- 11じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:11:12
- 21じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:11:37
【Part1スレ】
【ダイスと安価】ブルアカキャラがマスターの聖杯戦争|あにまん掲示板っていう感じのやりたいじゃんね☆スレ立て初めてだから優しくしてほしいじゃんね☆適宜、ダイスと安価で聖杯戦争をぶん回してくじゃんね☆とりあえず主人公のブルアカキャラの誰にするかダイス振りたいから>…bbs.animanch.com【前スレ】
【ダイスと安価】ブルアカキャラがマスターの聖杯戦争Part6|あにまん掲示板っていう感じのやってるじゃんね☆このスレは6スレ目じゃんね☆主人公は『阿慈谷ヒフミ』ちゃんじゃんね☆召喚したクラスは『セイバー』じゃんね☆補習授業部メンバーと一緒にキヴォトスで発生した聖杯戦争に殴り込…bbs.animanch.com【まとめ】
x.gd【ハーメルン版】
syosetu.org - 3二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:12:39
おかえりミカ主!
- 41じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:12:46
【Part6スレまでのあらすじ】
①主人公はヒフミちゃん、召喚したのはセイバーことアーサー王。聖杯戦争開始から14日を越えるまでに勝利しないとマスターは全員魔力の拒絶反応でデッドエンド。
②ヒフミちゃんの目的はハッピーエンド、サーヴァント含めた参加者全員を犠牲にしない形での聖杯戦争終結。セイバーはその目的を叶えてヒフミを日常に戻すのが願い、お仕事的には聖杯戦争の解決もしたい
③聖杯戦争9日目に時計台で謎の封筒と鍵を発見。それを持ってシスターフッドに訪れたけど交渉結果はあと一歩足らず。セイバー達との話し合いでサクラコちゃんはずっと不安が見え隠れしている様子だったと再確認。
④モモイちゃんとミノリちゃんは病院で検査。ミノリちゃんはバーサーカーのスキルのおかげで元気。モモイちゃんは検査した限りでは発症してないよってセリナちゃんからお達しあり。
⑤ホシノちゃんも一時合流してみんなで集まって会議したらどうやら内通者の疑惑が出た。
⑥その晩に桐藤ナギサが聖杯、そして暴食のセイバーと名乗るサーヴァントに襲われる。同時刻、D.U.、ゲヘナ、ミレニアム、アビドスでも襲撃あり。
⑦一晩経ったところでゲヘナのカスミちゃんが情報を持ってきて助けてってお願いしてきた
→安価の結果、校則違反の品物の裏取引に関する罰則という名目で事態の終息後に普段捕まった時よりちょっとばかし長く拘留される……ぐらいな条件付きで温泉開発部の立場を三校が保障しつつ、無事に情報ゲット!
というわけでこれからUSBの中身を見るところから始めてくじゃんね☆ - 5二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:13:31
立て乙です!
おかえりなさいミカ主!待ってた - 6二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:15:05
お帰りなさい!
- 71じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:21:31
さて、改めまして。
長らくスレも建てれずたくさんご心配をおかけしてしまってごめんなさい。
やっとこさ帰ってきましたじゃんね☆
いや本当に前スレ爆発四散した時はどうした事かと思ったけどなんとか復活してもらえて良かったじゃんね☆
管理人さんありがとうございますじゃんね☆
度々SSが削除されてた件は荒らしてる人と同IPだったからなのか、もしくは多分連投し過ぎたのが問題だったじゃんね……
書き溜めて投稿スタイルに変えて短時間で投下するスタイルはよくなかったので今スレからは変更じゃんね☆
ではでは改めまして。
待ってて下さった方、笛にも遊びに来てくれてた方、声をかけて下さった方。
本当にありがとうございました。
3ヶ月かかっちゃったけど戻って来れたのは皆さんのおかげです。
また完結目指して頑張るのでよかったら一緒に遊んでやって下さいな!……じゃんね☆
ただいまじゃんね☆久しぶりにその名前で呼んでもらえてくすぐったいやら嬉しいやらじゃんね☆
ただいまじゃんね☆おかえりの一言がすっごく嬉しいです!じゃんね☆
ただいまじゃんね☆やっとこさ帰ってきたじゃんね☆またスレでみんなにお話読んでもらいながら一緒に安価で作っていけると思うとワクワクするじゃんね☆
- 8二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:26:09
オカエリナサト
- 91じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:34:09
さて、ここからは二つお知らせじゃんね☆
まず一つ目は笛版に関して。
今後も更新頑張ってたくさんの人にみんなが安価で導いてくれて一緒に作ったお話を読んでもらえるよう週1〜2回は更新する予定じゃんね☆
こっちはなるべく毎日頑張って更新じゃんね☆
それで、これまで更新した分について。
11/22以降に加筆した中にはわりとこの先みんなが物語を遊んでくれる中で有利になりそうな要素を入れてた……んだけどぶっちゃけ100万文字超えちゃって探すの大変だと思うじゃんね☆
1もなるべくフォローとかはするけど気になる点とか1の書き方じゃよく分かんないよ!とか笛で書いてる情報とこっちので加筆じゃ言い訳出来ない《矛盾》があるよー!ってのあったら遠慮なく教えてじゃんね☆
あ、あとナギサ襲撃時にモブちゃんの犠牲者増えたけどまぁなんとかなるじゃんね☆
二つ目じゃんね☆
とりあえずこのあとUSBの中身のメッセージを流すじゃんね☆
……そこしか出来てないじゃんね……
ので、多分大きな安価は明日になるのでこれぐらいの時間がいいなぁとかあったら教えてじゃんね☆
特になかったら多分午前10時とかから始めるじゃんね☆
ただいまじゃんね☆
一万二千年には全然届かないけど3ヶ月はなっがかったじゃんね☆
- 10二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:39:19
さぁて何がでるかな
- 11二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:41:08
ミカ主さんおかえり
止めちゃったのかと思って心配してた……爆破だったんですね - 12二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:44:27
久々の更新楽しみ
安価は内容にもよるけど個人的には12時ぐらいからがいいかな? - 131じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:45:21
【観測可能領域との接続を確認……おーるぐりーん】
【皆様】
【ご無沙汰しております】
【サポートシステムが起動しました】
【これより】
【鬼怒川カスミとの取引で入手した情報端末内のデータを再生致します】
【なおこの音声記録は阿慈谷ヒフミを含めた拠点内にいる同盟メンバーが共有して聞いています】
【それでは皆様】
【よき視聴を】
ご機嫌よう、阿慈谷ヒフミさん。
折角の機会を設けて頂きながらこのような形でお話しする事になって私としても大変残念です。このメッセージが貴女に届いているという事は私が直接ミレニアムへ伺う事が出来なかった証左。つまりは、これから行われる作戦において我々が壊滅的な被害を負ったという事実に他ならないのですから。
そのような事態にならないよう、我々もベストを尽くしたいとは思っています。ですが……美食がそうであるように、闘争もまた水物。
たとえ万全を喫して挑んだとしてもその時の状況によって如何様にも様変わりしてしまいます。
包丁を振るわれる殿方は紛れもなく超が付くほどの一流。そうであっても厳しい任務となる、というのが先生も含めた我々全員が共通する認識。
ですからお会い出来なかった時の為に、このメッセージを貴女へ贈ります。
他ならぬ貴女と貴女達であればきっと大丈夫。
そう、あの人もイズミさんも仰っていましたから……私は私の信じる方達を通して貴女を信じてみたいと思います。
では改めて自己紹介を。
私は美食研究会部長、黒館ハルナ。
連邦捜査部シャーレと協力関係にあり、そして本日の夕刻より聖杯戦争への一時介入を行う「聖杯戦争対策部」のメンバーですわ。
- 141じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:52:42
聞き慣れない名前に戸惑っていらっしゃるでしょう。
聖杯戦争対策部はその名前の通り、シャーレが立ち上げた特例措置的な部活動。
一週間前にキヴォトスで発生し、貴女が巻き込まれた列車事故に端を発する聖杯戦争という痛ましい《事件》を解決する為の組織です。
部員は各学園からシャーレに招聘された『生徒会関係者以外』でかつ『ある程度自由に動く事が可能』な生徒で構成されています。
要するに私達のような少々《やんちゃ》な学生や、或いは学園という枠組が希薄な子達が対象というわけです。
誰が聞いているか分かりませんから部員全員の名前を、とまではお話できません。ですから、貴女達の方で思い出して頂けますか?
なにせ私達は、時折とはいえ貴女の《近くにいました》から。
さて、次のお話を。
私達の任務としては基本的には聖杯戦争及び各陣営の情報収集、存在が確認されたシャドウサーヴァントへの対処、そして各マスターへのバックアップの三つとなります。
もっとも最後の三つ目に関してはバックアップと言えど実際に対応したのは先生が補填を請け負いたいと連邦生徒会に打診した戦闘での被害、その細々とした事務処理ぐらいでしたが。
さて、ここまで言えば私達の役割とシャーレの聖杯戦争に対するスタンスは御理解頂けますでしょう?
……聖杯戦争におけるマスターを含めた生徒達の保護とキヴォトスの防衛。
それと部員に限っては、先生の保護が私達の目的になるといったところでしょう。
……もっとも、私達が集められた情報はそう多くはありません。
実際に貴女方が召喚したサーヴァントとの交戦は控えていましたし、あくまでもシャドウサーヴァントと呼ばれるマスターが存在せず明確に生徒に対して害意を向ける存在への対処で手一杯でしたから。
さて、楽しいお喋りをいつまでもといきたいところですが私達にも予定が御座いますのであまり悠長にとはいきません。その上で、二点。貴女にお伝えする事があります。
一つ目に、これまで我々が対処していたシャドウサーヴァントの多くはゲヘナ近郊からトリニティにかけて存在が確認された事。
二つ目に、我々はゲヘナに拠点を置くライダー陣営が何かしらシャドウサーヴァントに対して有力な手掛かりを持っている……そう判断して本日夕刻より彼女達の拠点へ交渉へ出向く事になりました。 - 15二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 20:59:05
何となくだけど便利屋陣営が一番最初にきてもかしくなさそうだなこの流れだと
- 161じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 20:59:12
……はっきりと言えば、我々からしてもライダー陣営の対応は極めて大きな悩みの種でした。
聖杯戦争対策部がこれまで監視してきた陣営の中で最も苛烈かつ大きな行動を繰り返していたのが彼女達便利屋68です。そしてその陣を敷いた場所はよりにもよってあの女のシンパが遺した……
カイゼリン・ブリッツ記念教会。
ある種の政治的なアンタッチャブルというべき場所は確かに、聖杯戦争というキヴォトスの社会と相容れない闘争に巻き込まれた彼女達の良き隠れ蓑にはなるでしょう。
ですが、それでも。
当時のゲヘナを知る彼女が其処を選んだ。
……はっきりと言えば正気に沙汰とは言えません。
にも関わらずあの場所に陣を敷いたならば。
正気ではいられない程の理由が存在するというのが『ゲヘナの三年生である私個人』の見解です。
それらを含めて、私達は今宵あの地に向かう事にしたのです……恐らく、交渉は決裂し銃弾を交える形になるでしょう。それを承知の上で、『彼女達の本当の気持ちに応えたい』という彼の方の意思を私達は尊重したいのです。
……先生がこの部活を立ち上げる際、まず声をかけようとされたのは彼女達だった、という話です。
ですがその時には既にサーヴァントを召喚していたのか残念ながらもう音信不通となっていたようです。今回は……少々手荒な真似をさせて頂きましたが連絡先を入手できました。
お察しの通り、随分と《話せば分かってくださる会社》がありましたのでそちら経由です。
もし皆さんもと仰るのでしたらオクトパスエンジニアリングの第七倉庫管理事務所へ。
きっとまだ《優しい社員さん》がいらっしゃる事でしょうから交渉の必要もないかと思われますわ。
……まあ、とっくに退社か傷病休暇を使って入院されているかもしれませんけど。
最後になりましたが、これはあくまで私一個人からの贈り物になります。シャーレが貴女や貴女達の陣営に与する、そういう話では《ここまでは》ないんです。
ですから、このメッセージ《以外で》もし、この端末に何か別のデータがあった場合。
それは聖杯戦争という異常事態、そしてその参加者である。
───阿慈谷ヒフミという一個人にシャーレが肩入れする。
先生がそう、判断したという事です。
どうかくれぐれも取り扱いと、そして貴女自身を大切になさって下さい。 - 171じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 21:08:50
ああ、それと。
こちらのメッセージは古い友人に頼んで届く手筈になっています。
……あの女の案件に後輩を間接的にでも関わらせる事を、あの子には酷く悩ませてしまいました。
彼女も三年生です。
雷帝にまつわる事案への忌避感は強く、叶うなら触れる事なく過ごしたいと考えていた事でしょう。
……それでも彼女は私達の願いに頷いてくれました。
もしこのメッセージを受け取る事態になって、もし彼女やあの子の後輩に……私達ゲヘナ学園の後輩達に会う事があればどうかお伝え願えませんか?
『無理をさせてごめんなさい、けれどありがとう』、そう……黒館ハルナが最後に遺したと。
では、時間ですので。
いずれまたお会いした時には、今度こそ素敵なお菓子とお茶を楽しみにしておりますわ。
阿慈谷ヒフミさん、貴女の願いが叶う事を私達も先生も願っていますよ
では───またいつか
【USB内部に録画映像が】
【一点】
【残されています】
【再生しますか?】
【安価先>>22】
- 18二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:09:57
再生再生超再生
- 19二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:10:54
安価下
- 20二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:11:18
かそく
- 21二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:11:50
再生
- 22二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:12:41
再生で
- 231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 21:18:44
安価へのご協力ありがとうございましたじゃんね☆
……というわけでここから書き溜めなしなので1から書いてきますじゃんね☆
この後の記録映像で何をやるかは、お楽しみにじゃんね☆
とりあえずステータスは設定し終えたじゃんね☆
あとあとみんな知ってると思うけど1は遅筆じゃんね!だからこのあとの更新は安価もないし無理せず明日見るとかのんびり待っててもらえたら嬉しいです!じゃんね☆
ハルナちゃんだったじゃんね☆
ただいまじゃんね☆忘れもしない11/21……1もびっくりしたじゃんね☆帰って来れて良かったじゃんね☆
1もやーっと続きを始められてうきうきじゃんね☆
12時、ありがとじゃんね☆
マリーちゃんの流れも来てるし、と、トキちゃん?どうするじゃんね……?
まあなるようになるじゃんね☆
- 24二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:43:34
- 25二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 21:51:55
- 261じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 22:24:31
【10日目午前/早朝・特殊イベント】
【立ち入り禁止区域『廃墟』・同盟拠点/食堂】
【映像記録を再生します】
【9日目深夜・回想イベント】
【ゲヘナ自治区・近郊エリア西区】
【2時00分・立入禁止区域外縁】
【Recommend BGM……《昏き陽の下に~天覧死合舞台~》】
男がその地に着いた時、日は地の上にのぼった。
主は硫黄と火とを主の所すなわち天から罪深きものの上に降らせて、これらの町と、すべての低地と、その町々のすべての住民と、その地にはえている物を、ことごとく滅ぼされた。
しかし男の妻はうしろを顧みたので塩の柱になった
(『Genesis』19:23-26)
地獄があるとすれば正しくこの様を指すだろう。
ゲヘナ自治区はその夜、業火に包まれた。瓦礫の山を作り、その山々を石となす御技。雷鳴降り大地を砕いては裂け目より怨嗟の焔を灯す。
ゲヘナ学園生徒会『万魔殿』、生徒会長『羽沼マコト』の動きは早く、そして正確であった。シャーレと極秘裏に連携を取っていた事で、事前通達によって当事者達を除く人命被害を一切出す事はなかったのだから。
だから、シャーレの先生は───。
23:00。
そう、シャーレも万魔殿も何一つ間違える事なく万全の備えを以て脅威へと挑まんとした。
アリウス分校、『アリウススクワッド』.4名。
ゲヘナ学園、『美食研究会』、4名。
SRT特殊学園『Rabbit小隊』、4名。
そして、連邦捜査部シャーレの要請を受けた『当番生徒』、1名。合計13名による部隊を率いての大規模作戦。目的は、聖杯戦争の参加者である便利屋68との和平交渉。そして万一、連絡時点から《ほぼ確定事項であった》交渉が決裂した場合には、聖杯戦争から便利屋68の4名を確実に《保護》する事もまた目標とされた。
舞台となったのはゲヘナ中央区から外れた近郊にあるカイゼリン・ブリッツ記念教会跡地。立入禁止区域に指定され、今も記念教会跡地を中心とする数km圏内が数年前より誰も足を運ぶことが許されない不毛の廃墟。
- 271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 22:34:17
教会へ実際に足を運んだのはシャーレの先生、空崎ヒナ、黒館ハルナ、錠前サオリ、月雪ミヤコ、空井サキ、鰐淵アカリの7名。
残る対策部メンバーは拠点近くの廃屋で待機。
そしてゲヘナ学園万魔殿戦車長『棗イロハ』が率いる戦車部隊及び同学園風紀委員会よりサーヴァントとの交戦経験のある『銀鏡イオリ』と風紀委員会が近隣の市街地に部隊を展開。
万一に備える形を取っていた。
翌、1:00。
シャーレが有する特別非常事態対応部隊『聖杯戦争対策部』が独自に入手した連絡手段からアポイントメントを取って行われた2時間の談合。
結果は、残念ながら決裂の二文字に終わった。
この時点で両者は交戦を開始。
教会から離脱したシャーレの先生と聖杯戦争対策部は、ライダー陣営が率いる腐臭漂うオートマタの大隊と衝突した。
両者、一歩も引かず。
突入した戦車部隊や風紀委員会の選抜生徒で構成された部隊も混じっての総力戦となる。
そして、時計の短針が2を指した時。
戦場と成り果てた大地へ一筋の雷霆が空より落ちた。 - 28二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 22:36:02
戦力は集まってるけど今の覚悟ガンギマリライダー陣営にいけるのか?
- 29二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 22:46:45
お久しぶりです!
- 30二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 22:48:15
更新途中だがスレ復活おめ!
笛は追ってたけどここでこうして続きが読めるのは感慨深いな - 311じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 22:56:22
- 32二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 23:05:08
あ、そういえばリオとの対談でバベッジが平安京での思い出を思い浮かべてたよね
なるほどこういう形で繋げるとは - 331じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 23:28:59
- 34二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 23:32:19
2部五章を思い出すぜ。あっちと同じようにアルは倒すべき強大な者が何かわかってるようだね
- 351じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 23:37:20
この時、地獄の釜が開いたのだという。
D.U.、トリニティ、ミレニアム、アビドスでシャドウサーヴァントと思わしき存在を確認。各地で戦端が開かれた最中。
「───おや、驚いた」
ソレもまたこのゲヘナの地に現れた。
「狩りのつもりで来てみれば、首がこんなに」
雷鳴が吹き荒れる。
「これではただの根切りにしかなりませんね」
暗雲立ち籠め、世界が悲鳴をあげる。
「そこな蛇の怪生か、角なぞ生やした鬼もどきか、例の童女か……いずれも化外、この地に住まうは怪異がばかり。であれば落とす他にありはしない」
つまらなそうに嗤いながらソレは静かに鎧を鳴らした。
「それとも、お前の首をもらうとしましょうか?」
同日、2:15。
「如何か?───シャーレの聖僧よ」
聖杯のライダーの出現を確認。及び、陸八魔アルによるライダーへの令呪使用の宣言が下された。
- 36二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 23:39:13
うわメンヘラヤバ若ママじゃん
- 371じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/22(土) 23:47:22
というところで今日!そしてひっさびさの更新はおしまいじゃんね☆
1は今から明日の導入を考えてくるじゃんね☆
最後に出てきたのは誰か?
そりゃあランサーと同じ1が考えるキヴォトス出禁組の一騎じゃんね☆ミーカミカミカミカミカ
明日は11時ぐらいから導入始めて12時頃に安価開始でいくじゃんね☆
今日は久しぶりにスレ建てたのにたくさん遊びに来てくれてとっても嬉しかったです。コメントもたくさんありがとうございます、またみなさんに遊んでもらえると思うとすっごく嬉しいです!
また今日からハッピーエンドに向かって1もしっかり頑張りますね!
ではではみなさん、今日は読んでくださってありがとうございました!また明日もよかったら遊びに来てやって下さいな!
