作:まロい
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「あのー、なんで俺は縛られて囲まれているんでしょうか??」
兄貴リスペクトの演説モドキを終え、そろそろお持ち帰りしてた娘を適当に帰しに行こうかなと思って準備してたら、突然現れた人たちに首トンで意識落とされて誘拐されたなう。
んで、起きたら椅子に縛られた状態で座らされてて何かすごい人数に囲まれてるんですけどー。
ぐっちょり濡れた感触があるから、これ水ぶっかけられて起こされた感じ?
「手荒な真似をしてすまないね」
声をかけてきたのは姿に合わない話し方をしている金髪のショタ。
あれ?こんな感じの人が原作にいたような気がするんやけど。
「僕はフィン・ディムナ。道化の神ロキを主神とするロキファミリアで団長をやらせて貰っているよ」
人が良さそうな笑顔を浮かべているけど、こういう笑顔を浮かべておけば印象が良くなるだろうって仮面みたいな笑顔なんだよね。
二つ名は『
その後は俺を囲んでる神や人の紹介を順々に聞いていく。
それと、
『
ちなみに、俺がお持ち帰り助けた娘はアーディさんって名前でガネーシャファミリアに所属しているらしい。
むっちゃデカい声で「ガネーシャ!感謝!!」って叫ばれたし、アーディさんのお姉さん(シャクティさんって名前でガネーシャファミリアの団長らしい)にも感謝を伝えられた。
ロキが女神と聞いてちょっと驚いたけど、そういや原作だとそんな設定だった事を思い出した。
ほとんど覚えてないとはいえ、原作知識を当てにして痛い目にあった事があるからなぁ……「そういや、そうでしたね」くらいで考えた方が無難か。
「さて、これで一通り紹介は済んだ訳だけど……率直に聞こう、君は何者だい?」
何者、何者かぁ。
「つい数時間前に起きた
これはどう答えるのが正解なんやろ?確か神って人の嘘が見分けられるとかって設定だったような…。
「となると、君は僕たちも知らない方法でオラリオに不法に入って来たことになるが……どうやら
適当にはぐらかしても数千年だか数万年だか存在している神を誤魔化せるかわかんないし、素直に話した方がいいかな。
「もう一度聞こう。君は、何者で、何の目的で、このオラリオに来たのかな?」
とりあえず、兄貴リスペクトに切り替えてっと。
「私が何者か、かね。そうだね、正直に言ってしまえば私は
こいつは何を言っている?……本当の事だよ。
意味がわからない……だから、本当の事だよ。
嘘をついていない、だと……だーかーらー、本当の事なんですぅ。
無秩序に言葉が飛び交ってんのは仕方ないとはいえ、本当に混乱してんなぁ。
「どういう意味もこういう意味もない、言葉をそのままで捉えたまえよ」
神が嘘じゃないって言ってんだから信じられない事でも信じて欲しいんだけどね。
あぁ、そういえば。
「失敬、自己紹介がまだだったね」
「私は佐山・祈禱。姓がサヤマ、名がイノリとなる」
「サヤマでもイノリでも好きに呼んでくれたまえ」
「世界を滅ぼした祖父に父、世界と相対し交渉した『悪役』の兄を持つ、『悪役』を目指すただの未熟者だ」
「よろしく頼むよ、諸君。残念ながら捕縛され自由に動けぬのでね、頭を下げ友好を示すことは出来ないがね」
誘拐されて縛られて水ぶっかけられたんだ。
これぐらいの意趣返しがあってもいいだろう。
俺の異世界人発言で場が大混乱になってしまったので、一旦休憩を取り仕切り直したいらしい。
まぁ、俺は縛られたままなんですけどね!!
トイレに行きたくなったらどうすりゃいいんだよこれ、漏らせと?こんな大勢の前で?新手のプレイかな??
