ネアンデルタール的なるもの
アフリカのコンゴ川をはさんで,二つの種族が生息している。南側にはチンパンジー,北側にはピグミーチンパンジー,いわゆるボノボだ。
チンパンジー(パン属)は渡航能力がない。従い,コンゴ川によって隔たれ,両種族は形は似ているが全く異なる進化を遂げた。
ベルギー人の探検家によって発見されたボノボは,一見するとチンパンジーとは区別がつかない。しかし,その行動様式を観察すると,驚くべき違いが明らかとなった。
フランス・ドゥバール著『あなたの中のサル』には,ボノボとチンパンジーの違いを以下のように挙げている。
チンパンジーが交尾をするときは,木の棒や石で雌を殴打し,動けないようにしてから後背位から交尾する。しかし,ボノボは果物や昆虫などの食べ物を雌に差し出し,雌がそれを受け取ると交尾許可の合図となり,正常位から交尾する。
また,ケガをした小鳥を差し出すと,チンパンジーは針金や小枝などで小鳥を串刺しにして,小鳥が死なないように傷つけ,小鳥を苦しむ様子を見て楽しむ。しかし,ボノボは傷ついた小鳥を手のひらでつつんだり,葉っぱをかぶせて,どうにかして小鳥の苦痛が減らないか,試行錯誤する。
チンパンジーは争い事が起きると,必ず相手を殺害する。それも,正々堂々と戦うのではなく,隙をついて後ろから攻撃したり,寝ているところを襲う。一撃で殺せなかった場合,相手が極力苦しむように,睾丸をつぶしたり,眼球をえぐったりして,少しずつ殺害していく様子を見て喜ぶ。一方で,ボノボは喧嘩になれば殴り合いをするが,決して相手を殺さない。基本的に,殺しはやらないのだ。
よく「頭のいいチンパンジー」としてテレビに出演しているのはボノボだ。ボノボは教えればテレビゲームもできるし,400くらいの英単語を暗記して,人間とパネルカードをつかった会話もできる。お湯をわかしてカップ麺をつくることもできる。
ボノボとチンパンジーはおよそ170万年前に分化した。染色体の数も同じだから,混血することもできる。しかし,全く性質が違うのだ。
頭骨の形態も,チンパンジーは長頭形であるが,ボノボはより短頭形(人間の頭骨)に近い。また,脊髄と頭骨を連結する大後頭孔と呼ばれる穴の位置も,ボノボは頭骨の中心部に近い。従い,ボノボは二足歩行もできる。
他,チンパンジーの前歯は小さいが,ボノボの前歯は大きい。
このような形態の差は,ネアンデルタールと人間の関係性によく似ている。ネアンデルタールは長頭であるが,人間は短頭なのだ。
私たち人間は,毎日不快な思いをする。その原因は,「人間性に欠ける」事件を耳にするからだ。それは,強姦や殺人といったことに限らず,生活の至る所にある。
例えば,ジェンダーフリー政策はどうだろうか。男が女のように振る舞い,女が男のように振る舞うことを礼賛する政治思想である。
ネアンデルタールは,雄と雌に性差はない。性別を問わずおなじ骨格,おなじ筋肉をしている。これは,ネアンデルタールに性ホルモンの分泌が極めて少ないことと,ネアンデルタールの雄と雌は一切の協力関係にないことを意味している。つまり,雄と雌が協力しないため,雌は自分で食料を獲得しなければならない。そのため,雌も雄と同じ筋肉と骨格が必要であった。
しかし,人間の男女は協力関係にある。男は家の外で働き,女は家の中で働く。従い,女は食料の供給を男からうけることを前提に進化したため,筋肉量は減り,骨格は縮小した。男と同じだけの筋肉をもてば,それを維持するためのカロリーが無駄になる。
人間の男女は,性差を伴う進化をして,分業によって協力した。それが家族となった。
だが,ネアンデルタールには家族といった概念はなく,また雄と雌が協力することもなく,性差もない。
従い,「性別」といった役割が果たせないのである。
ボーボワールは「女に生まれるのではない。女になるのだ」と述べた。ネアンデルタールの雌であれば,先天的に性差はないが,社会秩序や文化をつくるのは人間であるため,人間の女性と同じように振る舞うことを後天的に強いられることになる。人間ではない動物である以上,人間のように振る舞うことは苦痛で仕方ないのだ。
現在,科学は発展し,人間の女性とネアンデルタールの雌は,生物学的特徴によって判定することができるようになった。
しかし,それでも,ネアンデルタールは人間社会の福祉に寄生し,人間の文明を破壊しようとしている。
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