シリア暫定政権、アサド前政権支持の武装勢力と衝突 147人死亡か

根本晃
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 シリア国営通信は6日、同国の暫定政権の治安部隊が、西部ラタキア郊外でアサド前政権を支持する武装勢力から攻撃を受け、衝突に発展したと報じた。在英NGOのシリア人権監視団(SOHR)によると147人が死亡したといい、SOHRは「アサド政権が崩壊して以来、新政権に対する最も暴力的な攻撃」と指摘した。

 SOHRによると、衝突によって暫定政権側で37人、武装勢力側で34人が死亡したほか、民間人7人も犠牲になった。また、暫定政権の治安部隊の戦闘員が現場周辺で、少数派のイスラム教アラウィ派の人々69人を「処刑」したとも報告した。

 昨年12月にアサド政権が崩壊したシリアでは、過激派組織シャーム解放機構(HTS)が主導する暫定政権が国民の融和を掲げ、治安の安定化を急ぐ一方、アサド前政権を支持する武装勢力との間で断続的に衝突が生じている。

 地中海沿岸部に位置するラタキアは、アサド前政権が支持層としていたアラウィ派が多く住み、同政権の権力の基盤となっていた。

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この記事を書いた人
根本晃
イスタンブール支局長|中東・欧州担当
専門・関心分野
国際政治、トルコ、ガザ、ウクライナ、語学
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    村山祐介
    (ジャーナリスト)
    2025年3月8日20時2分 投稿
    【解説】

     衝突の死者数はその後も増え続け、記事中にある在英NGOのシリア人権監視団(SOHR)は8日、少なくとも民間人304人、暫定政権側89人、武装勢力側120人が死亡したとしています。  暫定政権は部隊を増派してラタキアやタルトゥース、ジャブラ

    …続きを読む