吉祥寺南病院の継承先が決定 品川の社会医療法人、新病院を開設へ

塩入彩
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 休診中の吉祥寺南病院(東京都武蔵野市)について、市や関係法人が5日、記者会見を開き、社会医療法人社団「東京巨樹の会」(品川区)が引き継ぐと発表した。事業継承について都や関係自治体への申請手続きを進めながら、早期の新病院開設を目指すという。

 125床あった吉祥寺南病院は2次救急医療機関として、医療法人「啓仁会」が運営。市の災害拠点連携病院にも指定されていたが、建物の老朽化を理由に昨年10月から休診していた。

 啓仁会の矢吹甚吾理事長によると、物価高騰などの影響もあって継承先探しは難航していたが、東京品川病院(旧東芝病院)を運営する東京巨樹の会と事業継承の合意ができたという。

 東京巨樹の会の蒲池健一理事長は会見で「急性期の患者を積極的に受け入れ、災害時には迅速に動ける病院にするとともに、回復期リハビリテーション病棟を併設して地域に貢献したい」と語った。多くの救急患者を受け入れるため、これまでよりも多い病床数を確保する方針だという。整形外科循環器内科など、多くの診療科を設けたいとの意向も示した。

 老朽化している現病棟は使わず、隣接する駐車場の敷地を含めて新しい病棟を建設する方針。そのため、診療再開は数年後になる見通しという。

 吉祥寺地区では2010年代ごろから病院の閉院や廃院が相次ぎ、吉祥寺南病院は地区で唯一残った2次救急医療機関だった。小美濃安弘市長は「市の要望に沿った形で継承が決まってうれしい」と述べ、都との交渉や行政手続き、近隣住民との調整など、「市としてできるだけの支援をしたい」と語った。

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この記事を書いた人
塩入彩
首都圏ニュースセンター|教育、武蔵野地区担当
専門・関心分野
ジェンダー、教育、性暴力、性教育