神戸エレベーター死亡、国交省が現地調査 県警は業過致死容疑で捜査
神戸市中央区にある商業ビル(地上8階地下1階建て)のエレベーターで起きた死亡事故で、国土交通省は3日、同省社会資本整備審議会の昇降機等事故調査部会の委員と、昇降機や機械工学を専門とする職員を現地に派遣し、調査をした。エレベーターの設備会社「三菱電機ビルソリューションズ」も立ち会った。
同省建築指導課の建築物事故調査・防災対策室はこの日の調査について「事故の発生の状況や保守の状況、不具合などを調べた。今日の結果を踏まえ、今後どうしていくかを省内で検討していきたい」としている。
兵庫県警生田署によると、事故が起きたのは2月27日未明。エレベーターの「かご」の真下にあたる地下1階部分で、芦屋市に住む医師の男性(31)が倒れているのが見つかり、病院で死亡が確認された。死因は体の背面を打撲したことによる血気胸だった。
ビルの4階ではエレベーターのかごがない状態でドアが開いたままになっていたという。
このビルに入るカラオケ店の4階を利用していた男性が、「かご」がないことに気づかず足を踏み入れ、転落した可能性がある。
県警は、エレベーターに何らかの不具合が生じていたのではないかとみて、業務上過失致死の疑いで調べている。
三菱電機ビルソリューションズの広報担当者によると、同ビルのエレベーターは3カ月に一度、訪問点検をしていたという。直近の昨年12月の点検でも特段の異常などは報告されていなかったとしている。