神とそのファミリアの団長と幹部は少し離れた場所で話し合いをしているらしく、たまに届いて来る言葉からすると俺の処遇についてっぽい。
他の眷属たち?チラチラとこっちを見ては来るけど、誰も話しかけてくれないのよね。
イジメかな?大城の爺さんじゃないんだから、こういう扱いされても嬉しくないんだけど。
いや、でもリュージ先輩なら喜ぶかもなぁ……兄貴とはベクトルの違う変態だし。
原川先輩はどうだろ?ヒオちゃんが相手ならツンデレだし隠れて喜んでるかも。
「待たせてしまったね。イノリ、と呼ばせてもらうけど構わないかい?」
あ、フィンさんたち戻って来たんだ。意味もないことつらつら考えてたせいで気付かなかったわ。
「構わないよ。私はこの場では『
「そうだね、君の存在よりはわかりやすい話し合いになったよ」
このショタ爺、先に煽ったのはこちらとはいえ返してくるとは。
「まず、イノリがどうやってこの世界に来たのかを教えて欲しい」
「断るよ『
全員生き延びてハッピーエンドしようとしたら失敗して異世界転移しましたとか恥ずかしくて言えんわ。
そもそも、前提から話し始めたら長くなり過ぎて俺の股間がナイアガラして社会的に死ぬ。
「……そうか。なら、君は何の目的があってあのようなことをした?」
目的ねぇ、成り行きで此処に飛ばされたから特にはないんだけどなぁ。
強いて語るならになるけど、これでよいか。
「『悪役』」
「悪役?それは
まぁ、悪役も悪が入ってるから勘違いされるよね。
「違う、間違っているよ『
「『
「祖父と父は、世界を救う為に悪を背負い世界を滅ぼした」
「兄は『悪役』として世界と相対し、世界と交渉し、世界を救った」
「ならば、私はどうするべきだろうか。正義には成りきれず、悪に堕ちてもいない」
「私は祖父や父ではないので、世界を救う為に世界を滅ぼす悪を背負う覚悟をしてはいない」
「私は兄ではないので、『悪役』として世界と相対し、世界と交渉し、世界を救う覚悟をしてはいない」
「私は半端で未熟者なのだよ『
………黙ってないで反応をして欲しいんだけど?
周りの神も人もいつの間にかすげぇ静かになってるし。
何なの?恥ずかしくなって来たから誰でもいいから反応プリーズ。
「………と、すまないね」
さいですか、私はようやく何か反応してくれてホッとしてますよ。
「イノリ、提案があるんだが……君はファミリアに入る気はあるかい?」
「なるほど、構わんよ」
即答したら驚かれたでござる。
「……………こちらとしては渋られると思ったんだが」
そんな風に言われてもさぁ。
「監視の意味も含めているのだろう?私という異物に鈴も付けず放置出来るほど現状の君たちに余裕はない。あっても放置する程怠慢ではないだろうからね」
「それに……まぁ、これはいいだろう」
断ったらどうなるかっていう予測を、わざわざ言葉にする必要もないか。
異世界人なんて異物を自由にさせておくより秘密裡に消して口裏を合わせた方がよっぽど楽なのに、わざわざ監視付きとはいえ生かしてくれるなら地雷を自分から踏みに行く必要はない。
命令ではなく、提案って形にしてくれた訳だし。
「それで、所属先は私が選んでいいのかね?」
頷かれた。此処にいる神は全員了承したので、出来れば此処にいる神から選んで欲しいらしいが。
「それと、本来ステイタスは身内であっても秘匿される物なんだが、申し訳ないけど此処にいる神とそのファミリアの団長には君のステイタスを開示して欲しい。無論それ以外には口外しないことを約束しよう」
原作で初恋を拗らせた白兎が
まぁ、家族であっても自分の
俺のステイタスを開示させる目的は自分たちや都市に害を成すスキルや魔法が発現していないかの確認と、異世界人故に奇怪な魔法やスキルに目覚めないかの興味関心といった所か。
「それならば、提案をしよう『
正直、別にステイタスの開示くらいは構わないんだけどさ。
兄貴やその友人共ならともかく、俺に魔法やスキルが発現してるとは思わないし、
たださぁ。
「此処にいる全員に私のステイタスを開示しよう。口外するかどうかは各々の判断に任せるが、今回のみの開示で以降は応じるつもりはない」
仮にも『悪役』を目指す者を、自分たちの思い通りに動かせると思うなよ?
「待ってくれ!それは!?」
「待たんよ『
自分で言うのも何だが、兄貴リスペクトの演説で冒険者から一般民衆までお通夜ムードだった空気を変えた人間を使わないなどと贅沢が言えるなら、俺をファミリアに勧誘せず消しているだろう。
「私を表で使うなら主に共闘する事になるのは此処にいる神と眷属たちになるのだろう。いくら自分達のファミリアの主神と団長にステイタスが開示されて大丈夫だと保証されていても、得体の知れない異世界人に君たちは背中を預けられるのかね?」
命懸けで戦ってる時に敵か味方かわからん奴に無防備に背中を向けるのは俺なら無理だな。
「それならば今回のみ此処にいる者たちに開示した方が君たちも、そして私も安心出来るだろう?」
「返答は如何かな『
さてさて、どう出てくるやら。
