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【第213回】選挙はぶっちゃけいくらかかるの!?明細公開(全5記事)

選挙費用は2000万円前後が相場? 政治活動の明細を大公開

参議院議員・山田太郎がお伝えする政治バラエティ番組「参議院議員・山田太郎のさんちゃんねる」。第213回目を迎える今回のテーマは、選挙活動にかかるお金について。また、政治家という職業は儲かるのか。政党助成金はいくらもらえるのか。なかなか知る機会のない、実際の明細を公開しながら政治活動資金について語っていきます。

選挙はぶっちゃけいくらかかるの?

山田太郎氏(以下、山田):さて、じゃあ次がですね、立候補の仕方、選挙にかかるお金というところを、ちょっと具体的にやりたいと思っています。

坂井崇俊氏(以下、坂井):今日のタイトル、これですよ。「選挙はぶっちゃけいくらかかるの!? 明細公開」(笑)。

遊佐めぐみ氏(以下、遊佐):(笑)。

山田:これなにかというと、そろそろ選挙が近づいてきたんですが、政治と金っていう議論になるんですが、結局なんでそんなに政治の金っていう議論になるかっていうと、この永田町にいると非常に思うのは、選挙に金がかかるっていう。

坂井:かかりますよね。ハードル高いですね。

山田:はい。そういう問題なんですよね。こういうとまた批判をくらうかもしれませんが、永田町に来て政治家で金が儲かるかっていったら、儲からないんですよ。

坂井:まったく儲かんないですね。

山田:儲からないと思います。特に、衆議院の総選挙区をやっている議員は厳しいと思うね。なんでかっていうと、議員の歳費は3000万円ぐらい、いろんなものをくっつけてあるって言われてるんだけど、実際には公設秘書を3人までしか雇えないから、私設含めて地元の事務所を維持しようと思うと、自腹で払ってるんだよね。

結局、3000万円とか何千万円とかが、年商3000万円じゃ会社としてアウトよ。

遊佐:へぇ。

坂井:売上なんですよね、どっちかっていうと。3000万円って。

山田:そうそう。

坂井:利益っていうよりも。

遊佐:はい。

山田:例えば、僕も上場企業とかやってましたけども、やっぱり会社やるんだったらば、年商でも1億から5億、最低ないと。だって、1人雇ったらなんだかんだいって、不動産だとか社会保障費だとかいって諸々つけたら1000万円ぐらいかかっちゃうもん。なんだかんだいって。3000万円じゃ3人も雇えませんから。

ということで、結局ですね、そうなってくると、じゃあ政党助成金というふうにいっても、たぶんですね、自民党クラスで政党助成金、たぶん年間800万から1000万円ぐらいですかね、政治家1人。

で、わりとちっちゃい政党のほうが有利に配れるんで、それでも1500万ぐらいなんですよ、政党助成金、実際1100万円とかってなっちゃうと、それでも事務所っていうのは維持できないので、結局なにが起こっちゃうかというと、寄付金集めだとか、パーティーだとかって始めるんですよ、一生懸命。収入が。

だけど、なんでそんなことをするかっていうと、それは地元の選挙区で事務所を置いて、結局、そのためのお金を作んないといけないからと。やっぱり最後は選挙に金がかかるというのが、どうしても。

選挙活動の明細を大公開!

じゃあ、どれぐらいほんとにかかるのかということを、やっぱり議論しないといけないですよねということなんですよ。それでどれぐらいのお金がかかるのかということで、少し例を、……なんかあります?

山田:あ、こんなかんじでだいたいかかるよっていう1つのパターンで。

坂井:はい。

山田:これは私が参議院の全国比例を出ましたから、実際に自分の経験も含めて。まあ、いろんなパターンがあるので、必ずしもこういうかたちになるとは限らないんだけれども、こんなパターンだよねっていうところを、みなさんと見ていきたいと思うんですが。

まずですね、事務所。選挙をやるのに、現職とか新人とかいろいろいますが、基本的に現職であったとしても、このいわゆる参議院会館の事務所を選挙事務所として使ってはいけないんですね。

