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10年以上ポケモン対戦してたけど、急にイラスト描き始めて7年経った

はじめましての方ははじめまして。
さいくと申します。
主にポケモンのFAをX(Twitter)に投稿してます。

デジタルイラストを本格的にはじめて約7年ほど経ったので、元々対戦勢だった視点から振り返ってみようかなと思い記事にしてみました。
意外とポケモン対戦ガッツリやっててポケモンの絵描いてる人ってあんまり居ないんですよね。

念のため、アマチュアからプロイラストレーターになれました!みたいな話では無いです。
自分は同人の範囲で活動しておりますし、絵の仕事をしてるわけでもございません。
プロになるとまでは考えてないけど、アマチュアの範疇でも上手くなろうと思ってる人には参考になったり反面教師になったりしたら面白いかなと思って書いてみようと思った次第です。
あと、ポケモン対戦してる人にポケモンの絵描いてほしい。

一応、最初期の絵と比較的新しい絵のビフォーアフターを始めにお見せします。

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最初期(2019年)
TwitterのFFの不思議なダンジョンのツイキャスが
面白くて描いた絵です
画力はともかく普通に今でも気に入ってます
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2024年の絵
沢山見ていただけて、自分でも気に入っているイラストの1つです

流石に2019年段階よりは上手くなってるとは思いますね。
元々ちょっと描けたので、めっちゃ劇的と言う訳ではないですけど。
でも逆にこれくらいの方がリアルかもと言う前置き。

ポケモン対戦してた時代(〜2020)

現在はイラスト中心に活動していますが、タイトルにもある通りに元々はポケモンのシングルバトルをランクマッチ中心にやりこんでいました。
今は時々やるくらいですが、小学生のころ中学生〜大学生の時は、学校を除くほぼ全ての時間をポケモン対戦に使ってました。
具体的にはXYのシーズン1〜剣盾のシーズン4(2013年〜2020年)までは、ほぼ全てのシーズンやってます。
これくらい長いスパン休みなく熱量注いでやってた人は当時でもあまり居ないのでは?

具体的な成績で言うと、XYは最高レート2000、ORASは2150、サンムーンは2190、剣盾は最終10位です。(剣盾以外の最終成績はレート2100くらいの2桁帯複数で、そこまで目立った成績は無いです)
実力で言うと、最上位勢の少し下くらいの位置付けだと思いますね。

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サンムーンの時
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剣盾の時

「最上位勢の少し下」と記載したように、僕はやった年数の割にはあまりポケモン対戦が上手くありませんでした。
当時は悲観的に考えてませんでしたが、正直言って最上位に行けるような才能は無かったですね。

イラストを始めるきっかけ

2019年に剣盾が発売されて、一応対戦は好きだし他にやる事も無いので継続はしていたのですが、正直これ以上強くなる気がしないなと思っていました。
そう思っていた矢先に「切断バグ」と呼ばれるランクマの競技性を揺るがす致命的なバグが発見されて、7年間ランクマッチに潜っていてはじめて「モチベーションが下がる」を経験しました。

そんなタイミングで、デジタルイラストを本格的に始めるきっかけに巡り会います。
2019年のタイミングでiPadは持っていて、元々絵は好きなので描いた絵を友達にあげたりしていました。↓

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2019年当時の絵
フーパが好きな友人にあげました

しかし、本格的に上達しようと言う気はあまりなくダラダラ描いていたわけですが、イラストレーターの米山舞先生のワンドロを見て衝撃を受けたのを皮切りに、自分もイラストを上手くなりたいと思う様に。
ここで、ポケモン対戦に致命的なバグが発見された事も相まって、約7年間休まずやり続けたポケモン対戦をストップして本格的にデジタルイラストをはじめました。

イラストをはじめて1年目(2019〜2020初頭)【試行錯誤段階】

一時的にストップしたとは言え、とにかくポケモン対戦が好きなので対戦を題材にしたイラストを描きたいと思いました。
対戦を題材にしたイラストはそれなりにあったのですが、やり込んでた自分から見ると少し視点が違う印象があったので、それなら自分で描いてみようと言う意気込みで取り組みました。
当時のイラストがこちら↓

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半年ちょっとの絵
好きなメガマンダ&カミツルギの並び
7世代が一番やりこんでました
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1年くらい経った時の絵
グラフィックぽいのにハマった時期
なにやら、技とか図鑑説明とか書いてますね

とりあえず色々試してた時期ですね。
SNSで伸びたりはしなかったですが、楽しく継続しておりました。
この地点では対戦もそれなりにやっています。

今までかなり勝ち負けに対して執着した生き方をしていたので、そもそも勝ち負けの概念がない分野に取り組むのは新鮮な体験でした。
それでいて「上手い」「下手」「良い」「悪い」などの概念はあるので、いろんなアプローチが取れそうだなとも感じていましたが、正直イラストと言う分野の全体像が全く見えてなかったので、当時はまだ手当たり次第と言う感じでした。
理性的なアプローチはこの地点ではあまり取ってないですね。

