煩わしい会社設立手続きを経て――私が会社を作るまで
会社設立ってこんなに面倒なの……?
気軽な気持ちで始めた会社設立手続き。取引を簡潔にしたい。経費で落として税金を減らしたい。そんな思いで、会社設立手続きを始めた。
ところが、いざ手を動かしてみると、想像以上に細かい手続きが必要で、私はすっかり途方に暮れてしまった。
書類の作成、電子申請の準備、定款の確認……思っていた以上に細かい作業はある。
その“煩わしさ”をくぐり抜けた先に、私にとって大きな一歩となる会社が生まれた。
これは、私が「12月3日」を設立日に選び、あれこれ右往左往しながら会社を立ち上げた物語である。
1. 設立を決意した理由
私が会社を作ろうと考えた大きなきっかけは、本の執筆がひと段落し、受けられる仕事が増えてきたことにあった。
11月上旬、私は「# 100日チャレンジ 毎日連続100本アプリを作ったら人生が変わった」という本を書ききった。この本には8ヶ月かかった。この本にかけた膨大な時間が空いたのだ。
そんな時、この本の出版元である、日経BP社から、契約書の締結を求められた。
これは良い機会だ。会社を作るのは今しかない。
今後の仕事の幅や規模を考えると法人化したほうがメリットが多いのは明らかだ。インボイス制度の関係で、企業は個人との取引は嫌がる。
それに、生成AIなどのツールや交際費の経費計上をしやすくして税金の負担を減らしたい――そんな実利的な考えも背中を押していた。
2. 電子申請の壁との格闘
会社設立にはさまざまな方法がある株式会社、合同会社、合名会社…etc。
多くの人が会社というと株式会社が思い浮かぶと思うけれど、私は合同会社にした。理由としては、毎年の公告義務がないこと、設立費用が10万円くらい安いことなど、個人会社として設立するには手間やコストが少なくて済むからだ。
そして、費用を安く抑えるため、電子申請を活用することにした。紙の書類で法務局に提出すると、定款に貼る印紙代として4万円が必要になる。しかし電子定款で申請すれば、この印紙代が不要になるのだ。そのため、実際にかかるのは登録免許税の6万4,000円程度になった。
電子申請の過程でまず出会ったのが「商業登記電子認証ソフト」。公式で案内されているソフトは10年以上前の、極端に古いソフトウェア。
公式に案内されているソフトを使わないと認証手続きができないと思った私は、Windowsしか対応していないこのソフトを使うためにわざわざ研究室に、2時間もかけてパソコンを借りに行った。
(実際調べてみるとただの電子署名ソフトであったので徒労だった。)
それでも、一度「やる」と決めて周りに既に言ったからには引き下がれない。必要な書類の準備や電子定款の作成手続きを粛々とこなしていく。
私は弥生などの設立サービスを使って大枠は自動で作成してもらい、細かい部分は自分で行った。大学で契約法について学んだのを思い出しながら、一つひとつ「これでいいのか?」と確認しながら進めていった。
一つ一つ書類を作っていくと、少しずつ会社設立のゴールが見えてきた気がした。
3. “会社”が形になる瞬間
設立するにあたり、文章を書くだけではなく、法人印の作成やホームページの立ち上げ、バーチャルオフィスの契約など、会社が“形”として認識できるようになる作業が待っていた。
HPのドメインは「バリュードメイン」で取得し、サーバーは「コアサーバー」を選択。ウェブサイトを整えることで、自分自身にも「これから法人としてやっていくのだ」という実感がわいてきた。
また、オフィスの住所公開を避けるため、「GMOバーチャルオフィス」と契約した。
そして何よりこだわったのが、設立日を「12月3日」にしたこと。ちょうど翌日深夜にヨーロッパに向けて飛行機に乗る予定があった。
だから、書類の提出は12月4日までに終わらせないといけない。さすがに海外から申請するのは無理だろうと思ったからだ。
そのため、その前日である「12月3日」に設定するのが一番都合が良かった。「123」という語呂も覚えやすく、一度聞いただけで忘れにくい。
大切な会社の始まりの日を、自分にとって意味のある数字にできたことは個人的にも嬉しいポイントだった。
そうして迎えた12月3日、マイナポータルを通じて無事に法務局への書類を提出。紆余曲折はあったものの、私の“会社”はこうして正式に誕生した。
おわりに
こうして誕生した会社は、まだまだ規模も小さく、いわゆる“スタートライン”に立ったばかりだ。
しかし、まるで自分の分身のような存在ができたことは、これまでとは違う責任感と希望をもたらしてくれている。
手続きの煩わしさに何度も挫けそうになりながらも、書類作成や電子申請に悪戦苦闘した日々は、振り返ってみると貴重な経験だったように思う。
合同会社Hundredsの物語は、12月3日に始まった。
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