建築技術が発展した現代社会においても、民家などの建造物はケガ、体調不良、心理的な悩みを抱えている。
このような建造物を見つけては寄り添う職業、それが建造物養護教諭だ。
「みなさんにとって保健室の先生が馴染み深いですよね。私は建物の保健室の先生なんです」
「建物たちは日々成長します。その小さな変化を受けとめてあげたいんです」
もうすぐ冬休みなので、建造物養護教諭としての仕事も落ち着くのではないか。
そう質問すると、意外な答えが返ってきた。
「いえ、冬休み中も仕事は続きます。建物たちに休みはありませんからね」
気になる民家に近づき、やさしく壁面をなでる。
「正直、荷が重いです。でも、いつも建物たちの味方でありたいと思うんです」
K川さんはバッグからバンドエイドを取り出し、横に広がるひび割れにそっと貼る。
そんな、地域に必要不可欠とされてきた建造物養護活動だが、建築技術の高度化により、年々対応が難化しているという。
「たまに、建物たちの気持ちがわからないときがあるんです。昔はもっとすなおで柔らかい子が多かった気がします」
長年共に成長してきたK川さんは、もうすぐ異動だという。
「ことばは宙に舞い、思いは地に残ります。これからも一人一人と向き合っていきたいですね」
成長まっただなかの建物たちと共に過ごす。己の覚悟を試される職業、建造物養護教諭。
私達はその縁の下の力持ちの存在に気づき、より評価すべきだろう。安心を包み込む、建物たちのように。
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