働くのは、午前だけでいい
「努力は量ではなく、効率だ」
――私はそう確信していた。昭和の根性論や朝から晩まで泥臭く働くスタイルは時代遅れだ。
長時間労働が美徳とされていた時代は終わった。現代に求められるのは、効率よく成果を出すスマートな働き方。泥臭い努力をすれば成功する、なんて言葉は年寄りの妄言だ。
質を追求し、最短で成果を出し、残りの時間は全部遊びに使う。それが現代の正しい生き方だ。
しかし、そんな理想を持ちながらも、現実の私はいつも理想どおりに動けているわけではなかった。
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怠け者の私
「今日は何もしたくない」
――そんな日が頻繁にあった。朝ベッドから起き上がるのが面倒で、結局夕方までずっと寝転がっていることも多々あった。やる気がある日は集中して8時間仕事をするけれど、やる気がない日は一日の成果がゼロという極端な日々だ。
「効率を求める」と格好つけたことを言っていても、単に自分が怠け者であることを合理化しているだけなのかもしれない。だが、何もしない日がある一方で、驚くほど効率よく仕事が進む日があるのも事実だった。
いったい、効率良く進む日とそうでない日とでどう違うのだろう?
日記を書いてみる
そこで私は2年間、毎日日記をつけることにした。毎日、時間とその時やっていることをGoogleドキュメントに書いた。
最初はタイムテーブルのような形だった。でも、次第に思っていることをそのまま書くようになったり、メモを書いたりとしていたら、少しずつ日記っぽくなっていった。
2年で書き溜めた日記は800ページに及び、そこには私の感情や体調、活動時間などが事細かに記録されていた。
私は自分の情報を元に、効率的に仕事が進む方法を考えてみた。
感情や体調が良い日の成果が大きいのは言うまでもないけれど、これはどうしようもない。そこで、時間帯に目を向けた。
最も効率的に仕事が進む時間帯は、午前9時から午後1時までの4時間だった。
驚くことに、この時間帯だけで一日の成果の7割を生み出していた。
一方、13時~16時や23時以降はほとんど成果が出ていなかった。特に昼食後の時間は集中力が皆無で、何もしていないに等しかった。夜の20時~23時も、体調や気分によってパフォーマンスが安定しない時間帯だった。
確かに思い返してみると、お昼を食べた後にカフェでパソコンを開いても、ゲームをやったりネットニュースを見ている日が多かったような気がする。
「有効活用」
これらのデータを基に私は働き方を変えた。昼食後の眠気が襲う時間帯や夜の遅い時間帯を無理に仕事に充てることをやめたのだ。
むしろその時間帯は積極的に「遊ぶ」時間にした。渋谷の街をぶらぶら散歩し、2時間ほどゆっくりランチを楽しむことが増えた。
罪悪感も感じない。どうせ無理に働いても成果が出ないのだから、遊びやリラックスに使った方が合理的だ。
そう決めてから、徐々に効率良く仕事が進むようになった。時間を減らしたのに、以前と同じくらいの成果が出るようになったのだ。
それに、精神的に非常に楽になった。だから、無気力で1日中寝ている日が減り、結果的には一日6時間の作業で以前の倍近い成果を安定して出せるようになっていった。
自分自身の働き方を見つけ、上手くいくようになったことで、仕事自体もどんどん楽しくなった。
あれから……
あれから私は成果を安定して出せるようになった。
学会で賞を取ったり、本を書いてベストセラーになったり、と。
週5日・一日6時間のペースなのに成果が出て、収入が上がり、すべてが上手く行っている。
ある日、いつものようにカフェで働いていると、編集者から連絡があった。
「XXメディア様から取材依頼が来ています。空いている日時を教えていただけますか?」
さらにその直後、知り合いからもメッセージが入る。
「XX社からソフトウェア制作の追加案件を受けてほしいってさ。週20時間くらい、時給も弾むって。一度Webミーティングしない?」
仕事の依頼が次々と舞い込んできた。以前は私には全く縁のないと思っていたこと。私はとても嬉しかった。
私は思わず有頂天になった。「やった、ついに私の働き方が認められたんだ!」
そして、私はメールを受け取ると、いつも意気揚々と返事を送る。
「それでは、明日の15時にお願いします!」
※ このストーリーはあくまでフィクションです。
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