遊佐:へぇ。

山田:なので、外に事務所を構える必要があります。で、100万円というふうに言ってるのは、2ヶ月間ぐらいを選挙事務所として借りようと思うと、ポンと100万円ぐらい出さないと貸してくれる所がなかなかないと。

坂井:単位が万円じゃないですね、円でした。ごめんなさい。

山田:これは大変なことになりましたね(笑)。

(一同笑)

山田:それから、街宣車がですね、いろいろ借りる所によってピンキリはあるんですけれども、40万から50万円ぐらいで2台まで、参議院の比例は借りられますね。それから、運転手さんに対する1日だいたい上限、払える上限っていうのがありまして。これはお金が出るんじゃないですよ、まず上限ですね。1万2500円っていうことで、これが17日間。

坂井:選挙が17日間なので、17日。

山田:それから、うぐいすさんが1人1万5000円っていうのが決まってまして、上限がね。それで何人でもいいんですが、だいたい2人ずつぐらいが選挙カーに乗るとすると、延べ68人日になりますね。

坂井:17日×2台×2名みたいになりますね。

山田:それから、ポスターが1枚100円かかったり35円かかったり、たくさん刷って35円で7万枚。それからビラがですね、25万枚まで刷れるんですが、1枚5円。で、はがきを、公選はがきっていうのがあるんですが、これの元をつくるのに6円。15万枚までやれますので、それぞれこれぐらいかかる。

什器っていうのは事務所のいろんなものですね。ファックスからはじまり机からはじまりですね。それから、交通費とかガソリン代、チラシ。政治活動中にですね、全戸配布なんていうのをビラ配りをやったりするんですけども、各エリアですね。これちょっともう、ぜんぜんこの金額っていうのはピンキリなんですけども。

というようなことを諸々入れて……、で、供託金っていうのは、全国比例の場合は600万円、選挙区は300万円なんですけども、まあ、2200万円ぐらいだということなんです。

坂井:ちょっと数字が違うところはあるかもしれないですけど、こんなイメージですよね。

参議院選挙では2000万円前後が相場?

山田:で、もう1つ。じゃあ、かければいくらでもかけられるだろうっていうことで、でも、実は上限が決まっていまして、選挙費用の上限っていうのは、今度は法定費用で上限が決まっているのは、比例は5200万円まで。

遊佐:ほう。

坂井:選挙の17日間で使っていいよっていうお金。

山田:ただ、選挙区はですね、広い北海道は7250万円まで。東京で5925万円、6000万円ぐらいですね。一番狭い、鳥取でだいたい3000万円弱。ということで、実際にはですね、この費用がですね、上限は決まっていると。

ただ、いろんな議員の収支報告を見ていると、だいたい参議院選挙で、まあ、選挙区も含めてそうなんですが、2000万円弱か2000万円前後ですね。っていうのが、収支報告書から見た場合の一番多いパターンかな、というふうに思います。

坂井:その5000万円とか、今言ってた5250万円っていうのは、17日間でかけていいお金なんですよね。

山田:そう。

坂井:だから、それ以前は、政治活動っていうことで、まあ、選挙活動はしちゃいけないんですけど政治活動はしてよくて、それはまたけっこうお金がかかりますよね。

例えば、政治家が……、例えばなんだろ、山田さんの地元の大田区の衆議院議員が、大田区に住んでる全戸にチラシをまこうとしたら、それ1回やったら100万円じゃすまないんじゃないですかね、たぶん。チラシを印刷して配ったら150万円とか、もしかしたら、いい紙使ったら200万円とか、かけないと配れないっていう。ほんとにかかる。

この事務所の100万円も、たぶんほんと借りたのは20万円ぐらいの所なんですよね。20万円とか30万円ぐらいの所を借りたんですけど、だけど結局……、2ヶ月間ぐらい借りたいのかな。

山田:政治事務所にはなかなか貸してくれないし、短期で貸したら合わないから、結局は100万円ぐらい出さないと合わないんですよ。ということで、だいたいみんなこれぐらいかけてますね。