それではおやすみなさい……じゃんね☆ - 38二次元好きの匿名さん25/02/22(土) 23:49:09
乙でした~
- 391じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 00:01:38
ぶっちゃけるとこの録画データはハルナちゃんの言ってたそれ以外に当たるじゃんね☆
サポートシステムちゃんにもう少しそこら辺うまく伝えてもらえばよかった1のミスですじゃんね……
見学メンバーは楽しそうに見てるじゃんね☆
なんならシュロちゃんあたりはゲヘナとミレニアムどっち見ようか悩みまくってたと思うじゃんね☆
覚悟ガンギマリーライダー陣営だったけど横槍入ったじゃんね☆共闘なんてさせる余裕はないじゃんね☆
お久しぶりです!じゃんね☆また帰って来れたじゃんね☆
ありがとじゃんね☆笛も読んでてくれてとっても嬉しいじゃんね☆笛の更新と最新話のツルギちゃんvs聖杯のバーサーカー戦も引き続き頑張るじゃんね☆
あと更新中でも気にせずがんがんコメントしてもらって大丈夫どころかありがたいぐらいだから、お気になさらず!こちらこそありがと!じゃんね☆
ガッツリ描写もしたし今回コメでの言及もあったってことで明記するじゃんね☆
この聖杯戦争でモモイちゃんに召喚されたキャスターは平安京の記憶をがっつり持ってるじゃんね☆
カルデアに召喚されてるバベッジ卿ではないじゃんね☆
1は二部五章前後編どっちも大好きじゃんね☆どっちもぼろくそ泣いたじゃんね☆
アルちゃんについては……《選択し終えた》子じゃんね☆
の、のーこめんと!のーこめんとじゃんね☆
まだ足だけしか映ってないじゃんね☆
こちらこそ、遅い時間まで読んでくださってありがとうございましたじゃんね☆
- 40二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 00:07:12
おつかれさまです
- 41二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 00:54:07
乙です。復活おめでとうございます
結局、Part6削除原因なんだったのか、コレガワカラナイ
聖杯のライダー…オワッタ。色々と厄介すぎて倒しにくいヤツ筆頭。だれか剣魔と神殺しのコンビ呼んできて(小並感) - 421じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 01:20:18
- 43二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 02:51:25
笛で追ってましたが復活おめでとうございます
- 44二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 03:11:45
お疲れ様です
落ちるまでの時間が10時間に変わったんで気をつけておいた方がいいかと - 45二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 03:40:01
ハーメルンから来ました
今までは過去スレ見てるだけだったので参加できて嬉しいです、復活おめでとうございます! - 461じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 08:40:42
- 471じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 11:13:21
【9-10日目深夜・回想イベント】
【ゲヘナ自治区・近郊エリア西区】
【2時15分・立入禁止区域外縁】
【Recommend BGM……《怨嗟の天楼》】
原始、人の信仰の始まりと魔術の成り立ちにあって重要視されたのは《生きること》であったとされる。
飽食の時代である今と違い、明日生きていられるかも分からぬ遥か古代にあって、願望や祈りは等しくプリミティブなものだったのだ。
蛇。外の世界において彼女達は古来より信仰の対象であった。
四肢を持たない長い体は地と水を滑るように這い進み、一噛みで死を齎しながら脱皮を行い古き命を再誕させる。生と死の象徴。
地と水、多産と豊穣を司るとされた蛇の形質は───女神。
牛。彼らもまた古来より信仰の対象とされた。
四肢で大地を踏み締めては耕し、その肉によって恵みを与えながらも時にその荒々しき両角は死をも齎した。新しき王権の象徴。
天と火、闘争と繁栄を司るとされた牛の形質は───男神。
そして両神は、相剋の立場にあった。
『牛と蛇の神話』、外の世界に点在しその実、多くの逸話の土壌となった原初の関係。
古き女神をまつろわす新しき男神。
「では、屠りましょう」
故に、このゲヘナにその者が現れたのは必然という他なかった。
何故ならこの地で召喚され、とぐろを巻くライダーは遥かなアカイアで信仰された原初の女神が一柱。
であるならば、ソレが殺しに来るのはあまりにも自然な事だったのだ。
「誅伐、執行───雷こそが我が《憤怒》なれば」 - 48二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 11:26:22
やっぱりあんただったか。聖杯だろうが何だろうが関係なく元から色々可笑しい奴がきたなぁ
- 491じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 11:35:29
火とは厄災であり文化であった。
雷もまた厄災でありながら豊穣を齎す。山海経に伝わる五行思想において《木生火》とされるように雷は火を生む相生の関係にあるとされる。火と雷は密接な関係にあるのだ。ならば、その光景を武者が齎すのは。ゲヘナの地に地獄の釜が開いたのは。
これもまた当然であった。
「ッ!ライダー!令呪を以て我が友に命ずッ!」
「ええッ!怪物の真価を───ッ!」
シャーレとの闘争の中で雷鳴を撒き散らしながら突如として出現した異形の軍勢と未知のサーヴァントというイレギュラー。それを目にして陸八魔アルは憎悪の色を滲ませた。激情と言わんばかりに荒々しく左手の甲を天高く突き立て吼える姿に、隣に立っていたライダーも応える。
「全てを使い切っても構わないッ!あの女を止めなさいッ!」
そしてアルは伸ばされた手を掴まず、それどころか男を自分達から突き離すようにそっと胸を押してから、己が友へこの地に召喚されてから初めて全力を奮えと命じた。
「───牛王反転」
現れた武者のサーヴァントは頭上に立ち込める暗雲より紫電を迸らせると共に己が立つ大地に映る影よりそれを出現させる。
「女神変転───ッ!」
ライダーもまた己が髪を伸ばしながら大地を赤黒く染めあげてその身を変生させる。
「悪逆無道───」
「極限解放ッ!キュベレイィッ!」
そしてこの時、ゲヘナの地に遠き異邦の蛇と丑の神話が再現された。 - 50二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 11:48:35
地味にライダーを“我が友”って言ってるの良いな~(今起きてる怪獣大決戦に目をそらしつつ)
- 511じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 12:14:39
【Recommend BGM……《災いのカミ〜Samurai Remnant ver.〜》】
戦場は混乱と蹂躙の渦に包まれた。指示は通らず、だが先生達から最後に受けた指示で撤退せんとする生徒達の前にあり得ない光景とあり得ない衝撃が叩き込まれた。宜なるかな。
神話の一端に踏み込んだ戦いは最早只人の域にはなく、如何にシャーレの先生であれど《未だ制約が解除されていない今》は舞台に上がる事すら難しい。
「ふふっ……ふふふッ」
幸いだったのは先生が既に撤退の指示を出し終え、多くの生徒がこの場から離脱した事。そしてこの場は立入禁止区域であり、その上で最悪を見越して羽沼マコトが立入禁止区域近くの住民にも作戦前に避難勧告をしていた事であった。
「あァァッハッハッハッ───ッ!」
顔の無き巨躯の丑。
蛇の尾を持つ女神が堕ちし魔獣。
何故なら今顕現した神格は両者共に巨大。ゆうに40mを超える巨体なのだから。
「さて、源の頼光は」
雷が猛る。怪物染みた大きさの牛が魔獣の女神へと変生したライダーへと突進する度に地面を砕き穿ち、馴らしていく。対してライダーもまた、己が髪を振るってはその髪先を巨大な蛇の頭に変じさせては迎え撃つ。
「あっぱれ朝家の守護として」
総力戦は潰滅した。残っているのは小高い山程もある怪物二匹による大試合。足の踏み場に入ろうものなら羽虫のように潰される。
「世に聞えつる良将の」
両者、ただ歩くだけで突風を吹かせ地響きを鳴らす。雷が周囲を火の海に変えて、熱線が周囲を石の骸で飾り立てていく。
「立てし勲をも大江山」
その様を、武者は苦々しげに鼻唄を口遊みながら手勢も連れずに歩きながら見ていた。重装な鎧を身に纏いながらも足取りは軽い。
既に命じていた異形の軍勢がゲヘナ市街地へと侵攻しに行ったのに遅れて武者もまた、市街地へ足を向けた。 - 521じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 12:18:29
- 531じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 12:46:47
立入禁止区域を越えるための柵、その手前。
入り口の前にシャーレの先生は一人立っていた。
白い制式コートは砂埃と泥跳ねで汚れていた。眼鏡にも泥が跳んでいる様子からよほど急いで走り続けたのが見て取れる姿。息もまだ整っていないのか、少しだけ荒れているのが武者には分かる。
分かるが。
「其方こそ、こんなつまらぬ歌を知って如何するというのでしょう。宜しければその頭蓋、割って私が髄ごとつまらぬ記憶は抉り棄てて差し上げましょうか?」
“ははは……ちょっとそれは困るかなぁ。それに、私は先生だからね。こういう物も大事に覚えておかなきゃいけないんだ”
それを悟らせないように努めている。背筋と胸を張り、虚勢染みた笑みを浮かべている。生徒が周りにおらずたった一人。生徒なき今、何の力もないというのに格好つけて見栄を張って、けれど確かにシャーレの先生は英霊の前に立っていた。
武者の己が背、つまりは先生からはまざまざと今も蛇と牛が神話の戦いを再現しているというのに。矮小な人間では立ち入れない隔絶した闘争を目にしているというのに。
「……つまらぬ殿方で」
“よく言われるよ”
シャーレの先生は未だそこに立っている。
武者にとっては何やら得体の知れぬ物を見るような心地であった。
「しかし我が大神使の足にてとうの昔に踏み潰された、とはいきませんでしたか」
“うん、君が呼んだ妖怪達から守ってくれた生徒達がいてね。なんとか撤退の指示を出しながら後方まで他の子達を、さ”
その内面、心情はいまだ底が知れず。
だが武者はこの男が最後に残ってしまった理由には得心がいった。武者の顕現に合わせて雷電と共に招来された数多の化外、異形の軍勢。シャーレとライダー陣営の戦闘に割って入る形となった急襲によって戦場は混乱し、更に追い打ちとなった巨獣《丑王大神使》と魔獣化したライダーの決戦。
あれほどの混乱、戦場に取り残されていてもおかしくはない。
或いは何人かを殿にして自ら撤退を率いるだけでも手一杯だった、そういう話なのだ。だからここで待っている、なんとも泣ける話だと武者は面貌の下で皮肉げに顔を歪めた。 - 541じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 12:52:16
「それは残念」
“おや、そうかい?”
そしてそういう話ならば、後は早い。なにせ、男は一人。何の力もなくこの場にいる。そして《勘違いしている》。
「ええ、そうでしょうとも。聖よ、聖僧よ。だって」
撤退の指示を出して、後方まで下がらせた生徒。
それが今頃どうなっているか。この男が戦場に留まったが故に、《第二の戦場となっているであろう市街地》がどうなったか。決まっている。
「貴方の生徒達は今頃鬼の腹の中なのですからッ!」
すべて、すべて、破壊の限りを尽くされ惨たらしい終わりを迎えた。それだけの話なのだから。
ならば後は、目の前の男を殺すだけ。本当に単純で、わかりやすい話でしかない。だから武者はその手に黒塗りの劔を取って。
「───ごめんなさい、遅れたわ」
重々しき曇天を吹き飛ばし、月明かりを背に受けて先生の隣に一人の少女が舞い降りた。 - 551じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 13:11:44
「先生……平気?」
“ありがとう、ヒナ。問題ないよ”
「……なら良かった」
そっと硝子細工にでも触れるようにして先生の頬に跳ねた泥を指で落としながらヒナははにかんだ。
“もう、終わらせてきてくれたの?”
「ええ、大きいのとかは。残ったのはアコ達が引き受けてくれたわ。マコトもマコトで戦車隊《は》好きにしろって話だったし」
なんて事のないようにヒナは静かに微笑む。会話だけなら宿題を終えたかどうかを確認する父娘か兄妹のよう。けれど言葉の真の意味は別。
この場合の終わらせた、という事はつまり。
「……空崎ヒナ」
ゲヘナ学園最強、空崎ヒナの手によって敵の一団は《一時的》にであっても事実上の全滅となった事を示すのだ。
「あら?知ってるのね、私のこと。でもごめんなさい、私は貴方の事これっぽっちも知らないの」
武者の声にヒナは面倒臭いという態度をありありと見せつけながら振り返る。だが、武者にそんな挑発も侮りを示すポーズすら意味をなさなさかった。
「我が宝具で一緒くたに陸八魔アル諸共潰すつもりでしたが……まさか生き残るだけでなく、戦場の渦中にあったお前が先に市街地まで出向いているとは」
幾ら大味とはいえ、自身が誇る宝具を奇襲という形で使用した上で生き延びられた。ましてや今も大きな外傷はなく、緩やかな自然体な仕草にあっても一切の隙がない。
「足が速いのよ、仕事柄ね」
「……いいでしょう。私としては貴女は駆除の対象ではありません、が」
強敵。ここで殺しておかねば、次の動きに支障が出る。武者はそう判断した。 - 56二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 13:31:00
これ見る限り聖杯のサーヴァントは皆アルターエゴみたく何かしら別の奴が混ざってるみたいだな
- 571じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 13:38:20
「所詮は羽虫。我が安綱で刎ねるには少しばかり安い首ですが、これもまた役目なれば」
空振。武者は剣を抜き放つ。殺意が形となった魔力の余波は待機を揺るがし稲妻を迸らせる。
「先生、あれは殺す気で仕掛けてくる」
“うん……ならこっちも、全力だ”
「……わかった」
対して、ヒナと先生がするのは一つ。
【Recommend BGM……《日常の鞘・戦陣》】
手を取り合って、頷いてから互いのポジションへ。前衛はヒナが。そして後衛にはタブレットを持つ先生が。これが二人の役割にして、二人のベストポジション。両者共に準備は整った。
「我が罪咎の忌み名、憤怒のライダー。我が骸の真名、丑御前。牛頭天王の血を受けし鬼子が一柱也ッ!」
懐かしい、とすらヒナは感じた。これまでも二人きりで戦場に赴く事はあった。ただ、今。
今もなお教会跡地一帯の戦場で、そして市街地で戦っている仲間達から託された物を胸に抱いて戦う。そんな時間は、あの日のようで。
痛みに似た後悔が、押し寄せそうになる。けれど。
「大丈夫。今度は……ううん、もう二度と」
何も言わず、そっと肩に乗る暖かくて大きな掌の感触があれば大丈夫だと先生と自分に言い聞かせる。
「いざ、いざ、いざッ!誅伐を下さんッ!いざ尋常に───勝負ッ!」
「─── 先生に傷一つだってつけさせない」
そして今宵、ライダーと巨獣が矛を交え、市街地でも鬼達との戦闘が行われる中でひっそりと。
憤怒のライダーとの戦闘が開始された。 - 581じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 13:43:13
- 591じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 13:56:45
【9日目夜・特殊戦闘イベント(回想)】
【これより観測を開始します】
【戦闘条件確認……該当あり】
【味方陣営1名】【敵陣営1騎】
【戦闘ターンは3ターン】
【戦闘目標は敵サーヴァントの撃退】
【前衛は空崎ヒナで固定となります】
【ご注意下さい】
【味方生徒の基本データを表示します】
空崎ヒナ
【ステータス(絆ランクボーナス適用)】
最大HP/気絶耐久値:942/240→ 1025/256
支援火力:1d99 →1d124(最低値:74)
【スキル】
スキル名:終幕:イシュ・ボシェテ
効果 :敵全体に判定値の12倍のダメージ(アクティブ→Lv.5)
スキル名:リロードアンドデストロイ+
効果 :ターン開始時、先手後手の結果を振り直す/振り直したターンの攻撃判定値に+1d43(アクティブ/パッシブ→Lv.10)
スキル名:冷徹な風紀委員会+
効果 :相手が回避選択時に−1d26/攻撃判定値に+1d58(パッシブ→Lv.10)
スキル名:徹頭徹尾
効果 :相手が防御を選択していなかった戦闘ターンに勝利した場合、判定値の5%のダメージを加算(パッシブ→Lv.10)
- 601じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 13:58:19
【続いて】
【敵サーヴァントの霊基データを表示します】
クラス:聖杯のライダー
最大HP/現在HP:666/666
筋力:A(判定値:56)
耐久:B+(判定値:44)
敏捷:C(判定値:31)
魔力:A+(判定値:56)
幸運:C(判定値:37)
【クラス別スキル】
スキル名:対魔力
ランク:B
効果:敵のステータス「魔力」によってダメージ受ける場合、1d40のダメージカット。
スキル名:騎乗
ランク:EX
効果:騎乗状態での攻撃時または「敏捷」選択時、1d50+12のダメージボーナス(回避にも適用可)
スキル名:狂化
ランク:EX
効果:「耐久」「魔力」選択時、1d50+12のダメージボーナス
スキル名:憤怒の権能
ランク:A
効果:不明 - 611じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 13:58:58
- 621じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 14:00:11
- 631じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 14:01:31
【これより】
【1ターン目の行動安価を行います】
【先手/後手を選択後に】
①攻撃
②回避
③防御
【上記の①〜③から行動を選択して下さい】
【先手の場合はクリティカルボーナスを付与】
【後手の場合は防御、もしくは回避を選択できます】
【空崎のアクティブスキルのみ宣言があれば自由に発動します】
スキル名:終幕:イシュ・ボシェテ
分類:アクティブ
状態:Lv.5
効果 :敵全体に判定値の12倍のダメージ
【安価先>>69】
【また】
【基本的には攻撃か回避、防御となりますが、より詳しく○○しながら殴る等があっても問題ありません】
【その場合は内容によってボーナス等が付与される場合があります】
【それでは皆様】
【よい行動を】
- 64二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:06:09
とりあえず普通に先手で攻撃してみるか?
ちょっと様子みたいし - 65二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:10:50
64が言うようにまずは先手で攻撃をしてみつつボーナス狙いで「狙われにくくするために動きながら攻撃」
- 66二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:15:09
なんかブラフでも言って相手を動揺させたい気持ちはあるけどそれで相手が焦ってヒナを無視してどっか行ったら困るからな
65かな? - 67二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:15:10
先手で①攻撃 かな
向こう武器の刀が有利そうな近接の間合いまで近づけさせないよう弾幕を張る感じでかな? - 68二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:19:44
先手で攻撃が良さそうかな
狙われにくくするために動きつつ弾幕張る感じで
ただこれライダー先生狙う可能性あるのかな? - 69二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:23:53
- 70二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:24:06
先手で①攻撃で 先生と聖杯のライダーの間を遮る様に位置取りしつつ相手の動きを抑える様に弾幕張りながら攻撃
- 711じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 14:30:40
【安価の達成を確認】
【空崎ヒナの攻撃を判定します】
攻撃:dice1d124=7 (7) (最低値:74)
冷徹な風紀委員会+:dice1d58=33 (33)
【続いて】
【憤怒のライダーの動きを観測しました】
【ご確認ください】
【憤怒のライダーの攻撃対象選択】
dice1d2=Error→1
1.空崎ヒナ
2.シャーレの先生
【憤怒のライダーのステータス選択】
①筋力②耐久③敏捷④魔力⑤幸運
⑥回避⑦防御
dice1d7=7 (7)
【聖杯のライダーの戦意pt】
100以上で宝具発動(現在累計0pt)
dice1d100=76 (76) +10先手ボーナス
【敵サーヴァントのスキル使用】
ライダーはスキル使用をdice1d3=2 (2)
1.選択した(使用スキル第dice1d3=1 (1) )
2.選択しなかった
3.選択しなかった
- 721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 14:38:47
- 731じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 14:40:05
- 74二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:41:16
攻撃対象選択のErrorはシッテムの箱というかアロナの干渉かな、もしくは憤怒の影響か
どちらにせよ先生が攻撃される心配は無さそうかな? - 75二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:42:46
このままいけば宝具を撃たれてもなんとかなりそうかな?
後挑発やブラフで相手を動揺させるのは出来そうかな - 76二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:47:16
3ターン目にイシュ・ボシェテが良さそうなのかな?
後この状況でやっちゃまずいことは何か - 771じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 14:52:08
【>>74】
Q. 攻撃対象選択のErrorはシッテムの箱というかアロナの干渉かな、もしくは憤怒の影響か。どちらにせよ先生が攻撃される心配は無さそうかな?
A.
“(動きが速い、隙を読んで私にも剣を向けたそうにさせてる、けどヒナ相手にそれはちょっと欲張りかな?それに……いつも通りだしね)”
“頼むよ───二人とも”
『もちろん!いつでもお任せ下さい!』
『承諾。先生には指一本触れさせません』
【>>75】
Q.このままいけば宝具を撃たれてもなんとかなりそうかな?後挑発やブラフで相手を動揺させるのは出来そうかな
A.
「(初手はお互い様子見……ギアはここからってところかしら)」
「(例のスキルや宝具……シャドウサーヴァントと違って目の前の相手は恐らく使ってくるだろうから警戒も必要ね)」
「(動揺させれば……動きを限定してダメージを通す、なんてのも可能かしら)」
【>>76】
Q.3ターン目にイシュ・ボシェテが良さそうなのかな?後この状況でやっちゃまずいことは何か
A.「───勝てるならなんだって良いわ」
「(どのみち、こいつはここで叩き潰す……早く便利屋の子達のところに……対策部の子達のところに戻らないと)」
「(ただ、焦りすぎても良くない。コイツは強い……もし私がやっちゃいけない事があるとすれば仕留め損なって、コイツが市街地に行く事)」
- 781じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 14:54:33
【これより】
【1ターン目の行動安価を行います】
【先手/後手を選択後に】
①攻撃→dice1d124=104 (104)
②回避→dice1d124=29 (29)
③防御→dice1d124=91 (91)
【上記の①〜③から行動を選択して下さい】
【先手の場合はクリティカルボーナスを付与】
【後手の場合は防御、もしくは回避を選択できます】
【空崎のアクティブスキルのみ宣言があれば自由に発動します】
スキル名:終幕:イシュ・ボシェテ
分類:アクティブ
状態:Lv.5
効果 :敵全体に判定値の12倍のダメージ
【安価先>>85】
【また】
【基本的には攻撃か回避、防御となりますが、より詳しく○○しながら殴る等があっても問題ありません】
【その場合は内容によってボーナス等が付与される場合があります】
【それでは皆様】
【よい行動を】
- 79二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 14:59:53
正直、計算上は大きく防御されない限りイシュ・ボシェテ撃てば一撃圏内ではあるんだよな
更にこのターンで相手が宝具撃ってくる確率は3/4以上あるし
今撃った方が良い可能性もあるけど、どうするべきか……
ただ、ヒナの回答で”ただ、焦りすぎても良くない。”ってのがあるから、それで大丈夫か悩むところ - 80二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 15:05:11
宝具がどんな感じか分からないからな
堅実に守りを固めて次のターンイシュ・ボシェテで確実に勝つというのもありな気はする - 81二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 15:13:31
焦りすぎても良くないが気になるなやっぱり
焦ってイシュ・ボシェテ撃ったら宝具で返り討ちなんてなったら目も当てられないし
相手が宝具撃った後にイシュ・ボシェテで確実に仕留めるのがいいのか? - 82二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 15:21:25
ただ仕留め損なうのが一番の問題っぽいから守り固めるのはターン的によろしく無さそうでもあるんだよなという悩みも
宝具は元のサーヴァントと使用済みの宝具から考えれば普通に攻撃系の宝具な気がするが、カウンター系だったら怖いしな
防御もありだけど、ぶっちゃけダイス値的には今逃すのも惜しく感じるから余計に悩む。
あと不確定性無くすなら、何かしらの挑発で宝具撃たせるって手もありはするかも? - 83二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 15:25:57
なんか混ざってることで宝具がカウンター系に変わるって可能性はないとは言えないしな
挑発してみてどうなるか - 84二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 15:46:45
そういやランサー戦の事思い出すけど、カウンター系の宝具は警戒して攻撃しなかった場合、相手は宝具じゃなくて攻撃を選ぶから次のターンに持ち越されるから防御するのはあまり意味ないじゃん
そう考えると、個人的にはイシュ・ボシェテを撃つ、に一票かな
相手の攻撃を誘いつつ、撃つ感じで - 85二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 16:31:01
防御ばかりして私を恐れてるの的な挑発をした上で先手でイシュ・ボシェテ撃つで
- 861じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 16:39:50
【安価の達成を確認】
【空崎ヒナの攻撃を判定します】
冷徹な風紀委員会+:dice1d58=46 (46)
【なお】
【1ターン目に先手のクリティカルボーナスが反映されていませんでした】
【申し訳ありません】
【さて、続いて】【2!ターン目!の!……こほん】
【憤怒のライダーの動きを観測しました】
【ご確認ください】
【憤怒のライダーの攻撃対象選択】
dice1d2=Error→1
1.空崎ヒナ、2.シャーレの先生
【憤怒のライダーのステータス選択】
①筋力②敏捷③魔力④幸運⑤回避
dice1d5=1 (1)
【聖杯のライダーの戦意pt】
100以上で宝具発動(現在累計76pt)
dice1d100=51 (51)
【敵サーヴァントのスキル使用】
ライダーはスキル使用をdice1d3=3 (3)
1.選択した(使用スキル第dice1d3=2 (2) )
2.選択しなかった
3.選択しなかった
- 871じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 16:59:20
【9日目深夜・特殊戦闘イベント】
【Recommend BGM……〈血風〜Samurai Remnant ver.〜〉】
「立派な鎧ね」
「口を開いたかと思えば胡麻擂りとは……当代の強者と聞いて少しは楽しみに「でも」……なにを」
「それだけ厚く着込んでも踏み込む度胸がないなんて……宝の持ち腐れかしら?」
「……あは……あはははははははははッ!───なるほど」
「構いません。その浅知恵、乗ってさしあげましょう、殺してさしあげましょう」
【2ターン目】
さあ、参りましょう!詣りましょう!屍山血河の向こうへとッ!
【敵サーヴァント:憤怒のライダー】
【行動選択:牛王招力・怒髪天昇(判定値:1000)】
悪いけどそんな悪趣味な場所には
───勝手に一人で行ってもらえるかしら?
【味方陣営:空崎ヒナ】
【行動選択:終幕:イシュ・ボシェテ(判定値:150×1.5×12=2700)】
左様ですか、けれど……嗚呼けれど!どうせこの世は地獄なればッ!彼岸も此岸も違いがありましょうかッ!───矮小十把、塵芥になるがいい!
【戦闘結果】
そう、随分と悲観主義なのね
【味方陣営の優勢!】
【憤怒のライダー:HP506−2700=残りHP0】
【空崎ヒナ:HP1025−370=残りHP655】
【敵サーヴァントのHPが0となった為】
【味方陣営の勝利です!】
【おめでとうございます!】 - 881じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 17:06:10
えー……というわけでヒナちゃんが大勝利しましたじゃんね☆
計算したけど霊基四回ぐらい吹き飛ばす勢いの完全にオーバーキルじゃんね☆すっきりじゃんね☆
長い時間お付き合いくださりありがとうございました!とりあえず1はSS書いてくるので……続きは21ぐらいを目処にじゃんね☆
下に先生の指揮なしヒナちゃんのステータス貼っとくじゃんね☆
空崎ヒナ
【ステータス】
最大HP/気絶耐久値:942/240
支援火力:1d99(最低値45)
【スキル】
スキル名:終幕:イシュ・ボシェテ
分類:アクティブ
効果 :敵全体に判定値の6倍のダメージ
スキル名:リロードアンドデストロイ
分類:アクティブ/パッシブ
効果 :ターン開始時、先手後手の結果を振り直す/振り直したターンの攻撃判定値に+1d21
スキル名:冷徹な風紀委員会
分類:パッシブ
効果 :相手が回避選択時に−1d14
スキル名:徹頭徹尾
分類:パッシブ
効果 :相手が防御を選択していなかった戦闘ターンに勝利した場合、判定値の3%のダメージを加算 - 89二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 17:08:58
ゲヘナホンキシロモップ強いね強いね
- 90二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 17:11:32
とりあえず勝って良かった
これ防御してたらどうなってたんだろうな
とりあえず戦闘を見て終わったらヒフミたちでどう動くか話し合いするのかな - 911じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 17:32:39
はい、今回の戦闘について、というか『その場合は内容によってボーナス等が付与される場合があります』っていう行動安価についてじゃんね☆
2回とも詳しく書いてくれてすっごい嬉しかったじゃんね☆
……ただ、その分のボーナスを戦闘に入れ込む間もなく勝っちゃったじゃんね☆
SSには安価の内容を盛り込むつもりだけど、けど折角書いてもらったのに……
というわけで本当だったらあくまで回想イベントだから報酬とかなくてライダー二騎のステータスとかだけ開示予定だったんだけど、2回の安価分ボーナスを勝利報酬って形で補填させてほしいじゃんね☆
今考えてるのはいつもの絆pt上昇イベでボーナス🎲2回かはたまたボーナス🎲1回追加&ちょっとした情報の開示か……もしこんなボーナスが良いとかあったらもしよければレスしてやってみてくださいな!
