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パーティー [短歌]



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           血縁者すでになき我れ ケチャップの赤もて我が名 描き飾る宴









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穏やかな時の中で [独り言]

        
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          ヴィレッジ゛ウ゛ァンガードダイナー吉祥寺店。
          五十年代のアメリカにある風の内装。
          ぶ厚いマグのコーヒー。

          井伏鱒二 「鐘供養の日」 を開く。
          戦争のために供出しなければならない寺の鐘に、住職はじめ 檀徒たちも皆
          白い息を吐きながら涙した件り。

          暖かい店内に ロカビリーが、くり返しくり返し 弾んでいた。


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クリスマス [短歌]

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            サンタ服着し洋犬に吠えられし男 ダンボールハウスへ帰り




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国立・邪宗門 [喫茶店・レストラン・カフェ]

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自分は、このブログを始める前の約十ヶ月の間、映画や 好きな表現者についてや 短歌以前の言葉の鱗片を、日々 思いつくままに ノオトに書き綴っていた。
そして、まれに 極めて特別な出来事に遭遇した時にだけ その日に起こった事を記していた。

内向する思考の母胎の中に埋もれるように、こんな頁の一日があった。

十二月十九日 金曜 
マスターが亡くなったため 二十一日に閉めると知人に聞き、国立・邪宗門へ
ターキッシュ・コーヒーを注文

国立・邪宗門とは、二十三区からは外れた 郊外の住宅街 国立市に在った古い喫茶店である。

入り口の扉を開けると、柱時計や ランプや 古い鉄砲や イコンや ガラス瓶いっぱいのビー玉や チェス盤を模したテェブルが、アンティーク店の如く 薄明かりの中に ひしめき合っていた。
音楽は、決まって ノイズのあるシャンソンだった。
棚に並ぶ煙草の中に ジタンがあった。
そんな中に、まるで 異国のマリオネットのような 人参色の長い髪に 赤いスリムのパンツのおじいさんマスターは、パイプをくゆらせ いつも静かにほほえんでいた。
温かいコーヒーをすすり ふと目が合うと、ほほえみながら会釈をしてくださった。 何度も 会釈をしてくださった。

国立の街に暮らした年月の長かった自分は、嬉しい時も 悲しい時も、ちょうど 寺山修司が海を見に行ったように 通った。

国立に海がなくなって、もう 一年 経ってしまった。

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タグ:邪宗門 国立
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結露 [短歌]


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            長き夜の 尾をひきずりて眠るひと 始発電車の窓 やはらかく





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タモリ氏の十八番だった「寺山修司のモノマネ」 [映画・演劇雑記]

もう十年以上も前になるが、タモリ氏の昼の番組の電話のコーナーに 佐野史郎氏が出演した時のことである。

佐野氏は、両手を合わせるような仕草で 12151.jpg
「あのーーー、寺山修司さんのマネを、是非 演っていただきたいのですが・・・・・」
と、体ごとタモリ氏に向いた。
かつて、寺山氏とライバルと称されていた唐十郎氏の劇団に所属していた佐野氏にとって、寺山氏は 特別な存在であるのに違い無かった。

「うーーーん」
しばし 逡巡した後、タモリ氏は
「じゃ、何か質問して」

佐野インタビュアーの 六十年代アングラ演劇に関する早速の問いに 寺山タモり氏は、固めた口角で ネチネチと 粘りつく餅のような青森弁演劇論を 一言二言返した。
自分は、「相変わらず 見事に似せているなぁ・・・・」 と 前のめりになった。

「では・・・・」
佐野インタビュアーは、次の質問を投げようとした。
と 寺山タモリ氏は、突然 大仰に顔をしかめ こうさえぎった。
「そう次々と 矢継ぎ早に聞かれても困るんだよね。 僕は ひとつの質問に対して 十分はしゃべりたいんだよね」
自分は、隣家にまで響き渡るほどに 声を上げて笑った。
口調が 益々そっくりだっただけでなく、その答えは いかにも寺山氏本人が言いそうな、否 言うに違いない答えだったからである。

しかし、テレビからの観客の笑い声は ほとんど聞こえてこなかった。
寺山氏のしゃべる様子を知っている客は、もはや それ程少なくなっていた、ということである。
タモリ氏の逡巡は、「演っても 今のお客さんは解からないから・・・・」 という理由に他ならないのだった。12152.jpg

タモリ氏が昼の顔の人と成って久しい。
けれど、最近でも時折 真夜中の鱗片を チラと かいま見せてくださる瞬間がある。
笑いに於いてもアンダーグラウンド好きな思春期を送った自分には、くすぐったいような嬉しさが こみ上げてくる。

