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 チラシ  [短歌]



            爪赤き女の折りし折り毬に 笑みつつふくれ ドイツ語講師



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 歴史を受講する   [映画・演劇雑記]

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映画や演技に興味のある私は、その方面の歴史では、これまで「世界実験映画史」と「日本近現代演劇史」を受講した。
前者は、めったに観ることの出来ない作品そのものの上映、後者は資料映像が多数 テキストに組み込まれ、また 演劇界のゲストのかたがたと講師のダイヤローグもさかんに交された、どちらも、たった一人で書物をひもとくのでは絶対に不可能な 実に実り多き授業だった。

どの分野に於いても、歴史を学ぶと、それまで点と点でしか認識できていなかったものが線でつながり、流れを把握でき、「何故そうなったか」といった理屈が飲み込め、現在(いま)を鳥瞰できるわけであるが、加えて、講座に参加すると、多視点からの具体的な確認がされ、作品観賞時にも 面白さの奥行きがぐっと増し 立体的に愉しめる。

「日本近現代文学史」や「世界演劇史」など、今現在は 書物とネットにて独学しているだけで 今後 受講してみたいものも 幾つもある。

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 独  [俳句・川柳]



                   蛇口より ぽとりと堕ちて 闇の果て



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 小脇にはイヨネスコ  [独り言]

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ある夜------。
私は 朝早く起きねばならぬような勤めらしいことをしていないので 時間を気にせず 飲んだ。

ゆらゆらと シャッターの降りたアーケードを歩いた。
髪の長い 髭の中年男が一人、玄関マットのように大判の黒い布の上 手作りアクセサリーを並べ、ささやかな商いをいとなんでいた。
「よかったら見ていってくださいね」
穏やかな微笑みに引き寄せられ、「ほぅ」と、流木や天然石や銀で創られた 意匠あふるるそれらに近づこうとした。

と、ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・ド・・・・・・
私と陳列布の間を、いくつもいくつもの 黒や茶のビジネスシューズやパンプスが 過ぎさえぎった。
埃がうずまき、敷き布はめくれ、石の指輪や木片のネックレスはすっとび、私は尻もちをつき、店主の髭はひゅぅーーーーーーとたなびいた。

あれらは、普段 会社員と呼ばれる人達だったのだろうか?
それとも、犀化した人間だったのだろうか?
否・・・・・・・・犀 そのものだったのかも知れない。

終電を知らせる電子音が、アーケードにも響きとどいた。

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 ゲームセンター  [短歌]



             ピコピコと二次元異人迫りきて金属貨幣また搾取せむ


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 あっしがモンシロチョウだったころ  [小説]

長々と白く 30と書かれているアスファルトの上 1.5メートルの高さを、あっしは ハタハタと横断しておりやした。
羽化したあっしは、あっしの生まれ育った区民第二農園から 隣の区民第一農園を、ただひたすらに 一心に 目指し翔んでおりやした。
------そう、これは、前世で あっしがモンシロチョウだったころのお話でやす。

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あっしは 青虫の一齢幼虫だったころ----モンシロチョウの青虫というのは、四回ほどの脱皮を繰り返して成長し、一齢幼虫から五齢幼虫までと呼称も変わるのでやす-----あっしは、他の青虫達と同じ ごく普通の ありふれた青虫の一匹だと思っておりやした。
先っちょのチリチリと波打つ黄色味の強い若草色の葉っぱの苦さを 何の疑問も抱かずに 毎日シャクシャクと味わっておりやした。
そこが、あっしが 卵として産みつけられていた葉っぱだったからでやす。
そして、あっしは、これが「キャベツ」なのだと 何の疑いもなく信じておりやした。
何故なら モンシロチョウが生まれ育つ葉っぱは キャベツというものであり、又、あっしは、あっしが生まれた葉っぱ以外のことは何も知らなかったので、比較のしようもなかったのでやす。

しかし、あっしが生まれ 寝起きし 生命の糧としていたのは、「レタス」なのでやした。
二齢幼虫になり、同じ株内の別の葉へと渡り歩いたり 「し」の字のように伸び上がってみたりして あっしの世界が少し広がった時、周囲のさまざまな他の生物達により、それは まぎれもない事実であると知らされやした。
まだ一齢幼虫だった時にも それを教える二、三の者はおりやした。
しかし その頃は、そいつらのほうが間違った認識をしているのだ と 気にも留めやせんでやした。
が、多くの情報があっしの前に提示され、それら幾多の点と点を線でつなぎ合わせると、あっしが生まれ 日々シャクシャクと食んでいるのが キャベツではなくレタスであり、レタスの上に生まれ落ち レタスを生命の糧とするモンシロチョウの青虫など どこの畑にもいないくらい類い稀な存在であるのは ゆるぎない事実なのでやした。
あっしは ぼんやりと、レタスを短い両手に挟み抱えたまま、キャベツというものを一度味わってみたい と 漠然と 抽象的に夢想しやした。 素朴で ほんのり甘い と伝え聞くその味を。