Oh! ゲヘナシロモップ先生からの絆ランクのボーナスをCatch……ウレシイウレシイね
だから本気出して完膚なきまでに叩きのめす
……じゃんね☆
……計算したら901ダメだったじゃんね☆
だから挑発分のボーナスで「狙いが僅かにぶれた」で気絶ギリギリで耐えたって感じになってたと思うじゃんね☆
- 92二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 17:38:56
ボーナス🎲1回追加&ちょっとした情報の開示かな~これからの為にもどちらも欲しいし
- 93二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 17:54:02
ちょっとした情報の開示と絆ボーナスかあるいは絆ボーナスの代わりにスレ主がいくつか候補出したなかからダイスで報酬決めるとか?
クリティカルやファンブルがあるかはスレ主次第って感じで
後これから先の戦闘で生徒のHPがゼロになったり即死を喰らった場合ってどういう扱いになるんだろう - 94二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 17:57:02
そういえば笛版で出てきたプトレマイオスの遺言ってちゃんと伝わってる?
重要情報っぽいけど - 95二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 18:08:50
何かこうしてあーだーこーだ考えながら進んで行く感じ、帰ってきたって感じがする
- 961じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 19:25:43
書いてるじゃんね……久々に丑御前ちゃんの戦闘見直したけどなんかこう、ばりばり和風ファンタジーな挙動しておられるじゃんね……
情報の方は……こうなんかこれからの指標というかハッタリ利かしたいというか……みたいな☆
あくまで先取り、ぐらいでもし選ばなくても大丈夫!にしたいじゃんね☆
今回は描写の中で必要そうだからとか演出じゃなくて1の技量不足だし何より折角みんなが有利になるボーナスだからクリティカルとかファンブルはなしじゃんね☆🎲か安価で決めるかなぁ……
ちなみに戦闘イベントで気絶値超えたら強制気絶じゃんね☆ロストは……まあその後の安価での行動というかうまいこと切り抜けられるか、みたいな猶予はもちろんあるじゃんね☆
即死宝具?ありゃ出禁枠……なんだけどSNオマージュで初っ端から出てるじゃんね……参ったじゃんね……
ありがとー!あのアーチャーは遺言残せなかったというかそこの箇所は全削除した筈じゃ?……ってなるぐらいかんっぜんに抜けてたじゃんね☆
Part7用というか今後の指針的な感じで仕込んどいてそのまますっかりだったじゃんね☆
多分この後する会議でアヤネちゃんかホシノちゃん経由で聞く事になるじゃんね☆
1もほんっっと帰ってきた感あって嬉しいじゃんね☆こうやって今日も安価に参加してくれるみんながいてまた遊びに来てくれたからこそ!本当にありがとうございます!じゃんね☆
- 97二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 20:20:43
スカサハの宝具は即死だけじゃなく範囲攻撃でもあるからな
多数対多数で戦闘になって宝具撃たれたら死人が出かねないな
数十人に個別に即死判定ってなったら何人かはアウトになりそうだし
黒服も必要なら躊躇なくやるだろうから - 98二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 20:37:33
改めてみてもスカサハというかケルトの奴らが優秀過ぎる…
- 99二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 20:54:54
このスカサハの宝具はヒフミたちにとっては絶対使われたくないだろうからな
黒服がヒフミの目的を知ってるならこの宝具の存在はヒフミとの交渉や戦闘を優位に進めることができる手札になるだろうし
黒服が交渉に応じないなら今後全ての戦闘で宝具を撃ちまくりますなんて言ったらヒフミは絶対無視できない - 1001じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 21:54:33
【9-10日目深夜・特殊戦闘イベント(回想)】
【Recommend BGM……〈血風〜Samurai Remnant ver.〜〉】
雲翳の随、月明かり射す。
照らされるは相対するは共に《最強》を冠する一組であった。
ゲヘナ学園風紀委員会委員長。
ゲヘナの頂点───空崎ヒナ。
紫紺の制服を揺らし手に持つは『終幕:デストロイヤー』。
対するは憤怒のバーサーカー。
魔性鬼神。
否、一切余燼───丑御前。
魔力の縁で紐づけた大袖を宙に漂わせる大鎧纏いし偉丈夫。
身の丈三尺三寸。手に持つ劔は剥き身の黒鉄造。
目釘穴より垂らす朱染めの組紐以外は深い漆で塗られた姿。
「(やっぱり……違う)」
ヒナが武者にまず感じるのは、華がない。
まずそれであった。
風紀委員会内でこれまでサーヴァントとの交戦経験があるのはヒナと二年生の銀鏡イオリだけ。
そしてヒナ自身は聖杯に選ばれたマスターが直接召喚したモノではなく、トリニティの剣先ツルギ同様にあくまでシャドウサーヴァントとのみの経験であった。
ある種、それは仕方ない事だった。
なにせゲヘナやトリニティで目撃される事が多かったランサー陣営もライダー陣営も、キヴォトスで名の通った、それも各学園における最大戦力とぶつかるのだけはどうしても避けておきたかったから。
ヒナにとって、サーヴァントとの本格的な交戦をしたのも今日が初めて。ヒフミ達マスターやその関係者のようにサーヴァントは決して身近な存在ではなかった。
- 101二次元好きの匿名さん25/02/23(日) 22:17:01
“ヒナが武者にまず感じるのは、華がない。”
まぁこいつごりごり化生の類だしねぇ… - 1021じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 22:17:42
だが、確かに感じるのだ。
「(あの二人も、さっき見たライダーっていう人も……こんな風ではなかったわね)」
かつてヒフミと相対した時に姿を見せたセイバーと名乗る騎士、キャスターと呼ばれる機兵。そして今宵、相対したライダー。三者共に、無視できない《輝き》があった。謂わば誇りと言い換える事も出来るだろう。どんな形であれ駆け抜けた生涯と成し遂げ戦い抜いた英霊としての誇りの発露。異なる世界で諸人が焦がれ愛し語り継いだ伝説という栄誉。彼ら英霊を、ただの情報体ではなく英霊足らしめる不可分の要素───誉れ貴き信仰である。
「先手は譲りましょう」
憤怒のライダー、丑御前。そう名乗る武者にはまるで輝かしいモノがなかった。纏う鎧は理知的とは決して言えずとも喋り、思考するだけの理性がある。にも関わらず、ヒナは自分が出会った三騎より、むしろこれまで倒してきたシャドウサーヴァント達に近い、そう感じていた。
「どうぞお好きなように。嬲り、甚振り、凌辱し、屈服させんと引鉄を弾いてくだされば。さぞや愉快な宴となるでしょう、きっと素敵な思い出になるでしょう。だって───せめて冥途の渡し賃はいるでしょう?」
金打つ声に乗せられたの嘲笑。見え透いた挑発にヒナは素っ気なくさらりと返す。
「ええ、なら遠慮なく───殺すわ」
笑みはなく、気負うこともなく。
ただあるがままに、いつものように。
『“それじゃあ───行こうか”』
耳を震わす信頼する大人の声に合わせて、ヒナは空を蹴った。 - 1031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 22:51:22
『“様子見したい、っていうのはお互い様。折角譲ってもらったからね、無理せずまずは”』
先手を譲られたヒナ。ヒナ、そして先生が選んだのは撹乱。
『“彼女の方から角なり槍なり出してもらおうか”』
耳元に聞こえるその声に頭の中で返事を入れながら、ヒナは空を駆けながら引鉄を弾いた。
「これはまぁ、お見事。まるで天狗」
飛行、或いは飛翔。
人体構造上、如何に有翼の生徒であってもごく短時間の滑空ならまだしも自由自在に天を翔けるというのは難しい。ならば、今ライダーを前にしてヒナが行っている動きをなんと評すべきか。
天地を自在に行き来するは三次元機動。残す像すら置き去りにして疾風の如く弾丸を振り撒く嵐にヒナはなっていた。
『“……そろそろ終わりかな。ヒナ、切り返しに合図する”』
絡繰は単純。
ヒナはあくまで地上を走っているだけに過ぎない。ただそれが《速過ぎる》。脅威的な速度で銃弾を撃ち飛ばしながら疾駆するヒナは、自身もまさに弾丸と化すほどに加速していた。
故に可能だった。
加速のベクトル、運動のエネルギー。飛び出す為の踏み込みの際、ほんの少しだけ上方向へ力を向ける。ただそれだけでヒナの細くしなやかな脚が生んだ力は彼女を空へと押し上げる。その艶姿、野砲の如く。後は大きな翼で空気を掴んで角度を付けてやれば、戦闘機のマニューバもかくやという動きが可能。曲射弾道ならぬ曲射機動、というわけだ。
「羽虫のようにぶんぶんと……なんとも品なく五月蠅いこと」
空中戦を仕掛けるヒナに対し、先手を譲った無感情な感嘆の言葉を言うライダーは受け手に回っていた。弾丸を大鎧を展開して受け止めるライダーの周囲に火花が咲き誇る。英霊がその身に秘めた神秘すら破壊せんとする凶暴な咆哮。毎分1200発にも及ぶ絶叫が藤色の神秘を宿しながらライダーへと襲いかかり今まさにその守りを喰い破らんとする。
「……とはいえこれではまるで児戯」
疾風怒濤。
電動鋸を連想させる轟音の嵐。その渦中にあって、武者は大袖を展開したまま静かに刀を持ち上げる。
二刀持ち。構えるは、片手上段の破型。右手を高く、左手を下段に。 - 1041じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 23:35:34
『“来るよ、初撃を潰そう”』
言うなれば裁ち鋏、寄らば上下から凶刃に挟まれ敢え無く絶命するのが見て取れる。
「無様な御点前、馳走になりました。それではこれにて、余興は終い」
だが上下に大きく開き道を晒す構えは自ら手を伸ばす戦いにあらず。
『“ヒナ、残しておいて”』
カウンター狙い。そう見るのが常道。
「飯事を愉しむ童に水を差すのは大人気ないですが」
しかし相手は丑御前。神代から人の世に移り行く境目にあり魑魅魍魎が跋扈する極東の地『平安』に生きた武者の影。
「蠅にたかられるのも些か困り物ですから」
であるならば、現代剣術から見える道などある筈もない。
「では───御覚悟を」
然して武者の太刀が閃く。見破るは隙。銃器である以上、どうしても生まれてしまう再装填という無防備な瞬間。須臾に潜む隙を狙い、ライダーは刀の間合いから届くはずのない距離にいるヒナへ向かって刃を放たんとした。
「───そっ」
言うより早く、ヒナは《引鉄を弾いていた》。 - 1051じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 23:56:27
「……ッ!?琵琶を弾いたか空崎ヒナッ!」
咄嗟の反応。
流石の技量、驚くべき反射神経というべきか。
ライダーは今まさに振り下ろさんとした右半身を下げるようにして身を捩り、ヒナが放った《一発》を左下段に構えた太刀で打ち払った。
見て払う、それもヒナほどの実力が放った一撃をだ。
畏るるべき、見事な《切り返し》であった。
「おかしいわね?私の残弾が空になったって勝手に勘違いしたのは」
対しヒナが贈るのは賞賛ではなく冷笑。
先生からの指示を受け取ったヒナが移動しながら掃射する事で弾幕を張る中、たった一発だけ残しておいた残弾。
今まさにライダーが仕掛けんとしていた攻撃を阻止した凶弾であった。
「貴方の勝手、でしょ?違うかしら」
とはいえ、誤解するのも仕方あるまい。
弾幕を張るほどの一切掃射。
その中で撃ち切る直前、最後の一発を前に引鉄から指を離す。
ましてや走りながらともなればその技量たるや言うまでもなく。
派手さこそない妙技。
そしてそれをヒナなら出来ると指示を出して応える信頼関係あってこそのトリックショット。 - 1061じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/23(日) 23:59:37
何より、そもそもだ。
源氏の武者であれば遠間の武器を相手にまず犯さない愚行をライダーはしていた。
上段からの片手打ち。半身にもならぬというのなら正中線を晒す、だけではない。
───腋窩動脈。
脇の下を通る大動脈、即ち人体構造上の急所。
無論、霊核を急所とするサーヴァントが失血死する事はない。だが、そんな場所を晒して矢に撃ち貫かれようものなら肩甲、肩鎖の関節。何より腕を動かす後神経束を諸共に破壊される。故に、愚行なのだ。
「小癪な……ッ!」
大振りを放たんとする悪癖を突かれる形となったライダー。だが、意気揚々と仕置きに熱を上げんとした女の性が再び突かれる。
空崎ヒナはここまで一度も《足を止める事がなかった》。弾幕を張っての撹乱に徹したのだから。
ならば───この数瞬でヒナは何処に行ったか。
言うまでもなし。決定的な死角。それはライダー自らがついさっき作り出していた。
『“手札はもう見せてもらった。それじゃあヒナ”』
戦闘において半身を取らず正面を向く、というのは何も悪いばかりではない。視野を広く、かつ普段通りに確保できるメリットがある。ましてや屋外ならばなおさらの事。なにせ屋外には枠がない。動きへの制限がないのだから。
『“───反撃だ”』
そう、ヒナの射撃を弾く為に意図せずライダーは半身に構えた。それも自身の守りを喰い破らんとするほど強力な弾丸をだ。したがって、その半身は深く構えられた。つまりだ。
「今度は遠慮なく貰うわ───先手」
背を向けてしまった左側面。回り込むようにして近づき狙いを定めた身長142cmという小柄な体躯は、身の丈三尺を超えるライダーの反応すら許す事なく。背中と言う名の死角に今度こそ再装填し終えた49発の殺意を叩き込んだ。 - 107二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 00:01:56
かっけえぜヒナ
- 1081じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 00:10:05
というわけで1ターン目しゅーりょー!先生なにやってるのとか色々言ってた意味深なのは次の最初の方で全部回収してから戦闘シーン進めるじゃんね☆
どこぞのバーサーカーと違って制約なく喋らせられるから書きやすいほうだったじゃんね☆
……殺陣考えるのは相変わらずたいへんじゃんね……
明日は19時半〜20時目掛けて開始じゃんね☆次こそサクッと書いてから約!三ヶ月!振り!(笛版だと約一ヶ月未登場)のヒフミちゃん達を書くじゃんね☆
さて、今日は久々の安価に参加してくださったりすっかり遅い時間なのに読んでくださってありがとうございました。参加してもらえて嬉しかったですし、恥ずかしながらやっぱりホッとしました!みなさん、改めてありがとうございます!
ボーナスに関しても明日にはまとめてまたお知らせします。
ではでは、みなさんおやすみなさい……じゃんね☆
どえらいとんでも宝具じゃんね☆
……頑張ってなるべく再現するぞーってやったら裏目ったじゃんね☆
(弟子の方は)性格万人受け!魔術は原初のルーン!諜報から戦闘までなんでもござれ!宝具は低燃費!しかも単純な回避は許さず幸運か範囲外に逃げないと即死!……強すぎるじゃんね☆きっと型月ファンが10人いたら半分は聖杯戦争で呼びたいサーヴァントに挙げるじゃんね☆
ある意味黒服にとってもそれが切り札でありババでもじゃんね☆
だいぶ古い言い回しになっちゃったけど折角反英雄?反英雄寄りな子だし『華ない』使っちゃったじゃんね☆1個人は丑御前ちゃん好きじゃんね☆……当時は正月ガチャに吸われたのもあって引けなかった悲しい思い出は内緒じゃんね☆
先生&ヒナちゃんは安定に強く!でいくじゃんね☆ちょっとでもかっこよく書けてたら良かったですじゃんね☆
- 109二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 00:15:31
- 110二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 00:21:21
- 111二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 00:27:24
- 112二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 00:42:31
- 1131じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 00:43:44
ありがとじゃんね☆動き回って弾幕しつつみんなが言ってた『とりあえず様子見』な感じで書いたじゃんね☆おかけで結構迷ってた先生の指揮の様子、いけそうじゃんね☆
……その手もあったか!じゃんね☆1はもう宝具撃たない方向になりますようにでお祈りしてたじゃんね☆
ただ1の想定だととんでもない絵面と言うか力技になる気がするからランサーが仲間に引き込んで蓋を開けてみてからみんなの意見待ち、じゃんね☆
あああああああ……らいだー、らいだーですじゃんね……最近バーサーカー戦書いたり頼光さんイメージがどうしてもある関係でやらかしたじゃんね……1はぼけぼけじゃんね……
ありがとうじゃんね☆ヒナ&先生は精神的に安定してるのもあってかなり上手く立ち回る感じじゃんね☆「最強」って敢えて書いたぐらいには信頼できる相手がいる、そんな二人だからこその強さをしっかり書くじゃんね☆
おっしゃる通り戦闘イベントというかこれまでで生徒相手やサーヴァント相手にアサシン師匠が宝具ぶち込んだことはないじゃんね☆
というわけで実際の処理も蓋開けてみないと1も正直ドキドキじゃんね☆
1としては即死効果持ちだしなるべく戦闘起きませんようにって感じだったけど、色々考えて備えたりもし戦うってなった時用にこれなら攻略できるかも!って考えてもらえるのありがたいじゃんね☆みんなありがとじゃんね☆
なんなら夜イベか拠点いる時には「エンジニア部謹製宝具シミュ」って体でちょー簡略戦闘イべ(相手は宝具、こちらは安価1回)みたいなのあっても……いいかもじゃんね☆
合ってますじゃんね……かんぜんに引っ張られたじゃんね……
- 114二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 02:44:37
アサシン陣営を追い詰めすぎたり最後に回したりはしたくないな
最後ってなったら一か八かの奇襲でいきなり宝具をってなってもおかしくないし
追い詰めすぎたらとんでもない手を黒服は使いかねない - 1151じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 07:29:17
- 116二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 13:03:40
どの陣営から説得していくべきか
順番が大事になりそうだな - 117二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 13:09:22
単純な加入戦力の多さで行ったらライダーあたりになりそうだし、後トキ攻略のためにはハッピーエンドへの答えとそれをなせるという証明が大事になりそうだしそれを考えるとアルちゃんのような選択しきった子を迎えいれるのは大事そう。でも後回しにしすぎると聖杯鯖関係の展開によってはステラしそうなのが怖い所
- 118二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 13:42:43
トキに関してはトキの願いが『自分が犠牲になって聖杯戦争を終わらせる』という願いである事を鑑みれば、パッピーエンドを為せるという証明よりも、
トキの犠牲になるというやり方では例えキヴォトスを救えても救われないものがある、残される者達の心に傷を残す。って伝えるのが良いんじゃないかな?って気がする
キヴォトスを救えるか救えないかの証明というのを論じるのに応じるのではなく、例え救えるのだとしてもそれでは駄目だと、私たちはそれを認めないって伝えるのが良いんじゃないかな?って
ヒフミ達の目指すハッピーエンドは誰も犠牲にしないハッピーエンドな訳だし
USBのメッセージでもヒマリが
”……そして、かつてこことは違うキヴォトスで起きた結末を否定しようとしている。誰かの命まで賭した行動は必ず平和という結果に至るのだと、あの子はもういない『彼』にも証明しようとしている。”
って言ってたし、
正直残された側の気持ちを伝えるって面ではクロコとかの協力取り付けられればベストかも?とは思ったりはする - 119二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 15:21:14
- 120二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 15:37:23
ライダー陣営を仲間に出来れば色々でかいだろうけど難易度も高そうなのがな
戦闘は避けられない可能性が高いし
ただライダー陣営は令呪を使い切ってるはずだから令呪を使っての強化は出来ないのはアドバンテージになるはず
まあ相手がなんか別の手段見つけてる可能性はあるけど
後ライダー陣営の本拠に行く前に道に迷ったりしないようにすることを考えたらライダー陣営説得はアリスク合流後の方がいい気はする - 1211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 19:59:58
なぁんで祝日に補講あるのかさーっぱり分かんない1じゃんね☆
もうちょいしたら書いてくじゃんね☆明日安価したいから今日は多分日付変わるぐらいまでは粘って頑張る、じゃんね☆
とりあえず1に出来るのはライダー陣営は今回のデータ、ランサー陣営とアーチャー陣営は会議で導線というかきっかけ?みたいの作って選択肢並べる事!なので頑張るじゃんね☆
分かりやすい数は間違いなくライダー陣営じゃんね☆ただ三組とも現役というか進み次第でまだまだ余裕でラスボス候補だから戦力的には大体おんなじぐらいじゃんね☆
論に応じず己の意見をまずはしっかり伝える。うーん、ブルアカ原作のどっかで見た風景じゃんね☆
……ヒマリちゃんのUSBからトキちゃんが『彼』のことを知ってるのに気づいてもらえて嬉しいじゃんね☆
ら、ライダーさんがどの√の記憶というかそもそも記憶があるかどうかは……の、のーこめんとじゃんね☆
ライダー陣営はそりゃもう、つっよいじゃんね☆
あとアルちゃんは確かに令呪の使用宣言を3回したじゃんね☆確か合ってるよね……?って1も不安だったじゃんね☆
- 122二次元好きの匿名さん25/02/24(月) 20:05:27
最大の問題は未だハッピーエンドの可能性がゼロなことなんだよな
「成功率は限りなく低いが犠牲者ゼロの方法がある」とかならその僅かな可能性を信じたいと説得できるけどそもそも方法が無いんじゃどうしようもない - 1231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 20:09:09
【9-10日目深夜・特殊戦闘イベント(回想)】
憤怒のライダーが見逃した一発から生まれた死角を狙った空崎ヒナの《攻撃》。放たれた49発の弾丸は、分厚い漆塗りの甲冑による《防御》と衝突した結果、霊基の損耗にして二割半を削り切ることに成功した。
「くッ……羽虫め……ッ」
蹈鞴を踏むライダー。
顔こそ下ろしていないが既にヒナは動いている。
変わらず曲射機動での弾幕を張る撹乱。四方八方、鉛の礫が弾けて飛ぶ。続け様に放たれていく弾丸。ライダーは死角を今度こそ大袖で庇い立てながら、正面から迫る危険を刀で撃ち落としていく。
「よくもまぁ、石子なぞッ……!」
「これがキヴォトス流よ、お上りさん。気に入らないなら止めてみたら如何かしら?」
「戯れた事を……ッ」
先ほどヒナより与えられた鉛玉。7.92mmの刺客はライダーの背、反板を見事に撃ち据えた。残弾一発でライダーが放たんとした返し刀の起こりを外し、崩れた武者の体勢が戻る前に再装填を済ませて死角からの掃射。ライダーはしてやられ、痛打を貰う形と相なった。己が大鎧に罅を入れ、割って入っては中の肉骨に届いた鉛玉。その凄まじき破壊力にライダーは舌を巻く。
「(……ゲヘナ最強、でしたか)」
空崎ヒナ。現キヴォトスで強者に数えられる生徒の一角。現代科学に基づくトレーニングと実戦で鍛え上げられた武練。小柄ながら長い得物を四肢の延長として見事に操る技量。秘められた神秘の質とそれを感覚的に汲み取り己が力に反映させる感受性。闘争に対して冷徹なまでに戦場での己の役割を定め切る強靭な精神。
「(想定よりずっと、という所ですね)」
心技体、いずれも高くまとまるオールラウンダー。そこに桁違いの火力を併せ持つ。完成された闘争のカタチ。一つの自治区において武力の頂点に立つ彼女の実力は、確かにライダーの知る平安の武者達にも届くやもしれぬと思わせるほどであった。
「(……ですが)」 - 1241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 20:15:34
だが、そこまで。
常であれば不良生徒達を容易に制圧してのけるヒナの射撃であっても守りを抜いて命を断ち切るまでにいかず。
清和源氏の流れを汲むは多田大権現、源満仲。
丑御前の父である鎮守府将軍が手ずから鍛えし具足は彼女がサーヴァントとなった今も確かな守りを発揮していた。
「(それでもこちらの予測の域は出ない)」
故に端から空崎ヒナは眼中になし。
多少強くとも、所詮はたった一人。ライダーにとっては他の学生達と何ら同じ。大河に投げ込んだ小石に過ぎず、大海へ漕ぎ出す事なく沈む程度の砂利なのだから。
「(真に警戒すべきは───)」
であれば危惧する変数は一つ。
「(あの味気ない優男、ただ一人)」
シャーレの先生。
エデン条約での一件を始め、赴任して以来、キヴォトスで起きた大小様々な事件を生徒達と共に解決してきた連邦生徒会の切り札にして鬼札。
ヒナからの攻撃に防戦を熟しつつも、すいと目を細めた視界の端にいる丈夫こそがライダーの獲物でありこの場で最も警戒すべき存在であった。 - 1251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 20:25:08
【Recommend BGM……〈Glitch Street〉】
ヒナと憤怒のライダーが激突する鉄火場より少し離れた場所。砂と泥、雨と火。そして硝煙に燻られながらもなおも戦場に穏やかな白を射す外套。片手にタブレットを構え、もう片方の手でホログラムディスプレイを開いて操作する長身。連邦捜査部シャーレの先生はただ立ち、二人の戦いの行末を観測していた。
“───アロナ、プラナ”
囁きに似た呟きは徐々に激しさを増す雨音にかき消され戦いの最中にある二人は元より、側に誰もいない今、届かず。だが、確かに先生の声に反応する者がいた。
『解析完了しました!先生、当たりです!』
『報告。個体名《憤怒のライダー》が刀剣を振り下ろそうとした瞬間に周囲に微弱な磁場の形成、空間の振動が確認されました』
幼さのある華やかさに続いて、静謐に満ちた声がする。通信越しだからだろうか。姿は見えず、タブレットから聞こえてくるようであった。
先生が当たりという言葉に顰めるようにして片目を僅かに細めていると、すぐさま華やかな声は抗議の声をあげた。
『あー!プラナちゃん!それ今私が言おうと思ったのにー!あっ!あとあと、先生!彼女から体外に放出される電気自体は 『確認。ですが電場が大変乱れています。探知ではなくあくまで攻撃に用いるつもりと推測』 もー!』
今度は途中から引き取る形でセリフを取られてしまったと怒る声に先生は苦笑しつつ、少女の言葉に合わせて口を開く。
『いいですか?プラナちゃ“ありがとう、プラナ。攻撃への転用した場合の予測を渡すから、計算と入力をよろしく” もー!先生!もー!』
わざと揶揄ったのだと分かって一層強くなる批判と忍び笑いは戦場には似合わぬ穏やかさ。まさに余裕のある立ち振る舞いであった。 - 1261じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 20:34:15
『うぅ……折角、アロナちゃんだいかつやく〜!ってドヤ顔でお知らせしようと思ったのにぃ』
『疑問。アロナ先輩は今も保護プログラムと管制システムの管理で頑張っておられます。大変かつ精密な作業中ですから、報告等は私がお手伝いすべきでは?』
『でへへ、プラナちゃんがほめてくれましたー!……って!?そーじゃなくってー!』
三人揃えば何とやらだがこの場合は二人でも。賑やかな声に先生は操作していたホログラムから手を離してこつりとタブレットを叩いた。
“はいはい、二人とも戦闘中だからね。とにかく、お疲れ様。引き続き観測よろしくね、二人とも”
『ぅっ、了解です!』『……了承。必ず』
ほんの一瞬、これまで正面の激戦から片時も外さなかった視線がタブレットに落ちると共に告げられた言葉。先生が送る目一杯の親愛に、たじろいでから聞こえてきた二人分の返事に頷きを返すと。
“……暫くは等速かな”
視線は既に正面へ、生来の柔和さはあれど精悍さが勝つ顔付きへと変わる。
“(さて……やっぱりあの刀、というかあのライダーっていう子は雷を自由に制御して落とせるってわけか)」
視界に収めた武者の様子をつぶさに観察しながら先生は一人頷く。先ほどの戦闘で先生がしていたのは何もヒナへの指示だけではない。タブレットに戦況と周囲の環境変化を記録していたのだ。これより今後、何が起こり得るのか、先生が予測し得た敵の動きを精査し高い精度で今後ライダーが取るであろう動きを既に把握し終えた。
シャーレの先生は魔術師ではない。この場に魔術に精通した者も道具もない。
だが、魔力も魔術も、そしてサーヴァントもあくまで魔法や人知未到の奇跡ではない。魔力の起こりは分からずとも魔力放出の先触れの検知。つまりは放電が引き起こされる前兆によってライダーやその周囲で起こった熱や磁場の変化を観測する事で何をしようとしていたのか把握したのだ。
───現象の細分化。
魔術と科学は交わり難きと言えど、表裏一体。魔力を計測できずとも、魔力が自然界に働きかけるアクションを受けた環境の変化から《何が起きるか》を読み解くのは出来る。
それが魔術を知らぬシャーレの先生が編み出した対サーヴァント戦での攻略法。 - 1271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 20:49:16
「(さっき此処に来た時にしてたのも演出とか自然現象じゃない。となると肝心なのは発動待機になる)”
そして懸念するのはヒナの攻撃が成功する前、ライダーが放とうとした一撃。今もまだヒナが優勢に立ち回っているが、攻めに転じた相手がどう動くか。それを想像して唇を噛む。既に先生の頭の中、そして手に持つタブレットで演算した限り、彼はライダーとの戦闘が間合いの取り合いになる事を見抜いていた。
“(けど、話に聞いてた通りサーヴァントっていうのはそういうのが出来るってわけだ。……しかしビームはまだしも落雷かぁ。うーん、いよいよファンタジーって感じ。ちょっと先生、困っちゃうな)”
神秘濃いキヴォトスに来て以来、彼自身もまた神秘とは縁深い身になった。とはいえ自然現象すら手の内で統べる魔術やサーヴァントという存在には先生も呆れ半分に警戒する。少なくともこれまで相手をしてきた手合いの中でも群を抜いてトリッキーかつ強敵なのは間違いなかったからだ。
“(まあでも、とりあえず想定内だし組み直す必要はないか……っと)”
またしても想定内。けれど、ライダーが空崎ヒナを見限るようにして侮ったのとは別。現に今も、油断も慢心もなく彼は静かに指示を出す。
“ヒナ、七秒。右側面が薄い”
返事はなくとも《届いている》のを知ってか、すぐに先生の思考は次へと移る。その顔に浮かぶのは不適な笑み。
“おっと……そろそろ気づいたのか私が煩わしくなってきたね?”
