酒気帯び運転で事故 教諭の懲戒免職 県の処分取り消す判決
酒気帯び運転で物損事故を起こしたとして懲戒免職の処分を受けた県内の公立小学校の教諭だった男性が「県の処分は不当だ」として県に処分の取り消しを求めた裁判で、静岡地方裁判所は「処分は裁量権を逸脱し、これを乱用した違法がある」として処分を取り消す判決を言い渡しました。
公立小学校の教諭だった男性は、8年前、酒気を帯びた状態で車を運転し、ブロック塀や電柱に車を衝突させるなどの事故を起こしたとして、その翌年、県から懲戒免職の処分を受けました。
男性は、当時、意識が混乱している状態にあり、「アルコールを摂取した状態にあることをみずから認識することが出来ない状態であった」などとして、処分の取り消しを求める訴えを静岡地方裁判所に起こしていました。
6日、静岡地方裁判所で開かれた裁判で、平山馨裁判長は「男性が意識が混乱していたか否かは、少なくとも責任能力の観点から非難可能性の程度を左右する事情があると考えられる」とした上で、「処分は考慮すべき事情を考慮せず裁量権を逸脱しこれを乱用した違法がある」として懲戒処分を取り消す判決を言い渡しました。
判決について県教育委員会の池上重弘教育長は「現段階では判決内容を精査していないので具体的なことは申し上げられないが、これまでの県の主張が認められなかったことは残念だ。判決内容を確認の上、控訴も含めて今後の対応を検討します」とコメントしています。