遊佐:はい。

山田:ということで、ピンキリというか。それともう1つはですね、もちろん供託金は供託なのである没収点を上回れば戻ってくるんですけど、じゃあ、没収点ってのはなにかっていうと、例えば、ある政党が5人通ったら、10位までに入ったら没収点じゃないと。でも、11人目になっちゃうと没収点で供託金は戻ってきません。

例えば、その党が2人しか通らなければ4位までっていうのが没収点で、まさにボッシュ―トってことで供託金は戻ってきません。

それから、もう1つは選挙公営ってことなんだけども、実は没収点までいかないと、供託金が戻ってくると上限があるんだけれども、要は、お金が戻ってくるというか、払ってくるんですね、国が。

例えば、ポスターだと最大240万円ぐらい、はがきだと100万円、ビラだと130万円ぐらい。ちょっと計算がいろいろあるので一概には言えないんですが、それぐらいがいわゆる没収点にいかなければ(戻ってくる)。

だから、つまり、受かってる人っていうのはけっこう供託金が戻ってくるし、それから、いろんなポスター代だとか、はがき代だとか、一部運転手代だとかっていうことが戻ってくるんですよ。

遊佐:へぇ。

山田:だから、ぜんぜん受かんないと、このままストーンって供託金も含めて、全部お金が持ち出しということになっちゃうんですよね。

遊佐:うわぁ。

お金がないと立候補ができない

山田:第三極と言われるところは、基本的に全部自腹です。で、私もですね、供託金も含めて、みんなの党から出たときは全部自腹でやりました。

大手の自民党や民主党、今は民進党ですが、そういうところはまず供託金は持ってくれますね。それから、けっこう選挙費用も一部、特に選挙区で出る場合には持ってくれたりということはありますけれども。

すごく第三極とか新興政党というのは非常に厳しいなかで、お金がないとたしかに、コメントにもいっぱいありましたけれども、お金がないと実際にはまず立候補できない。

坂井:立候補できない。

遊佐:はい。

坂井:600万円、ドブに捨ててもいいっていう人は、ほとんどいないですからね。

山田:そうなんですよ(笑)。だから、なかなか正直ですね、議員になるっていうのは、よく地盤、看板、かばんというふうに言われますけど、たしかにかばん、お金がですね、1つ用意できない。

それから、お金が用意できたとしても立候補できなきゃしょうがないんで。選挙区……、つまり、立てるかどうかっていうこともありますから。最初から勝てないのはわかっていて、お金をドブに捨ててでも立つのは、次につなげるためとかっていうようなかたちで、これだけお金がかかっちゃうっていうですね。

で、これだけお金をかけてでも、政治信条を持って、自分の政策を訴えて、国を変えたいと思う、気持ちだけでやるというのがですね、非常に大変だということなんですよ。

私もよくネットで、みんなの党時代とかは組織副委員長をやってたりとかあったんで、いろいろ立候補したい人に対しては聞くんですよ。それで、お金の話をするって批判されてるんですけども。

坂井:(笑)。

山田:「山田さん、面接のときにすぐお金の話をする」って。だけど、実際には何人も何人も「出る」と言って立候補の届け出をしたんだけども、公示直前に辞めた人をごまんと見てますので。ごまんといるんですよ。直前になって「やっぱり出られません」。

なので、お金ありきで政治は動かないんですけれども、動いちゃいけないんですけれども、やっぱり金がない政党から出るっていうのはどういうことなのか、っていうことについてはちゃんと言っとかないと、これはその人を不幸にしますから。

で、すごい借金を背負ってる人も多いんですね。それこそサラ金、……あの、けっこう自民党の若手の議員でも、借金背負って出てる人多いですから。この借金を政党助成金で返しちゃいけないので。だけど、返しちゃったりしてるんです。あと立法事務費っていう領収書がいらないもので、対応してたりだとかするんですよ。

それと、やっぱり前、党首がいろんな人たちのお金の面倒を見ざるをえないような状況になってる場合もあるということで、非常に現実的に……。イギリスなんかじゃ、こういうお金がかかっちゃいけないということで、選挙制度をお金かからないかたちに改革していったんですけれども、このお金の問題をですね、僕はなんとかしないと、やっぱりかかっちゃうっていうのかな。