とにかく慣れること・上手い人が言ってることを鵜呑みにすることを徹底していました。
自己流だけは絶対にやらないと決めていましたね。ポケモンでも最初は自分で考えずに強い人の言うことを全部聞くのが一番速いことを知ってたので。

2〜3年目(2020後半〜2021初頭)【絵の方針を決める】

2020年の夏くらいの時期で初の「万バズ」を経験しました。

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初の万バズイラスト
当時この3体が強かったので描きました
絵のうまさと言うより、題材選択が良かった感じだと思います

この絵は正直自信作とは言えなかったのですが、今後の絵柄を決定する上で1つのターニングポイントになった絵です。
ここではじめて多くの人に見られることを体験出来て、自分の価値基準にも自信がなかったので、半ば「いいね中毒」みたいになってたのが2020〜2021初頭くらいだと思いますね。お恥ずかしい話。

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いろんなミミッキュの型を題材に
この地点でもバリバリ対戦のイラスト
鬼火の炎に85を忍ばせる小賢しい技も
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ボカシとかカメラ的な処理を見様見真似でやってみた絵
米山舞先生の影響を強く受けてます
カグヤレヒレミミの並び渋くてかっこいいけど
ニッチすぎますよね

こんな感じで、2020年後半は白背景にちょっと淡い色使いを主軸とした絵柄でした。
これくらいの時期は、とにかく形を綺麗に取ることと遠近感と実在感みたいなものを重視して描いていました。

ただ、自分は単純な画力のアームレスリングになった時にあまり強くないなと思い始めていて、「画力不足でも絵として成り立たせる工夫を施す」と言う方針に少しずつ変わっていきます。
デッサン力は試行回数とアカデミックな知識の両方が必要になるので習得に時間がかかるし、せっかちな自分はとにかく最大効率でイラストを良くしたかったので、「色」と「構図」に着目しました。
この2つは知ってるか知らないかが重要で、そこまで試行回数を重ねなくても単純なデッサン力と比べると習得速度が速いかつ、絵における支配率が高い要素だと考えたからです。(実際はそんな甘くはないのですが)

最初は色と構図の本を購入してとりあえず読んでみたのですが、即反映出来るほど天才でも無かったので実践から後付けで理屈づけすれば良いと思いました。
色と構図が上手いと思った絵を並べて、スポイトで色の相互関係を調べる/シルエットを取って共通点を書き出す……など実践的な方法を試しました。
これでそれなりに吸収出来たのですが、個人的にはそこまで最適解に辿りついてない感覚がありました。
この原因を探ると、やはり自分の癖や形の整合性に囚われすぎて、試せるものの幅に自分で制限をかけていたことにありました。

そこで、「上手く描くのを諦める」と言う戦法に出ます。

3.5年目(2021中期〜後期)【絵柄の確立】

ここまで、それなりに人にも見てもらえる様になってきて自分のスタイルを確立しかけているところではあったのですが、上手く描く意識を一旦排除することにしました。
と言うのも、自分が絵を描く時どうしても形を綺麗に取ることに時間をかけるタイプだったので、そこにリソースを割きすぎて、本当は試したい色・構図の要素をキャパオーバーで入れられないと言う状態だったからです。

なので、一旦形の綺麗さはそこそこにしておいて色と構図「だけ」でも成り立つ様な絵作りをする方針にしました。
勿論、形も色も構図も上手く……が理想ですが、それを実現する能力は現状では無いことを認めて、色と構図の能力を伸ばすことを優先しました。
あえて乱暴な言い方をすると「下手でもマシに見える画作り」を目指しました。
あと、全部やろうとすると単純に時間がかかるのでサイクルが全く回らないです。

また、当時自分が武器だと感じていた要素を一時的ではありますが捨ててしまうので急に見放されるのではと言う不安も過りましたが、これも割り切ることにしました。
このくらいの時期から「いいね」を主軸として絵を描くと同じ様な戦法に頼りすぎるのは危ないと思っていたからです。
これは再現性は強固になる反面、自分の中のテンプレを崩すのが難しくなり、いざ他の手法に切り替えたり、試したいことがあっても中々踏み切れなくなるリスクがあると考えました。それなら、まだ固まり切ってない今のうちに打開すべきだろうと言う算段です。

一応断っておきますが、「いいね」や「承認欲求」を軽視したり悪いものだと思っている訳ではないです。これを無視しすぎると絶対的価値基準に縛られるリスクが伴うと思っていますし、人に見てもらえることはエネルギーになる要素なのは間違いないはずです。
現段階では、いいね数より自分の物差しを信用してるので、認識はしてるし沢山見てもらえたら嬉しいですが、自分で良し悪しはある程度判断つくから気にしすぎてはないと言うスタンスです。(SNSの付き合い方難しい)

長くなりましたが、まとめると「武器だと思ってた形の整合性やらはそこそこに留めて、伸ばしたい色と構図を伸ばす」方針にしたと言う事です。
その方針で描いた絵がこちら↓