そういえば 「下落合焼とりムービー」 という テカテカの頭の氏が、故 赤塚不二夫氏らと出演している カルトなご当地映画があった。
これも 今 どれくらいの人が知っているのだろう、と思う。


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 [短歌]



           無口なるパチンコ店員 飼ひ殖やす 海より蒼き 南洋の魚




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我が心の救済者・寺山修司 [感想文]

人間の気質を分類する尺度は様々あるが、これもまた 本質に迫るものの一つだと言えよう。
「折り合いのつけられる人」 と 「折り合いのつけられない人」 である。
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例えば、筆入れを買おうと思いたつ。
唐辛子のような朱色がいいと思う。
店へゆく。
しかし、椿のような紅や 日の丸の如きまっかっかや ワインレッドはあっても 求むるそれは 無い。
ここで、「唐辛子の朱色じゃないけど まっ いいか」 と、紅色か まっかっかか ワイン色のいずれかを買い、それを持つことに別段ストレスを感じないのが 「折り合いのつけられる人」 である。

「折り合いのつけられない人」 は、何軒も見て歩く。
町中の筆入れを たずねて廻る。
それでも 無い。
苦渋の選択の末、なんとか近い 曼珠沙華のような朱のを買う。
しかし、本来 求めていた色では無いので それを持っているということは ストレスである。
時と共に 慣れたり 愛着がわいてきたり ということは無い。
ストレスは、色褪せずに 同じ濃度でついて廻る。
唐辛子の筆入れが手に入らない という飢餓は、決して薄れはしない。
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自分は、折り合いのつけられない人間である。
今現在は、年齢による物理的行動範囲の広がりと ネットのおかげで、そういったストレスや飢餓を感ずることは かなり少なくなってきた。
が、自我は 澄み切った空同様に目覚めているのに 歩ける世界の極めて限られていた中学生の頃、自分の精神の内はいつも 「探しているものが ない!ない!!ない!!!ないないないないないないないないない・・・・・・・・」 と、悲鳴をあげていた。

と、何の気無しに読んだ中に 寺山修司の戯曲があった。
「これだ!!!」 と感じた。
腹底から血を吐く如き叫びが 聴こえてきた。
この人は、自分と同じ 「折り合いのつけられない人だ!」 と思った。
飢餓の大海から 寄辺たる島を 一つ 見つけた思いがした。
シナリオ、エッセイ、短歌、散文詩、映画、演劇(資料映像として残されているものであったが)・・・・・・・ひからびた木の根しかしゃぶったことのない猿が、夢中で 丸々と熟れた果実をほおばってゆくように、むさぼり読み 観た。

後、自分は 二人の映像作家、小説家、役者 と、計四人の表現者の作品、演技に、己れと同じ 「折り合いのつけられなさ」 を見 救われている。
けれど、誰れにとっても 何事に於いても、「初めて」 というのは 一種 特別な感を否めない。

初めて自分の飢餓をうめてくれた人------ 寺山修司氏が亡くなって久しい。
明日、十二月十日は 氏の 生誕七十四年目の日である。

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タグ:寺山修司
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ぶどうパン [短歌]



         我が苦き 想ひ出のみを捨てむ如 パンよりぶとう つまみて投げむ




 
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似・作家編 [独り言]

いつだったか、テレビを点けたら 丸顔に白髪の男が、どっかと背もたれに体重をかけて座り ニヤニヤと余裕とも取れる笑みで 何やらしゃべっていた。
瞬間、「コントで老け顔に作った島田洋七の 楽屋インタビューだな」 と思った。
が、ややもして
「・・・・・運転手さん、アンタ 日本人じゃないんだね、って とたんに客の態度が変わってね・・・・・」
-------否、「タクシー狂躁曲」や「血と骨」の作者、梁石日だ! こういう風貌をしていたのか! と解した。
それにしても、洋七そっくりだ。
そういえば、両者共、その人生に於いて 不屈である。12031.jpg

それから何週間か後、ネットを繰っていたら 教科書での横顔しか知らなかった正岡子規の 正面からの写真に遭遇した。
成程、子規役は 香川照之以外にあるまいと納得した。
そういえば、二人共 東大(帝大)卒 である。

ブルースシンガーの マー・レイ二ー。
林真理子に生き写しだ。
レコードに印刷された 歯をニッと出した笑顔を見て以来、彼女のスキャットは 全て「ルンルン」に聴こえてしまう。
そういえば、どちらも アクセサリーをゴージャスにジャラジャラ着けるのが好きなようだ。

梶井基次郎とガッツ石松。12032.jpg
あれ程 瓜ふたつなのに、片や血を吐き 片や不死身だ。
共通点など 何所にも無いように思われたが・・・・・・・あった。
梶井はレモン、ガッツはバナナ。
共に フルーツ好きであった。

                                               敬称は略させて頂きました。
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