2024年7月にフランスのパリで開幕するオリンピックがサイバー攻撃者に狙われている。
これまでもオリンピックのような国際的なイベントはサイバー攻撃の標的になってきた。だが世界情勢の悪化を受けて、パリ五輪のリスクはこれまでにないほど高まっているという。既にその兆候は見られる。
攻撃者の狙いは何だろうか。
ロシア支援の攻撃者が脅威に
米Microsoft(マイクロソフト)とセキュリティーベンダーの米Recorded Future(レコーデッド・フューチャー)、米Google(グーグル)傘下のMandiant(マンディアント)は2024年6月上旬、パリ五輪のセキュリティーリスクが高まっているとして相次いで警告した。各社とも、ロシアが支援する攻撃者グループが最も深刻な脅威になると断言している。
理由の1つが、これまでの歴史である。これまでのオリンピックにおいて、ロシアが支援するとみられる攻撃者グループは攻撃を繰り返している。マイクロソフトは、「ロシアはオリンピックを標的にしてきた何十年もの歴史がある」と指摘する。
例えば2018年の韓国・平昌で開催された冬季オリンピックでは、韓国のオリンピック関連組織を標的にサイバー攻撃を繰り返した。ある攻撃では、韓国で人気のAndroidアプリに情報を盗むマルウエアを仕込んでGoogle Playで公開した。
そして世界情勢である。フランスはウクライナを積極的に支援している。これに関連して、ロシアの選手はパリ五輪に出場できるが、母国を代表することはできず、開会式にも参加できない。中立な立場の個人資格の選手として競技しなければならない。
ロシアの選手がロシア国旗を掲げて競技に参加することを禁じられたことに対する不満は、同国によるサイバー攻撃の脅威を高めているとマンディアントは分析している。
このためロシアが支援する攻撃者グループの主な目的は、パリ五輪を失敗させて、フランスやIOC(国際オリンピック委員会)の信用を失墜させることだという。各社の一致した意見だ。生成AI(人工知能)などを活用し、偽情報の流布に力を入れている。
偽のドキュメンタリー映画まで制作
偽情報の1つが、パリ五輪は危険だと思わせるニュースや動画である。観戦や参加を思いとどまらせて、パリ五輪を失敗に導こうとする。これらの制作には生成AIが使われている可能性が高い。
例えば、テロの恐れがあるのでパリ五輪への参加を控えるよう警告する、米中央情報局(CIA)と仏国内治安総局(DGSI)を装った偽のビデオをマイクロソフトは確認している。
またフランスの放送局であるFrance 24(フランス24)を装った偽のニュースは、テロへの恐れから試合のチケットの24%が返却されたと主張する。




































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