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退職金がない人はiDeCo1万円+新NISAがリアルかも(全1記事)

退職金がない人はiDeCoを月1万円+NISAがおすすめ 退職所得控除が改悪されてもiDeCoのメリットが大きい理由

元役者という経歴を活かし、現在はファイナンシャルプランナーとして講演や投資相談を行っている井上ヨウスケ氏。YouTubeチャンネル『井上ヨウスケ/井上FP事務所』では、投資などのお金の知識に加えて、読書や価値観に基づく型にはまらないお金の使い方などを発信しています。本記事では、退職所得控除が改悪されてもiDeCoのメリットが大きい理由をお伝えします。

退職金がない人はiDeCoを1万円+NISAがおすすめな理由

井上ヨウスケ氏:どうも、元役者でファイナンシャルプランナーの井上ヨウスケです。iDeCoかNISAどっちをしようかと悩む方が多いんですけれども、結果的に考えると、退職金がない方はiDeCoを1万円ぐらいやって、残りの部分をNISAでやるのが一番税優遇を最大化できると思っているので、今日はその点について解説をしていきたいと思います。

では、時間がない方もおられると思うので、まずは動画のポイントを解説していきます。まずポイントの1つめですが、iDeCoかNISAどっちにしようかなと考える方が多いんですけれども。毎月5,000円ぐらいしか投資できないという方は、どっちかという考え方になると思いますが、毎月数万の単位で投資ができるという方は、どっちもいいとこ取りにするのが一番合理的だと思っています。



特にポイントの2にも書いてあるとおり、退職金がない会社にお勤めの方の場合ですとiDeCoの所得控除のメリットを使って、しかも出口部分の控除をフルで使うと税金が0になるどころか、税金が少なくなるというメリットがあるのに、これを使わないのは個人的にはすごくもったいないなと思っています。

そしてポイントの3つ目にもあるとおり、退職所得控除が大きいが故に、iDeCoはメリットがあるよと言われるんですけれども。これが間もなくどういうふうに改正するのか、話し合いするところまでは決まっています。

これが「改悪されるかも」とよく言われるんですけれども、仮に改悪されたとしても、所得控除メリットを活用できる範囲でiDeCoを利用すれば、ぜんぜん問題ないと思っています。

「特別法人税が」ってよく言われるんですけども、3年前ぐらいにそこをめちゃくちゃマニアックに解説した動画を出してるので、その点は僕はまったく気にしていません。このあたりをちゃんと考えた上で、iDeCoを使うのであればメリットは取れると思っています。

なので、ポイント4にも書いてあるとおり、結論としては月1万円ぐらいをiDeCoに積み立てをして、残りの部分はNISAに回すと、両方のメリットを取ることができると思っていますので、具体的に解説していきたいと思います。

年収500万円、35歳から毎月1万円iDeCoに加入した場合

よくiDeCoかNISAかという2択があったりとか、もしくは極端な話をする方は、「iDeCoよりNISAのほうが勝ってる!」みたいな言い方をするんですけど、それは人によるだろうというのが実際のところです。上手に活用できる方は、iDeCoとNISAのいいところを取るのが一番合理的だと思っています。

当然退職所得控除が悪い方向に改正される可能性はあるんですけれども、それでもメリットが全部なくなるわけではないので。いろいろ考えていくと、ほとんどの方、特に退職金がない方はiDeCoを1万円ぐらい積み立てしておいて、所得控除のメリットを受けておいて、退職所得控除内に抑える。

残りの部分はNISAを使って投資をするのが一番多くの方に当てはまるシナリオじゃないかなと思っているので、そのあたり解説していきます。

まずはiDeCoを積み立てることによって、どれぐらいの税控除のメリットがあるかを見ていきたいと思います。今見ていただいてるのはiDeCoの公式サイトで、税優遇のシミュレーションができますよというサイトがあります。どれぐらい積み立てしたら税控除額がどれぐらい生まれるかっていうのをシミュレーションできるツールがあるんですね。



