昨年成立した改正入管難民法で、外国人の永住資格が従来より容易に取り消せるようになった。政府による恣意(しい)的な運用を防ぐため、運用の際には「当事者の声を聞いてほしい」と永住資格を持つ若者らが活動を始めた。新制度では、税金や社会保険料の滞納も取り消し理由になるため「失業したら日本を追い出されることになるかも」と不安がくすぶる。特に生活基盤が不安定な若者には切実な問題だ。(池尾伸一)
◆「資格の取り消しが何をもって判断されるか分からない」
若者らは「永住許可有志の会」をつくった。永住資格を持つ当事者や、その家族、友人ら20〜30代の10人弱がメンバーだ。
永住資格は、在留期間や就労分野に制限のない在留資格。昨年6月末時点で約90万人おり、在留資格別で最も多い。10年以上日本に在留する人やその子ども、日本人と結婚した配偶者などが取得できる。
資格の取り消しは1年を超える実刑を受けた場合などに限られていたが、改正法では、取り消し要件が拡大された。
適用について、政府は「悪質なケースに限る」とするが、どういう状況が「悪質」に当たるかはあいまいで、国のさじ加減一つで取り消されるのでは、といった懸念が当事者にはある。米国籍で日本で生まれ育った永住者、ハンナさん(仮名、30代)は「資格の取り消しが何をもって判断されるか分からない。私の帰るべき母国は日本なのに、帰る国が奪われたようだ」と不安を募らせる。
◆収入が一時的に途絶えたり、税金の手続きをミスしたら…恐怖
「すでに影響を受けている」というのは同じく米国籍の永住者の会社員エマさん(仮名、30代)。「フリーランスとして独立して働くことも考えていたが、いまは全く現実的でないと思っている。一時的に仕事が入らず税金を滞納し...
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