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風呂に浸かってるコダックの絵
前の絵と比べると、かなり気の抜けた線を多用しています
小さくてたくさんのアヒルと、大きくて一匹のコダックで
対比させようとしました
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おそらく自分が描いた絵で一番伸びた絵
当時はじめて10万いいねつきました
黄金比をかなり綺麗に使うことが出来ました

当時の自分としては、かなり大きく絵柄を変えたつもりだったので、ここから数年は見てもらえない可能性も覚悟していましたが、考えていた方針がハマって割とすぐに結果がついてきてくれました。
やはり、以前の絵と比べると線の丁寧さや奥行きなどの要素は薄れていますが、色と構図の能力はしっかり伸ばせていることがわかると思います。
ここで出来た絵柄は2025年現在も自分の中では大きな要素として作用してくれています。

他の2021年のイラスト↓
この年は月に20枚イラストを完成させることもありました。

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4〜6年目(2022〜2024)【定着と応用】

2021年に描きまくって、かなり自分の色として定着したのでこれをベースとして活かしつつ、応用を効かせたり全く取ってなかった手法を試してみたりしました。

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2022年
昔の「整合性」みたいなところを意識しつつ
色と構図も活かそうとしたイラスト
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2022年
構図や色の面白さに加えて
「発想」も面白いアイデアを仕込んでみたいと
思ったイラスト
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2023年
単色だけでなく、少し「色の幅」を増やしつつ
色や形の認識のしやすさは保とうとしたイラスト
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2023年
平面的なイラストが多いので、
思い切って「パース」をつけてみたイラスト
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2024年
構図で引っ張り込んで、空からの「引力」を
伝えることを目指したイラスト
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2024年
赤と青の対比と、今まであまり使ってこなかった
「筆致」で荒々しさと緊張感を
出そうとしたイラスト

2021年と比較するとそこまでハイペースで絵を描いてた訳では無いのですが、極力同じ位置に留まらないよう楽しんで絵を描けていたと思います。
この時期くらいでコミケなどの同人イベントに出る様になって、色んな方に実際本として手に取ってもらう喜びを知りました。
やっぱデジタルイラストでも、実物として絵があるって嬉しいなと思いますね。

7年目(2025年)【今後】

勿論、ポケモンのイラストも沢山描いていきたいのですが、最近は人物イラストも練習中です。
やはり一番描かれているモチーフですからその分研究が進んでいますし、何より自分も描きたいなと思いました。
モチーフとして難しいから敬遠してたけど、そろそろだろうと。

最近、初音ミクのイラストを描いて投稿したのですが久々にTwitterにあげるときに緊張しました。
何せ人物単体のイラストって多分投稿したことがなかったので……

まだまだ絵としては改善点の塊なので、2年後くらいには良い感じになれればいいなと………
実際自分で描いてみると、他の絵師の方々の上手さに改めて気づきましたよね。

さいごに

対人ゲームとイラスト、どちらも趣味とは言え時間と気持ち込めてやってきた身としては、対戦ゲームはとにかく勝ち負け第一で、アームレスリング的な要素が強い気がしています。
勿論、その中にも美学は沢山眠っていますが、表明したいなら、まず勝ってから言えよって話になりますからね。
その分、才覚があれば本当に気持ち良い世界なんだろうと思いますが、自分は持ち合わせてなかったのが残念です。

一方、イラストはもうちょっと何でもアリな側面が強い気がします。
何なら戦わないことすら戦法として解釈できるくらい自由度が高いと思います。
とは言え、別に勝ち負けと言う訳では無いですがちゃんと「強さ」みたいな指標はあって、それ含めて色んなアプローチで取り組めるのでそこが面白いポイントだと思います。十人十色のアプローチやら勝ち方があると思います。

私個人としては、上手いと思ってもらうとかより先に何らか感情が生まれてくれれば万々歳で、とにかく感情に至るまでの速さとニュアンスの伝え方の塩梅に今後も気を使って描ければなと思っております。
喋るの苦手なので、絵の上くらいはコミュ強になりたい。
勿論、上手くなりたいとは思ってないことは無いですが、個人的には漠然としてて抽象的で掴みづらい目標だと解釈してるので、長い目で見て少しずつ近づけたらなと思っております。
それよりかは、目の前に落ちてる具体的な課題を拾ってくことから始めないといけない、いわばチュートリアルの段階なので、そう言う遠くにある目標はあと十数年とか何十年後かに取っておこうと思います。

ここまで長々と書きました。
最後まで付き合ってくれた方、ありがとうございました。

今通販でイラスト本を頒布してるので、よければ↓

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Aya@ニュージーランド
Aya@ニュージーランド

さいくさんのイラストが好きすぎてアートブックからカレンダーまで見つけ次第購入し何度も見返しています!海外在住のため、日本で購入してちょっとずつ在住先に送ってもらっています。構図、そして配色を見れば「あ、さいくさんの絵だな」とわかる、さいくさんの色が大好きです。これからも素敵なイラストを見るの楽しみにしてます!!

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