便秘と思ったら腹痛と下痢、さらに月経痛…

私にはもうひとつ、月経が始まる前に起こる不調があった。便秘である。これもあとになって知ったことだが、排卵が起こると卵が流れないよう、腸の動きが弱まって便秘がちになるそうだ。不快な便秘も、ホルモンの影響だったのだ。

しばらくして月経がはじまると、イライラは嘘のように消える。そこで初めて、「あぁ、あのイライラは月経前だから起こっていたのだ」と気がつく。夫にしてみれば、迷惑千万だったろう。

便秘も、月経が始まると一気に解消する。腹痛をともなう、激しい下痢になるのだ。さらにそのうえ、月経痛が耐えがたい痛みとなって襲ってくる。鎮痛剤を飲まなければいられなかった。薬が切れると立っていることもできず、下腹部を押さえて、ひたすらうめいていた。

これもあとになってわかったことだが、この痛みは、月経困難症と子宮内膜症が原因であった。更年期になると顕在化してくるこの病が、痛みを引き起こしていたのだ。

閉経する2年ほど前、出血量が増えて、大きな生理用ナプキンを2枚重ねても漏れだすほどになった。さすがにこれはおかしいと思い、大決心で有名な大学病院の婦人科を受診した。子宮内膜症という診断はここで下されたが、それ以外のことはわからなかった。

月の3分の1は月経で苦しむ不毛さ

現在は、PMS・月経困難症・子宮内膜症には、低用量ピルや女性ホルモン補充療法などが勧められている。だが、受診した大学病院で、その治療を勧められることはなかった。2005、6年当時、それらはまだ、一般的な治療法にはなっていなかったのだろう。結局、痛み止めを処方されただけで終わった。

閉経すれば、PMSも月経困難症も子宮内膜症もすべて改善する。だから、積極的な治療は必要ないと判断されたのだと思う。結局、放置である。それからも数年、月経前のイライラや便秘、月経が始まってからの耐えがたい痛みに苦しんだが、55歳でついに閉経。本当にうれしかった。

イライラから始まり、月経痛が治まるまでにかかる日数はおよそ10日間。つまり私は、月の3分の1は月経で苦しんでいたことになる。45歳から55歳までの10年間は、友人から旅行や食事に誘われても、月経に重なりそうなときはつねにお断り。本当に残念であった。

最近は、更年期障害だけでなく、PMSや月経困難症、子宮内膜症を改善する治療が、目覚ましい進歩を遂げている。現在、更年期障害の治療として行われている女性ホルモン補充療法は、女性ホルモンの急激な減少を抑え、閉経に向けてソフトランニングさせることで、更年期障害を軽減させる療法である。