両手に持った剣で打ち払い続けるライダーの動きに生まれる隙。大袖がカバーしきれなかった脇楯に奔る衝撃に小さな苦悶の声をライダーがあげては、睨むように翡翠の視線が先生を見た。
“(しかし動きが速いね。隙を読んで私にも剣を向けたそうにしてる、けど」)
空崎ヒナは無論強い。ゲヘナ最強の名は伊達ではない。 - 1281じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 20:50:53
“動くよ、ヒナ。三十秒。変則的なのはこっちで知らせる、太刀筋に気をつけて”
だが、そうであっても今、無法なほどに優勢にあるのはライダーが警戒する彼あってこそ。ヒナの動きを十全かつ最適な選択肢を選べれるように囁く先生の指示。どんな方法か、通信機材もなしにヒナへライダーの動きや過程で生まれる須臾の隙を確実に伝えていた。それに腹を据えかね、刃を差し向けんとする、が。
「(ヒナ相手にそれはちょっと欲張りかな?それに……いつも通りだしね)”
再度言おう、ゲヘナの秩序を一手に担うゲヘナ学園風紀委員会の頂点は伊達ではない。気もそぞろにしてしまえば、すぐさま霊核目掛けて弾丸を放ち仕留めに来るのだ。そう易々とヒナの攻めを切り抜けて先生に手を伸ばすのは不可能。そして、先生の守りはもう一つ。否、二つ。
“頼むよ───二人とも”
『もちろん!いつでもお任せ下さい!』
『承諾。先生には指一本触れさせません』
返事は力強く。守りは固く。余裕はたっぷりと。この場でただ一人の大人は詰め終えた戦術を並べながらヒナを見守る。
“さぁて、待ってる生徒がいるからね”
未だ状況は悪い。市街地は多少の落ち着きを見せただろうが、三人のいる場所より数キロ先では未だ巨獣と魔獣が取っ組み合いをしている。何よりあの場所で待っている生徒がいる。
“もう一踏ん張り───カッコつけさせてもらうよ”
だから彼は精一杯の虚勢と見栄を張りながら、大人として格好つけてそう小さく言い切った。 - 1291じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 21:13:21
【Recommend BGM……〈苦闘なるとも〉】
引鉄を弾くのは最早日常であった。馬鹿騒ぎとやんちゃをしては自由な青春を謳歌する学生達のやり過ぎを実力行使で注意する。なんていうのはヒナにとっていつもの日々。戦闘らしい戦闘だって訓練で一から状況を設定をしてか、はたまた先生と熟すシャーレの任務だけ。空が赤く染まった一件以来、またいつも通り忙しくとも穏やかな日々ばかりを過ごしてきた。そんなヒナの額に玉のような雫が一筋流れた。
「……固い身持ちね」
足を止めず、けれど口を開く。
「私も人の事は言えないのだけれど、もう少し愛想良くしてみたら?」
無論、愛想という名の隙を晒そうものならヒナの愛銃が火を噴いて目の前の武者の霊核を撃ち抜くのは間違いない。だが軽口染みた嫌味を言う程度にはヒナも嫌気がさしていた。
「御冗談を。生憎、私の操は安くありませぬ故。香りも立たぬ貴女のような貧相な生娘に渡すなどとてもとても」
対して憤怒のライダーは足を止めて未だ守りを固めていた。空恐ろしく感じるほどの閃きで迫る弾丸を膾斬りにして捌いている。
「……そっ、まあいいわ」
時間にして僅か数分。先手を貰い受けてから今まで、ライダーは攻勢に移らないでいる。無論、ヒナの掃射によって隙と起こりを潰されているのは間違いない。だが、それも時間の問題だとヒナは先生の指示だけでなく刻まれた経験からくる直感の警鐘からも感じていた。
「まあ、まあ!なんと賢いことでしょう。挑ましに気にした様子もないだなんて。嗚呼本当に……冷めた目をした事ですね、空崎ヒナ」
ライダーは嗤っていた。武者の様子にヒナは内心で舌打ちをする。体勢と息を整えられる前に攻めて押し切りたかった、と。けれど現実は上手くはいかず、武者の大鎧と大太刀にばちりと光が散った。
「とはいえ意固地が過ぎても如何なもの。小蝿と言えど、こうも羽搏かれては五月蝿くて敵いません。ですので、ここは一つ」
臨戦。ヒナの中で警戒をまた一つ上げる。これまでのあくまで小競り合い。これより先は。
「目障りな小汚い翅を落としてしまいましょう」
───死地に至る。 - 1301じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 21:30:40
「(初手はお互い様子見……ギアはここからってところかしら)」
二刀をゆるりと下げる武者。構えは両下段。未だ続くヒナの弾幕を前にして大袖だけでは守りが届かず、甲冑の全身に細かな疵を受けていく。漆は割れ、奥の鋼が見え始める。裂けた鋼鉄の隙間にヒナの放った弾丸が捩じ込まれるのは。
「それでは───源氏の兵法、とくと御覧じろ」
あり得ぬ未来と伏した。
早駆け。踏込みは大地を割る。構えは下段のままヒナを刃筋に捉えんと追い迫った。
「(疾いわね……ッ!)」
六尺六寸の巨躯に纏った大鎧。得物は五尺に届くだろう大太刀。見目は鈍重そうだというのに、今なお曲射機動で戦場を駆けるヒナに勝るとも劣らぬ足を見せつける。
「(そう簡単には、ってわけ?面倒な。おまけに例のスキルや宝具……シャドウサーヴァントと違って目の前の相手は恐らく使ってくるだろうから警戒も必要ね。特にちょうど)」
両雄疾駆。爪先で地面を蹴り上げながら宙を駆けていく。淑やかな花紫と鈍た濃色。色合いこそ近く、けれど交わる事なき二色の閃光となった二人。開け放たれた燃ゆる火と雨に濡れる嘗ての街並みを競うように破壊しながら戦場を広げていく。
「(あの刀。あんな物、百鬼夜行でだってあまり見ない骨董品だろうに……見てるだけ嫌になるぐらい冷たい)」
憤怒のライダーが持つは由緒正しき魔縁切り。ヒナは知らぬ其の銘は安綱。六胴切りの名物にして平安の世を乱した魔性の首を刎ねた童子切。
“ッ!四秒ッ!回避は難しい、下がって”
追うライダー、追われるヒナ。先の一戦とは立場を変えてのドッグファイト。
ヒナの身長142cmに届くほどの抜身の刃はすぐにでもヒナを射程に捉えた。 - 1311じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 22:12:40
「御覚悟」
「結構よ」
けれど迫るというのなら、躱わすまで。地面に擦れるか否かを滑り走るヒナの爪先がほんの僅かに地を叩いた。ピッチアップ。加速の勢いを跳躍のベクトルへ変換。───クルビット。
即ち高速戦闘中の後方宙返り。追うライダーの頭上で羽を広げる事で減速をしつつ回る事で半歩通り過ぎた武者の背中を取る。
「隙だらけね」
言うより早く指先は引鉄を爪弾いている。大翼による姿勢制御は狙いを安定させ確実にライダーの反板へと吸い込まれる。
「───聞こえませんでしたか?」
紫電一閃。憤怒のライダーは後の先を取る。
振り抜き様の応刀。幾度も背中を取らんとする兇手なぞ、魔性のやる事。ならば源氏に備えがない筈もなし。魔力を噴いての推力偏向。転じて下段に佩いた太刀を脇構えから抜き打つは左一文字。
渾身の一撃、けれど五尺の大太刀と言えど刃は届かず。故に、驚嘆すべきはその後。
「───御覚悟、と言った筈」
太刀筋、閃く。
振り切られた斬撃の軌跡その物がヒナへと向かって奔った。稲妻こそ纏わせていない物の、紛れもなく魔力放出の余技。魔力が根ざす異邦の世界で用いられた戦技であった。受ける、なぞは宙にいるヒナには不可能。なにせ踏み締める地面に足が付いていない。選択肢は。
「ぐッ……っ、ぃ……ッ!」
先生の読み通り、迎撃。神秘の宿った弾丸を雷光と見間違うばかりの速さで迫る斬撃にぶつける。神秘と魔力。両者のぶつかり合いはヒナの眼前で起こり、双方が宿したチカラの衝突によって爆風が生まれる。 - 1321じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/24(月) 23:13:12
「……今ッ!」
瞬間、羽を畳んでヒナは爆風の勢いに自ら呑まれて後ろへと投げ飛ばされた。魔剣の一合に回避は許されず、ましてや地面にいないのならば尚更。故に神秘をぶつけた余波で生まれる衝撃に身を任せて太刀筋から《下がる》事で逃れた。
“ヒナッ!三手目、跳んでッ!”
だが、まだ一合。雨が降る中、それでも衝突の余韻である砂埃がヒナの目の前に撒かれた向こう。砂の帳幕を斬り伏せるようにして現れた武者が来る。
「一太刀、馳走……如何でしたでしょう?」
白兵戦。体勢の立て直しなぞ許さずにライダーは剣を振るう。左逆袈裟、被せて右一文字、開いて左袈裟。二刀を巧みに操り振るうは禍々しき連撃。一呼吸の間に三本の太刀筋をライダーは描いた。
魔剣の間合いは五尺で足りず。先と同じように剣戟に合わせて放たれた魔力は、距離なぞ関係ないとヒナへと襲い掛かる。まともに喰らわば太刀傷どころか骨をも断って輪切りとなる剣勢。如何に頑強なヒナであっても無傷ではいられない。
「そうね」
ならばの応戦。言うが早いかヒナは愛銃を振り抜いた。真っ当な射撃で止められぬ魔力の刃。受け止めたならば傷では済まない。
だが、ヒナに秘策あり。要するは鍔迫り合いと同じであった。刀同士をぶつけ合えば鋭き刃は脆く欠け、刃肉豊かな重ねの厚い刀身なぞとぶつかれば華奢な刀は容易く折られてしまう。では如何するか、知れた事。払い技或いは受け外し。
「物足りないかしら───ッ!」
即ち、パリィ。この場に限れば、長年神秘を注ぎ込まれた愛銃であれば弾く事が可能なのだ。重ねて三合の太刀筋に怯む事なく、なぞるようにして銃身で払っていく。
けれど魔力が形を成したとは言え、ライダーほどの猛者の膂力で放った斬撃。ヒナほどの実力者であっても初めての対剣士、それも極上の強者が放った連撃となれば受けるとならば。
“次は気にせず。読み違えるなら五手目の次だ”
「くッ……めんどくさいッ!」
動きながら捌いてでとはいかない。必然的に足を止めてしまう。
- 1331じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 00:19:16
「それはそれは、誠に残念」
無論、三つの太刀を捌けばすぐさま次の行動にヒナも打って出る。だがトップスピードに乗るには、どうしてもタイムラグが生まれるのだ。ましてや今は銃身重量にして11.6kgの長砲を振るったばかり。
つまりそれは、隠しようのない隙。そして此処に居るのは源氏武者の系譜。一瞬の隙なぞ、鴨でしかない。
「───でしたら御代わりをば」
脇構え、破型。両刀を掻き抱き振るうは一文字二連。一刀でするそれが太刀筋を隠す物ならばこちらは真逆。真正面から流して放つ一文字は返しを許さぬ必殺の二撃であった。放たれた斬撃は先と同じく魔力で模られて、ヒナへ向かって跳んだ。
何よりその横幅、五尺を遥かに越えて。魔力の斬撃はヒナの視界を塗り潰すように長く延ばされていた。右にも左にも逃げ場はない。
万策尽きし剣が峰。あの丑御前の太刀を三度も流した大金星を持って三途の渡賃に彼岸へ立つ他、選択肢はなし。
そう、此処にいたのが空崎ヒナでなかったならば選択肢はないのだ。
「それはもう見たわ」
受け流し。
巨戟の薙ぎ払いが如く飛来する魔力の斬撃へヒナが出した回答は先程と同じくパリィ。
だが違うのは向きと手。
コッキングハンドルを逆手で持ち、斬撃と十字に向かうように銃身を立てる。そのまま斬撃を流す一点を軸に銃身ごと身体を地面に押し付ける。
「もう……やってもやっても終わらない」
斬撃が通り過ぎてみれば残ったのは服に着いた泥を叩くヒナの姿。そう、横が駄目なら下だと瞬く隙に受け流した斬撃の下に潜り込んだのだ。
切り結ぶ太刀の下こそ地獄なれとはよく言ったもの。ヒナにしてみれば太刀の下なぞ恐れるに足らず。何せ彼女は悪魔が通うゲヘナの猛者。太刀の下にある地獄程度、乗り越えられない筈がなかったのだ。
- 1341じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 00:25:22
というところで今日はギブアップじゃんね……
2ターンで終わったし楽勝じゃんね☆とか思って色々調べ物したりながら書いてたらこんな時間になった挙句に終わんなかったじゃんね……ツルギちゃんのも書き上がってないのに……
明日こそ!もう残りは挑発シーンやって宝具ブッパだけだから明日こそは終わらせて次のシーン行くじゃんね!
あ、明日は最初にボーナス関係の安価してからSS乗っけるじゃんね☆
明日は19時に安価するじゃんね☆
今日は遅くなるわ終わらないわでごめんなさい……明日も頑張るので良かったら遊びに来てやって下さいな!
ではではみなさん、今日もありがとうございました!おやすみなさい……じゃんね☆
そこじゃんね!!!もういい加減メス入れるべき、じゃないと方向が定まらない……というわけでPart6スレになかったテコ入れを笛版でしてたじゃんね☆こっちには会議シーンで反映させる感じにするじゃんね☆
- 135二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 00:47:12
おつかれさまです
マーリンの話とかで出てる情報的にもハッピーエンドへの道は他の陣営説得後に見つけるものなのかな?と思ってた
方法はわからないけどそれでも!って感じに他の陣営を説得していくのかな?と
テコ入れがあるって事は先に見つける必要がある感じなのか - 136二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 02:05:04
- 137二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 02:32:15
正直次の行動でアサシン陣営行くのは現時点で知っちゃいけない情報というか同盟が決裂に至る情報知っちゃうリスクがあるから怖いんだよな
おそらくマーリンがきっと一番最後まで分かっちゃいけないって言ってた三つ目の秘密に関連する事だとは思うけど
たしか前スレでもリオとキャスターの会話でもそんな感じの会話もあったし
あと、一応前スレの187のコメント返信で
”上にも書いたけどあくまで🎲結果で……だし黒服のとこで話聞いてもすぐには空中分解はしないじゃんね☆それは約束するじゃんね☆”
とは言われてるけど、逆に言えば黒服に会いに行った場合ダイス次第では同盟が空中分解するってリスクはあるんだよな
- 138二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 02:46:49
- 139二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 07:08:21
- 140二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 11:59:06
このレスは削除されています
- 141二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 12:17:34
いっそ黒服とヒフミの間で契約結べればな
聖杯戦争中の間アサシンと黒服、ヒフミとセイバーは共闘するって内容の
この契約内容なら仮に同盟が空中分解してもアサシン陣営は味方のままだし
契約を結ぶことが出来れば黒服は絶対契約は守るはず
まあ契約には対価が必要だけど対価はミレニアムが黒服の願いを可能な限りで叶えるという条件なら悪くはないだろうから
他のマスターにも可能な限りで願いを叶えるって条件を用意するわけだから黒服だけそれはなしってのは不平等だろうし - 142二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 17:22:09
正直黒服と契約は怖さの方が若干勝るな
というかアサシンの宝具への対策に関しては上の方でも案あったりするし、やりようによっては割とどうにかなりそうな気もするし - 143二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 17:59:10
黒服と契約結ぶなら一字一句配慮して契約を結ぶ必要があるのは間違いない
絶対油断しちゃいけない相手だし
ただ少なくとも黒服と会う場合ヒフミだけで会う事態にはならないはず
少なくともセイバーがいるわけだから契約やら取引するならセイバーにも手伝ってもらえるから
それに黒服もマスターである以上願いを知る必要があるのは確かだし
取引するかは別にして一度じっくり話し合う必要はあるはず
ランサー陣営説得するためにはもう一度サクラコに会う必要があるわけだからそのついでに会うこともできると思うし - 144二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 18:08:35
空中分解に関してはよほどのことがなきゃ回避は難しいのかな?
それともフラグ立てなきゃ起きないイベントなのか - 145二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 18:39:11
いーまかえってきたから、えっちらおっちら書いてるじゃんね☆
とりあえずボーナスの安価は十九時からじゃんね☆良かったら参加してもらえたらありがたいです、じゃんね☆
1から断言できるのは黒服は交わした契約に関しては最後まで守るじゃんね☆
ただ、上に書いた通り黒服は契約を守りはするけど交渉して取引するって事は必ず対価は支払わなきゃいけないじゃんね☆
話して分かることもある、かもしれないじゃんね☆
フェアじゃないから明言するじゃんね☆
空中分解についてはこれからの物語の進み方によって変わってくるから、実際まだどうなるか分かんないじゃんね☆
ただ、たとえ空中分解したとしても1は挽回できるよう手を尽くすし、最悪に備えた下拵えもしとくじゃんね☆
だから空中分解で選択できない選べない、ってならずに色々試してみてほしいじゃんね☆
1はマイナスになったのなら0ではなくほんのちょびっとでもいいからプラスになるお話の方が好みじゃんね☆
- 1461じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 19:06:18
はーい、というわけで1が戦闘イベントに反映し切れなかったボーナス分の補填を決めてもらう安価じゃんね☆
以下の選択肢①〜の中から一つ選んで下さいな!じゃんね☆
①10日目絆上げ時の🎲を1d100→3d100に変更
②10日目絆上げ時の🎲を1d100→2d100に変更&アサシンを除く敵対陣営とのぷちイベント発生
③10日目絆上げ時の🎲を1d100→2d100に変更&全陣営の任意の日にちの様子を観測
④10日目絆上げ時の🎲を1d100→2d100に変更&任意の生徒一人の固有武器を特別強化
⑤10日目絆上げ時の🎲を1d100→2d100に変更&さ〜ぷら〜いず♨️なイベント発生(二種類)
⑥10日目絆上げ時の🎲を1d100→2d100に変更&ライダー、憤怒のライダーの完全な霊基データの入手
⑦10日目絆上げ時の🎲を1d100→2d100に変更&特殊イベントが無条件で発生
補足は以下の通りじゃんね☆
①:戦力強化が捗る可能性大
②:敵対陣営は任意で選べる
③:様子が見たい陣営は任意で選べる。ただし一部ロックあり
④:サーヴァントと生徒のどっちも強化できる
⑤:2回も!?……な、お得選択肢
⑥:先生提供ウイちゃん監修のほぼ100%データ。データに関して戦闘面で不利になるよう罠要素はなし
⑦安価でのフラグなしで発生
安価先は>>153
選択肢多いしゆっくりのんびりで大丈夫じゃんね☆
ではでは、安価よろしくお願いします、じゃんね☆
- 147二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 19:11:12
①か⑦かな
③も悪くはないけど選択によってはあまり情報得られないって結果になりそうだし
⑦なら確実に特殊イベントを起こせるし
多分ボーナスなわけだから損はないはず - 148二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 19:11:15
オーソドックスに仲間フラグを立たせてそうなのは②、次点で⑦といった所かな?