年収、要は源泉徴収前のボーナスとかも含めた総支給額が500万円ですよという方がいます。でも20歳から始める人はあんまりいないと思うので。例えばこれを35歳から始めるとしましょう。毎月1万円ぐらい掛け金を積み立てて、どれぐらいの控除額になるかを「計算する」を押すと、こんな感じでシミュレーション結果が出てきます。



例えば年収500万円で35歳から毎月1万円iDeCoに加入した場合は、どれぐらいのメリットが生まれるかっていうと、これは65歳までとなっていますが、72万円の税控除がありますよと。運用の結果がどうであれ積み立てをしただけで税優遇72万円も税金が少なくなりますよと書いてあるんですね。

年間1万2,000円所得税が軽減される

もう少し詳しく見ていくと、ここにいろいろ条件が書いてあって、控除の有無によって若干税率は変わってきますが、ここを見てもらったら、1年のiDeCoによる所得税の軽減額が1万2,000円と書いてあります。



ここをちょっと詳しく解説をしていくと、1ヶ月1万円を12ヶ月だから12万円積み立てするわけですね。それの12万円に対して、所得税は1万2,000円安くなりました。これはどういうロジックか、国税庁のこの税率表を使って説明したいと思います。

みなさんのお給料によって所得税の税率が変わるんですね。累進課税という言葉を聞いたことがあるかもしれないんですけれども。所得税は一番低い税率が5パーセント、一番高い税率が45パーセントというかたちで、課税される所得の金額が上がっていけば上がっていくほど、税率が上がっていくんです。



単純な話、iDeCoのメリットは、積み立てた掛け金×この税率分、税金が少なくなるという考え方なので、所得が高くなるとその分iDeCoのメリットが大きくなります。

そしてこっちのシミュレーション結果に戻すと、この500万円の年収の方の場合は、12万円の掛け金に対して1万2,000円所得税が少なくなるとなっているので、税率10パーセントという試算ですね。

これはこの控除がどれぐらいあるかとか、いろんなところにあるんですけど、ざっくり年収500万円ぐらいだったら、税率が10パーセントぐらいかなというイメージですね。

そのまま下いった時に、この住民税も「12万円の積み立てに対して、1万2,000円少なくなるよ」と書いていますが、住民税の所得割は10パーセント一律なので、お給料がどれだけであっても、住民税は10パーセントの軽減効果があるということですね。

ということは、ざっくりのイメージとしては所得税の一番低い税率が5パーセントで住民税は10パーセント一律なので、誰でも最低15パーセントぐらいの軽減効果があるということになります。

今回の方だったら、掛け金×所得税10パーセント、住民税10パーセントの合わせた20パーセントの12万円×20パーセントした2万4,000円が、1年間の税金から少なくなるよということです。これを30年間続けたら、72万円になるので、何年続けるかによってこの効果は変わってくるイメージです。

iDeCoは「受け取りでどのくらい課税されるか」も重要

つまりiDeCoをすると、運用結果がどうであれ、入り口部分でまず税金を少なくする効果があります。当然iDeCoはやることによって手数料がかかったりするんですけど、それでも月2,000円ぐらいなので、30年間続けても6万円って考えるとメリットが大きいわけですね。

ただ出口部分では課税されることになるので、この課税のコントロールを上手にする。今の税控除を受けた部分がまるまる懐に残るような感覚になれば、当然NISAは非課税ですけれども、iDeCoのほうが税優遇を受けた分メリットが生まれてくるので。次は出口部分の考え方について解説をしていきます。



iDeCoの制度はどういう仕組みになってるかというと、入り口部分では掛け金が控除になるよというところでしたね。そして運用している時も税金は発生しません。そして出口部分、要は60歳とか65歳とかで受け取る時に、利益の部分だけじゃなくて元本も合わせて全部が課税対象になるよというのがiDeCoの仕組みです。

なぜ入り口部分で所得控除を受けられるのかというと、出口部分で課税対象になるから、「いったんここの部分の税金を返しておきます。後でまとめて計算する時に、必要であれば税金をもらいますよ」みたいな感覚ですね。

