東京大学では学校推薦型選抜が行われ、毎年約100人がこの制度で入学しています。東京の中高一貫女子校、品川女子学院からは、2024年度入試で初めての受験者、吉田朱里さんが見事合格をつかみました。スーパー高校生が突破していくイメージがある「東大の学校推薦型選抜(以下、東大推薦)」を吉田さんはどのように攻略したのでしょうか。後編の本記事では東大推薦の受験を決めた経緯、受験準備や東大での学生生活について聞きました。
(上)東大推薦入試に初の合格者 品川女子学院時代の取り組みは
(下)東大推薦受験を高3秋に決意 共通テスト「8割の壁」どう突破? ←今回はココ

吉田朱里さん。品川女子学院在学中、同校の起業体験プログラムをきっかけに、生理について情報提供を行う有志団体「CLAIR.」を立ち上げ、代表として出張授業などの活動を行った。2024年に学校推薦型選抜で東京大学法学部に合格
吉田朱里さん。品川女子学院在学中、同校の起業体験プログラムをきっかけに、生理について情報提供を行う有志団体「CLAIR.」を立ち上げ、代表として出張授業などの活動を行った。2024年に学校推薦型選抜で東京大学法学部に合格

海外大学志望で一般受験対策はしていなかった

編集部(以下略) 東大を学校推薦型選抜で受験したきっかけは、何だったのでしょうか?

吉田さん(以下、吉田) 実は、中学3年生のころから海外の大学に進学したいと思っていました。それもあって課外活動を頑張っていましたし、成績も学年200人ぐらいの中でずっと1桁台前半の順位を保っていました。

 でも、高校3年生の夏に海外の大学に行くことを考えても、ワクワクしない自分に気づき、ふと「これでいいのだろうか?」「本当に自分は海外の大学に行きたいのかな?」と思ってしまったんです。

 よく考えた末に日本の大学入試に集中しようと思うようになりました。それで慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)の総合政策学部AO入試に出願しました。自分が学びたいことを学べる環境でしたが、やはりそのまま進んでいいのかとも思い始めました。

 なぜなら中学受験のときに、より上の偏差値の学校にチャレンジしなかったことを後悔していたからです。人生の大事な一部分である大学受験でもっと上にチャレンジしないまま進んだら、この先の人生もずっとリスクを取らないままになってしまうと思い、東大の学校推薦型選抜を考え始めました

――東大法学部の学校推薦型選抜では、社会のさまざまな課題を主体的に考え、解決を目指すことができる人材が求められていますね。

吉田 はい。そこで、高校の担任の先生から「CLAIR.」での活動をアピールしたらどうかと勧められました。それで受かるか不安だったので、知り合いの東大法学部の学生にも相談しました。大丈夫だろうと返事をもらえたのでチャレンジすることを決めたのが、高3の9月半ばです。

――東大の推薦入試は共通テストの得点も評価対象となります。どのように対策しましたか?

吉田 これが一番大変でした。私は私立文系型の授業を選択していたので、国立受験のために共通テストで必要な数学や理科といった科目をあまり勉強していませんでした。そもそも一般入試を考えていなかったので、受験に向けて勉強していなかったんです。