- 149二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 19:50:33
⑦が一番いい気はする
特殊イベントの内容は分からないけど安価でのフラグが必要なイベントなのは確かなわけだし
安価次第ではずっと踏めないリスクもあるわけで
重要なイベントの可能性もある以上ここで確実に起こせるようにしたい - 150二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 20:13:40
7は確定発動がやっぱでかいなぁ……
- 151二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 20:41:40
⑦で
- 152二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 20:42:57
7で良い感じの特殊イベでいけるのは大きい
- 153二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 20:44:22
- 1541じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 20:56:34
- 1551じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 21:14:25
【9-10日目深夜・特殊戦闘イベント(回想)】
ヒナ達が剣を交える戦場の中心部では地響く怨嗟が轟いていた。雷霆降らす貌無き大神使と石生りの呪詛を齎す魔獣の女神がぶつかり続けている。
「牛と蛇の神話」、その再演は余波だけで地上に甚大な被害を齎していく。牛の一歩は地を揺らして廃屋を砂礫に変えて、蛇の視線は熱量を宿して大気を沸騰させる。ぶつかり合う神威によってゲヘナ地区一帯に雷雲が立ち込め、嵐が呼ばれる。熱雷と地鳴りの煽りは未だ残党を残して風紀委員達との合戦場となった市街地近くにも波及し、地中に敷かれた電線や水道管を破裂させていく。
阿鼻叫喚、だが致し方なし。
片や大地を平定する軍神より与えられし大宝具。
片や大地に豊穣齎す女神より零れ落ちし大魔獣。ライダー陣営を誅伐せんと雷角を震わす神使への抵抗によって、本来あり得ぬ⬛︎⬛︎の星座に近しい神域の戦いが現実の物となっているのだから。
「(……時間がないわね)」
嫌になるとヒナは内心でごちては、相手を睨みつけた。ライダーが放った二重の斬撃を潜り抜けた後、両者間で暫し睨み合いが発生していた。ヒナは常と変わらず両手持ちで銃身を支える構え。銃口は真っ直ぐに敵を捉え、いつどんな動きがあっても起こりを殺して後の先を取る算段。
対してライダーのそれは、やはり下段。
「(だって言うのに、またあの構え……)」
だらりと二刀を下げた姿はヒナから見ても《何も構えていない構え》であった。装甲があって見抜きにくいが、完璧なまでに脱力ししなやかな蔓や風に吹く柳の如き自然体。強いて言うならば、柳生新陰流に伝わる《無形の位》に近い。両手脇構えなぞという胡乱な攻め手から一点、動きを読ませぬ守勢の構えとなっていた。
「(直接切り結ぶ気かそれともまた斬撃を飛ばしてくるのか。ただの棒振りだと思うと次はあの馬鹿みたいに長い刀で斬られかねない)」
剣術において構えと技は表裏一体。技を放つ為に構え、構えるからこそ技を放てる。逆に言えば、ただ刀を持って垂れ下げただけにしか見えない今のライダーの構えからどんな動きに繋がるか、予測できる数が多いだけにヒナは読み切れないでいた。
「(動揺させれば……動きを限定してダメージを通す、なんてのも可能かしら)」 - 1561じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 21:16:47
次どう動くか、一瞬一手の読み違いがこの首を落とす結果に繋がる。そうなれば次に待っているのは、自分の背にいる彼の⬛︎。ましてや今はとびきりの非常事態が現在進行形で自分達のいる向こう側で起きているときた。退く事は、できない。
「(はぁ……魔術だか魔力だか知らないけど、本当めんどくさい……)」
睨み合いから数瞬。
「……それにしても」
瞬きの合間にしていた思考を、どう考えても分かりきった結論しか出てこないと切り捨てた所でヒナは口を開いた。
「飽きもしないで同じ品。うちの子達が見たらきっと怒って爆破するでしょうね」
結局やる事は変わらないのだと自嘲めいた内心の苛立ちごと言葉にした呆れの感情に乗せる。挑発を受けたライダーの顔は見えず、ただ面貌越しにくぐもった嗤いが返ってくる。
「怖や怖や。流石はゲヘナ、羅城門の裏手が如し。ふふっ、洋の東西どころか異邦ですら変わりなく……」
底抜けに暗い声は奈落のよう。ずぶりと嵌れば何処までも堕ちていく底なし沼。
「まこと人の業は何時も変わらず、世とはなべて地獄なれば」
ヒナに話しかけているのかそれとも自問自答なのかすら分からない文言を嘯く武者。
「屍人の身命をわざわざ窮屈な筺になぞ納めてまで現世に呼び出すサーヴァントも聖杯戦争を等しく、なんと奇怪で珍妙で、なんと無様で哀れかと思いましたが、この地に呼ばれればなるほど合点もいくというもの。やはり人は同じ衣は同じようにしか畳めず、欲は尽きず。命の軽さに反して人の本質は常住。我らの世から何も変わらない」
何も返答がないヒナを気にした様子もなく禅でも騙るようにして武者は続ける。
「哀れな雛鳥を檻に入れる愚かな世界。人の皮を被って飯事に耽るならば所詮は皆、私と変わらず。私が間違っているならそう、世界の方こそ誤りなのです。貴方もきっと理解できる、そうでしょう?壊す事しか知らない哀れな女、殺す事でしか価値を拾えないつまらない娘───空崎ヒナ」
- 1571じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 22:00:47
「会話のお勉強がしたいなら他所でやって。悪いけど、何一つ言ってる意味が分からないから。それとも頭の病院が必要かしら?なら私じゃなくて救急医学部に頭を下げる事ね」
中身の見えてこない独り言染みた問い掛け。それに対してばっさりと切って棄てるヒナの物言いに今度こそ喉と鎧の鉄をライダーは震わせる。そうして、無知な童女に物を教えてやると言わんばかりにライダーは説法を始めた。
「いいえ、貴方は。貴方だけではない、この地に生きる者ならば誰もが理解できる筈。ましてや今は聖杯戦争───欲に塗れた挙句に悪しき罪人を生んだ悪逆の國こそキヴォトスの本質。歪み、捻れ、挙句にその醜態を晒しながら生き永らえた正しさの欠片もない世界。どれほど蓋をしようと臭って敵わぬ、悪しけき都に住まう人の業よ」
狂った語りを説く最中、ばちりとライダーの全身に火花が灯る。上擦る興奮を必死に取り繕って抑えているのが表面化でもしているのか、幾多も幾度も雷火が弾けて瞬き大気を焦がしていく。
「人に在らずというのに無理矢理に蓋をした。その末路のなんたる醜態か、なんたる強欲か。そうして果てにあるのが、どうしようもなき人の性に縋ったこれなのだから愚策愚劣と嗤ってやらねば憐れというもの。なればこそ、なればこそは」
遠くから雨で沈みつつある硝煙よりなお強くヒナの鼻腔を刺激する武者の仄暗き情動は、焼け焦げ噎せ返るペトリコール。じりりと焼けつく稲光は昂まりを見せていく。その兆候が何を意味するか。
「此岸すべてを無に帰して、彼岸すべてを炉に焼べて、遍く衆生を御救いしんぜよう。平伏なさい、感涙なさい。帝釈天の相持つ祇園精舎の神が子であるこの私が手ずから、いいえ、この霊基霊核全てを使っても」
正しく、間合の計り合いはこれにて仕舞い。死地を拡げる軍神の性は歪んだ霊基であっても、そして此処キヴォトスという異なる世界であっても消える事ない。つまりは、だ。
「この世界を壊しましょう。この世界を───愛しましょおォォッ!」
因陀羅の子たる魔性鬼神がその本性を曝け出したという事に他ならない。 - 1581じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 22:18:39
【Recommend BGM……《災いのカミ〜Samurai Remnant ver.〜》】
電光雷轟。
弾け飛ぶは紫電。
つまりはステップトーリーダー。武者の鎧、そして頭上に生じた暗雲よりヒナ目掛けて稲光が飛んで奔る。魔力の放出によって発生した人為的な落雷は秒速にして200kmという超抜的な速度でヒナが立っていた場所へ落ちてきた。光よりは遅い、などと言ってもヒナの愛銃が放つ弾速の二倍は優にある速さ。見てからの回避は至難であった。
「面妖なこと……本当に貴方達を見ていると末恐ろしさで怯えてしまいます」
しかし、だ。ヒナの弾速より速いからと言って、ではそれより速い弾速の銃がキヴォトスにないかと言われたら答えは否である。そもそもキヴォトスは日夜銃撃戦が頻発しゲヘナはその中にあって取り分けの魔境。魔力に満ちた落雷は恐ろしく速い。
だが、此処にいるのは同じ速さの銃弾が縦に横にと行き交う中で勝利を収め続けた空崎ヒナ。
───ヒナッ!三手目、跳んでッ!
来るのが分かっていたのならば避けれぬはずもなし。ライダーが雷撃を放つ間際、既にヒナは動いていたのだ。理由は単純明快、『三手目にその場から跳んで離れろ』という指示があったから。シャーレの先生による先読みはぴたりと的中していた。これによりライダーの奇襲は挫かれた。
「嗚呼、経文でも読んでいれば良いというのに」
ライダーが展望した未来であったなら、今も曲射機動で地面を水切りのように跳ねては縦横無尽に駆け回るヒナは今頃避ける事は敵わず骨の髄まで焼かれていたやも知れない。よしんば致命傷は避けれても翼なり足なりを雷に灼かれて不利を作ったかもしれない。何より奇襲が成功したという事はその後に戦闘が続いても主導権は武者が握る事になる。戦いは命からがらと逃げ惑うヒナを追い詰めていく狩りへと変わっていた事だろう。
「あな憎しや、シャーレの聖僧。貴方の方こそ子らを惑わし、この歪んだ世界を飾り立てんと詐称す邪悪なれば。だというのに」
だが、そうはならなかった。
先を打たんとした奇襲は先の先、つまりライダーが《雷撃を放つだろうと予測し終えていた》先生の読みとそれに応えたヒナによって透かされた。狩りどころか今のヒナは五体満足、その白絹のような肌に傷一つだってない。 - 1591じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 22:38:09
「似合わぬ軍師の猿真似なぞ、一体何処の門前で習ったのやら」
この距離で魔術も使わずに一体どんな奇術で指示を出しているのか、ライダーには分からずとも読まれた事は分かる。鎧武者は酷く低い声でヒナの背後、遠く小さく佇む男を舐るように睨んだ。だが、すぐに。
「……ですが、構いません。空崎ヒナもシャーレの聖僧も、私は赦しましょう」
ぞっとするほど柔らかな声を鳴らす。
「何故なら我が身は半神、我が身は鬼子。牛頭天王、東方神、帝釈天の一子なれば。そうなのです、私は私の役目を成しましょう、成し得ましょう。屍山血河を切り拓き、仙丹山に咲いた血のように朱い花を贈りましょう。きっときっと貴方の髪によく映える」
駆けるヒナの背へと追いつかんと連続して落ちていく雷撃。涼しい顔で避けてはいるがそれでも網のように奔る雷電は徐々にヒナへ食指を迫らせていく。武者は満足気に喉を鳴らすと、潤ったと言わんばかりに言の葉をつるりつるりと並べ立てていく。
「あはれな程にいたいけな花の君、貴方の為に平らかなる世を作りましょう。ええ、そうですとも真に平らかなる正しき世を作りましょう」
放電はなお一層に激しく。固定どころか何処にも結びもしていないというのに空中を泳ぐ大袖を、今度は守りではなく攻めに使う。
「嗚呼、穢れなき我が主。無垢な貴方が夢見るソレを一体誰が嗤いましょうや。平らかなる世を望む。奇異荒唐、普遍妥当のその願いこそ、あの可惜夜の誓いに他ならず……なればこそ。なればこそなのです!ええ、そうなのですッ!」
熱を帯びていてく言葉に合わせて雷鳴は轟きを増す。大袖は一人でに宙を飛んではヒナへ向かって紫閃を放つ。それをすぐさま察知して羽を広げて急静止をかけて速度を落として避けようとするのを見れば、続いてその隙を斬るように大太刀は振るわれる。 - 160二次元好きの匿名さん25/02/25(火) 22:39:15
丑御前の狂いっぷりのエミュ上手ぇ
- 1611じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/25(火) 23:18:41
「その為にまずは!」
当然、斬撃は魔力を伴いヒナに向かって跳ぶ。
一合左逆袈裟、躱される。二合横薙ぎ、弾かれる。三合右袈裟、往なされる。四合唐竹、細い肩を浅く切り裂く。五合二文字、脇腹を薄く削ぐ。六合両刀上段より真っ向、腕に刀疵を刻む。
締めて六つ、濃色の魔力を灯しては妖刀然とした大太刀が放った乱撃がヒナに傷を作っていく。
痛みに呻く暇も与えぬようにライダーから放たれた兇手は主に続いた。
大袖より放たれる雷撃が直線だけでなく砲弾ほどもある大きさの雷球となってヒナへと放たれていく。
「世を平らかに!」
だが、ヒナも負けてはいない。
大袖の守りを攻勢に回したという事はライダーの守りも手薄。残すは漆塗りの大鎧のみとなる。
だからこそ、太刀傷を受けながらもヒナもまたライダーに向かって銃火を上げる。荒ぶ嵐の化身が如く、けたたましき銃声を上げるヒナの相棒は主君を傷つけた怨敵に牙を剥く。
「すべて!すべてをッ!」
見事、ヒナが放った弾丸はライダーの大鎧に疵をつけていく。宝具ですらないただの鎧と言えど侮るなかれ。鎮守府将軍多田満仲が用意させ怪異の血骨を鋳込み叩いて鍛えた六尺超えの大鎧なのだ。背筋も凍る神秘が宿ったその鋼は如何にキヴォトスの生徒と言えど、並の弾丸では容易く弾く。
清和源氏の具足の守りを、漆を剥ぎ地金に罅を入れ叩き砕いて中へと潜り込まんとする。ヒナの腕前こそが凄まじい。だがそれも。
「この世すべてを壊しましょう───ォッ!」
心の臓に届くには時間が足らず。 - 1621じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 00:13:41
逆手に持った大太刀の鋒を天に掲げたライダーは酔いしれるように叫んだ。
「二刀雷電ッ!シャーレの聖僧ッ!羅城門の川守ッ!何するものかッ!今再びその悉くを屠り去らんッ!天雷ッ……降臨ッ!」
大業の兆候。黒い稲光がライダーを中心に加速するように渦を巻く。高まりは絶頂に。狂喜に浸って喉より裂いた嬌声を上げるライダーは激情にままに鋒を地面へ突き立てた。
「誅伐ッ、執ッ行ォォォォッ!───賊滅ッッ!」
大憤激。閃光、ではない。奈落、そう称すべきだろう。地面に突き刺さった鋒。その針より研がれた刃から放たれ、周囲一帯の地中より溢れ出した魔力の奔流。噴き出した一撃はヒナと戦っていたこの場をドーム状に包む程に広がる。否、ヒナどころではない、戦場を見守るように睥睨していた先生すら巻き込んでも範囲攻撃。攻撃を向ける隙がないならば、攻撃を向けたとて何故か当たらぬとあれば、避けようのない一撃を与えればいい。
「ふふっ……ふふはッ」
成程、道理である。現にそこに居たはずの先生の姿は見たあらない。キヴォトスの外の人間である先生では容易く蒸発してしまうほどの大魔力であったのだから。空間を満たす熱量は、ライダー自身の視界すら魔力である濃色に沈める程。その威力は言わずもがな、半径にしてろ50mはある砲弾を直接叩きつけるとでも言えば分かりやすいだろう。サーヴァントであっても喰らわばただでは済まない大業に違いない。
「如何にシャーレの聖僧と言えど、是この通り。誅伐完了───ごちそうさまぁ」
魔力に触れて尽く白い煙となっていた雨粒が思い出したようにこの一瞬で乾いた大地に降り注ぐ。破滅的な魔力の噴出は周囲を更地にして余韻すら残さなかった。源氏の武より練り上げられた魔性の一撃によって、今宵の戦は終わりを告げた。これよりライダーは残りの首を落としに行く。主が願いを叶える為に殺戮の限りをこのゲヘナで尽くすだろう。
無論の事───。
「───で、これが五手目だったってわけね」
先の一撃が当たっていたのならという話だが。 - 1631じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 00:21:51
はい……終わりませんでした……違うんですサクッと宝具やって終わりにしてヒフミちゃん達のお話行く予定だったんですけど、鎧脱いでからの第二形態の牛鬼モード?はともかくまだ雷落としてないやーってなんやかんな色々書いてたらこんな事に……
じ、次回のざっくりした会話部分は出来てるからあと肉付けなので明日で終わらせて次というかボーナス部分の話ちょろっとやって会議シーンいきますじゃんね☆
1が多分これなら反映できるかなって感じで決めた先生の必殺技?もやるじゃんね☆
ちなみに1はめちゃくちゃ多様というかお世話になってるじゃんね……スキル管理下手っぴじゃんね……
明日はまた19時今度はどかっと投下、頑張ってお話が先に進むので良かったら遊びに来てやってくださいな!
ではでは、今日もお付き合いくださりありがとうございました!おやすみなさい……じゃんね☆
丑御前ちゃん、書くのめーちゃくちゃ難しくて困ってたからそう言ってもらえると嬉しいです!じゃんね☆
- 164二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 00:28:59
おつかれさまです
- 165二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 07:38:09
お疲れ様です
ボーナスはどんな感じなんだろうな - 166二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 11:58:44
先生の必殺技はどんな感じなんだろうな
- 1671じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 15:19:42
- 1681じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 19:38:14
【9-10日目深夜・特殊戦闘イベント(回想)】
勝利の宣言には早かった。確信を抱いて残心を忘れたライダーの頭上より降る声は、銃弾という流星を伴って鋭く落ちる。
「少し焦ったけど……」
空崎ヒナは、無事だった。周囲一帯を逃げ場なく埋め尽くす、地面よりの魔力の噴出。その魔の手から一体どうやって逃れたのか。
「確かに四手目は無視して大丈夫だった」
答えは簡単。地面から迫り上がる魔力よりも速く、空に跳んだのだ。
この世界には目には見えなくても空間を満たす物がある。たとえばキヴォトスであれば神秘やエーテル、サーヴァント達が存在する汎人類史と称される世界であれば薄くとも大源があるだろう。
だがそれ以上に、どちらの世界にも共通してごく当たり前に存在する物。知らぬ人間なぞ誰もいない、多くの生物がその恩恵を受けているのだから。
即ち───大気。
有形無形を問わず物質がその空間に入ってきたという事は、元々そこにあった空気もまた押し出されるのはごく自然の原理のだろう。
科学で捉えられぬ小源であろうと大源であろうと、確かに存在しているのならば物理法則は越えられない。圧倒的な魔力の体外放出によって空間を占有した魔力は、一時的に水槽に水を注いだようにそこにあった空気を押し出すエネルギーを生じさせた。
であるならばだ。
逆にその押し出す力と押し出された空気を利用すれば《吹き飛ばされる》事も可能。
横も下も逃げ場がないのなら、今度は上に行けばいい。無論、言うが易し。魔力の起こりを寸分の狂いなく読み切る観察眼。魔力放出に追いつかれるより前に一定以上の跳躍と距離を稼げる脚力。そして押し出される大気を掴んで空中で完璧に姿勢制御する体幹と身体操作。何より空気を受ける広い面積、たとえば翼幕のような物が必要。だがそれら困難な条件を、この場にいる空崎ヒナはいずれも満たしていたのだ。
「ありがとう、先生」
そして静かな夜空を思わせる大翼は空より今降りてくる。
「やっぱり貴方の指揮はホッとするね」
何もかも焦土と化した地に降り立つのは、朱を指した頬ではにかむ少女。その白魚のように美しいその手には白亜の外套が抱かれていた。 - 1691じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 19:39:55
何もかも焦土と化した地に降り立つのは、朱を指した頬ではにかむ少女。その白魚のように美しいその手には白亜の外套が抱かれていた。
“げほっ、ひ、ヒナーっ!ありがとう!!”
時間がなかったのだろう。成す術なく小脇に抱えるようにされていた成人男性は、ヒナの腕から解放されると咳き込んでから感謝を述べていた。
「大丈夫、でもまた自分のことを計算に入れないんだから」
ライダーの立つ位置から程よく離れたその場所に、二人は着地する。今まさにライダーが殺したと思い込んでいた空崎ヒナとシャーレの先生が五体満足のまま再度戦場に舞い降りたのだ。
“いやぁ、上と横からの攻撃は来たから後は下だと当たりはつけてたんだけど、思ったより広くって”
困ったように頬を掻きつつ、タブレットをそっとひと撫で。それから先生はほんの少しだけヒナへ視線を寄せてから柔らかく微笑んだ。
“無理させたね、でも……ありがとうヒナ。助かったよ”
「……別に貴方の指揮だもの。これぐらい出来て当然。それに無理かどうかなんて気にしなくていいわ」
右手で愛銃を構え直しながら敵を見据えるヒナだが、その頬は緩んでいた。油断などではない。慢心でもない。必殺だと思われる一撃を凌いだ安堵でもないのだ。
「だって───勝てるならなんだって良いもの」
戦闘の最中。お互い、目線が重なる事はない。だが、問題なく心は通じ合う。───貴方がいれば負けるだなんてあり得ない。長い付き合いの二人だからこそ、これまで幾度も二人で多くの危機を退けてきたからこそ。信頼し合う二人には今の言葉で十分。
「(どのみち、こいつはここで叩き潰す……早く便利屋の子達のところに……対策部の子達のところに戻らないと)」
何より、今は戦場なのだとヒナは再度気を引き締める。面貌に隠れたその奥で、相対するライダーが何を考えているかは分からない。また今のような大技を使ってくる事も考えられて、何より次の仕事も待っているのだ。逸る気持ちは僅かに銃身を支える左手に力を入れた。
「(ただ、焦りすぎても良くない。コイツは強い……もし私がやっちゃいけない事があるとすれば仕留め損なって、コイツが市街地に行く事)」 - 1701じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 19:45:40
だが、それでも冷静に。戦場で冷えた思考を連ねるなぞ、空崎ヒナからすればいつもの事。歴戦を重ね続けている猛者の戦闘思考は些細な事でぶれたりしないのだ。
「……やってくれる」
そんなヒナの思考が、ぬるりとした声を捉えた。
「……下がって、先生」
言わずもがな、眼前の先に立つ偉丈夫から。
「口惜しや。こうも見事に我が一刀を退けるか、シャーレの聖僧……《箱の主人》」
しゃがれるほどに押し殺すのは沸々と煮え滾る激情を抑える為か。ライダーからの潰れた賞賛に、シャーレの先生は首を横に軽く振った。
“私一人の力じゃないよ”
それから我が子を自慢するように胸を張った先生は右手でヒナの頬に跳ねた泥をそっと拭いながら、口元に微笑を浮かべる。
“私の生徒が、ヒナがいてくれたからね”
先生からの信頼にくすぐったそうにするも銃口はぶれず。寧ろ益々と言った具合に戦意が昂まっていくのがライダーからも見て取れた。戦場においてあまりにも異質な二人の姿は、どちらかといえばこんな場所より陽の当たる穏やかな教室で過ごす風景をライダーに幻視させる。それを見て、武者は肩を揺らした。
「……相も変わらず詰まらぬ返歌。死の香りもない貴方らしい……ですが、稚児の飯事に過ぎないと侮ったのは、えぇそうでしょうとも。紛れもない我が驕りなれば。重ねて無念、この伽藍の胸も痛みます」
詰まらない、ライダーはそう言い切る。守りさえなければ、今すぐにでもなんの抵抗も出来ないまま首を落とされるだけの無力な大人。語りだけは一丁前に見栄を切っても何する者かと嘲笑する。 - 1711じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 20:02:33
“……君が思う君は伽藍なのかな?”