だからこそ、この出口部分受け取りの時に、税金がどれぐらい課税されるのかというのが重要になってくるわけですね。

「年金形式」で受け取るのはおすすめしない理由

では、この受け取りの時にどういう税金の計算をするのかを解説していきます。iDeCoを受け取る時には、年金形式かもしくは一時金受け取りか、もしくは併用も可能なんですけれども。この受け取り方によって税金の計算の仕方が変わってきます。



先に言うと、一時金受け取りを使うほうが有利になるケースがほとんどです。というのは、年金形式の場合控除はあるんですけど、その控除が公的年金で使用されていたりするので、会社員の方だったらほぼほぼ余らないかなという感覚なので、ほとんど出口の控除がない。

かつ、年金形式で受け取ると、毎年の所得が増えてしまうのでその分健康保険料が増えたりして、あんまりいいことがありません。例えば年金を繰り下げ受給していて、その期間の空いてる控除をiDeCoで使うみたいなちょっとテクニカルな話をするのであればメリットはあるかもしれないんですけど。基本的には一時金で受け取るほうがメリットが大きくなると思うので、ここをベースにお話をしていきます。

一時金で受け取る場合の税金の仕組みですが、iDeCoを一時金で受け取る場合は退職所得という所得に分類されるんですね。だからこそ、この退職金があるかないかが大きなポイントになってきます。

退職所得控除の計算方法

退職金がある方は、自分の退職金を受け取る時にもこの控除を使うし、かつiDeCoでも控除を使うことになるから、iDeCo用の控除があまり残らない可能性があるんですね。これもまた受取時期をどうこうみたいな話があって。

iDeCoを上手に活用するためにはそれなりの知識が必要だからこそ、iDeCoは人気がないんだと思うんですけど。このあたりもちょっと省略をして、退職金がない方は、単純化させるとこの退職所得控除をフル活用することができるので、この控除内でiDeCoをやると、入り口のメリットを大きく使えるという考え方ですね。それが僕の場合は1万円ぐらいがいいんじゃないかという提案です。



この計算式はややこしく見えますが、すごくシンプルにiDeCoの受け取る時の合計の金額から、この退職所得控除を引いた後に2分の1したものが、税金の対象になりますよというイメージですね。

なので、もっとわかりやすく言うと、iDeCoの合計金額がこの退職所得控除より少なかったら、税金はかからないよとなります。

この退職所得控除ってどうやって計算されるかというと、この流れになっています。退職金の場合は何年働いたかになるんですけど、iDeCoの場合は何年積み立てをしたかということです。ここを見ていただくと、20年以下の場合は40万円×積み立て年数となっていて、1年あたり40万円ずつ控除が増えていくとなっています。

そして20年以上積み立てをした場合は800万円+70万円×年数と書いてますが、この800万円はすごくシンプルですね。40万円×20年していただくと800万円になるってことなので、21年目からは、控除額が40万円じゃなくて70万円にさらに増えますよという仕組みになっているんですね。

20年以上積み立てた期間は70万円ずつ増えていくとなるので、仮に30年間続けるとするならば800万円+70万円×10年間ですね。すると1,500万円の出口の控除があるというふうになります。

ということは先ほど、元本と利益を合わせて全部が課税対象になりますよと言いましたが、今のケースで説明すると、ここが1,500万円以下であれば税金がかからないので、入り口で受けた所得控除分丸々懐に入るというようなイメージですね。

月1万円なら、リターンが上振れても控除内に収まる

実際にちょっとシミュレーションしたケースで、1,500万円以下ってどれぐらいなのかというお話なんですけれども。毎月1万円のお金を30年間積み立てて5パーセントで運用しても元利合計が832万円ぐらいになるということなので。さっきの1,500万円の半分くらいにしか満たないということなので、このケースだったら税金0円になるということですね。



さっきのシミュレーションサイトで見たとおり、毎年2万4,000円の控除がある。これが30年間、72万円税控除メリットがあるっていうことは、NISAだったら税金0だけどiDeCoだったら72万円も少なくなるということなので、退職金がない方はここをこ使うほうがメリットがあると僕は思います。

仮にもしリターンが5パーセントより上振れて6パーセントになったらどうなんだという話ですけど、これで計算してもだいたい1,000万円ぐらいなので、1,500万円以下ですよね。7パーセントで上振れたとしても1,220万円ぐらいっていうことを考えたら、月1万円ぐらいだったらリターンが上振れたとしても控除内に収まるんじゃないかなと。

