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 引っ越し  [短歌]



             多忙なる友に運ばれ貼りたてのクロス臭嗅ぐ妖怪百科


ひっこし.jpg



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 反面教師  [独り言]

二十代の頃、「日本料理には詳しいので 日本料理のことなら何でも聞いてほしい」という人に出逢った。
これは疑問の解決にあたれるいいチャンスかなと
「ヌタって食べたことがないんです。 どんな料理ですか?」 
と聞いたところ、
「まぁ! ヌタを知らないの? あのね、ヌタっていうのは ネギみたいなものなのよ」
と教えられた。
自分は一寸不思議に思い、
「えっ・・・・?! ということは、ヌタというのは料理名ではなく、アサツキやワケギやシモニタネギのような ネギの種類の一つということですか?」
と問うと、彼女は
「ええ、そうよ!」
当たり前といった風を顔いっぱいに表わし、
「まったく最近の若いコは、ヌタが何かも知らないなんて、困ったものね」
眉を八の字にした。

又ある時、「生け花には明るい」という人が、四方に張るツヤツヤギザギザの葉に囲まれた朱色の実を指し、
「この植物の名前は何でしょう!」反面2.jpg
と出題した。
私は、センリョウとマンリョウ、どっちがどっちだか認識があいまいだったので、
「え・・・・・っと、センリョウでしたっけ、マンリョウでしたっけ・・・・実が上に付いているほうが・・・」
と答えに迷っていると、
「センリョウマンリョウ!」
きっぱり さえぎられた。
「・・・・えっ!? センリョウですか? マンリョウですか?」
「センリョウマンリョウ!!」
「は・・・どっちですか?」
「だ・か・らー、センリョウマンリョウって言ってるでしょーが。 最近の若者は、センリョウマンリョウも知らないなんて嫌になっちゃうね」

また別の時------
「文学の何たるかは誰よりも解っている」と自認する人が、芥川龍之介の代表作の一つ「トロッコ」で、
「トロッコがゴロリと動くのはおかしい。 トロッコというものは、ちょっと指先で触れただけでも 軽ーーーく高いトーンで コロコロコローーーッという音をたてて転がるものなんだから、作中の擬音がゴロリなのは間違っている」
と 憮然と言いはなった。
私は 本物のトロッコは見たことも触れたこともなかったが、この作品に於いては、作中に「平地では 子供一人でいくら押しても動かず 三人の力で動く」という描写があるのだから、ゴロリで何の矛盾もないと解釈していたので
「ここで ゴロリと書いてあるものをゴロリと読むのは間違いなんですか?」
と質問すると
「間違いですよ! アナウンサーだとか役者がこの作品を朗読したものが幾つもありますけど、揃いも揃ってゴロリと読んでいる。 最近の人は みんなトロッコを知らないんだよ。 まったくどうしようもないね」

正しくは------
ヌタは 酢味噌を使った料理名であり、朱い実が枝の上にギュギュッと乗っかってるのはセンリョウであり、文学というのは、たとい私小説であっても ルポルタージュとは違い、作者がそうと書いたらその作品世界ではそういうことに成る虚構の上に成り立つものであり、それ以前に トロッコには様々な種類があるのである。

ここに挙げた三人は、人生経験の決して少なくない いい年配者である。
私は、年配の人が皆 必ずしも物事に対して正しい認識を持っていてしかるべきだ とは思わない。
人間誰しも 思い違いをし続けている ということはおおいにある。
しかし、自身が非常に明るいと自認する方面に於いて これほど固く 初歩的な間違いを信じ込み続け 説教をたれる要因はどこにあるのか?

これらの間違い説教年配者を詳らかに観察していると、以下の構造が浮かびあがる。
単純な例えで以って示すと------
「あなたは ここからバスか何かで帰るの?」反面3.jpg
と言う質問に対して、Aさんという人が
「バスには乗らずに歩いて帰ります」
と答えたとする。
間違い説教年配者は、おうおうにして「バスに」までしか話を聞かないのである。
そして
「Aは バスばかりに乗って歩かんからいかんのだ」
と 眉をしかめる。
後に別の人から
「Aさんは バスには乗らずに歩いていて健康的ですよね」
と耳にする。
その時
「そうでしたか! てへっ! まったくワタシったら ちゃんと話も聞かないで・・・」
となれば何の問題もない。
単に早トチリをしてしまうだけの人であり、その時点で事実も認識できる。
ところが、彼・彼女らは、
「まったくAは、相手によって嘘を吐くとんでもない奴だ。 重ねがさねAという奴は・・・」
という方向に 思考が展開するのである。
周りも 巨大な岩のように強固にそそり立つ自分より年長の者には、「どうせ正しいことを教えたとろで こっちが間違った知識でもって生意気にタテついてきた」と憎まれるのが関の山だ と、無駄ないさかいは避け 
「そうなんですかー、知りませんでしたー」
と 笑ってやり過ごす。

