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動物は生きている。

いつだったか娘が私に「ペットを飼いたい」と言ってきたことがありました。

もちろん丁重にお断りしたというか、そもそも私は動物とかマジで嫌いでして、なんというか、意思疎通ができない生き物は人間でもムリなので、当然動物なんぞと同じ屋根の下にいたくないわけです。

また、ペットとして “生き物を気軽に飼育する” ということ自体に嫌悪感を持っておりまして、特に動物愛護の精神があるわけじゃなくて、単純にメンドクサイだけなんですが。

そのへんを説明しましたら、娘は半ば呆れた感じで「やっぱりね」なんてすんなりと諦めてくれましたが、今後一人暮らしなどをした際には反動でペットに手を出すかもしれません。

で、一応参考までに娘に聞いてみたんです。

何の動物を飼いたいの? って。

どうせネコちゃんとかワンちゃんとか言い出すんだろうなって思いつつ聞いてみたら、

「ハリネズミ」と答えが返ってきて驚きました。


ハリネズミ? 


聞いてみると、いまペット業界でハリネズミは人気急上昇中だとかなんとか言ってましたね。

ペットショップでも普通に取り扱っているし、ハリネズミに癒される「ハリネズミカフェ」などという奇怪な施設も増えているとかいないとか。

でもハリネズミってトゲトゲなんじゃないの?

ネズミ版のウニみたいな、丸まって勢いよく突進してきたら殺傷能力それなりにありそうで怖いですよね。

あと、鋭いトゲトゲを飛ばしてくるイメージもありました。ポケモンみたいに。

しかし、私が想像しているトゲトゲの危険動物は「ヤマアラシ」なる動物で、「ハリネズミ」はなんかトゲも鋭くないし、身を守るために針を立てることもあるらしいけど、人間に懐けば身体の針も寝て、素手でだっこもできるそうです。

何より「ハリネズミ」の人気の理由は、その愛らしさにあるわけで、見た目のモコモコした感じはもちろん、トゲトゲなのに慣れれば身を預けてくれるツンデレ感とかが魅力なんだろうなと。

なるほど。一時期「ハムスター」なんかも人気になりましたが、やはり小動物って母性本能や癒され感を刺激されやすいのかもしれませんね。

まあ、どれだけ「ハリネズミ」の魅力をアピールされようが、私は一生嫌いですが。


そういえば、私は昔テレビアニメの『とっとこハム太郎』が大好きでした。

『とっとこハム太郎』は2000~2004年に放映されていた人気アニメでして、スタートから最初の1年くらいは毎週録画してVHSのテープが磨り減るまで何度も観るほどハマっておりました。

その頃はすでに結婚していましたが、まだ子供がいなかった時期なので、私は分別ある大人として、自ら積極的に『ハム太郎』にハマったわけです。

なぜ『ハム太郎』に魅了されたのか? と問われると「神の声に従った」というサイコキラーみたいな言い分しか出てきません。

しかし「お前もハムスターの愛らしさに癒しを求めていたんだろ」と指摘されたなら、「それは違う」と声を大にして反論できます。

『ハム太郎』は、決して癒しの物語なのではなく、極めてシンプルかつ根源的な哲学の物語なのです。

みなさんは『ハム太郎』の主題歌「ハム太郎とっとこうた」を聞いたことがあるでしょうか?

とっとこ はしるよ ハム太郎
すみっこ はしるよ ハム太郎
大好きなのは ひまわりのタネ
やっぱり はしるよ ハム太郎


いかがでしょうか?

このダイナミックな歌詞。

私はこの歌をはじめて聴いた時、ラーメン屋のドデカイ寸胴で頭をブン殴られたような衝撃を受けたのでした。


ハム太郎は「生きている」んだ!

「生きている」ことそのものが、このアニメのテーマとなっているんだ!


飼い主のロコちゃんの目を盗んで、飼育されている檻から抜け出すハム太郎は、一日中しこたま外で遊んで、また人知れず檻の中へと帰宅します。

バカなロコちゃんは、ハム太郎が単なる無力なペットだと思い込んでおりますが、実は見えないところでロコちゃんの何倍も考え、行動し、経験し、人生を謳歌しているのです。

ロコちゃんは寝る前に必ずハム太郎にこう語りかけます。


「今日はとっても楽しかったね。明日はもっと楽しくなるよね? ハム太郎」


そんなことを人間に尋ねられても、ハム太郎は決して「しらんがな」などと突き放したりはしません。

満面の笑みと最大限のとぼけたリアクションで


「へけ!」


とだけ返すという、まるで信者の告解を聞いた神父のような態度でロコちゃんに「赦し」と「安心」を与えるのです。

【とっとこ教】の大いなる教祖であり、全人類を救済へと導く最高神ハム太郎さまは、地球上のあらゆる生物を生かし育む、天地そのものの象徴であらせられるのです。


というわけで、私は「ハム太郎」にずぶずぶと傾倒していき、CD(ハムちゃんずたちのソロ曲アリ)、オリジナルビデオ(トイザらス限定発売)、劇場版(ゴジラシリーズと同時上映)などなどに散財し、身も心も「ハムちゃんず」の一員として、昼夜問わずヒマワリの種のみを食す生活をつづけたのでした。


で、結局何が言いたいのかと言うと

私は動物の中でも「ネズミ」系のやつがいちばん嫌いで、「ハリネズミ」はもちろん「ハムスター」なんかマジで身の毛がよだつほど大嫌いなんだよってことです。

唯一神としていまだに崇拝しているハム太郎さまをはじめとした、リボンちゃん、こうしくん、タイショーくん、マフラーちゃん、ちびまるちゃん、まいどくん、めがねくん、トラハムちゃん、のっぽくん、かぶるくん、とんがりくん、ねてるくん達「ハムちゃんず」は、ハムスターなどでは決してありませんと。

気持ちの悪いハムスターなんかと一緒にするんじゃねえよと。

ハムスターは夜行性ですが、ハム太郎は昼間に遊んで夜はちゃんと寝てますし、狭い所を好むどころか大海原に繰り出したりしてますから。

ヤバすぎますよね。


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コメント

1
Victoria cord breaker
Victoria cord breaker

ハムハムは夜行性なのに、彼らが滑車で遊ぶ音で「不眠症になるわ!」と小さい命をよそのお宅に押し付けようとした家族を複数知っています。。。
そう、ハム太郎全盛期の頃に。
不愉快な思い出がよみがえりました。

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動物は生きている。|デヴォン
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