県内の私立高校で11年前、女子生徒が、同級生からいやがらせを受け、自傷行為をして意識障害となりました。
この件について、再調査していた県の再調査委員会が、「いじめ重大事態」に認定しました。
県によりますと、2014年5月、県内の私立高校で1年生だった女子生徒が、同級生4人から無視される、ぶつかられても謝ってもらえないなどの被害を受け、自傷行為をして意識障害が残りました。
これをめぐり、2016年12月に学校の第三者委員会が調査を開始。
その後、「いじめと自傷行為との因果関係を否定」する報告書を県に提出しました。
これに対し、生徒の保護者が「調査結果に納得できない」として、県に再調査を求めていました。
県の再調査委員会が3日公表した報告書では、「いじめを疑うべき事実があった」としたうえで、自傷行為との因果関係を認め、「重大事態」と認定しました。
また、▼保護者から要望が繰り返しあったにもかかわらず、学校の誤った認識で、重大事態としての報告と調査の開始が2年半余り引き延ばされたこと、▼県は学校に対し、速やかな調査報告を促すなどの指導をすべきだったこと、▼保護者への説明や要望の聞き取りを省略した第三者委員会の対応は、法に則ったものでなかったことなどを批判しました。
再調査の結果を受けて、黒岩知事は「いじめは絶対に許されない行為。 いじめにあわれた生徒のつらい状況や、事案発生以降、今回の再調査がまとまるまでの長期間にわたる家族の心痛を考えると、大変重い事案であると受け止めています。 県に対する指摘については、真摯に受け止めます」などとコメントを発表しています。