私はこうして書いて、ベストセラーになった
「5刷おめでとうございます。」
先日、編集者からの嬉しそうなメールが届いた。
執筆当時、これほどの反響をいただけるとは夢にも思わなかった。
それもそのはず。私にはもともと文章を書く習慣がまったくなかった。本を出せるだけでも凄いことだ、と周りからは謎のフォローをされていた。
本来3ヶ月で書くつもりだった本は、締め切りがずるずると引き伸ばされた。私と編集者は毎週のようにミーティングをし、応援されながら(慰められながら?)も、3回くらい書き直した。
半年間、全力で取り組んだ。私はここに心血を注いだんだ。
翌年1月14日、一冊の本が完成した。
そうして生まれた一冊は、今こうしてベストセラーと呼ばれるようになり、5刷という形で実を結んだ。
そんな私が取り組んだことを、ここに記しておきたい。
筆者はこんな人です!
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※カテゴリ。本全体では81位
1. プロットを先に考える
執筆に取りかかろうとすると、多くの人は「とりあえず最初の文章から書き始めてみよう」と思いがちだ。しかし、実際にやってみるとすぐに壁にぶつかる。
「どう続ければいいんだろう」
「ここから先、物語が広がらない…」
そこで私が学んだのは「上からなんとなく書こうとしても絶対に書けない」ということだ。
私の場合、まず「全体の大枠」をカフェでひとり考え、それをメモに書き出してイメージを膨らませることから始めた。これはいわゆる「プロット作成」だ。主人公のストーリーがどのように進捗するのかを大まかに組み立てた。
例えばこんな感じだ。
1.「怠惰な大学生」の日常
2.ChatGPTに出会う
3.ChatGPTを用いて授業中に先生に隠れてオセロを作る
4.先生に見つかって、言い訳をする
5.怒られると思ったら…?
私は飲食店で料理を待つあいだなど、何気ない時間に一人でプロットを練っていた。自室にいるときは、何か目標があれば仕事は進むけれど、こういう創造的なことはなかなか上手くいかない。そもそもビジネス的なやり方と、こういう遊びのような仕事は水と油なんだろうね。
むしろ生活の中で「ぼんやりする瞬間」を味方につけると、思わぬひらめきがやってくることがある。文章を具体的に書き進めるより先に、まず「何を書きたいのか」「どんな結末にしたいのか」を明確にしておく。これが執筆作業を長続きさせるコツだと痛感した。
本を書くまでのストーリーはこちら!
2. メモの活用と取捨選択
アイデアというのは、たいてい突然浮かんでくるものだ。
どんなに些細な思いつきでもいったんは書き留めておくことが大事だ。
その多くは実際に書こうとした段階で「使えない」「イマイチだ」とボツにすることも少なくない。
私は外出時には常に紙のメモ帳を持ち歩き、面白い出来事や感じたことを即座に書きつけるようにしていた。もちろん、その大半はあとで見返しても役に立たないものばかりだった。
それでも20個に1個くらいはまともなアイデアがあり、最終的に形になった。
「アイデアの取捨選択」は後から行えばよく、最初の段階では量を稼ぐことを重視したほうがいい。
毎日ネタ帳を携帯し、面白いアイデアを溜めていった。
実際、私が書き直しを3回も行いながらも諦めずにすんだのは、「何を削って、何を残すか」を明確にできたからだ。メモに蓄積されたネタのおかげで、「全部ボツにしてしまったらもう書くものがなくなる!」という極端な不安に囚われることもなかった。だから、何度も白紙に戻し、書き直した。
たとえ一部を大胆に切り捨てても、代わりになる材料が常にある。この安心感は代えがたいものだ。
3. 数を打つ
ネットで調べると、1冊書くのに600時間と出てくる。
正直、初めて書いた身としては「時間なんて測りようがない」と感じる。
実際、執筆期間中はそれこそ朝から晩まで文章と向き合っており、何時間費やしたのか全く覚えていない。
特に私は新人社員として入社直後で、研修期間であったので、特にやることがなかった。その分、朝から晩まで外を眺めながらアイデアを練ったり、日記を書き溜めたりする時間を確保することができた。
そこまでやっても、週に一度の編集者とのミーティングでは私の拙い文章に「仕事だから」と、申し訳なさそうに色々と指摘された。
本当は「こんなもの読めるか」と思われていながらも丁重な対応をしているんだろうと思うと、余計に心苦しかった。
それでも書き続けるうちに、3か月ほど経ったあたりから何となく「私のスタイル」が確立され始めた。
大切なのは、「量を書く」ことでしか得られない感覚が確かにあるということだ。文章表現の幅を広げるにも、物語を最後まで完結させる持久力を養うにも、「数を打つ」ことが遠回りなようでいちばんの近道になる。
4. 日記を書く
最後に挙げたいのが、「日記を書く」という習慣だ。
日常生活を振り返ると、実に多くの場面で“建前”の言葉を使っている自分に気づく。
ビジネスメールや学校での提出物、ちょっとした会話でも、相手を傷つけないように、あるいは不快にさせないように、本音から離れた表現を選ぶのが社会人としては当たり前だろう。
しかし、「物語を書く」のであれば、その逆を行くことが求められる。
読者は建前だらけの文章に心を揺さぶられることはない。むしろ、赤裸々な心情や率直な感想こそが読み手の興味を引き、共感を生む要因となる。
だからこそ、まず自分自身で「正直に書く」練習をしなければならない。そこで最適なのが、誰にも見せない前提で書く日記なのだ。
たとえ数行でもかまわないので、毎日正直に感じたことをつづる練習をする。すると、自然と文章が「自分の言葉」になってくる。日記には日々のエピソードが溜まっていくため、本を書こうと思ったときにネタ元としても役に立つ。毎日2000文字を難なく書けるようになれば膨大な“素材”が手元に残る。
そこから、良い文章を抜き出してエピソードを作れば、とても効率的だ。
※私は、就活時の、「給料は欲しいけど働きたくない」という気持ちを正直に本に書いたため、(訴訟リスク回避のため)新卒で入った会社の名前はネットで晒さないようにしている。
おわりに
「半年かけて本を書く」というのは、最初は気が遠くなるような挑戦に思えるかもしれない。しかし、振り返ってみると、私のように文章を書いたことがほとんどない状態から始めても、根気よく続けることで物語風の原稿を仕上げ、そして幸運にもベストセラーを手にすることができた。
書いては消し、また書いては消してを繰り返しながら、「本当に伝えたいこと」を掴んでいく作業は、決して一朝一夕では完結しない。だが、そのプロセスを経るからこそ、あなたの物語やテーマにどこにもない“あなたらしさ”が宿る。もしあなたも文章を書いてみたいという想いを少しでも持っているのなら、どうか「自分には才能がない」などと諦めずに、一歩ずつ手を動かしてみてほしい。
あなたの本の主人公は、あなたなのだから。
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