「伽藍でしょう、空虚でしょう。穴の開いた水桶に水を注いでなんとしましょうか?情操なぞただ溢れ落ちるのみ」
嘲りから始まった問答を無用と言い重ねながらライダーは言葉を静かに連ねていく。
「この身に相応しき忌み名は正しく憤怒。暴食も強欲も身に余る。ましてや嫉妬も怠惰も我が身に不相応。色欲などとうの昔に捨て申した。なれば、我が身に今も燻り消える事なき赫然たる憎悪こそが名残りの花。けれど、嗚呼けれど。宜なるかな、宜なるかな───我が身既に、骸にて」
己が身を死体なのだとライダーは言い切る。枯れ切り腐り果てた血袋こそ自分の霊基だと臆面もなく武者は告げてから、声を荒げていく。
「骸は想わぬ。骸は願わぬ。なれど其の在りよう、狂い咲いた我が本懐に違いなく。ただ平らかなる世に至るが為の殺戮人形こそが、我が父満仲と今生の主が望みし我が宿痾にて」
望まれた、だから間違っていない。面貌に隠れて見えない下で、憤怒のライダーの唇に泡が飛ぶ。翡翠色の眼光が烈勢面を怪しく照らす。
「故にこの手の安綱を振るいましょう。故にこの手の金剛杵で屠りましょう。世に地獄があらば、何もかも壊しましょう。世に悪鬼あらば、悉くを斬り捨てましょうッ!我が理、我が意は梵釈の言なれば。是即ち道理である、天網であるッ!此岸は此岸にあらず!彼岸また彼岸にあらず!三千世界のどこを探そうと此よりは地獄にあるのだからッ!」
神ぞ立つ。ばちり、またばちりと光を焚かれていく。ライダーの霊基から意図しないまでも溢れ出した雷気は、雨を焦がしながら清涼な青に耀くほどであった。強く強く、昂まり荒れゆく語気と共に放電。は激しさを増していく。
底知れぬ魔力量。この勢いのまま放つのも今の様子を見るに容易いだろう。幾度もヒナの攻撃を受けてなお健在。勢い盛んな雷霆と同様に、戦いはまだ長引く。
「御照覧あられよ、釋提桓因ッ!衆生に救いが有らぬのだから、我が律に一遍の過ちはなくッ!だって、そうでしょう?そうだったのですからッ!あな憎しや三法印!なべてこの世が地獄だと申しますればッ!何時ら皆諸共に平伏せよ!私の法に従い頭を垂れろ!首を出せッ!然すれば───!」
“───怖いものがなくなる、から”
ぴたりと雷が鳴り止んだ。 - 1721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 20:14:19
「な、に……?」
萎む雷鳴は遠くでもまた。巨躯の神獣、祇園精舎の御台───丑王大神使もまた、その動きが鈍った。たった一言。シャーレの先生が感情を殺して告げた言葉は憤怒のライダーの瑕疵を突いた結果だった。
茫然自失。武者の鎧からは放電どころか、鎧が擦れる鉄の音もしない。
「何を……いいえ、《何故》」
青天の霹靂。ライダーに何があったのか、一体何故、何が琴線に触れたのかは定かではなかった。だが何にせよ、立ち尽くしたライダーの存在は先生とヒナにとって望外の隙であった。このまま銃を撃っても躱すことは出来ない。堅き鎧と言えど立ち止まって一点への集中砲火をすれば、倒し切れなかったとしても守りを砕け切るには至るかも知れない。
「何故貴方が、そんな目をするのです?何故貴方が、そんな……違う……あってはなりません、そんな事は……」
だというのに、先生はライダーが黙りこくってからの数秒何の指示も出さずに黙っている。タブレットから通知音が連続して騒がしく鳴っている、というのに気づいた素振りもなく。ただただ、真っ直ぐにライダーを見ていた。
「……そういえば」
咎めるような溜め息を一つ。黙っている先生と動揺からかいつの間にか蹈鞴を踏んで半歩片足を下げたライダーとの間に割って入るようにする小さな切り替え。空崎ヒナが口を開いた。
「貴方の鎧、随分と立派ね?私がこれだけ撃ったのに、まだ罅しかいれられない。本当、怖いぐらいに守りが堅いわ」
しんと静まり返るほど凍てた空気もまた罅が入って割れた。反響する雨音に合わせて、思い出したようにライダーの大鎧は雷を纏い始める。
「……は、ははっ。漸く口を開いたかと思えば胡麻擂りとは」
両者の間に流れるのは紫電を伴う緊迫した空気。戦士たるもの常在戦場。先ほどまでの空気こそが何かの誤りだったのだろう。ライダーの口も再び滑らかさと気迫が戻ってくる。
「空崎ヒナ、ゲヘナにあって比類なき武辺者。だというのに、戦の中で詰まらぬ駆け引きを。これでも私は貴方が当世の強者だと聞いて少しは楽しみに「だけど」……なにを」
それを計算に入れた上で、ヒナは割って入る。気勢を、潰しにかかる一手。挑発を実行した。 - 1731じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 20:16:56
- 174二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 20:27:11
同一の存在たる源氏の手の元に自らを殺して律し、生涯最後の時までまでそうあり続けた一人の武者。
―――でも心のどこかでは、ずっと子供のまま怯え泣いてたのだろう - 175二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 20:33:56
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- 1761じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 20:48:52
【Recommend BGM……〈昏き陽の下に〉】
序文はあくまで捨て石。会話の流れを断ったのも自分という存在を意識させる為。たった一言。『怖がりめ』と罵るその一言。今日日、戦場でもまず聞かない下手くそなそれ。けれど、あまりにも。
「それだけ厚く着込んでもまだ踏み込む度胸がないなんて……そんなの宝の持ち腐れね」
「……あはぁ……っ」
その矢は致命的なまでに急所を撃ち貫いていた。
「……あは……あはは……あはハはははハはハはハハハハハッッッ!───なるほど」
絶叫、後に沈着。金板に当てた鑿を引き絞ったかの如き金切り声はライダーの鎧すら突き抜けて響いた。魑魅魍魎が跋扈し、死体が都の道に投げ捨て重ねられ、餓鬼が練り歩く末法にあっても尚悍ましき嬌笑であった。どこまでも艶めいているのに、どこまで死臭を芳醇に孕んだおどろおどろしい情念。殺意を練り上げらた女の叫びであった。
“……ヒナ”
「ごめんなさい、先生。でも、今は時間が惜しい。そうでしょ?」
小さく、名前を呼ばれたヒナは振り向かずに返答する。気持ちは分かる、何を言いたいかも何となく理解している。先ほどの会話の中で、シャーレの先生が憤怒のライダーに何かしらを見出したというのも、長い付き合いのヒナは勘づいている。
それを全て承知の上で、優しすぎる男に優先順位を突きつけた。
「構いません、構いませぬとも……!いいでしょう、良いでしょうともォッ!」
眼前で猛り吼える魔性鬼神、彼女を討たねばならないのだから。そして会話の中で動揺の波が生まれたというのなら、都合が良い。細波を大きな波濤にしてやれば、これまでの戦いよりずっと分かりやすくなる。動きが、太刀筋が。今実際にそうなりつつあるように頭が逆上せて動きが単調に限定させた方がずっと良い。そうすれば、ヒナとしても大技を出せるのだかは。
“……そうだね、すまない。ちょっと足を止めたくなった……これは私の悪癖だ”
「知ってるわ、そんな事。でも大丈夫」
ヒナは唇を吊り上げた。 - 1771じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 20:49:47
- 178二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 20:55:08
シロモップ可愛い可愛いね
- 1791じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 21:27:58
「何を長く語らうかと思えば……つまりはそういう事。であれば是非もなし───鬼事は仕舞いに致しましょう」
対し、憤怒のライダーは怒気を孕む。大気が揺れるほどに壮絶な雷電を迸らせ、唸りを上げて大太刀へと魔力を注ぎ込む。ヒナの挑発は上手くいっていた。上手くいき過ぎていた。虎の尾を踏むどころか、鬼の腑を突いていたのだ。
「えぇ良いですとも、良いですとも。童の浅知恵、乗ってさしあげましょう、殺してさしあげましょう……ッ!」
そうして莫大な魔力がライダーを中心に膨れ上がる。魔力の余波で燃え盛る黒煙が立ち昇り、暗雲から重なるほどに雷鳴が鳴り響く。
“そうだね、ありがとうヒナ……どうやらあの子も切り札を使うみたいだね。それじゃあこっちも”
先生もその兆候とヒナからの言葉で既に切り替えを済ませている。相手が何者でどんな意図と目的から聖杯戦争に与しているかも先生達には分からない。だが、どちらにせよここで倒さなくてはいけない相手なのだという事は理解しているのだから。
故に。
“───全力で勝ちにいこう”
シャーレの先生とゲヘナの風紀委員長は共に切り札を切った。 - 1801じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 21:28:51
【Recommend BGM……〈OST 203〉】
丑御前、電母とならん。
祭囃子の太鼓は雷霆。叫ぶ合いの手は熱り立つ鳴轟。ライダーから発せられた魔力は稲妻となりながら夜の闇も、それを赤々と照らしていた筈の戦火も見えなくするほど眩く輝く。
“ヒナ、発動待機”
「了解、実力行使でいきましょう」
一言。先生からの言葉を受けたヒナもまた短く返す。ライダー比べて二人の様子に変わりは見られなかった。空中から舞い降りた時からし続けている構え。けれど、一つだけ。明確に差異が生まれる。
“感覚合わせ。座標軸設定開始、射線そのまま”
「さあ、参りましょう!詣りましょう!屍山血河の向こうへとォォッ!」
丑御前は気づいているだろうか。二間程離れた両者の距離でのその変化はあまりにも小さく、起こりも動きとしては生まれなかった。変わったのは、丑御前を見るヒナの瞳。
「悪いけどそんな悪趣味な場所には」
花紫だったヒナの右眼が今は淡い空色に輝いている。その輝きはあまりにも小さかった。だが、夜闇にも戦火にも、ましてや紫電にも負けぬほど鮮やかに澄んでいる。
「───勝手に一人で行ってもらえるかしら?」
そんなヒナの瞳とは反対に先生の視界に広がるのは静まり返った色。過集中か、はたまた何かしらの装置の影響なのか。発動待機、その一言を後に先生とヒナの視界はリンクして、視界に映る全ての光景は《極限まで時間が引き延ばされる》。
「左様ですか、けれど……嗚呼けれど!どうせこの世は地獄なればッ!彼岸も此岸も違いがありましょうかッ!───矮小十把、塵芥になるがいい!」 - 1811じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 21:30:18
体感時間の延長。ライダーの動き、攻撃の起こり。環境の変化から動作の流れまでを全て把握して完璧なタイミングを知覚する、シャーレの先生の切り札の一つ。一秒の差が生死を分つ戦場にあって、一瞬の隙を完全に己が物とする最強の瞳。そして今。
「牛王招力ィィィッ───ッ!」
ゲヘナが誇り、先生が信頼する生徒の視線と共有される。
“───撃って”
憤怒のライダー、丑御前が振るうは雷神の神楽。左脚を曲げ、逆足を伸ばして背を向ける独特の構えを取り、体重移動と共に前へと剣を一度回転。加速によって雷気は激しさを増し今解き放たれる。
「怒髪ッ───天昇ォォッッッ!」
「そう、随分と悲観主義なのね。私は」
此処に勝敗は決した。真名は解放され、紫電は射線に存在する一切の生物を焼き払う熱量を太刀筋に乗せて放たれた。
「地獄も嫌いじゃないわ。だってたとえこの世が地獄であっても」
そう、放たれた寸分違わぬその瞬間。真名解放の隙間に差し込まれるようにして既に放たれていたヒナの《砲撃》、終幕:イシュ・ボシェテが。
「───この人が傍にいてくれるもの」
憤怒のライダーの霊核を撃ち抜いていたのだ。 - 1821じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/26(水) 21:39:26
対憤怒のライダー戦しゅーりょー!なっがかったー……ほんと遅くなってごめんなさいじゃんね……
とりあえずこれでUSBの視聴シーンは一回おしまい、この後明日の安価に向けてちょろちょろっと導入の会議シーン書いてボーナスへの布石を書くじゃんね☆
短くなるけどそれで今日の更新はおっしまいじゃんね☆
とりあえず先生の切り札は一時的にめーちゃくちゃゆっくり見えるよって感じじゃんね☆
これはスキル長押しのやつを1なりに再現した感じじゃんね☆スキル回し苦手な1からするとめちゃ便利なシステムじゃんね☆視界共有してるのは切り札使って瞳の色が変わったらお洒落かなぁってぐらいのノリじゃんね☆
じゃあ1は続きを考えてくるじゃんね☆
かなりずらしはいれたけど、多分マイルーム会話とか見てる限り根っこの部分にはあるんだろうなぁって……じゃんね☆それはそれとして、あまりにもどストレートに傷を抉られて激おこな丑御前ちゃんじゃんね☆
戦場でもイチャイチャしててほしかったじゃんね☆でも別にこの二人は付き合ってないしまだまだ先生の周りには強敵だらけじゃんね☆がんばれヒナちゃんじゃんね☆
- 183二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 21:51:53
スキル対象選択時のスローモーションはタイミング見計らうのに便利わかる
- 184二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 22:07:01
英霊が宝具を解放する時必ず隙が生じる。事実平安京では頼光さんがそれをやってのけた。いくら人智を超えた存在といえどスローモーションで見られたら指揮官であればチャンスを見出せると言うもの。
シンプルだけどかなり強力な切り札だぁ。 - 185二次元好きの匿名さん25/02/26(水) 22:39:17
泣いてる子供相手に先生が負ける道理はない!
まあ今回は向き合う訳にはいかなかったんだけどね - 1861じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 00:03:47
【10日目午前/早朝・導入イベント】
カスミさんから渡されたUSBの中身を見終えた私たちは圧倒されてしまいました。
「前に見たペロロ様と同じぐらい大きかったです……」
ハルナさんからのメッセージ。ヒナ委員長と先生が憤怒のライダーという方と戦っている映像。そしてその映像の背景にしっかり映り込んでいた、巨大になったライダーさんがあの大きな怪獣が戦っている姿。もうどれから話し合えば良いかもさっぱり分かりません。
「ああ、ライダーが変身した姿もあのウシゴゼンとか言うのが出した奴も、ヒフミと見たペロロジラにも匹敵する体格だった……カスミ、どちらでも良い。ライダーの最後については?」
「あくまで部員が夜が明ける前にSNSやモモトークで集めた情報で聞く限りはあの頭のない牛はライダーの拳で沈んだらしい。えらい騒ぎだったから遠目とは言え見た人間はそれなりにいたらしい……もっともその後に情報統制を敷かれたから今探してもさっぱりだけどね。そしてその後についても、という話さ」
私よりすらっとして細い足を組み直したカスミさんが肩をすくめて教えてくれました。どうやら此処に来る前にも何かと調べていてくれたみたいです。そんな彼女は何故か、というかわざとらしいぐらいに周りをきょろきょろとしてから声を顰めつつ私達に問いかけました。
「さて、如何だったかな?ゲヘナで起きた大怪獣バトルの様子は。あー……ちなみに言っておくが、私にはこれ以上の情報は《文字通り一つもない》。良いかい?君らの魔術だとかいう訳の分からん物に関しては人並み程度、そして一般常識的なラインでの理解しか持ち合わせてない私が改めて言おうか。そう、私はこれ以上の情報を持ち合わせてないんだ」
もうこれだけでも十分な情報。だというのに、念を押すような言い方に私やモモイちゃんは首を傾げているとセイバーさんが苦笑いしながらキャスターさんへと声を掛けました。
「……キャスター」
「……なるほどな。だが、問題あるまい。我は確かに精通しているわけではないが、如何であるか程度はこの距離で見れば分かる。カスミよ、それに関しては案ずるな。少なくとも魔術的な監視や呪詛の類をお前は受けてはおらん」
その言葉に、少しだけ目を丸くしてから肩の力を抜くようにカスミさんは息を吐かれました。
「そうかい、なら少しは安心したよ。あー……よければなんだが」 - 1871じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 00:13:15
「昼間であれば構うまいな?」
「僕らはね。どうせ昨日の晩の時点で相手に居場所は割れてるとわかっているんだ。今更だよ、ただ一応確認し終えるまでは」
「相わかった。この件は人手もある我とそうだな、もう一人が預かろう。ただし、カスミよ。分かっているだろうが、まだ我らのマスターに確認は取れておらん。お前が気にするなら、頭を下げる相手を間違えるなよ」
セイバーさん達がとんとん拍子で何事かを話されていくのを見守るしかない中、カスミさんは立ち上がってから頭を下げられました。
「勿論だとも。けれど、いいや。やはり感謝するよミスター」
そんなカスミさんに通話越しでセイア様が話しかけられます。
『さて話は纏ったね。我々だからこその心配、というのはよく理解できるよ。その上で、こうして有益な情報を持ってきてくれた事には感謝したいところだが、確認させてほしい』
その言葉にカスミさんは頷きながら着席して、またいつもの不適な笑みを浮かべられました。さっきまでなんだかしおらしくてちょっぴり可愛い姿からは一転、今は映画『ゴッドブラザー』に登場するドン・ペロロ様みたいな貫禄ある感じです。
『君は確かシャーレが率いた特殊部隊、つまり聖杯戦争対策部は壊滅し先生を含めて行方不明と言ったね。それはつまり《そういう事かい》?」
「如何にも、百合園生徒会長。ちなみに私がこの中身を見たのも今が初めてさ」
『……朗報、でいいのかしら?ウタハ』
「承知した。ただデータの吸い出しぐらいならこちらでもなんとでもなるけど、流石に修復となるとそうもいかない。プログラマーが欲しいな、会長」
これまたとんとん拍子で話がどんどん進んでいくのでちっとも状況が分かりません。掻い摘むんじゃなくて、もう少し分かりやすく説明してくれないと私もモモイちゃんもさっぱりです。コハルちゃんなんかもう完全に目を回してハナコちゃんとユズちゃんに慰められてますし、アリスちゃんなんか分からなくてミドリちゃんとアズサちゃんを連れてお茶を淹れに行ってしまいました。
「あの、皆さんいったい何を……?」
一体全体、さっきの会話で何が分かったのか。それを尋ねた私にセイア様はいつもとお変わりのない穏やかで知的な笑みを浮かべながら答えてくださいました。 - 1881じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 00:21:22
『何、大した……いや、極めて重大な案件ではある。だが、それ以上に我々の状況というのは思ったほどは最悪ではなかった。そういう話さ』
『いい?ヒフミさん。USBのデータには見た限り、明らかにおかしな部分があった。そしてそのおかしな部分自体が一つの重要なメッセージになっているの』
調月会長の言われる事が思い当たらなくて口が思わずへの字に曲がってしまいます。確かに映像はヒナ委員長の攻撃で終わって、確かに憤怒のライダーという方の霊核?というのを撃ち抜いたところで終わってました。それ以降のデータがない、という意味では確かに変かもしれません。けど、それ以外には何があるのでしょうか?
『無沙汰こそが無事な便りというやつだよ。短絡的かつ楽観的な思考は時に狭隘な思い込みに囚われるが、だからと言ってそれを廃し続けるというのは人としての面白みに欠ける。希望に縋るのは悪しき事だが、希望的な可能性すらないと断じてしまえば上手くいくものも上手くいかない。つまりだ、分かりやすく言おう』
そしてセイア様は一度息を吸ってから。
『行方不明になっている筈の人間、シャーレの特殊部隊。彼らの中には間違いなく無事な人員がいて、そして恐らく今もゲヘナで我々がコンタクトを取るのを待っている、という話さ』
歌うように、私達がすごく気になっていた先生が無事かどうかに関わる大事な事についてさらりと仰ったのです。 - 1891じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 00:28:13
というところでおしまいじゃんね☆ボーナスは⑦を選ばれたからちょっとUSB関連に仕込んでた物を開示するじゃんね☆
明日はセイアちゃん達が気づいたUSBの違和感についてにさらっと触れて解析に回すところから、そのあとは会議シーンじゃんね☆
しっかり約三ヶ月?振りにヒフミちゃんが登場したじゃんね☆ちなみに笛の方だと丸一ヶ月登場してないじゃんね☆
明日は多分、会議の内容を軽くまとめたりする中で聞きたいことや話し合いたい事なんかの軽めの安価とか、各校代表&カスミちゃんに質問したいこととかの安価を2回ぐらいするじゃんね☆多分☆
SS遅くなっちゃってごめんなさい、なんとかヒナちゃんの戦闘シーン書き終えれて良かったですけどだいぶ長いことお付き合いしてもらっちゃいました……次はもうちょいサクッと!いきたいじゃんね☆
ではではみなさん、今日もありがとうございました!おやすみなさい……じゃんね☆
明日は19時ぐらいからぼちぼちやって20時ぐらいから安価じゃんね☆ - 190二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 00:29:05
乙でした~
- 1911じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 00:43:49
- 192二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 01:01:55
おつかれさまです
確かにライダー戦かつライダーの霊核を撃ち抜いた映像を届けられてるって事はUSBに入っているデータはそれ以降に入れられたものだろうし
つまりカスミに渡されたのもそれ以降だって事を考えればシャーレの特殊部隊の中に無事な人員がいるんだろうな
あとそういえばカスミが居るなら、7日目の探索でトリニティとゲヘナの境界線の東側で見つけた爆発婚(3スレ目861、862)について聞いてみるのも良いかも?
爆弾をよく使ってるなら詳しい可能性あるしゲヘナ生だから便利屋についてもこちらより詳しいかもだし
”【便利屋68内に、陸八魔アルの聖杯戦争に対する方針と噛み合わないメンバーがいる】”
について誰かわかるかも? - 193二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 09:15:41
お疲れ様ですじゃんね
今の陣営まとめとかあると助かるじゃんね - 194二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 13:18:01
お疲れ様です
これでゲヘナに行くって選択肢が増えたのかな?
いっそ3つのチームに分けるってのもありかもな
ゲヘナに行く班黒服と会う班サクラコと会う班の3つに
この人数なら全員まとまって動くよりチーム分けた方がいいだろうし
戦力分けとしてはゲヘナに行く班を一番多くする感じで
それで黒服と会う班をヒフミとセイバー、アズサだけにすればどんな情報を得ても空中分解につながりそうなやつだけ言わなきゃいいし
質問に関しては悩むな
何を聞くべきか - 195二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 14:40:37
リオとキャスターの会話を笛で見返したけど
・今回の聖杯戦争は後から便乗して利益を得ようとするものこそいるが発端は偶然である可能性がある
・偶然の場合発端にヒフミが関わっている可能性があり、それに伴ってヒフミにはなんらかの厄ネタが眠っている
・監督者である黒服はそれについて知っており同盟側に話す可能性がある(これは黒服の性格によっては話さないかもしれない)
・聞いてしまった場合同盟は意見の対立によって空中分解しかねない(ダイス判定等で回避可能?)
・アズサはヒフミにつく
・リオが気付いたのは過去に何かを見たことがあるから(色彩?クロスの先例であるとあるイベ?)
