作:袖釣り
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俺の向かったある場所というのが、ダンジョンである。
何故、ダンジョンなのかというと今ダンジョンでどれだけ動けるのかを確かめたいからだ。
バキボキと指を鳴らした後、俺は急ごしらえでさっき買った大剣を担いで駆け足でダンジョンの中を移動していき階層を降りて行く。
そうして、立ち止まったのが三十七階層の『
ここではモンスター同士の殺し合いが日常茶飯事であり、この領域のモンスター達は侵入者が立ち入った瞬間以外、日々同族と争い続けている。
だからこそ、訛った身体を叩き起こすには丁度良い場所なのだ。
俺は大剣を構え、
その瞬間、さっきまで同族同士で殺し合っていたモンスター共が一心不乱に俺に向かって来る。
その光景に俺は懐かしさを抱きながら大剣を振るい、剛撃を一閃する。
その瞬間、俺の前にいたモンスター共は魔石や
「いいぞ、このまましばらく俺のリハビリに付き合ってもらうぞ化け物共!!」
そう言って俺とモンスターの殺し合いが始まった。
絶え間のないモンスターの咆哮が、敵意が、殺意が、憎悪が俺の肌にひり付いて来る。
燐光に照らされる無限とも思える怪物共の影と輪郭が、巨大な黒き大津波となって俺を蹂躙しようと牙を、爪を剥き出しにして襲い掛かって来る。
その光景に俺は思わず笑みを浮かべてしまう、何故かその時昔日の事を思い出していた。
ダンジョンから帰ると、その度に最恐の
だが、その制裁も喰らう事も、誂われる事も無くなってしまった。
最初は清々したと思っていたが、今になると寂しく感じるとは思わなかったな。
そう考えながらも大剣を振るい、モンスターを灰に、魔石に変えて行く。
殺し合いに身を投じてから体内時計ではたかが数時間しか過ぎていない。
場に満足いくだけの魔石が転がったのを確認した俺は
「【我は
俺の足元には魔法陣が浮かび上がり、その一説を唱える間にも迫り来るモンスター共を薙ぐ。
「【巨人の
二節目を唱えると共にモンスターの攻撃を大剣で指揮棒を振るうかの如く弾き、払う。
「【暴虐の限りを尽くせ】」
三節目には魔石と共に後ろに跳び、モンスター共との距離を開ける。
そして、魔法の名を告げる。
「【タイフーン・ヘーシオドス】」
魔法を唱えた瞬間、最初に暴風が吹き荒れ、次にその暴風の力を受け灼熱の業火がモンスター共を焼き尽くす。
暴風と業火が消えると、そこにモンスターの姿は無く魔法の影響でダンジョンの壁からは次に生まれて来るモンスターはいなかった。
「
そう言いながら俺は魔石を全て回収し、更に
地上に戻って来ると、まずは魔石などの換金をするためにギルドにへとやって来る。
俺が中に入ると、先程まで賑やかだったギルド内が静まり返る。
まぁ、原因はさっきの俺の行動だけどな・・・と内心少し反省しながら換金所に行く。
「換金」
「は、はいぃ!!」
俺にビビりまくりの職員をさらっと無視して団員募集の広告を見やるも、イマイチ魅力を感じないものばかりだった。
というよりも、前の派閥が【ゼウス・ファミリア】という濃すぎた派閥だったせいなのかどれも淡白に思えて仕方がない。
そうやって募集の紙に集中していると、職員が換金の終えた巨大な麻袋3つを持ってやって来る。
「こちら合計で8800万ヴァリスになります」
そう言ってくる職員から麻袋を受け取り、俺はギルドを後にするのだった。
そんな時、俺は全身をモンスターの血だらけになってギルドに向かっていく少年とすれ違う。
「なんだありゃ・・・」
あまりの光景に長年冒険者として活動していた俺も唖然としてしまったが、すぐに頭の中を切り替えてもう一つの目的の場所に向かうのだった。
しかし、俺は再びその少年と出会うことになることをまだ知らない。
そして、その少年が