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文科省と地元自治体の「おいしい天下り先」になっている…Fラン大学「公立化」の暗い側面

天下りのせいでめちゃくちゃに

最近では中央官庁だけでなく、地元の自治体から公立化された大学に、職員やOBが「出向」したり、天下ったりするケースも増えてきた。しかし大学経営の知見がない人間が関わることで、かえってガバナンスが崩壊することもある。

その一例が、2017年に公立化された長野大学(長野県上田市)だ。長年にわたって同大学を取材している、ジャーナリストの田中圭太郎氏が解説する。

「長野大学では2022年4月に、学内の情報システムの導入をめぐって問題が起こりました。本来ならば競争入札を実施して受注先の業者を決めるはずが、市から出向している幹部が主導して、懇意にしていると見られる業者に開発を随意発注したのです。それだけでも大問題なのですが、そうやって導入されたシステムが正常に作動せず、学生が履修登録できないトラブルまで発生してしまいました」

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36協定に違反した長時間労働などで労働基準監督署から何度も是正勧告を受けるなど、コンプライアンス違反はほかにも発生している。田中氏によれば、「公立化が実現し、上田市からの出向職員が大学に入ってきた途端、こういった不祥事が続発するようになった」という。

「2022年10月に実施された学長選では、候補者が出そろった後に選考のルールが変更され、市関係者を中心とした理事会が推す小林淳一氏が選ばれました。しかも意向投票の直前には、大学上層部の不正などを指摘した教授たちが次々と処分を受けています。まさに地元の地方自治体によって、公立大学が「私物化」されているのです」

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