自分の限界を悟った時、私の物語は始まった
「自分の能力の限界を悟った瞬間」、それは人生の中でもひときわ記憶に残る出来事だと思う。
私自身、学生時代からずっと「なんであの人はこんなにできるんだろう」と首をかしげながら、周囲の優秀な人々を眺めてきた。
勉強においても、集中力においても、暗記力においても、自分と比べて明らかに異次元のレベルを持つ人がいる。
いや、勉強や仕事を放棄してゲームや動画に逃げ込む私と比べれば、大半の人は私よりも勤勉だろう。
そんな周りの人々を横目に、自分の不器用さに気づき、愕然としたり、落ち込んだりすることが度々あった。
しかし、振り返ってみると、そんな「自分の限界」を悟ったとき、何かが私を新しい道へと導いてくれた気がする。
1. 受験勉強という限界との遭遇
学生時代は、周囲の「頭がいい人」たちを見ては、その凄まじい集中力と努力量に驚かされてばかりだった。
毎日10時間以上の勉強をこなし、同じ問題集を複数回解き直す、というのは私にとってはもう異次元の世界。問題集や参考書など、正直言って面白いと思ったことがない。机の前に1時間座るのですら苦痛で、すぐにスマホを開くか外をふらふらとしに行ってしまう。
そんな私と比べると、周囲の大半の人がまるで超人のように見えた。
"いったいなぜ、飽きもせず同じ問題を解き続けられるのだろう?"
"どうやったら退屈な参考書に集中できるんだろう?"
私は常に疑問を抱き続けていた。そして、その疑問こそがまさに私自身の限界をはっきりと示していたように思う。
怠惰と言われればそれまでだが、ここまで勉強に興味を持てない私には、もう勉強だけでは勝負にならないなと悟った瞬間があった。
2. 「面白くない話」を聞けないという壁
さらに、私の限界を思い知ったのは講義や人の話を集中して聞く力だった。
大学生になっても、少しでも退屈な授業だとスマホのゲームに熱中してしまう。授業中に抜け出しては購買でイヤホン購入して動画に没頭し、ひどいときはDiscordのオンラインチャットで友人と雑談していることすらあった。
対面での会話でも、興味が薄れると、相手の話をぼんやりと聞き流し、頭の中では「帰ってから何しようかな」と別のことを考えてしまう。
当然ながら、社会的には「授業を真面目に聞く」「相手の話を最後まできちんと聞く」というのは基本的なスキルとされる。
にもかかわらず、私はそれができない。怒られたとしても、正直どこ吹く風。
そうやって、私はどうやっても“普通”のレールには乗れない人間なのだと、落ち込みつつもある種諦めに近い感覚を抱いた。
3. 暗記能力の低さ
記憶力の低さも痛感した。語学の授業で頻繁に行われる小テストに臨んでも、単語やフレーズは全然覚えられない。10分15個程度の単語を読み返しても、いざテストで3割も取れないことはいつものこと。
大学の中国語の授業では、6単位を取るために24回授業を受けた。ピンインの聞き取りの小テストは40回くらいやったけど、1点も取れたことはない。
周りの人は気軽に8割、9割と高得点を叩き出しているのに、私はまるで歯が立たない。その現実を前に「自分はもうどうしようもないのではないか」と自分自身を否定したくなることもあった。
結果を見て、私にテストは向いていない、そう思わないとやってられなかった。
限界を知ることから生まれた"新しい道"
こうして振り返ると、私にとって「自分の限界を悟る」というのは、ただ落ち込むだけの出来事ではなかった。
勉強ができない、集中できない、暗記が苦手……どうしようもない短所だらけの自分を冷静に見つめることで、「じゃあ、どこに私の強みはあるんだろう?」と考えるチャンスでもあったように思う。
当時は分からなかったけれど、2年経った今はっきりと分かるのは、「何かに一度熱中すれば、それに膨大な時間を苦も無く捧げることができる」、というスキルを持っていた。
このスキルは、「宿題をサボる」ためにChatGPTにのめり込んだ大学4年生の春の頃から、少しずつ目が出ていたのかもしれない。
おわりに
結局、「自分の限界を悟った時、物語が始まった」というのは、自分は“これ以上できない”と壁に突き当たった瞬間こそが、新しい扉を開くきっかけになるということだ。
勉強が苦手なら勉強だけにこだわらなくてもいいし、暗記が苦手ならそれ以外の道を模索してもいい。何かができない自分を否定するのではなく、“ダメならダメでいいじゃないか”という諦めと開き直りの先に、意外な才能や情熱が眠っていることもあるのだ。
今私は、エンジニア・研究者として、様々な仕事をしている。私が来月何をするのかは来月になってみないと分からない。だって、未来は7日先までしか考えていないから。
「100日チャレンジ」でアプリを100本作ってエンジニアになったり、その経験を活かしてスペインの学会で発表したり、その出来事を本にしてベストセラーになったりした。
私は、他人と同じことをやろうとしたら完全に下位互換だった。でも、全く違うことをしたら、上手く行った。きっとそれは、私のやることではなかったのだろう。
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