若者は貯金よりも海外旅行をした方がいい!?| 1年で3回行った23歳の視点
20代前半の若者は貯金や投資をせず、海外旅行に全額使った方がいい
──そんな極端な意見を最近、SNSでよく見かける。
収入の少ない20代前半の若者が必死に節約をし、貯金や投資をしても増える額はごくわずか。そういうことは収入が増える20代後半からすればいい。そんな主張が多いようだ。
確かに、1度しかない人生、今しかできない体験をしたほうがいい。
しかし、「海外旅行に価値がある」とは、いったいどういうことなのだろう?
本記事では、その実態を、自らの経験を振り返りながら考えてみたい。
著者:「100日チャレンジ」で有名になり、本を書いた、エンジニアx 研究者です!
1. ツイートの解釈と、ネット情報の薄っぺらさ
最近、目を引いたツイートがある。
若者は貯金や投資するな。金は全部使え。
20代前半の若者が貯められる貯金額なんてたかが数百万円。
若いという"時間"はどんな大富豪でも絶対に買えない超絶価値のあるもの。
100万円を使わず我慢して年利10%の激アツな投資をしても増える金はたかが+10万円。
それなら海外旅行に全額使った方がいい。
私はこれを見て、「海外旅行って世の中から見てそんなに素晴らしいものなのかな?」と疑問を持ち、ネット調べてみた。それが以下の通りだった。
新しい刺激を受け視野が広がる
多くの人との出会いがある
語学力がつく
世界情勢に興味を持つきっかけになる
日本の文化や良さを再発見できる
――薄っぺらくない…?
私は率直にそう思った。一見綺麗に並べられているように見えるけれど、結局何をどう得るのかが曖昧だ。
「行けば変われる」とは言いつつ、具体的な中身はスカスカにも見える。
思い返せば、大学時代に留学していた人はたくさんいるけれど、海外旅行に行って人生を変えた人を見たことがない。
だからこそ、このツイートの「海外旅行に全額使った方がいい」という主張に対して、「実際のところはどうなの?」と疑問を抱き、私自身の経験を整理してみようと考えた。
2.私が実際に行った話
2024年、私は23歳の年に1年間で3回海外に行った。合計でかかった費用はおおよそ20万円。行き先は以下の通り。
スペイン(2月下旬/4泊6日)
学会での渡航だったため、飛行機代・ホテル代・日当が支給され、実費負担はほとんどなし。(ただし観光もほとんどなし。)
台湾(3月上旬/4泊5日)
これは完全自費旅行。ただし、出張で貯めたマイルを活用できたので飛行機代は無料。結果、滞在費や食費などで約7~8万円ほど。
ヨーロッパ4カ国(12月上旬/約2週間半)
ハンガリーの大学に講演に呼ばれたことをきっかけに行くことに。主な行き先はハンガリー、オーストリア、デンマーク、スウェーデン。飛行機代は大学が出してくれ、ハンガリーではマンションを貸してもらうことができたため、実質的な大きな出費はスウェーデン国内の宿泊費や移動費のみ。合計で約12万円ほど。詳しくはこちら↓
スペインでは初めてヨーロッパの空気に触れ、台湾では日本に近いアジアの異文化を知り、そしてハンガリーやスウェーデンでは多様な歴史と自然を楽しんだ。
それぞれ、仕事以外に観光や食事といった「イベント」的な経験はあった。
しかし、正直「行ってから人生が劇的に変わった!」なんてことはない。
もちろん無意味だったわけでもないと思っている。
3. 海外旅行は単なる“イベント”
「海外旅行なんて、結局はイベント」――その通りだ。たとえ行ったとしても、現地で短期間観光して、戻ってくるだけ。SNSに写真をアップするのが目的になっている人もいるだろう。
むしろ、「行けば人生が変わるはず」と期待を膨らませすぎると、現地で「こんなものか」と肩透かしを食らう。
ただし、「イベント」にすぎないからこそメリットがあるのも事実だ。
実際に行ってみると、海外に対する過度な幻想がなくなる。
飛行機に乗れば意外とすぐ着くし、現地の物価や人の優しさ・厳しさを実感できる。
私が3回行ってみて改めて感じたのは、「地球はとても小さい」ということだ。
飛行機なんて、どこでもドアみたいなもの。明日行きたいと思えば、航空券さえ取ればすぐに飛べてしまう。15時間のフライトだって、寝て起きて仕事をしていればあっという間。
海外は「はるか遠い海の向こうの話」ではなく、身近で気軽に行けるところなのだ。
4. 海外旅行の本当の価値
では、本当に「海外旅行」そのものに価値があるのか?
私の答えは「Yesでもあり、Noでもある」。
旅そのものというよりも、その過程や記憶にこそ意味があるのだと思う。
過程:
海外に行くためにお金を貯める。
時には、スポンサーを探したり、海外で仕事を見つけたりして旅費を浮かす。
どうやって安く行けるか、時間をやりくりするかを工夫する。
思い出:
言葉も文化も違う場所で過ごした体験そのものが、自分なりの「糧」になる。
見知らぬ街を歩き、きれいな景色を写真に収める。
その街の食べ物や人との何気ない会話が、あとで思い返すと妙に懐かしく感じる。
私自身、どこでどう変化したかははっきり言えないけれど、なんとなく「今の私を自由にさせている」のは、こうした旅の経験が大きく作用しているのかなと思う。
思いついたことはまずやってみる──それを実現しようとする積み重ねが、知らないうちに自分のアイデンティティを形成しているのだろう。
もちろん、海外旅行である必要はない。しかし、自分の夢や目標、いや、そんな大層なものでなくても、自分の希望が、自分の意思で通せるという経験は持っておいた方が良いだろう。
今の時代、あらゆる場面で我慢を強要される。会社では上司に従って働かされ、帰ってきても将来が不安だからと節約のために家にいる。生活の張りが失われてしまい、何のために行きているのかを見失ってしまう――そんな人が今の時代多いのではないか。
おわりに
大金をはたいて海外に行ったからといって、万人にとって劇的な変化が起きるわけではない。
SNSで紹介される「海外旅行に行って得られること」は、どれももっともらしいけれど、どこか抽象的で薄っぺらく感じるのも事実。
しかし、自分の力で企画し、お金や時間を工面して行った旅の経験は、後になって大きな意味をもつことがあるだろう。
「海外旅行に意味はあるのか?」と聞かれたら、私ならこう答える。
――それを自分で見つけに行くことに意味があるんだよ。
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コメント
2素敵ですね😍😍😍
面白かったです!