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なぜ人はサボるべきなのか? ~怠けることの哲学~

「一生懸命働きなさい」「怠けるな」

――子どものころから言われ続けて聞き飽きた言葉。

サボる=悪いこと、というイメージは根強く、少しでも仕事をサボったり遊んだりしようものなら、「そんなことしてる暇があるなら働け!」と怒られたり呆れられたりします。

しかし、私は声を大にして言いたい。「人は意識的にサボるべきだ!」と。

ここでは、私がエンジニア、研究者、そして著者として“サボること”をモットーに生きてきた経験から、怠けることの哲学についてお話しします。

はじめに:なぜサボるべきなのか?

多くの人が「働くことは人間としての義務」「仕事こそ人生」と信じています。実際、学校での教育や家庭での躾でも「怠けるな」「一生懸命勉強しなさい」と刷り込まれた経験をお持ちの方は多いでしょう。

でも、本当に仕事が人生のすべてなのでしょうか? 私はこう思っています。

「仕事をするために生きているのではなく、遊ぶために仕事をしている。」

こう聞くと、「不真面目」とか「甘い」という声が聞こえてきそうですが、実はこの考え方こそが人間らしい豊かな生き方に直結している、と私は考えています。


「サボる」の定義――無駄とは何か?

「サボる」を辞書的に言えば「怠ける」「やるべきことをやらない」ですが、私のなかではもう少しニュアンスが違います。

一般的には「サボる=無駄な行動」と扱われがちです。そして、「無駄」とは多くの人にとって「キャリアに役に立たないこと」「お金にならないこと」という意味合いを持っています。

しかし、私の定義では「無駄」とは、「それをやってみても楽しくない行動」もしくは「やりたくない活動をすること」です。

例えば、仕事の合間に1時間ぼーっとしたり、お気に入りのアニメを一気見したりするのは、一見“無駄”に思えるかもしれません。でもそれが自分にとって“面白い”ものであり“活力を生み出す種”になるのであれば、それは決して無駄じゃない、と私は断言します。


サボることが生み出す「余白」と「創造性」

人間が何かを生み出すとき、大切なのは「余白」だと思っています。余白があるからこそアイデアが生まれ、余裕があるからこそ自由な発想ができます。ずっと全力疾走していたら景色も見えないし、体力も気力も枯渇してしまう。

実際、私がエンジニアとして効率化のアイデアを編み出してきたのも、「なんとかサボれないか?」という動機からでした。どうすれば手間を減らせるか、どうすれば短時間で成果を出せるか。その探求の末にシステムの自動化や時短スキームを研究するようになり、いつの間にか本を出版するまでになったわけです。

サボりを後ろめたいことと捉えるのではなく、「サボりを実現するために工夫する」という発想に切り替えるだけで、私たちが生きる世界はガラリと変わります。


「やりたくないことは、できるだけやらない」美学

人には向き・不向きがあります。誰でも嫌なことを我慢し続ければストレスになるし、創造力も鈍ります。もし仕事以外に打ち込みたいことがあるなら、その時間を確保するための“サボり力”も大切です。

もちろん、生きるためには最低限働かなければならない場面もあります。ただ、「やりたくないことは、できるだけやらない」という美学を追求することは、怠惰なようでいて実はとても創造的で人間的な生き方だと私は感じます。

多くの人は、娯楽はなるべく効率よく済ませようとする一方で、仕事になると与えられた時間を目いっぱい使い、むしろ無駄なことにまでエネルギーを注いでしまいます。たとえば旅行の計画は分刻みで立て、行きたい場所を厳選するのに、仕事では一つひとつが本当に必要かどうかも考えずにすべてをこなそうとするのです。

しかし、本来は逆でもいいのではないでしょうか。旅こそ、何も考えずに3週間ほどのんびり滞在し、存分に「無駄」を楽しみ、仕事に割く時間をむしろ制限したほうが、よほど人間らしい生き方と言えます。


“真面目”に取り憑かれ、疲れ切った会社員

私がNoteを始めた理由のひとつは、「サボる」ことをもっとポジティブに広めたいからです。大都会の朝の満員電車でうなだれている人々を見ると、「なんで彼らはこんなに疲れた表情なんだろう?」と感じます。「一生懸命働いているのに、どこか虚しい」「寝て起きて働いて寝るだけ」という生活を続けている人は少なくありません。

そんな人生は、本当に“幸せ”なのでしょうか? むしろ少しはサボって遊んだり、息抜きに出かけたり、自分の好きなことに没頭する時間があってもいい。心が躍るような“無駄”こそが、豊かな人生になるのです。


おわりに

怠けること、サボることは悪いことだとずっと言われ続けてきた私たちですが、実はそうとも限りません。

「働かない美学、怠ける哲学。」

これこそが、私が提唱したい新しい生き方のキーワードです。

仕事を効率化し、やりたくないことを少しでも減らし、心からやりたい“無駄”を作り出す。

それは決して「ダメ人間になるため」の戦略ではなく、“充実した人生を生きるため”の戦略だと私は思うのです。

これまで「働け、怠けるな」と言われ続けてきたからこそ、思いきって“サボる美学”に踏み出してみるのも悪くない。そんなことを夢想しながら、私は今日も“サボる”ための新しい戦略を考えています。


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