・一定以上の頭脳と今回の聖杯戦争の知識があれば推理は可能
あたりが言えることかな
分裂時にハナコとコハルがヒフミについてきてくれないのが気になる - 196二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 15:20:02
おひる休みじゃんね☆今日は日!直!だから遅番……明日は早帰りしてちゃっちゃか書きだめとバーサーカー戦書き上げたいじゃんね☆
あと、もしかするとこのスレからの人もいるかもしれないからお伝えしとくじゃんね☆
1はハッピーエンド主義者じゃんね☆
ありがとじゃんね☆
そこら辺のツッコミと今後の会話内か🎲でもう一つ気づかないとこの早朝にはフラグが立たなかったじゃんね☆ちなみにフラグ発生しないままのの場合はもっと後、夜とか情報出す予定だったじゃんね☆
なんて懐かしい物を……じゃんね☆
ありがとじゃんね☆確かにじゃんね☆9日目深夜の状況と10日目会議の内容に関して、改めてまとめるじゃんね☆
セイアちゃん喋り終わったらハナコちゃんかアヤネちゃんあたりに喋ってもらお!じゃんね☆
ゲヘナへの導入にしつつボーナスに関してはまた別じゃんね☆
チーム分けは人数多いからこそ出来ることじゃんね☆
ハナコちゃんもコハルちゃんも絶対に着いてこないじゃんね☆着いて来させるのは多分もう遅いじゃんね☆
ただまあ1個だけ。話なんてものは心の持ちよう、捉え方次第。若い頃に大切なのは起きた後より今で、起きてしまったなら後は大人になった時に笑い話に出来るようにする事だけ……じゃんね☆
- 197二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 15:23:32
- 198二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 18:28:14
- 199二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 18:43:28
もう捕食されて死んだ生徒が出てるからな
どういう手段を取れば完全無欠のハッピーエンドになるか
極端な話最終的に犠牲者が戻って来る完全無欠のハッピーエンドになるならその過程でどれだけ犠牲が出てもいいって考え方も出来るけど
それで上手くいけばいいけど上手くいかずに失敗した場合悲惨な結末になるし - 200二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 18:51:13
- 201二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 19:31:43
はーい、これから帰るじゃんね☆とりあえず職b……学校で居残りしてる時に軽く会話文だけは仕上げたからあとは肉付けしたら安価までいけそうじゃんね☆
……問題はまとめじゃんね☆とりあえずPart6スレ見てなんとか考えるじゃんね☆
ノーコメントじゃんね☆
ただ唯一のデッドエンドは間違いなくヒフミちゃんが自分でヘイロー砕く案件だけで、多分それは現状はほぼないじゃんね☆
1はパヴァーヌモモイちゃんも絆ストのモモイちゃんもこの前の炎の剣モモイちゃんも、あとだいぼうけんモモイちゃんも大好きじゃんね☆
あとゲームでも普通に頼りになるからありがたいじゃんね☆
フェアじゃないしこの件は心配させちゃうからお伝えしとくじゃんね☆
①ヒフミちゃんは食べられる形で犠牲になった子がいるのを知らないし、知っているのはティーパーティ上層の三名のみ
②食べられた被害者に関してヒフミちゃん達が出来ることは、戦ってこの聖杯戦争をどんな形であれ終結させる以外にはない
……じゃんね☆
まあだからと言って犠牲を許容し過ぎたら流石にヒフミちゃんも気づくじゃんね☆
あと怠惰のランサーとかが即死効果打ったら流石に取り返しがつかないから注意がいるじゃんね☆
これもフェアじゃないからお伝えするじゃんね☆
その時の状況だったりにもよるけど、よっぽどの事がない限りは即戦闘にはならないじゃんね☆
ただし空中分解したらヴェリタスもティーパーティも安価で頼れないじゃんね☆
- 202二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 19:34:21
空中分解については前スレでミカ主が”1の想定ではヒフミちゃん達が空中分裂するのは最終局面一歩手前になるじゃんね”って言ってたし
何かそういう戦略的なピンチというより物語上において直面する困難、乗り越えなければいけない困難って可能性の方が高そうに見えるし
どんな状況になるのかは今は見えないし、ぶっちゃけ現時点でその際の戦略を想定してもあまり意味は薄そうな気もする
まあつまるところ、現時点でそんなに悲観的に備える必要は無いんじゃないかな?って
可能な限り最終局面一歩手前まで先伸ばされるようというか起こるとしても他のマスタ―達の攻略後に起こるように、今はその情報を得てしまう事を避ける様に立ち回る、くらいで良いんじゃないかな?とは思ったり
- 203二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 19:39:00
- 204二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 19:44:24
- 205二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 19:50:28
- 2061じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 19:59:49
- 207二次元好きの匿名さん25/02/27(木) 20:07:26
まあ黒服の性格的に空中分解に繋がりかねない情報を意味なく話すとは考えにくいか
取り引きの結果か、話すことで黒服が得をするか、話さざるを得ない状況に黒服が陥るか
会いに行って黒服がそれをすぐに話すってことはないはず - 2081じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 20:23:16
【10日目午前/早朝・導入イベント】
【Recommend BGM……〈Vivid night〉】
『今回のメッセージは二種類あった。一つは黒館ハルナから。そしてもう一つは彼女が危惧していた通りの物だ』
行方不明になった先生達《聖杯戦争対策部》。その中にはアズサちゃんの大切な家族も、私のお友達も。そして私達みんなをこれまで支えてきてくれた大事な先生もいます。
そんな彼らについて、セイア様は無事なのだとは話し始められました。
『ハルナちゃんっていうあの子のメッセージからして、自分が直接伝えられなかった時用だったもんねぇ』
─── ですから、このメッセージ《以外で》もし、この端末に何か別のデータがあった場合
ハルナさんからのメッセージの中にあった不思議な言い回しをホシノさんの言葉で思い出しました。確かに彼女は自分のメッセージ以外に何かデータがあったのなら、それは先生から私に宛てた物だと。実際中に入っていたのは。
『そう、そして彼女のメッセージはライダー陣営との戦闘前に録音した物だという。つまりだ、先生と空崎風紀委員長の戦闘記録に関しては黒館ハルナが録音した後に撮影された物。もっと言えば、恐らく先生が撮影した物だろう』
セイア様の言う通り、ライダー陣営との交渉が始まった昨夜23時直後と戦闘が開始された翌1時直後、そして2時15分に憤怒のライダーという方が乱入してからの十数分間の映像でした。
『憤怒のライダーだっけ?あいつの目線や振る舞いを見る限りじゃ物陰に潜んだ誰かが……って感じじゃなさそうかな』
『小鳥遊委員長のお墨付きを貰えるとは有り難いね。では話をそのまま進めるが、先生が撮影したとするならここで二つ疑問が生まれる。その一つは一体誰がUSBデータを届けたのか、だ』
セイア様の細くて小さな指がちょこんと二つ立ちました。モモイちゃんが「ピース、ピースだよ、ピースしてる」とか小声で突っついて来ますが無視です。こら、アズサちゃんも「ピースだな」って話に乗っちゃダメですよ。 - 2091じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 20:28:06
『黒館ハルナから先生、もしくは届け人の手に渡った経緯は簡単ね。自身の万が一を考えて最も生き残る可能性が高い、もっと言えば鬼怒川カスミさんか下倉メグさんだったかしら?彼女のところに届けられる生徒に託したというところね』
「そしてその中の誰かっていうのを鬼怒川さんは知ら……あの、知らない、かも……ってその……でもまだ《数》のことが……」
調月会長の言葉に続いてユズちゃんが言及するのは数。握り拳を口元にあてて、悩んでいる様子に私達は『数?』と頭を傾げてしまいました。ハルナさんと先生、それぞれ別の方が撮った映像を一体誰が届けたのかという謎があるのは理解できましたが数については検討もつきません。
そうやって頭から煙を出したコハルちゃんとその頭を扇いでいるアリスちゃん達に微笑みながら、ハナコちゃんが口を開きました。
「セイアちゃん達が言ってるのと合ってますよ、ユズちゃん。そしてもう一つの方、数が合わない事も……そうですよね?」
『その通り。君の予想通りだよ、花岡ユズさん。そしてだからこそ先ほどの会話で君は心配していたのだろう?───鬼怒川部長?』
「ああ、正解だよ。私も、裸のUSBを指定のコインロッカーで受け取ったメグも誰がこれを届けたのかは分からない。そして後半も正解さ、だから私達は危惧した」
セイア様からの確認に、左頬だけ上手に吊り上げた皮肉っぽい笑みを浮かべたカスミさん。結局誰が届けてくれたのか、という思考に待ったをかけたのはカスミさん本人ではなく。
「そこからの話は我が引き取ろう」
意外な事にコトリちゃんとヒビキちゃんにタブレットを使って、機材の用意でしょうか、何か指示を出していたキャスターさんでした。
「鬼怒川カスミ、この娘が先の会話の中で態々言及した魔術云々について。我とセイバーは一般的な魔術に対する認識、つまりどちらかと言えば学問的な物ではなく非常に原始的なそれや中東やアジア圏……うむ、少々あれなたとえか。要は誰が届けた物か分からんこのUSBを持ってこの場に運んできた事に対する魔術的な呪詛なりを受けたのではと懸念している、と推測した」 - 2101じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 20:48:35
「確かに魔術に対する知識がなければ、一般的にフィクションでよく見かけるそういう曖昧模糊としたイメージを抱いてしまうのは仕方ないよ。実際にないわけではないしね……とはいえ今回のUSBに関して、そういう魔術的なトラップというのはないと考えていい」
思い返してみるとお二人の言う通り、カスミさんがこれ以上の情報を持っていないと言った時、物凄く迂遠な言い方をされていました。そして、USBは《誰が届けたのか分からない》というのも確認できました。それを考えると敵か味方か分からない誰かに監視されたり、魔術で攻撃を受けるんじゃという事を警戒されていたというのは言われてみると納得できる話でした。
「気にするというのならば、だ。モモイ、ヒフミ、ミノリ。ここにいるお前達全員がよければになるが、後で鬼怒川カスミが連れてきたという残りの部員達も一応魔力やその痕跡、或いは魔術的な影響がないかの確認を我がしてやっても構わないと思っている……というのがさっきの話だったわけだ」
セイバーさんが言っていた昼間ならというのはそう言う事だったかと得心するとスパルタクスさんはゆっくりと首を何度か頷かせていました。
「おお!叛逆者達よ!目に見えぬ呪いに恐れるか!だが、怯える事はない。健全なる君達の……ふむ、なんというか少し暴力的で短絡的な活動に掲げる精神に何の翳りはないのだから!」
「貴様は何も調べておらんだろうが、バーサーカー」
「おお……それもまた叛逆ぅ……」
「……まあ、狂化しながらも貴様の眼は随分と曇っていない。その眼で見て、そう感じるなら馬鹿に出来た話ではな「おお!圧制に立ち向かう同士よ!」ええいっ!貴様の判断基準はそれしかないのか!?」
「まあまあ、それもまたバーサーカーらしくて好ましいじゃないか。僕は好きだ「セイバーよ、そこでカットだ。一々歯の浮く台詞はやめるといい、モモイの教育に悪い」ひ、酷くない?」
肩を落としたかと身を乗り出して熱い抱擁を求めるスパルタクスさんに絶対嫌だと蒸気を出して怒るキャスターさん。あとにこやか爽やか王子様スマイルをしたところでキャスターさんとスパルタクスさんがそれぞれ、モモイちゃんとミノリちゃんをその背中に庇うようにして立つのを見てしょげるセイバーさん。男性御三方で戯れあってるのは分かってますけど、これは後で慰めてあげなくてはですね。仕方ないです。 - 2111じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 20:57:23
「話が逸れたな。とにかくセイアよ、魔術に関与しない形で誰かがUSBを届けたのならばそれは聖杯戦争対策部、延いては先生なる男。行方不明になったと聞いているその者達の中の誰かが戦いが終わってから届けた、そう考えるのだな?」
『……まとめてくれて助かるよ、キャスター。サーヴァント間でも大変仲も良いようで何よりだ。さて、誰が届けたのかをここまでが一つ目の疑問。そして残す二つ目の疑問、こ!は花岡ユズさんとそこのハナコが言った通り───数だ』
ちょっと困った顔から一転、セイア様は真剣な顔をなさって私達の目を見ます。
『可笑しいとは思わなかったかい?映像記録の中で挙げられた生徒の数。その中で明らかに一人足りなかった生徒がいた』
一人足りない、と言われたところで私達は顔を見合わせました。映像の中で作戦開始前に映っていた作戦メンバーの数。私達が数えた限りでは十三人ちょうどだった筈でした。
そう思っているとセイア様は、
『───聖園ミカ』
私たちもよく知る彼女の名前を挙げられました。
『映像にはなぜか一切映っていなかった。だが私がこの会議の最初に伝えた通り、ミカはシャーレに協力、つまり聖杯戦争対策部のメンバーであり昨晩もちょうど他のメンバーと共に便利屋68との交渉と戦闘に赴いていたのさ』 - 2121じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 21:21:53
言われてみると映像を見る前にミカ様が、ハルナさんのメッセージにあった《聖杯戦争対策部》の実働メンバーの一人だったとセイア様が仰っていたのを思い出します。
『ミカは知っての通り思慮深さに些か欠けていてね。案の定というか病院にいる本人から確認した限り、直接教会で行われた交渉には赴かず、先生の指示から周囲で待機していたらしい。その後はライダーや便利屋68と戦闘し、途中でナギサからのSOSを受けて離脱という流れだったらしい』
紅茶を一口飲んでから、小さく溜め息を吐かれたセイア様はモニター越しにはなりますがお疲れの様子でした。恐らく昨晩から働き詰め、なだけではありません。
「(……ナギサ、様……)」
今のお話の中にあったナギサ様の一件。暴食のセイバーと名乗る敵との戦いで傷つかれたという話です。私でも、そうなんです。いつも共におられて長く共にトリニティを運営されてきたナギサ様の親友であり戦友であるセイア様にとって思い出すのも御辛い事なのだと思います。
『百合園生徒会長の言うのが正しい、となれば昨晩の作戦に参加した人数として映像内に映っていた13人の数は誤り、というか誤認を誘うような映像になってるわ。そしてそれ自体も不自然なのよ』
それを汲んで下さったのか、少しだけ痛む空気が流れるのをさらりと流してしまうように、調月会長も疑問を口にされました。
『前半のメッセージは黒館ハルナ、後半のメッセージは先生。もちろん撮影者は違うから意図が異なる可能性はあるわ、けど黒館ハルナはメンバーの名前を誰一人として挙げなかった。なのに後半にはしっかり参加したメンバーが映っていた』
アリウスのみなさん。SRTのみなさん。美食研究会のみなさん。そして、ヒナ委員長と先生。ハルナさんは敢えて言葉を濁して誰とは言わなかったのに、後半の映像ではしっかり姿が映っていました。
『……そもそも後半の映像は、黒館部長が言うにはイレギュラーの映像を残す必要があると先生が判断して撮影した物になります。でもその映像には明らかに誤りがある。そしてそのメッセージを届けたのは無事なメンバーの誰か』
『第一これ先生が撮ったならまだ足りない部分があるよね?……便利屋ちゃん達と先生との交渉、映像自体は23時から始まって、なのにそこから1時まで急に飛んだ。要するに、その部分の映像がまるっと2時間分の映像がなくなってる』 - 2131じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 21:22:53
- 2141じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 21:33:55
「先生か届けてくださった生徒さんか、それとも第三者の介入なのかは分かりませんが。前者ならきっとある筈です、オリジナルのデータか」
ハナコちゃんは神妙な顔でそう言ってから、私達が気づいた疑惑の中に残される大切な手掛かり。
「もしくは作戦メンバーの人数や誤りに気づいた、そして気づく事のできる達の生徒だからこそ調べる事で見つけられる……先生からのメッセージが」
それがまだ残っている可能性があると言いました。ハルナさんが保険をかけて、それを下倉先輩という方が無理してでも引き受けてくれて、そして今カスミさんから渡してもらった大事なUSB。その中には希望が残っている。昨晩から後手に回ってしまって、ナギサ様も、ミカ様も、ユウカちゃんもノアさんも。他にもたくさんの方が傷つかれた。先生だって行方が分かりません。悲しさも苦しさ、何より悔しさとこれからを思っての怖さもある。ですが、もしかすると。いいえ、きっと。
先生はどんな形であれ私達に逆転の目を残してくれていた。それを想うと震えるぐらい勇気が湧いてきました。皆さんの目を見れば同じ気持ちの様子。私の掌にあるこの小さな箱の中には、先生からのメッセージが残ってる。誰もがそれを見つけて、必ず次の一歩を踏み出すぞと俄然やる気が溢れた目をしていました。
『ええ、というわけで有識者を呼んできたわ』
していた所でさくっと調月会長が言うものですからちょっとずっこけそうになりましたが。 - 2151じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 22:03:10
『あーはいはい、呼ばれたから来たけどまた厄介なことになってるみたいね、モモイ』
心なしかちょっと胸を張ってるモニター越しの調月会長の隣に立たれたのは、私達もお世話になってる方。
「ち、チーちゃん先輩!」
電子戦のスペシャリスト集団、ヴェリタスの副部長である各務チヒロ先輩でした。
『それやめてって言ったでしょうが……あんた達は元気そうね、正直ホッとした』
「先輩もね!……昨日の晩、ユウカ達と一緒に戦ってくれてありがとう」
『……おバカ。後輩が気合い入れて仕事してるのに私達が働かないわけないでしょ?』
優しく目元を緩める彼女の姿は、頼れる先輩の姿としてすごくかっこよくて温かったです。各務チヒロ先輩、モモイちゃんがよく出入りしてるというヴェリタスの副部長さんは、やっぱり彼女が懐いているのが良く分かる素敵な方でした。
『チヒロを呼んだのは他でもないわ。昨晩の件を考えるに敵と想定すべき存在について私達はまだ知らない事が多過ぎる』
二人の会話を黙って見守っている調月会長。そんな彼女に咳払いをしてから肘で軽く脇腹をつついたチヒロ先輩に対して、調月会長は不思議そうな顔をしてから話し始めました。
『ランサー、ライダー、アサシン……そしてアーチャー。彼ら四騎が残っている中で現れた新たなサーヴァント達。けれどその目的や勢力の大きさについても含めて』
『私達サンダー陣営は何も分かってないわ』
確かに、と頷こうとしたところで待ったがかかりました。誰かからではありません。私達全員から、です。 - 2161じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 22:24:21
「あ、あの調月会長……?」
『あら?どうかしたかしらヒフミさん。何か疑問や気づいた事があったら教えて頂戴。現場のメンバーである貴女達の気づきは重要な事に繋がる可能性が極めて大きい……私はそう思うの。だから報連相はしっかり行なっていきましょう』
優しい目をしている調月会長。本来の物より小型化された廉価品とはいえかなり高級かつ来年どころか再来年まで予約でいっぱいというDXアバンギャルド君を私達の為に準備してくださったり、連邦生徒会にもアクションをしてくれてたすごい人です。なにより私達同盟陣営にも実際に足を運んでこれまで色んな会議で知恵を出してくださった大切な仲間、だと思っています。
だから私は、勇気を出して聞いてみたんです。
「あはは……では、そのなんだか聞き慣れない陣営の、そうえっと、さん『ああ、サンダー陣営ね』あはい」
ああ、聞き間違えじゃなかった。サンダー陣営という謎の名前が私達同盟陣営の名前ですよーって《直感》が教えてくれます。一体その名前はいつから、と私達が困惑する中、調月会長は気にした様子もありません。
『質問は終わりかしら?そちらは地下ですし通信状況によっては聞きとり辛い事もあるかもしれないわね』
なんでしたら私が聞き取れなかったと思ってかフォローまでしてくれました。
『サンダー陣営の拠点として今後はその点につ「待って待って。何その名前!?」どうかしたの?モモイ』
「いやいやいや!違うよ会長ぉ!名前!その聞いた事ない発電所にいそうな陣営の名前はなんなのさ!?」
そう思って誰がつっこむか一瞬私達の視線が交差したタイミングで、それより早くモモイちゃんが豪速球で疑問を調月会長に投げつけました。
『なにってサンダー陣営よ。「いやだから待って何それ!?だからどこの陣営なの!?」分からないかしら?私達の同盟陣営の名前よ「あー!やっぱりウチかー!……って、いやいやいや!?私達聞いてないよ!?」ああ、昨日の夜思いついた「あ、思いついただけならまだセーフ……」の。今日みんなに命名した「しちゃった!?しちゃったの!?過去形じゃん!?」……もう、一体どうしたというの?』
調月会長が『もう』なんて言うのは珍しいのでしょうか、隣におられるチヒロ先輩が目を丸くしつつ笑っておられました。 - 2171じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 22:42:31
『良い?よく聞いてちょうだい。私達のメンバーにはサーヴァントが《三》騎がいるでしょ?そこから着想を得たの。三、三だ、サンダー。ふふっ、実に分かりやすく合理的な名ま「はい!はい、おしまい!この話はまた後で!!」……一体何だと言うのかしら。まぁいいわ」
いつの間にか私達同盟陣営の名前がサンダー陣営になっちゃうところでしたが、モモイちゃんの機転もあって間一髪で保留になりました。危なかったです、別にサンダーでサイダーでも良いですけど流石に駄洒落っていうのはちょっと、可愛いけど恥ずかしいですね。
『敵がどの程度の勢力かの確認も取れていない以上、データといえど情報の取り扱いには注意がいる。だからこの後、チヒロには拠点に向かってもらう手筈になったわ』
『いや、今呼び出されて今聞いたんだけど、それ。あとまだシステムの復旧と点検終わってないんだけどそっちはどうするわけ?』
チヒロ先輩が来てくださる、というのは勿論ありがたい事です。ですが、昨晩の大規模停電だったりで発電所周りや防衛関係のシステムを臨時点検しなくてはいけないという事らしく、チヒロ先輩はそのリーダー役を引き受けつつご自身も点検作業をされているそう。幾ら拠点に来てもらえたら、と思っても大事なそこに穴が空いてしまってはいけないと考えていると思わぬ。というか想定しない形で調月会長は返答をされました。
『それは私が引き受けるわ。もし私の腕では不安でも、コタマやハレあたりがいればなんとでもなるでしょう?』
あんまりにもさらっと言ってのけるので、びっくりしてかチヒロ先輩の眼鏡が少しずれてしまいました。
『は、はぁ?なに、寝惚けてるわけ?技術的な話で出来るできないじゃないの、というかそれぐらい出来るのは知ってる。そうじゃなくて、会長はセミナーの指揮してるでしょうが。私の仕事まで請け負ったら、今やってるセミナーの指揮は誰がするっていうのよ』
『どちらも私がするつもりよ』
ばっさり言い切られましたけど、多分そういう事じゃないんだろうなぁと私は恐る恐るチヒロ先輩の顔を窺いました。その顔色は案の定、モニター越しにも分かるぐらい真っ赤です。 - 2181じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 22:46:03
『はぁぁ!?馬鹿なの!?どんだけ仕事背負う気!?』
『ノアやユウカがいない今、現場の指揮は私がするしかないわ。あと私は馬鹿じゃないわ。これでも前回の定期考査の『そんな事今話してないでしょ!?』あ、貴女が言ったんじゃない……そ、それにこの手のシステム復旧やその指示出しの経験がないわけじゃない。昔貴女と一緒に……いえ、そうじゃなくて。とにかく、貴女ほどじゃなくても今日の夜までには一人でも終わらせられるわ』
『それって結局コタマ達に頼らず一人でやるつもりだったんでしょうが!?』
『ち、違うわ。ちゃんとAMASを『おばか!』……な、なぜ?』
あ、私なんだかこの方についてちょっとだけ分かってきたかもしれません。そう思ってハナコちゃんを見ると頬を引き攣らせつつ肩を震わして、目元に小さく涙を浮かべていました。
『あんたは!その指揮を今もしてるから!昨日から徹夜で!缶詰で!働きっぱなしでしょうが!?自分で仕事増やして自分の首を絞めてるんじゃない!』
調月会長という方はどうやらすごく頑張り屋さんな方のようです。責任感もあって、賢くて。三大校の、それもミレニアムという最先端科学を担う学園の生徒会長。スタイルだって抜群ですごく大人のお姉さんな感じで隙のない凄い人。
『ふふ、それについては問題ないわ。カフェイン錠剤で覚醒レベルは保っているし、バイタルと血中酸素濃度を確認して必要な栄養や薬剤を点滴で流しながら働けば効率の低下は最小限に抑える事も可能よ』
『ああああ!このバカリオ!こんなだから私も部長もあの時あんたの事をっ!大体昔っから!……あーもうっ!ウタハっ!』
だけど本当は優しくて、そして実はちょっと不器用。そんな可愛らしい人なのだとなんだか今になってやっとこの人について私は分かった気がしました。
「あー、ほどほどにしてあげてくれ。それじゃあ……《リオ》、チヒロ。サポートが来た時の為に可能な限り準備はしておくから」
『ちょっと、ちょっと待ってちょうだい。チヒロ、貴女は今過剰な興奮状態にあるわ。何を怒っているか分からないけれど良いかしら?事は重要な……』
そう言って通信が切れてしまいました。最後に見えたのは角を生やしたチヒロ先輩に、ちょっと困った顔をしながら慌てている《リオ会長》の姿でした。 - 2191じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 22:50:00
- 2201じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 23:26:45
「と、とりあえずUSBの中のデータは再確認するって流れで良いですかね?」
リオ会長からの通信が切れて一分。ようやくちょっと落ち着いたところで私はそう提案しました。
「そうだね。リオ会長は見なかったことにしよう」
ですが、すぐにモモイちゃんがそう言うのでつい吹き出しそうになります。
「アリスは感動しています。リオ会長はもしかすると先生と並ぶ伝説のボクネン人!主人公属性なのかもしれません!」
追い討ちをかけるように続いてアリスちゃんまで目を輝かせるんですから困っちゃうと思ったところで、ウタハ先輩がくしゃっと笑いながらアリスちゃんの頭を撫でました。
「リオは昔からあんな感じだよ。あと先生は朴念仁、というのは少し違うかな。彼のあれは分かった上でさ」
「分かった上、ですか?」
「もう少し大きくなったら分かるよ、アリス」
アリスちゃんの疑問に近くに来たミノリさんもそう言われますけど、アリスちゃんは不思議そうな顔です。
『(彼も中々、罪作りな男のようだね)』
『(あはは……セイバーさんに言われたら先生も泣いちゃいますよ)』
『(ははは……僕も泣くよ?ヒフミ)』
と念話越しに嘘泣きするセイバーさんを放っておいたところでアヤネさんから提案がありました。
『ひとまず話が落ち着いたところで皆さん、一度話をまとめるというのはどうでしょうか?』。 - 2211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 23:50:24
頷いて返すのはミドリちゃんとアズサちゃん。
「アヤネちゃんが言う通り、私達も昨日から山ほど情報もらってパンクしちゃいそうだもんね」
「正直私もかなりいっぱいいっぱいだ……サオリ達の事もある、動き出したい気持ちはあるけど何をどう動いて良いのかすらまとまらない」
その声と顔に思わず、彼女の名前を呼んでしまいました。俯いて前髪を落とした彼女の表情は今もまだ陰っています。
「アズサちゃん……」
出来るなら今すぐにゲヘナへ、そう逸りそうに気持ちがなりますけど現実としてそれは厳しい。
カスミさんが言うにはゲヘナは今、入るのも出るのも検問があるとの事です。
それに恐らくサオリさん達や先生が最後に確認されたという場所も、今知る限りではアルさん達の拠点周辺。
つまりゲヘナ自治区が立ち入りを禁止している旧カイゼリン・ブリッツ記念教会跡地です。
いきなりそこへ、となると地上からでも地下からでも難しいという現実の壁が立ちはだかります。
どうするべきか、ひとまず情報をまとめてそれから話し合って、と考えているとふいにカスミさんが手を上げました。
「そういうことなら私はここらでお暇しようかな」
軽く袖を振ってそう言うと彼女はニヒルな笑みを浮かべました、が。
『あれー?もう帰っちゃうんだ』
ホシノさんが何の気なしに驚いた声を上げると喉の奥の方で高音を出されてから言い訳するように早口で捲し立て始められました。 - 2221じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/27(木) 23:59:52
「も、勿論さ!言っただろう!私はもうこれ以上の情報は持ち合わせてなんかいないとね。嗚呼、それとも私から何かまだ温泉『そういうのは今良いかなぁ』……ひぇぇ」
なんと言えば良いのか。ハブとマングース、もっと言ったら蛇に睨まれた蛙。多分今日が初対面だと思うのですけれど、どうにもホシノさんには強くは出られない様子なカスミさん。そんな彼女にため息を吐きつつ、ホシノさんは頬をかきました。
『……はぁ。別に泣かしたいわけじゃないけどなぁ……まぁそれは、良いんだけど。あのさ、カスミちゃん?』
そう前置きしてからホシノ先輩は寝る前の読み聞かせみたいに、ゆっくりと話し始めました。
『無駄に、というか無理してそうやって喋らなくて良いよ。君の処世術なのか気質かは知らないし、そこは別に良い……でも、少なくとも今の君は、ここに来てからは虚勢張ってるってのはなんとなく分かってる。君の頑張り、っていうのかな?そういうのをバラしちゃうのは良くないかもだけど……でもね』
カスミさんは少し驚いてか目を丸くしてから、でもいつもの笑顔に戻しています。けどそれを見たホシノさんも気づかれたのでしょう。笑顔に戻る一瞬、ちらりと見えた彼女の剣呑な瞳の色。それに困ったように苦笑いしながらホシノさんは続けました。
『ここにいる子達はね、カスミちゃん。君が届けてくれた情報と申し出に真摯に答えて守ってくれる子達だよ。それはおじさん……ううん、私も保証する』
私たちもホシノさんの言葉に頷きを返します。約束を交わしたっていうのも勿論あります。きちんと、約束を果たしたいって思いますし、きっとティーパーティもセミナーの皆さんも彼女達温泉開発部の立場を守ってくれる筈です。
『だからさ───お疲れさま』
でも、それ以上に。私達は思うんですが。 - 2231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 00:01:28
『貴女がここを頼りにした選択は、そしてハルナちゃんって子との約束を守って届けてくれた行動は、きっと良い結果に繋がってるし、私達が繋げるよ』
魔術っていうキヴォトスには存在しない物に対してすごく警戒されて、サーヴァントっていう存在がゲヘナで起こした事件も昨晩目にして。アルさん達に図らずも協力した事で聖杯戦争に巻き込まれて自分たちの居場所がなくなるかもしれない、そんな状況で。それでも私達に会いに来てくれた。此処にはいない下倉先輩とハルナさんの約束を守るために、約束を果たしに来てくれた。
「カスミさん」
「……ああ、なんだい?」
ホシノさんからの言葉を受けて、虚をつかれたように固まっていた彼女は、私の呼びかけから少し間を置いて小さな返事をしてくれました。
「改めて、お礼を言わせて下さい」
「……いやぁ、聞き間違えかな?私にはお礼だなんて抜けた言葉が聞こえてきたよ?……言った筈だよ?トリニティのお嬢さん。私はあくまで君達に取引を申し出ただけ。君達の心象を良くしたかったからリップサービスをしただけ。悪いけどさっき言ってた魔術だの魔力だのの確認のお願いだってこれからするから、君らに少しでも「そうかもしれません、だけど」……っ」
彼女の言葉を私は遮りました。この人はきっと、お喋り屋さんな方なんでしょう。とってもたくさんの事を一度にお話ししてくれます。けど、今日この場にかぎっては、その言葉は全部自分達の居場所を守る為。それは間違ってません。
「私達に情報を届けてくれたこと、サオリさん達アズサちゃんの家族のことを教えてくれたこと。今日ここに来るまで、色々手を尽くして調べてくださったこと」
でもその為に、彼女は持ち得るカードを全部使って《誠実》であろうとしてくれた。そうするしかなかったなんて事はないでしょう。だって彼女は自分で言っていた。私達との交渉が駄目だったら連邦生徒会に、って。そこへ駆け込む前に、連邦生徒会に縋りたいと思うぐらいだったのに、彼女はまず私達のところに来て下さった。そしてたくさん大切な情報を何一つ偽りなく教えてくれた。 - 2241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 00:04:54
「嬉しかったです。貴女は今回の件についてどう思っているかは分からないですけど、私は」
何より居場所を守りたい。私達補習授業部も、モモイちゃん達ゲーム開発部も、ミノリさんも。その気持ちは痛いほど分かるから。だからお礼を伝えたい、そう思ったんです。
「貴女に会えて良かった、貴女に届けてもらえて良かった……そう、思うんです。だから、あり「……聞きたいこと」え……?」
しっかり最後に伝えようとした五文字を、今度はカスミさんが遮って、静かに背中を向けました。わざとらしく大きな声はちょっと濡れている気がしたけど、それは聞かなかった事にします。
「これから情報をまとめるなり、会議をするなりとなれば部外者の私がいては不都合だろう。だから私はここでお暇する……だから、ゲヘナに関することで聞きたいことや我々にやって欲しいがあれば無言って欲しい。良いかい?先ほどの『校則違反の品物の裏取引に関する罰則は受けるが聖杯戦争に携わった件については擁護と立場の保証をしてもらえる』、それとは無関係かつ一切の無条件で、そうだな二つほど」
だって振り返りながら私を見た彼女の顔は。
「君と、それからあちらの銀髪のお嬢さんにえらくキツい事を言ったからね。せめてその分の借りを、ここで返させてはくれないかい?そうでないと……いや、それを返してからでないと恥ずかしながら頼む物も頼めないという面子の話さ」
温泉に入ったみたいにほんわりと温かな笑みを浮かべていましたから。 - 2251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 00:18:23
というところで今日はおしまいじゃんね☆まぁた一人黙ってる子がいるじゃんね☆
次回は喋ってもらうじゃんね☆
カスミちゃんに関しては居場所を守りたいってとこに着地する感じにしたじゃんね☆まだまだ1は修行が足りない、じゃんね☆
明日は18時にとりあえずまずはカスミちゃんに聞きたいこと、お願いしたい事を安価で二つまでって感じじゃんね☆ちなみに温泉開発部メンバーは今現在ミレニアムに滞在してる感じじゃんね☆
ではではみなさん、今日もお付き合い下さってありがとうございました!明日もよかったら遊びに来てやって下さいな!