税金1円も払いたくないっていう方は、1万円ぐらいにしておくと足が出ないんじゃないかなと思って、1万円という数字を出してます。

退職所得控除が改悪された場合のシミュレーション

「退職所得控除が悪い方向に改正されるかもしれないじゃん」っていう意見が当然あると思うんですけど、だったらそこに合わせてそこから足が出ないように調節すればいいだけだと思っています。実際悪い方向に改正されたらという点でお話をしたいと思います。

今、退職所得控除が改正されるという方向で話が進む。ただ、まだ内容はまったく決まってないんですけど、現状その話し合いをするということだけ決まっています。

何が問題になってるかっていうところの背景を説明すると、退職所得控除、これは退職金の計算式なんですね。見てもらったら20年以下は40万円だけど20年以上会社に勤め続けると、退職金の控除が70万円に増えるということは、長く働くインセンティブがこの計算式に含まれているわけですね。

これって時代に合ってないよね。だからこれをちょっと変えないといけないんじゃないかってところだけが言われていて、どう変えるかはまだまったく決まってない状況です。ただ、想像で「この70万円が40万円になるんじゃないか」と言っている人もいます。

それがどうなるかは僕にはわからないですけど、だったらその最悪のシナリオで想定すればいいだけですね。一律40万円の控除になるって考えても、30年間積み立てたらこれで1,200万円になるということなので、1,500万円だったものが1,200万円になるってことはマイナス300万円になると。

でも1,200万円だったら、さっき見てもらったとおり7パーセントで運用できたとしても20万円ぐらい足が出るというイメージですよね。20万円出たぐらいじゃほぼほぼメリットが残るので、改悪されても、月1万円ぐらいの積み立てだったらデメリットにならないと思っています。

改悪されても、月1万円ならデメリットにならない

細かい話をあんまりしすぎると聞いていられないと思うので、ちょっと簡単に説明すると、仮に20万円ぐらい足が出たとした場合、どれぐらい税金を払うかなんですけど。ここの計算式、控除から引いた部分で20万円残りましたと。それの2分の1が退職所得の金額なので20万円×2分の1したら10万円ですね。

10万円に税率かけた分が税金の金額で、計算式は省略しますが、ざっくり10万円×5パーセントが所得税、10万円×10パーセントが住民税と考えると、だいたい1万5,000円ぐらいの税金が発生するというイメージです。

普通に考えたらわかるんですけれども。72万円税控除を受けた人間が出口部分で1万5,000円払っても、差し引き70万円ぐらい手元にお金が残るという計算ですよね。だからこそ出口部分で若干税金を払うことになるからiDeCoをやらないってふうにはならないと僕は思っています。

仮に改悪されたとしても、月1万円ぐらいだったら余裕で入り口部分で受けた税控除分ぐらいがメリットとして残るんじゃないかなと。多くの方にとっては月1万円積み立てぐらいがけっこうリアルなラインじゃないかなと思っています。

井上氏は「iDeCoをベースにプラスNISA」のスタイル

やっぱりNISAってすごくシンプルな制度なんですけど、iDeCoはこういうケースで受け取り方をこうしたらとか、いろんなことが考えられるんですね。若干ややこしさが入ってくるからこそ「NISAのほうがいい」みたいに思ってしまう人が多いんですけれども。上手に活用すれば両方ともいいとこ取りはできると思っています。

僕自身もiDeCoを中心にやっていて、iDeCoをベースにプラスNISAをやっているというかたちで、2024年から新しいNISAが始まってもこのスタイルは変えずにいようと思っているので。このあたりはご自身の状況に合わせて上手に活用すればいいだけの話なので、そのあたりを考えていただいて。

ただ僕自身がちょっと思ったのは、退職金がない会社にお勤めの方で、入り口部分の控除を活用できる方であれば、月1万円ぐらいをiDeCoにやってプラスNISAが多くの方にとってはいいチョイスになるんじゃないかなと思いました。最後までご覧いただきありがとうございました。

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