会社は勉強するところだ
「頑張っていれば、必ず評価されて昇給するはず」
——気づけば、そんな幻想にしがみついていないだろうか?
努力すれば昇給する。ボーナスが上がる。新入社員説明会や上司はそのようなことを口にする。 多くの新入社員――「良い子」のあなたは、それを真に受けて、もしくは倫理観を植え付けられ、一生懸命働くことになる。
しかし実際は、いくら努力しても給料は横ばい、評価されるのは要領よく立ち回る同僚ばかり……なんてケースは珍しくない。
どんどんやる気を失い、「私の努力って何の意味があるのかな」、と学習性無気力に陥ってしまう。
そんな悪循環を防ぐにはどうしたらいいだろうか?
私が提案するのは、「会社は勉強の場」と割り切り、自分の市場価値を高めるために使ってみることだ。
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1.努力と給料に相関性はない
最初に押さえておきたいのは、「会社での努力が給料に直結するとは限らない」という現実だ。
私たちは、幼い頃から、努力することを美徳だと教えられる。そして、実際に大学進学し、単位を取る所までは、努力は評価される。
しかし、問題はそこからだ。そこから先は、そのような性善説は通用しない。
実際、上司が部下の努力を正しく評価する——そんな理想的な環境は実はかなり少ない。
むしろ、どうやってアピールするか、上司に気に入られるか、といった政治力やコミュニケーション術が評価を左右しがちだ。
そもそも、仕事で誰が優秀かを測定するのは難しいし、数値化するにしても、人間の評価が介在するから、仕方のない面もある。
有名な経営学者ジェフリー・フェファーが著書で指摘するように、「悪いヤツほど出世する」ことは往々にしてある。もちろん、“悪いヤツ”になる必要はないけれど、会社組織の評価は必ずしも正義や努力に比例しない、という点は押さえておきたい。
これは決して悲観的になるための知識ではなく、「評価は成果に対して客観的に下るわけではない」ことを理解するための前提だ。
2. 収入を増やすためには環境を変えるしかない
もし「もっと収入を増やしたい」「自分の能力を正当に評価されたい」と考えるなら、会社内部での変化をただ待ち続けるのではなく、環境そのものを変える選択肢が有効だ。
日本の企業は、昔から“社会主義的”とも揶揄される年功序列や横並び文化が根強く、給与水準は“会社の規模”に依存する傾向が強い。
一方、欧米の企業ではジョブディスクリプション(職務記述書)に基づく人事制度が一般的で、「どんな仕事をするか」によって給与テーブルが定められている。
しかし、どちらのシステムであっても、今いる会社の中で一気に年収が跳ね上がる可能性は高くない。結局、自分の市場価値を認めてくれる企業に“移る”ことでしか、待遇は大きく変わらない。
それを実現するためにも、今の会社での経験を「勉強の場」に変える、もしくはうまく時間を作って転職のための勉強をし、自分の市場価値を高めることが重要なのだ。
3. 企業側は「安く使う」ことを意図している
そもそも企業は、人件費をなるべく抑えたいというインセンティブを持っている。仮にあなたが社内で実績を上げ、能力を高めても、企業が昇給を渋ることはよくある話だ。
会社側としては、可能な限りコストを削減して利益を出す必要があるのだから、当然といえば当然だ。また、組合などが「できる人に対する給与と同じ給与を全員に渡すべきだ」と、出る杭を嫉妬で落とすような交渉をしがちだ。
こうした構造的な力学を理解すれば、過度な期待を抱いて「そのうち上がるだろう」と待ち続けるよりも、「社内で学べるスキルを得て市場価値を伸ばし、その結果として外で評価を得る」ほうが現実的だとわかるだろう。
4. 「会社を持っている」人の多くは、どこかの会社で「勉強」している
世の中の経営者の経歴をたどってみると、独立前に“どこかの会社で働いてスキルやノウハウを身につけた”ケースがほとんどだ。
起業やフリーランスといった働き方を目指すなら、今の会社を“実地で学べる学校”のような場所と位置づけ、積極的に活用してしまうのが得策である。
色々な部署の仕事を観察し、仕事のノウハウを吸収する。こういった行為は勉強熱心で優秀な社員に見られるだろう。
また、仕事をしても評価されず、作ったものは「職務著作」として会社に没収されるのであれば、勉強した成果は会社以外の場所で使った方が良いだろう。
会社に「在籍」していることで給料が出る。環境はうまく使っていこう。
5.稼ぎたいなら副業をした方がいい
「とはいえ、すぐに転職や起業はハードルが高い」という人もいるだろう。
そんな場合は、副業を考えてみてはどうだろうか。副業であれば、会社員として安定的な収入を得ながら、自分が行動した分だけダイレクトに稼げる可能性がある。
副業をすることで、多角的にスキルを磨き、市場価値をさらに高められるかもしれない。
今の時代、会社はいつ倒産するか分からない。会社は出世も昇給も約束してくれない。会社が認めてくれないなら、社外で試して成果を出してみるのも一つの手段だ。
「会社は勉強するところ」として位置づけて日々スキルアップし、その成果を副業で試す。そのサイクルを回していくことで、収入も上がっていき、脱出する準備も整っていくだろう。
おわりに
努力すれば必ず昇給する——そんな甘い言葉に振り回されるのではなく、会社を“活用”する視点を持ってみよう。
上司や環境の都合によって報酬や評価が左右されるのは当然のことだ。会社はあなたを使おうとしてくる。だから、いいように使われないように、「会社は勉強をするための場だ」と割り切り、自分の市場価値を高めることに注力したい。
自分のキャリアは、最終的に自分自身でコントロールするしかない。環境を変えるための転職や起業を視野に入れたり、副業でスキルを磨いて自力で稼ぐ方法を模索したり——そのどれもが、今いる会社を学びの場として活用することから始まる。
会社に振り回されるのではなく、自ら主体的に動き、スキルや人脈を手に入れる。そうすれば、数年後には「ただ勤めていただけ」だった会社生活が、確かな自己投資へと変わっているはずだ。
あなたが会社をうまく“使う”ことで、キャリアの可能性を広げた方が良い。
あなたの人生の主人公は、あなた自信なのだから。
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