兵庫県「告発文」問題 元局長の「告発文」と百条委・報告書の事実認定(表)

20250305報告書

【神戸経済ニュース】死亡した兵庫県の元西播磨県民局長が斎藤元彦知事に対する「告発文」を作成した問題(文書問題)について調査する兵庫県議会の調査特別委員会(百条委員会)が4日にまとめた報告書では、「斎藤元彦兵庫県知事の違法行為等について」という表題の「告発文」が指摘した7項目について、いずれも違法行為は認定できなかった。追加で調査対象とした文書の取り扱いを巡っても「外部公益通報に当たる可能性が高い」と断定を避け、「告発文」が外部公益通報ではなかった可能性も残した。各項目について報告書の指摘は以下の通り。「」内は報告書から引用した。

●五百旗頭真理事長ご逝去に至る経緯について
「片山氏からの副理事長解任の話が五百旗頭理事長の命を縮めたとは言い難い」

令和3年の知事選挙における県職員の事前選挙活動等について
「違法行為は認められなかった」
「この件にかかる『論功行賞』や『人事のルール無視』といった文書の記載内容や違法行為を裏付ける証言等は確認できなかった」
「この件にかかる文書記載の違法行為を裏付ける証言等は確認できなかった」

●知事が贈答品を受け取っていることについて
「齋藤知事がコーヒーメーカーを受け取ったことは確認できなかった」
「ロードバイクは県に無償貸与されていた」
「齋藤知事が個人として市川町からアイアンクラブをもらったことは確認できなかった」
「特定企業との癒着は確認できなかったものの、齋藤知事は、複数着のスポーツウェアをスポーツメーカーから無償貸与してもらっている」
「視察先やカウンターパートの企業を選定する際のリストに役得の記載があるということは確認できなかった」
「齋藤知事が、出張先で地元の首長や利害関係人を陪席させて、飲食代を支払わせるということは確認できなかった」

●知事の政治資金パーティー実施にかかるパーティー券の購入依頼について
「県下の商工会議所、商工会に対して経営指導員の定数削減をほのめかせて圧力をかけたという事実や保証業務を背景とした購入依頼は確認できなかった」
「片山氏から県職員OBが齋藤知事の後援活動の責任者を依頼され、交換条件として異例の抜擢をされたということは確認できなかった」

●阪神・オリックス優勝パレードにかかる信用金庫等からのキックバックについて
「県から信用金庫への補助金を募金としてキックバックさせたということは確認できなかった」
「民間企業が便宜供与の見返りとして寄附集めをしたということは確認できなかった」
「パレードを担当した課長が不正行為に関わったことは確認できなかった」

●知事のパワーハラスメントについて

「齋藤知事が、執務室や出張先で職員に強い叱責をしたことは事実と評価でき、文書内容は概ね事実であったと言える」
「『パワハラを受けた』との証言は無かった」

●公益通報者保護にかかる調査の内容と結果について
「元県民局長が齋藤県政に不満を持っていた事情はうかがえるものの、元県民局長は今回の文書作成については後輩職員のためを思い行ったと主張しており、人事課調査による判断と同様に、不正な目的であったと断言できる事情はないと考える」
「元県民局長の文書は公益通報者保護法上の外部公益通報に当たる可能性が高い」
「文書内容の事実確認よりも通報者の特定を優先した調査や3月27日の記者会見での文書作成者を公にしたこと、元県民局長のプライバシー情報の漏洩などは、公益通報者保護法に基づく指針第4の2(2)「範囲外共有等の防止に関する措置」を怠った対応」

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