いたのではなく、当時は論文の書き方も勉強の方法も、皆目わからなかったのだ。修士の2年間は、成長のない、つらい時期だった。この経験が、いま俺がテクニックと教育にこだわる根源にあるのかもしれない。
日本の大学、人文系の研究環境がいかにキツいか。
たとえば俺が資料の95%をDLするProject MUSEというデータベースのアクセス権を買ってる大学は日本にほとんどなく、アメリカの研究大学は全員アクセスし放題。つまり、日本のトップ校の教員より、アメリカの普通の大学の学部生のほうが上なんよね。
講談社の編集から連絡があって、この記事が久々に読まれているとのこと。
当時はおバカな作品として消費されていたDA PUMP「U.S.A.」論ですが、非政治的に見えるエンタメにおいて作動する政治性をいかに読み、いかに語るのか、そのことについてあらためて考えるヒントになればと思います。
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Kodai Abe | 阿部幸大
@korpendine
【告知】DA PUMP の “U.S.A.” を日米関係から読み解く──という記事を書きました。髭男 “Pretender” に続いてJPOP批評、第2弾です。歌詞はもちろん、ダンス・衣装・MVの「ダサかっこよさ」も分析しています。よろしくどうぞー。
gendai.ismedia.jp/articles/-/672
アメリカの大学で教えるとすぐわかるけど、ネイティヴの学生が英語を使いこなせるわけでは全然ない。スペルはもちろん、基礎文法も驚くほど間違う。これじつは、東大生のレポート添削してみると正しい日本語なんて書けていないのよね。学部生の教育は、その事実をちゃんと自覚させるところから始まる。
日本で研究職を目指すのはキツい。なぜなら日本の大学制度では院生に自立可能な給与が支払われず、それゆえ世間が彼らを「社会人」と見做さないから。その怪しい身分のまま30とか35まで耐えるしかなく、就職できた瞬間に不連続に偉くなる。マジで欠陥しかないシステムで、参入がリスキーすぎる。
多くのひとは、大学に入ると「暗記」という勉強を放棄してしまう。大学受験ですら暗記が必要なのだから、それよりも高度な内容を学ぶにあたって暗記が必要でないわけがないのだが。
いやじっさい、学部時代の「お勉強」から抜け出して「研究」って感じがわかってくるのって、やっと博士に入ってからじゃないですか?よほど優秀かガチ指導でも受けないかぎり。修士で研究者っぽい読みかた考えかた書きかたができるひと、俺の関連分野だとかなり早熟の部類のはず。
人文学ではマイノリティが重要なわけですが、なぜ重要なのかを学問的な手続きの基本として説明すると、少数派の意見にも耳を傾けることが必要だからというだけでなく、マイノリティに着目するとマジョリティの論理がいかに暴力的なのかよく見えるからなんですよね。「ふつう」を批判する基本がわかる。