私も、出逢う人達の多くが 自分より年少者という年齢となってきた。
が、こういう年配者には絶対になりたくないと思う。
あまりにも滑稽だ。
もとより、私には「まったく今時の若いモンは・・・」と 吐き捨てたくなるようなこと自体が 何一つとしてない。

反面1.jpg



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 受信  [短歌]


受信.jpg



              尾をつけし音符ばかりを翔ばし酔ふ 今日の浴室300ワット



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 疾走  [詩・詞]

                    走らなきゃ 走らなきゃ
                    塵芥うずまくガード抜け
                    走らなきゃ 走らなきゃ
                    生塵ちらばる坂くだり

                    走らなきゃ 走らなきゃ
                    どのみち選べど焼却炉
                    走らなきゃ 走らなきゃ
                    ごったに燃えて焦げ溶けて

                    走らなきゃ 走らなきゃ
                    かわいた風がぷぅと吹き
                    走らなきゃ 走らなきゃ
                    「さいなら」四文字(しもじ)も残りゃせん

                    だけど
                    だから
                    走らなきゃ

疾走.jpg


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 眼鏡  [俳句・川柳]



                    見えぬもの見ては怒りて床蹴りて


眼鏡.jpg




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 あっしがドロップだったころ  [小説]

ばあさんの念仏が、どろどろどろどろと あっしの居る缶の中にも響いておりやした。
------これは、あっしが前世で ドロップだったころのお話でやす。
赤いイチゴと緑のメロンと薄紫のスモモと黄のレモンと白のハッカと一緒に 小さな四角い缶に雑居していた オレンヂ色のオレンヂ味のドロップの一つぶだったころのお話でやす。ドロップ1.jpg

「・・・・・オッデンヂッ オッデンヂッ」
坊やの声が近づいて、あっしの居る缶がコトリと揺らぎやした。
「オッデンヂッ オッデンヂッ」
カタカタと缶が振られ、パカッとフタが開けられやした。
レモンがころがり出てゆきやした。
「オッデンヂッ オッデンヂッ」
レモンは缶に戻され、再び あっしらはカタカタと振られやした。
今度はハッカがコロリと出やした。
「オッデンヂッ オッデンヂッ」
ハッカも戻され、やはりまた おみくじのようにカタカタされ、メロンが出ても イチゴが出ても スモモが出ても も一度ハッカが出ても、やはり 小さな指に入れ戻されてしまいやした。
こんなことは 大人が見ていたら許されないのでやしょうが、ばあさんの声は とぎれることなく ますますどろんどろんと 部屋中に響きわたっていたので、背ごしの坊やの行いになど まるきし気づきもしなかったのでやしょう。
「オッデンヂッ オッデンヂッ」
十ぺん以上繰り返された後、あっしがポロリと小さな掌の上にころがり落ちやした。
「オデンヂ-------!!」
坊やは あっしを口の中にポン!と放りこみ、縁側から庭へ駆けてゆきやした。

ドロップ2.jpg「クシャン!」
ほこりか 何かの花粉か はたまた夕の風にあたったためか、突然、坊やはくしゃみをしやした。
と、拍子に あっしは 坊やの口からポロリと飛び出し、鳳仙花の根元近くの土の上に投げ出されやした。
坊やは しばらく茫然とあっしを見おろしてやしたが、ふいにあっしを拾いあげると 庭の隅の水道のところに走りやした。
「オーデンヂィーー オーデンヂィーー」
あっしは 水道水をジャージャー浴びて、少ぅし小さくなりやした。
そしてまた、坊やの口の中におさまりやした。
「オッデンヂッ オッデンヂッ」

坊やは、少しづつ溶け出す とろりと甘くきゅっとすっぱいあっしを 溶けた分づつ飲み込むことはせず、ほっぺたの内側に貯めていってやした。
口中いっぱいに貯まりに貯まった すべてが液体になったあっしを 一気にゴクン!と飲み込むこを とっておきの享しみとして がまんしていたのでやしょう。

あっしのすべてがオレンヂ色のオレンヂ味の液体になろうというとき------
坊やのほっぺたよりも上あごのほうが ぐぅぅぅっと低く傾ぎやした。
おそらく、坊やは しゃがみこんで 股ぐらを覗きこむような姿勢になったのでやしょう。
と、思う間もなく-------
液体のあっしは、坊やの鼻の穴から つつーーーーーーーっと 一滴残らず垂れ流れ、蟻の巣の上に オレンヂ色の楕円の溜まりとなりやした。
そして、蟻達に、小さなオレンヂ色の水滴に分解され、土中に運ばれてゆきやした。
「あぁっっっ・・・オデンヂ・・・オデンヂ・・・・」

家の中からは、ばあさんの念仏が どろどろどろどろと続いておりやした。

ドロップ3.jpg


タグ:ドロップ
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 徹夜  [短歌]