「結論が出たよイノリ。君の提案を受け入れることになった」
もうちょっと時間がかかると思ったけど、予想より早く結論が出たな。
「ファミリアを考える時間が必要なら多少なら時間は取れるが、どうだい?」
「不要だ、既に決めているよ」
まぁ、ここにいる神の中からどのファミリアに入るかと聞かれたら一択なんだけどさ。
「アストレア……貴女にお願いしたいね、私は」
「こちらの世界でどのように語られているのか私は知らないが、実は私のいた世界では貴女がた神は太古の神話という形で語られていてね……アストレア、貴女なら私も不満はない」
兄貴と違って俺には悪役として自分の対になる人はいなかったし、正義を掲げる眷属がどんな人達なのか気になる。
「本当に私のファミリアでいいの?悪役を目指しているなら正義を掲げている私のファミリアの方針とは合わないかも知れないわよ?」
そう言われるとは思っていたけどさ…。
「おーいオデン、
神も人も
「お前も英雄にならないか?」って人間唆した英雄大好き
パッパに首チョンパから頭ポイ捨てされて、探したけど頭見つかられねーから象の頭代わりに置いときますねーされた群衆の主たる神。
やっぱり、アストレアさん以外にロクな
「確かに、私は『悪役』を目指している。貴女の懸念は当然だアストレア。しかし、だ……先に述べたように私は半端で未熟者でね。正義を知り、理解し、共感し、その上で私が目指す『悪役』たる振る舞いには何が必要か見極めたいのだよ」
あと、ロキとフレイヤは10th-Gの概念核振り回してたコング☆パンチ先輩、ガーネシャは6th-Gの概念核をぶん回してたダブリインパクト先輩の夫婦を思い出すから何かイヤ。
ダブリインパクト先輩に関しては嫁に内緒で買ったエロ本を
あの後しばらくシビュレさんの視線が冷たかったんだぞ?ちょっと癖になりそ駄目な性癖に目覚めるかと思ったんだぞ。
「さて、アストレア。そんな私だが、貴女のお眼鏡にかないそうかね?」
何かアストレアさん以外の神から文句が色々聞こえてくるけど無視だ無視。
やめてくださいフレイヤさん、そんな熱っぽい視線を俺に向けないで下さい。興奮したらどうするんですか?喰われますよ、俺が。
「それじゃあ、私が
「服を脱いで横になれとは……私に露出趣味はないのだが、それが作法なら仕方ない」
なんやかんやとあったが、結局アストレアさんが俺に
ロキさんはまだ諦め悪く「ぐぬぬ」って唸ってるけど、決まったもんは決まったので諦めて欲しい。
とりあえず上の服を脱いで……濡れてて脱ぎ辛いな。
「あの子、細身なのに筋肉すごいわねぇ。リオンもそう思わない?」
「ア、アリーゼ。い、異性の素肌をそんな凝視すっするのはどうかとっ!?」
「……動揺し過ぎだろ、むっつりポンコツエルフめ」
「うむ!ガネーシャだな!!」
「意外に鍛えてるのね」
「美少年の裸、眼福やなぁ」
何か注目されてない?男のストリップに価値なんてないと思うんだけどなぁ。
さて、下は何処まで脱げばいいんだ?未使用の御柱ぁ!!を晒すのは流石に恥ずかしいんだけど…。
「し、下は脱がなくていいから!!」
ベルトをガチャガチャしてたら慌ててアストレアさんに止められたので、そのまま指定された机の上で横になる。
脱ぐの上だけでいいなら先に言って欲しかったんだけど。
「こほん……そ、それじゃ
アストレアさんって意外に初心なのか?処女神でもないのに。
暖かい何かが背中に濡らし、アストレアさんの手が背中をなぞっていく。
美人なお姉さんに背中を手でさわさわされて、こそばゆいしイケナイ気分になりそう。
神の眷属ってみんなこんな感じなの?こんなのただの風俗やん。
UCATの仕事が忙し過ぎてくたばってた時にシビュレさんがマッサージしてくれた時もすげぇ気持ち良かったけど、それに匹敵するぐらい癒されるなこれ。
あぁー、眠くなってきた。
「……………なに、これ」
「ん?どなんしたんアストレア?」
「説明するよりも見て貰った方が速いわ」
イノリ・サヤマ
『Lv.4』
【力】 :I 0
【耐久】:I 0
【器用】:I 0
【敏捷】:I 0
【魔力】:I 0
剣士 : H
拳打 : I
交渉 : I
概念 : G
『魔法』
【コッペリア・キュベレイ】
・重力制御魔法
・詠唱式「
・追加詠唱「
【フィトー・クティノス】
・造形魔法(上限数3)
・造形後、自立行動
・傷病治癒、解毒、解呪効果
・保有概念枯渇時消失
【テスタメント・メモリア】
・結界魔法
・疑似概念空間の創造
・賢石を使用し、疑似概念空間に疑似概念を付与
『スキル』
【
・佐山の姓は悪役を任ずる
【
・精神力を使用して魔石を賢石へ精製する
・精神力を使用して賢石に疑似概念を付与する
・賢石精製時、発展アビリティ【神秘】を一時発現
・疑似概念付与時、発展アビリティ【神秘】を一時発現
【
・疑似概念付与時、矛盾を許容する
・疑似概念空間展開時、矛盾を許容する
・過去、現在、未来の矛盾を許容する
「「「「………なに、これ??」」」」
なんかまわりがうるさいけどおやすみ。
すやぁ、ですわぁ。