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 府中・CAFE GALA(カフェ・ガラ)  [喫茶店・レストラン・カフェ]

から2.jpg

  開け放たれた 扉
  遅廻しのフィルムのように 心地よい重力の コーヒーの香り
  メトロノーム、タイプライター、地球儀、ビー玉のつまったコルク栓のグラスの置かれた 窓辺
  向かいの公園から きらきらと射し込む 白い光・・・・

  -------CAFA・GALA。
  東京郊外・府中駅北口にひかえめに建つ 喫茶店、
  私の精神が 何処よりも開放される空間である。

  その中で 私は、 
  よく解りもしない マイルス・デイビスやジョン・コルトレーンにリズムを刻んでみたり
  漫画雑誌ガロを ゆっくりと捲ってみたり
  カップを片手に こげ茶色の木のテェブルに 頬づえをついてみたりする。

  気がつけば いつも-----
  射し込む光は 斜めに 柔らかな杏色と成っている・・・・ 

がら1.jpg

タグ:喫茶店 GALA
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 横断歩道  [短歌]


おうだんほどう.jpg



              童謡が鳴りて靴靴靴はゆく 今日生くるため白黒踏みつ




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 あっしがマッチの炎だったころ  [小説]

カサ・・・これは、あっしが前世で
シュッ・・・マッチの炎だったころの
ボッ!・・・お話しでやす。

目を開けると---- 三日月型の白いものがありやした。
切られた爪でやした。
やや厚く すじがいっぱい入っていて、内側が ちょっと黄ばんでいやした。
それは、黒々と汚れた アルミの灰皿の中にありやした。
あっしが近づけられやした。
ジュワ・・・
「・・・やっぱ くっせ」
あっしはフッと吹き消されやした。

あっしがマッチの炎だったころの生は、こうして終わりやした。

--------虚ろでやした。
あっしは、燃え尽きもせず 不完全燃焼でもなく、ただただ 虚ろなのでやした。

あっしは 決して、不幸な少女を照らす荒唐無稽な夢物語を思い描いていたわけでも、川に流す弔いの火つけという高尚な大役を期待していたわけでもありやせん。
けれど、マッチの炎はマッチの炎なりにも、炎と生まれたからには 何か もう少し 炎らしいことができていれば、あっしは こんなにも虚ろではなかったのではないかと思うのでやす。
たとい それが、砂糖に近づいた蟻を焼くという 殺生だったとしても・・・・

まっち.jpg

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 きゅうす  [俳句・川柳]



                   茶柱が つまりて 己が 朝は来ず



きゅうす.jpg

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 仲良きことは  [独り言]

仲良きことは 美しき哉・なす かぼちゃ

見通し良きことは 安心哉・ふき れんこん

大ききことは 重き哉・すいか とうがん

棘あることは 紛らはしき哉・くり ばふんうに

白きことは ゑのぐを塗らずにすむ哉・まっしゅる~む ほわいとあすぱら

長きことは ホームドラマに於いての買い物袋のショットにて 家の階級を説明しやすき哉・長ねぎ 葉つきせろり

拘ることは 注文時に電話料金がかかってしまう哉・東京都立川市砂川町 望月優三郎さん作うど 長野県ぼくらはみんな地球っこ村 完全無農薬有機栽培朝採りはくさい

短きは短きで 意味 解りづらき哉・ふ

ふ.jpg

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 メガネ  [短歌]


めがね.jpg




              ちんまりと手を膝に置く法学部学生説かむ歌舞伎町裏





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 横光利一 「蝿」  [感想文]

自分は、日曜文士という あくまで自己満足で愉しんでいるに過ぎないお気楽者であるが、小説らしきものにも 幾つか挑戦してみている。
感銘を受けた作家・作品は、おのずと 我が内に入り込み、消化され、日曜文士は日曜文士なりに 自然と 己れの呼吸となって ちびたエンピツに乗っかってくる。

中でも、現在の自分の作風・文体を大きく決定づけたのは、横光利一の短編「蝿」である。

横光利一------明治30年・生 昭和22年・没。
川端康成と並んで 新感覚派と称された。
「蝿」は 大正12年に文芸春秋に発表された 氏の出世作の一つでもある。