コンビーフ.jpg



             コンビーフむきかじりつつオートバイ過ぐるを聴けば溶明の窓



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 魚の夢  [独り言]

夢1.jpg

ある晩は、朱色の金魚が目の高さにきらめき
ある夜更けは、真鯉らしき鈍色の背びれが 足首まで水につかった私を追い越し
又ある明けは、木版画のようなマチエールの大魚が 遠景にスローモーションでうねり跳ねる・・・・・

私はよく夢を観るほうだが、そのうち こういった 魚が登場する夢には 三度に一度くらいの割合で遭遇する。
理由は解らない。
魚を観賞するのがことのほか好きというわけでも、逆に 気持ちが悪いと日頃から思いながら暮らしているわけでもない。
夢の中の魚を目のあたりにしている時、私の気持ちは 現実と同じに 淡々としている。

今の時代、学術的に ユングやフロイトがどのくらい重要視されているのか 専門家ではないので解らないが、自身に根拠の掴めぬ 同じモチーフの夢を数え切れないほど頻繁に観る というのは、考察せずにはおれないものがある。
やはり、こういった類の夢の映像作家は 意識下の意識----深層心理 というものなのだろうか。

夢2.jpg

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 冷蔵庫  [俳句・川柳]


冷蔵庫.jpg


                      三次元パズルの如く積み並べ




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 THE BAWDIES(ザ ボゥディーズ)--PV--  [感想文]

長年 美術を生業としてきた私は、やはり映像に関しても、いわゆる「アート系」と呼ばれるものに おのずと 強く吸引されます。
アート系映像作品には、劇映画もあれば短編の実験モノもありますが、ミュージシャンのビデオクリップの中にも それを発見することがしばしばあります。

前回記事「嗜好に関する自問」でも取り上げた、今現在その実力のほどを裏打ちするように 全国区的人気を確実に獲得しつつある 日本のロックンロールバンド THE BAWDIES(ザ ボゥディーズ)のPVぼうでいず1.jpg諸作品にも、私は 非常に優れたアート性を感じています。

中でも 私が最も魂を奪われたのは「IT'S TОО LATE」です。
明度の高いほぼ無彩色の空間の中、演奏するメンバーに ピンクの絵の具のショットが交差し重なり メンバーがそれぞれ絵の具を浴びる という画です。
せつなげな音の中に、時として ピンクの液体は、スローモーションで移動したり逆まわしにせり上がったりします。
他の部分に対しての 濃すぎも薄すぎもしないピンクのころあいが 実に絶妙に計算し尽くされ、スローモーション・逆まわしの効果は、かのリーフェンシュタールの映像理論を思い起こし うなづかずにはおれないものがあります。

その次に私が 呼吸をするのも忘れて引き込まれてしまうのは、「HОT DОG」です。
「気がついたら 髪の先から爪の先まで踊り出しちゃってたよ!」というほどゴキゲンなアップテンポの楽曲にノッて、彩度の高いアルファベットと様々な大きさ・動きのメンバーが、それはもうめくるめくスピードで次々と現れ ズームしパンし回転します。
その画の情報量たるや大変なもので、画コンテは何頁に及んだのだろう?!と思い馳せる度に、私は 画面の中のボーカルRОYさんに合わせて「ワオ!!」と 感嘆の声を唸り上げてしまいます。

ぼうでいず2.jpg「JUST BE CООL」も見逃せません。
一つの建物の中をめぐり登るRОYさんをハンディが追い、向かう先々に、他のメンバーや美女達が 演奏していたり のんびりチェスや読書にふけっていたり カメラをかまえていたり というものです。
私は最初 何気なく本編を観たときは、てっきり 現代(いま)の技術でもって 巧くつないでワンショットに見せかけているのだろう と思ったのですが、メイキングにより、なんと これが本当にワンショットで撮られていることが解ります。
RОYさん以外の人達は皆、タイミングを見計らい キャメラをかすめてパタパタと階段を駆け上り ずーーっと前からそこに居た顔をしてポーズをとっていたわけです。
現代(いま)、あえてアナログ手法で撮ることの面白さを再発見させてくれる 楽しい作品です。

他にも、飛行機を使った インディーズ時代の「I'M IN LОVE WITH YОU」も、特別 変わった手法を用いているわけではないのだけれど バランス良くまとまっていて、これも 何度も繰り返し観入ってしまいます。

私は、こうしてBAWDIESのビデオクリップを観る毎に それらを集めたDVDは出ないものだろうか と思い続けていました。
-----と、先日、今月9月の14日に「KEEP ОN MОVIE」というタイトルでもって発売されることを知りました。
アート色溢るる映像の数々を次から次へと上質の画質で堪能できる日が 待ち遠しくてなりません。


ぼうでいず3.jpg


タグ:THE BAWDIES PV
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