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日暮れて、若草色のすじに添って身を横たえ目を閉じると、あっしの身体中をキャベツの幻想がグルグルと渦巻き、その回転数は、日を追う毎に確実に加速してゆきやした。
素朴というのは一体何なのか、ほんのり甘いというのはどういう味なのか、キャベツに育ったモンシロチョウとあっしとは 何か違ったチョウになるのか、レタスに生まれたあっしは 果たして幸福なのか-------?
いつしか、あっしの中に、一齢幼虫のころには覚えなかった「欠落感」の如きものが 小さな虫食い穴のように ポツンと空いているのを自覚しやした。
それは、キャベツに執着し始めた為に あっしの過剰な神経が空けてしまった自分の意識が原因のことなのか、本来食べるべきキャベツを食べていないことから生ずる栄養面での欠乏症状なのか、あるいは又、他に要因があるのか、あっし自身にも解りやせんでやした。
あっしは、今より歩幅も大きくなる三齢幼虫になったら 実際に キャベツというものの所まで行ってみよう と考えやした。 行って、素朴でほんのり甘いそれを パリパリと味わってみよう------と。
あっしは、新たな歩幅を形成する為の深い眠りにつきやした。

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あっしは、区民第一農園ほぼ中央・二列の 青白い丸い連なりを見つめておりやした。
「し」の字に伸び上がって 三齢幼虫の青虫の目で、茫然と 見つめておりやした。
あっしの居る第二農園内には、キャべツは一株も無く、この付近には、白く30と書かれたアスファルト道路を挟んだ第一農園にあるだけだと知ったのでやす。
青虫にとって、車や自転車や人間の始終ゆき交うアスファルト道路を横断するなど、人間が小舟で太平洋を横断するも同然でやす。
生きて渡りきれる確率が限りなく0に等しいのは 火を見るより明らかでやす。
あっしの内の欠落感の虫食い穴は、ジワジワと より大きく広がってゆきやした。
辿り着くことの出来ないという思いは、すなわち、他のモンシロチョウとは違うのだ という負の感情を決定的なものにし、しかし、その負の感情は 何とかして解決せねば、虫食い穴は埋めてしまわなければ、自分の精神は 明日の方角を向くことは出来ないのでやした。
------そうだ! 成虫になったら、モンシロチョウになったら、キャベツまで翔んでゆこう!!
パリパリと齧ることは出来ないけれど、素朴でほんのりと甘い葉の汁を せめて存分に吸って味わおう!!! それがある!!! それしかない!!!

四齢幼虫、五齢幼虫と、毎日、あっしは脇目もふらずに 腹がはち切れるほどレタスを食みやした。
他のモンシロチョウの青虫が当たり前に食んでいるキャベツの素朴な甘さを思う度に ただただ苦く感じられるレタスを 挟み齧り続けやした。
成虫になって、キャベツの葉の汁を存分に味わう為に。
栄養不足で第一農園にたどり着けぬことのないように。
あっしの欠落感の虫食い穴は、あっしがレタスに空けた穴に匹敵して まます世界地図のように拡大してゆきやした。

こんなに大きなモンシロチョウの青虫はそういないと周りが驚くほどコロコロに育ったころ------
あっしは、レタスの列の脇ににやや斜めに立つ ひんやりとしたコンクリートの電柱の根元にピトリとくっつき、ひっそりと 蛹になりやした。

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いよいよ、青白く連なるキャベツの列に、あっしは ハタハタと近づきやした。
キャベツの玉からは、あっしが蛹の間に、どれも まっすぐに天に向かって花芽が伸び、黄色い四枚の花弁を またたく星のように 数え切れぬほどつけてやした。
周囲には、おそらく このキャベツの列で育ったであろうモンシロチョウ達が、ヒラヒラと浮かれ踊っておりやした。
あっしは花には目もくれず、青白い葉っぱの一枚に向かいやした。
それから、スルスルとストローの口を伸ばし、葉に刺そうとしやした。
刺さりやせん。 
何度やっても刺さりやせん。
なるべく柔らかそうな日陰の葉っぱに場所を変え やってみやした。
やっぱり刺さりやせん。
何度も何度もやってみやした。 
しだいに、強く 叩きつけるように刺そうとしてみやした。
しかし、どうやったって、あっしのストローは ヘニャリと たよりなく折れるばかりでやした。

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いつの間にか、踊りに興じていたモンシロチョウ達が、あっけにとられた風に、花や茎や葉の上に羽をたたみ、まん丸いチョウの目をよりまん丸にして あっしを遠まきに 見つめてやした。
あっしは 構わず叩きつけやした。
他のモンシロチョウ達にどう思われたって構わない と思いやした。
キャベツに生まれてキャベツに育ったモンシロチョウなんかに あっしの欠落感など解る訳はないのでやす。
確かに、あっしは、外見は キャベツのモンシロチョウと何ら変わるところのない いっぱしのモンシロチョウでやす。
しかし、あっしの内側は キャベツの葉の味を経験しないことには 青虫からモンシロチョウへと成長できないのでやす。 あっしは、いつまでたっても青虫のまんまなのでやす。
あっしは、あっしの全てがモンシロチョウにならなければ、モンシロチョウとしての一歩を踏み出すことはできないのでやす。