はえ1.jpg様々な立場の人を乗せた馬車が 唯一の享しみとしていた饅頭で腹いっぱいになった御者の居眠りのために 谷底へ落下し、馬にたかっていた一匹の蝿だけは 悠々と飛び立つ という話で、自分は、この中の 御者にとっての饅頭は 女性の暗喩であると解釈している。
つまり、性欲のために 自他もろとも破滅に堕ちる人間の 哀しさ・無惨さを言はむとした、表層的には究極のリアリズム表現による 抽象的なテーマの提示の仕方をとった作品である、と。

そして、この作品全体は、極めてシナリオに近い形でもって創られている。

「シナリオに近い」------それには、まず一つに 「感情を行動でもって表記する」ということが挙げられる。
例えば-----
「農婦は せっかちな泣き声で そう言ううちに はや泣きだした。 が、涙もふかず 往還の中央に突き立っていてから 街のほうへすたすたと歩き始めた」
の件りは、全て行動であって 農婦がこうこうこういう気持ちでした とは一言も書いていない。
しかし、悲しみが溢れ出で、茫然と放心し、そして 気持ちを変えて進む という感情が 如実に受け取れる。

はえ2.jpg次に、間(ま)の処理の仕方である。
逃避行に向かうらしい若い男女の とぎれとぎれの会話の間に 「種れんげをたたく音」や「牛の啼き声」が挿入されている。
この 一見 二人のストーリーには関係のない音が入れられることによって、我々は、二人に流れる緊迫感や無言のうちの表情を 感じ取ることができる。

そして、キャメラ的な描写。
「・・・・緑色の森は ようやくたまった馬の額の汗に映って 逆さまに揺らめいた」等は、画面いっぱいに大きく映された汗玉-----つまり、蝿目線のショットである。

自分は この作品を読み終えた時、単に読者としての感動のみならず、「小説に於いて ここまでシナリオ的な表現というものが許されるのだ!」と、己れの気持ちが溶明に包まれるのを感じずにはおれなかった。
それなら、自分も、日曜文士なりに そこを目指してみようぢゃないか と、ちびたエンピツを でこぼこに 不器用に削り構えた次第である。


タグ:横光利一
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 牡丹  [俳句・川柳]



ぼたん花.jpg



                     風ひとつ 屋台崩しの火焔楼




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 たんぽぽ  [福岡時代]

幼い頃は、福岡に暮らしていた。
福岡県内の 今から住むのだという家の庭から 四季を繰り返し迎え、幼稚園 小学校と 五感の記憶を重ねていった。

たんぽぽ3.jpg小学一年か二年の時のことである。
理科のテストの答案用紙を 勇み走って受け取った自分は、その場に立ちつくした。
自分の 確信を持って書き込んだ答えへの採点が、あまりにもおかしなものだったからである。
「たんぽぽの きせつは いつですか?」
「はる○ なつ× あき×」 と-----。
福岡には たんぽぽは、冬以外はいつだって咲いていた。
冬以外は いつだって、我が家の庭にも 通学路にも 校庭のすみにも、ささやかな幸せのように 黄色い花をぽっ!と灯したり、ひょろりと伸びたくきの先っちょから この世のものではないくらいに柔らかそうなほわほわを風に渡して 半分はげちゃびんになった小さな頭を揺らしたりしていた。
教師が授業中に 「たんぽぽの季節は 春です」 と言っていたのは よく覚えていた。
自分はその時、「先生も ずいぶんうっかりだなぁ。 夏と秋を抜かしちゃってるよ、いつも見てるくせに。 でも そこ つっこまないでおいてあげるよ」 と思いながら 聞いていたのだ。

後日、家庭訪問の日。たんぽぽ2.jpg
その採点に、自分が 家に帰って一人 くやし泣きをしていたことを 親が教師に話した。
教師は、「いくら それが本当でも、テストでは 先生が教えたことを書きましょう。 そうでないものには○はあげられません」 と こちらに向いた。
しかし、自分には、自分が間違っているとは どれだけ考え返しても思えなかった。
口ごたえするのはいけないことなので そうとは言わなかったが、「はい、先生!」 と 笑顔を作るような巧妙な芝居も できなかった。

その後も こんな類いの小事件に幾つも幾つも遭遇し、自分は、冬の果てへと膨れころがる雪玉のように ひねくれていった。 
 

タグ:タンポポ
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 休日  [短歌]



ざっとー.jpg



            雑踏に融くれば我れは名なき人 たくらみに似し笑みポケットに





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