周りのモンシロチョウ達の誰からともなく 嘲笑がおこり、一羽、また一羽と、再びヒラヒラと舞い始めやした。
そして、花の蜜を酔いしれたように吸ったり、さっそく雌チョウを追いかけたり、雄チョウをじらすようにわざとゆっくりにユラユラと逃げたりしてやした。
あっしは ますます叩きつけやした。
全身の力で叩きつけやした。
命の全てを叩きつけやした。
いつしか、あっしのストローは、もはやストローの形状ではなく 竹箒のようにボロボロになってやした。

陽が傾き、辺りが薄紅色に染まる頃-----
あっしは 力尽きて ポトリと灰色に乾燥した土の上に落ちやした。
頭上のモンシロチョウ達は次々とペアになり、春のダンスは ますます 優雅に愉しげに 盛り上がっていってやした。

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 無精卵  [俳句・川柳]



                   雌鶏の たれにとどくや 明けの歌


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 横丁の聖水  [独り言]

家から歩いて二十分ばかりの隣町に、実にいい趣の横丁がある。
すれ違うのも肩をななめにせねばならぬほどの小路に 低い軒の重なり合う、まるで 小学校で学友と並んでプーヒーと吹いた小さな横長の楽器の口のように 間口の狭い店店のぎゅぎゅっと連なる横丁である。
私は、安くて美味いラーメンをすすりに、また 重厚なワインとチーズを堪能しに、あるいは 東急デパートでの買い物の後も、駅前のバス通りではなく わざわざここをあみだくじを辿るようにくぐり巡り 帰路につくのだった。

よこちょう1.jpgある時、横丁を歩いていると------
目の前の軒の一か所から ぽたぽたと雨だれのように 水滴が垂れていた。
雨が降っているわけではないので「空調の機械から出た水だろうな」と 気にもとめずに過ぎた。
それから何か月かして、やはり横丁内の別の場所の、今度は軒と軒の間から やや勢いの弱い水鉄砲の水のようなものが ぴゅーーーーっと斜めに落ちてきた。
私の前をビジネススーツが、やはり私と同じに思ったらしく、濡れた肩のあたりを ちょっとしたホコリを払うようにパパッとやりながら 立ち止りもしないで歩き去って行った。

さらに何か月か後の冬の日------
友人と、横丁内の透明ビニールシートでおおわれた 三階テラス席で白ワインを飲っていると、私達の頭上のシートの傾斜を ツツーーーーーーッと一筋、透明な液体が流れていった。
私は、「あ、これ たぶん空調の水だよ」と グラスを片手に見上げ、過去の 雨だれと水鉄砲の話をした。
よこちょう2.jpgと、友人は首をひねった。
「空調・・・かなぁ、そういう場所からそういう落ちかたするかなぁ?・・・・・・・・何だろ・・・解らないな・・・」
プラチナブロンドに光る液体を干した。

そして 数日前------
ビジネススーツが肩を濡らしたほぼ同じ場所を また水鉄砲が弧を描いていた。
その 光るゆるやかな曲線を辿り見上げると、そこには-------
猫が、軒と軒の隙間から尻を突き出して、ご聖水を放っていたのである。

なお、まだ 黄金がぽとりと降るのにお目にかかったことは、ない。

※記事の内容上、街名・及び横丁名は伏せさせていただいております。
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 ハモニカ横丁  [短歌]



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           今日はドの暖簾くぐろかレかミ・ファ・ソ 宵のハモニカ和音にうねり




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 ポテトチップストング  [独り言]

雑貨屋の棚で 「ポテトチップストング」なるものを目にした。
根元のくっついた薄べったい箸のような、つまり、箸とトングの中間の形状の、「これを使えば手が汚れずにポテトチップが食べられますよ」という便利グッズなのだった。
これほど 世の中に あってもなくてもどうでもいいものも他になかろう、普通の箸で充分足りるだろうに、こういうものを購入する人がいるのだろうか? と思った。

ポテトチップを箸でつまみながら 部屋で日本映画を観ていたら、劇中にポテトチップが登場した。
どの役者も「ポテチ」と略して平板に発していた。
ポテチの正しいアクセントなど 知っても知らなくてもどうでもいいと思いつつも つい気になったので、日本語発音アクセント辞典を引いてみた。
「ポテトチップ」はあったが 「ポテチ」は載っていなかった。
さらに、ポテトチップストングなど あろう筈もなかった。

ポテトチップストングをつい買ってしまう人の気持ちが、薄っすら軽~く解ったような気がした。

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