それではみなさん、おやすみなさい……じゃんね☆
黒服はほぉぉんと難しいじゃんね……というかゲマトリアは全体的にどの子も塩梅が難しいじゃんね……
とりあえず1はアビドスと最終編とかの描写から多分このラインは……で進んでくじゃんね☆
- 226二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 00:21:41
お疲れ様です
聞きたいことが頼みたいこと二つまでか
温泉開発部に何かしら頼んでも大丈夫なやつかな
後温泉開発部って何人ぐらい来てるんだろうか - 227二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 00:29:05
流れとしてはカスミに対して聞きたいことや頼みたいことを話した後各校代表に聞きたいことや頼みたいことを話すって流れになるのかな?
- 2281じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 00:40:37
ありがとじゃんね☆情報まとめる前になっちゃうしたとえば『貸し二個で!』……なんてのも自由じゃんね☆それからもちろん温泉開発部に、っていうのも可能じゃんね☆
温泉開発部に対してのお願いの場合一個だけ『それは……』って居場所を守りたいカスミちゃんとしては困ってしまうお願いもある……ってグルスト読んだ1はのんびり考えてるじゃんね☆
温泉開発部の全所属生徒の数は分かんないじゃんね……とりあえず最低200人はいるのは知ってるじゃんね……そして1はカスミちゃんに「みんな来てる」って言ってもらっちゃったじゃんね……
合ってるじゃんね☆
カスミちゃん安価→アヤネちゃん達がまとめたここまでの会議の内容→各校代表者への質問→USB解析かんりゃーからのボーナス反映→会議
って流れじゃんね☆
会議は土曜には漕ぎ着けたい、じゃんね☆
- 229二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 00:50:31
雷帝の地下通路の情報って誰にどの程度の範囲まで共有してたかな
そしてどこまでして良いのか
それによっては地下通路の攻略に知識を貸してもらうのもありかもしれない - 2301じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 01:04:27
まとめだとちょっと説明しにくいから今お伝えさせてくださいな、じゃんね☆
この場にいる生徒の中で地下通路の情報を知らないのは昨日の夜の会議にいなかったセイアちゃんとアヤネちゃんだけじゃんね☆
ホシノちゃんは9日目夜の会議時点ではいたし坑道内部の調査映像も見てるけど、会議の内容はかなりざっくりしか対策委員会のメンバーと共有できてない感じじゃんね☆
共有できなかったのは忙しかったからじゃんね☆
昨日から10日目朝にかけてのホシノちゃんはミレニアムからアビドスまで走って帰る道中でシャドウサーヴァントの軍団をちぎっては投げして、やっとアビドス帰ってきたら今度は宝具を防いで、そこから強欲のアーチャーと戦闘してもう一回宝具を受け止めて、それから被害状況確認して、避難所閉鎖して、正実モブちゃんとティーパーティモブちゃんとハイランダーの二人とモブちゃんにありがと言って、みんなが仮眠したのを見て、一人でパトロールして、最後にもう一回だけ戦場跡の砂漠に行って一人で周りを見渡して……ってしてから会議に出席してるじゃんね☆
- 231二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 01:08:04
温泉開発部は200人以上いるわけだからたとえばライダー陣営と戦う際協力してもらえれば数で負けることはなくなるだろうからな
人海戦術関連の頼みをしたいところではあるけど - 232二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 01:09:18
おつかれさまです
前スレでも書いた気がするけど、ライダー陣営の生産拠点攻略の際の協力頼むのもありかも?
温泉開発部ならゲヘナの地盤に詳しい可能性や、温泉開発を行う温泉開発部であれば有害な気体が溜まってる地点を掘削する際の知識もある可能性はあるだろうし、協力が得られれば便利屋陣営の生産拠点の攻略に関して、地上からの掘り壊すって選択肢も生まれそうな気はするし
それにライダー攻略に関して協力したって実績があれば、ライダー陣営への協力した過去に対する擁護も通りやりやすくなるだろうからカスミにとっても利はあるだろうし
協力の約束までは取りつけられなくても、便利屋の生産拠点の様子を伝えたりエンジニア部が撮って来た映像を見せて温泉開発部の観点からガスへの対処や地下の構造に対する意見を聞けたりすれば十分有用だろうし
いやまあ昨日の大怪獣バトルがあったからライダー陣営の生産拠点が既にある程度壊れてる可能性もあるかもだけど - 233二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 01:24:24
温泉開発部全員で拠点の警備をしてもらうとか?
この人数で拠点を防衛していれば相手も攻め入る気なんか無くすだろうし
それに警備を知った他陣営は同盟と戦う際にサーヴァント3機にヘルタースケルター119機、さらには200人以上の温泉開発部を相手にする想定をしなきゃいけなくなるから他陣営もすぐに同盟と戦うことはしなくなるだろうから - 234二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 09:07:54
仮にアリスク、工務部合流後に温泉開発部全員動員でライダー陣営と戦闘ってなったら聖杯戦争でも類を見ない規模の戦闘になるだろうな
- 235二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 12:52:02
この時間のお昼は珍しい気がするじゃんね☆
コメント返していくじゃんね☆
ちなみにカスミちゃんへ聞きたい事、お願いしたい事は温泉開発部へのお願い、もできるじゃんね☆
保留っていうのもできるじゃんね☆
1種類を除いて基本的にはオールオッケーにする予定じゃんね☆
ゲヘナは郊外への避難なんかも含めて避難所はぱんぱんじゃんね☆
だから、200人以上でミレニアムに避難する形にしたのも心象は良くなくても検閲で見逃されてたりするじゃんね☆
生産拠点がどうなったか、までは実際に調べられてなくても現場近くの状況や元々どの程度の地下坑道だったのかだとかのデータがあるから高い精度でカスミちゃんは答えられるじゃんね☆
ガスに関しても同じじゃんね☆
人数は純粋な戦力にはなるじゃんね☆
当然相手も同盟拠点の攻略には《相応の火力》や《数》が必要になるから手間取るじゃんね☆
その上でフェアじゃないからお伝えするじゃんね☆
監督役を除いた残りの陣営はみんな自分の願いを叶える為に覚悟ガンギマリじゃんね☆
アサシン陣営以外の攻略は難易度が露骨に変動するタイプじゃんね☆
持ってる情報にもよるし攻略する目的もそう、あとはぶつける戦力の数や質、誰がマスターと戦うのかでも陣営ごとに難易度が変わってくるじゃんね☆
ランサー陣営と10日目以降のライダー陣営で共通してるのは目には目を、歯には歯を、拳には拳を……じゃんね☆
- 236二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 15:09:18
アサシン陣営の攻略に関しては難易度はそんな変動しないのかな?
オートマタが大量にあるライダー陣営、エリドゥを拠点にしているアーチャー陣営に関してはともかく、ランサー陣営とアサシン陣営の違いはなんだろう
マスターが生徒か悪い大人かぐらいしか大きな違いはなさそうだが - 237二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 16:31:52
難易度が露骨に変動するかどうかの違いの理由、シナリオ的な立ち位置というか願いにかける覚悟の違いとかはありそう
丁度その前の返信でも
”監督役を除いた残りの陣営はみんな自分の願いを叶える為に覚悟ガンギマリじゃんね☆”
ってミカ主が言ってるし - 2381じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 16:48:24
- 239二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 17:12:34
アサシンは現時点ではラスボス候補ではないのか
まあ覚悟ガンギマリってわけでもないからな
注視しているライダーが勝ち残りそうってなったら多少は動く気もするが
こっからアサシンがラスボスってなる場合は聖杯戦争に大波乱が起きちゃったとか誰かがマスター権を奪ってとかそういうレベルのことが起きなきゃなさそうではある
ただまだ黒服に関しては分からんこと多いし一回探りは入れたいが
黒服に関しては本人に探り入れる以外ないからな
マエストロかゴルゴンダの居場所が分かるなら話は変わるが - 2401じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 18:05:37
【サポートシステムが起動しました】
【これより】【安価を開始ます】
【安価内容は】【鬼怒川カスミ】【に】
【質問、または依頼したいことです】
【また同時に】【セイバーとキャスターから温泉開発部部員達の検査の打診がありました】
【そちらを受けるかどうかについての返答も合わせてお願いします】
【今回の鬼怒川カスミに対しての安価は今後の試金石にもなるでしょう】
【安価の結果で大きな変化、特に阿慈谷ヒフミとその仲間に著しく不利益な行動を取る可能性の発生は極めて低いと考えられます】
【今後残る陣営との交渉をする上での腕試し】
【のような気軽な心持ちで】
【相手の行動理由、安価が発生した経緯】
【それらを踏まえて鬼怒川カスミへ聞きたいことや頼みたいことを】【二つ選択して下さい】
【それでは皆様】
【よき安価を】
【アサシンのマスター】【仮称《黒服》】【は】
【監督役とマスターを兼任しています】
【上記立場以外】
【たとえば内面や心情を第三者が知る方法は二つ】
【言葉を交わし想像する】
【過去を知って推測する】
【この二つのみだとサポートシステムは考えます】
- 241二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 18:15:56
各陣営と戦う時に1陣営ごとに一度ずつ共闘してもらうかな
>>232さんの意見にもあったけど他陣営と戦う際、特にライダー陣営と戦う際にこちらについて戦えば擁護もしやすくなるわけだし
こちらにも戦力増強の利がある
こういう交渉は一回ふっかけてみてOK出ればよし多少妥協されてもまあいいぐらいの気持ちでやればいい気がするし
- 242二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 18:26:19
とりあえず、7日目の探索でトリニティとゲヘナの境界線の東側で見つけた爆発婚(3スレ目861、862)について、
”【便利屋68内に、陸八魔アルの聖杯戦争に対する方針と噛み合わないメンバーがいる】”
という推測も含めて聞いてみるとかかな
確か爆発痕の撮影もしてた筈だからそれを見せながらって感じで
これは割とライダー陣営の攻略に大事そうな情報な気もするし
あとは、>>232で書いた感じにライダーの生産拠点の攻略への協力について頼む感じが良いかな
無理強いはせず無理そうなら温泉開発部やゲヘナ生としての観点からのライダーの生産拠点攻略に関するアドバイスというか意見だけでも求めたいって感じで
>>232で書いた様に、ライダー攻略に関して協力したって実績があれば、聖杯戦争に携わった件についてのこちら側からの擁護もゲヘナ側へ通しやすくなるだろうというカスミ側にとってのメリットも添えつつ
セイバーとキャスターから温泉開発部部員達の検査の打診は受けるで良いかな
- 243二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 18:32:06
温泉開発部部員達の検査ってどれぐらいかかるんだろうか
それによっては検査するにしても今日の夜拠点いる時とかにやった方がいいだろうし
朝のターンを全て使ってとかなると行動が大きく制限されるし
頼みとしてはまず各陣営と戦う時に1陣営ごとに一度ずつ共闘してと頼んで
それが無理ならライダー陣営関連の時の協力に絞る感じにするって感じにしてみるとか? - 244二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 18:39:19
あ、そうだ一個思いついた事としては、
頼み事一個保留にしといて、
この後のUSBの解析で追加で得られた情報から消息不明の「聖杯戦争対策部」の居場所を捜索する必要が出た際に、ゲヘナ生でなおかつ土地には詳しそうな温泉開発部という利点を生かして捜索への協力を頼む、
もしUSBで追加で得られた情報でそもそも「聖杯戦争対策部」の居場所が分かったり、捜索するべきではないもしくは捜索する必要が無いって場合には、ライダーの生産拠点の攻略への協力について頼む、とかみたいにするのはどうだろう? - 245二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 18:52:57
とりあえず一つは保留にしてもう一つでライダー陣営に関連することの協力をしてもらうというのはどうでしょうか
この形ならライダー陣営に関連する情報は聞けるしライダー陣営が絡む時に共闘もしてもらえるし
検査に関してはすぐ終わるならすぐしてもらって時間かかるなら夜に拠点いる時とか落ち着いている時にやるって感じで - 246二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 19:12:43
検査に関してはむしろ今やった方が良い気もする。日数的にも夜はおそらく情報の集まり次第ではどこかの陣営の攻略に費やす事になる可能性もあるかもだし
それにもし何かあった場合遅いと良くない可能性もあるし - 247二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 19:13:17
- 248二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 19:14:05
- 2491じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 19:24:46
- 250二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 19:38:49
とりあえず各マスターと可能な限り早く一度じっくり話す機会を作りたいな
リスクもあるけどリスクをとことん避けるなら籠城するしかなくなっちゃうし
まあ腹決めて情報が集まるまではたとえ外で何があっても籠城するってならそれも立派な戦略ではあるが
動くと決めたならリスク承知で色々動いた方がいい気はする - 2511じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 20:00:09
「ライダー陣営攻略の手伝い、かい?」
「はい!もちろん無理にとかじゃなくって、その調べ物とか一緒に攻略の時の会議に参加してもらって話だけでも!そ、そしたら弁護とかする時もさっきの情報提供だけじゃなくて私達に協力してたって実績にも……だ、だめでしょうか……?」
「……いや、勝手に身構えていたからね。少し……そうだな、肩透かし……いや、肩の荷が降りた気分さ」
私からのお願いに、少しだけ目を丸くしてから片頬を上げたカスミさんは大きく頷いてくれました。
「勿論、協力しよう。なにせ、それで更に私達の立場を確約してくれるとなればそれはもうしっかりと働くさ」
なんだったら入浴施設の補修も請け負うぞ、なんて大きな声で調子良さそうに話されるので私も吊られてホッとしちゃいます。そのままカスミさんと連絡先を交換して検査の日取りはまた連絡するとお伝えしていると。
「しかし有り難いね。君らはあの名高い温泉開発部だ。君達だからこそ見えてくる物が、特に対ライダー戦では必要になってくる」
「ちなみにその名前はミレニアムでは良い悪いのどちらで通っているのか聞いても良いかな?ミレニアムの有名なエンジニア部の部長さん」
ウタハ先輩が揶揄うようにカスミさんに話しかけられました。肩をすくめたカスミさんは半ば揶揄うように彼女へ質問を返します。それにウタハ先輩も同じようにしてから、にやりと笑いました。
「さて、それこそ君も私もこれからの働き次第で幾らでもじゃないかな?」
今度こそきょとんとされてから、カスミさんは大きな笑い声を上げました。
「……結構!結構!いやぁ……本当、底抜けにお人好しな取引相手達な事だ……本当に」
眦に涙を溜めるぐらい大きな声は、けど不思議と嫌な気持ちとかにはなりませんでした。だって彼女から私達を馬鹿にしたりだとか、そういう感情がちっとも感じてきませんでしたから。
「あはは……こういうのはお嫌いですか?」
「取引相手としては不合格だろうね。取引とは貪るような食欲を隠して確実に己の利を一手ずつ通していく物さ」
- 2521じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 20:03:59
- 2531じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 20:08:47
- 2541じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 21:01:59
【10日目午前/早朝・導入イベント】
『それでは司会は私、アビドス廃校対策委員会書記の奥空アヤネが担当します』
モニターに映ったアヤネさんが挙手をしてから始まった会議。この場にいる全員の注目を集めた彼女は気にする事なく堂々と司会を進めてくれます。
『まず今回の参加者はセイバー、キャスター、バーサーカーの同盟に所属する各マスターとサーヴァント。そして各マスターが所属する部活動のメンバーである6名。聖杯戦争非常対策委員会からは、アビドス高等学校より私と小鳥遊の2名』
ホシノさんが「よろしくね〜」っていう気が抜けちゃうぐらい可愛い声で挨拶したところで自己紹介はバトンタッチ。
『トリニティからはティーパーティホストの百合園セイアと』
「へ?あ……ぉ……同じく図書委員会委員長の古関ぅウイです……」
セイア様、続いて拠点にいるウイさんも自己紹介をして下さいました。昨日は帰ってきてからもバタバタしてしまってちゃんとした歓迎会も出来てませんし、こうやって自己紹介を皆さんにして頂ける機会があった、というのは素直にありがたいです。
『ミレニアムからセミナー臨じ『現っ!』……会長の調月リオ、ヴェリタス副部長各務チヒロ、エンジニア部3名が出席するわ』
『以上21名でこれより第二回聖杯戦争非常対策会議を行います』
リオ会長がチヒロ先輩に注意されるのを見てほっこりしつつ、改めて今回出席する全員の顔合わせが終わったところで会議は進み始めました。 - 2551じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 21:03:28
『議題に入る前に状況を整理していきましょう。まず時系列。昨晩23時頃に先生達が便利屋68の皆さんと接触、2時間の交渉の末に翌1時から交戦』
『そして交戦開始から1時間後の同時刻にゲヘナは勿論、トリニティ、ミレニアム、アビドス、そしてD.U.でもシャドウサーヴァント達の出現と彼らによる各自治区への侵攻が確認されました』
『昨晩侵攻してきた敵陣営、暴食のセイバーの発言から仮称『聖杯陣営』であると認定。彼らの戦力は3種類に分類できます』
3つ、そう言って指を立てるアヤネちゃんに合わせて映し出されるのは今回確認された敵の姿。
『まずD.U.、ミレニアム、アビドスで確認されたシャドウサーヴァント。ゲヘナの空崎ヒナ風紀委員長やトリニティからの報告にもあった、これまで度々撃退が確認されてきた存在です。特徴は全身の霊基が影のようなガス状に近い魔力で構成され不安定。自我も乏しく、スキルや宝具が使えません。アビドスで確認されたアーチャーからは亡者、と呼称されていました』
『次に顔のない生徒。出立ちは確認された限りヴァルキューレ、正義実現委員会、C&C、風紀委員会の制服に酷似した黒い制服を着用。アビドスでは少数でしたが、昨晩、ミレニアムとD.U.で最も多く確認されたタイプです。この敵タイプに関して、同盟陣営のキャスターさんは宝具かスキルによって召喚された存在である可能性が濃厚と予測されています』
『この顔のない生徒に関してはその他にもアビドス、ミレニアム、トリニティ間で締結された聖杯戦争への協力協定及び聖杯戦争非常対策会議に対して、定期連絡を傍受、また連絡担当者に成り済まして妨害工作を行っていた事が三校で確認できました』
『最後に……新たに現れたサーヴァント。ヒフミさん達が契約されている方達に酷似した、思考し、スキルや宝具を使う事が強力なサーヴァント達になります』
- 2561じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 21:09:20
新しい、サーヴァント。私達の中ではまだモモイちゃんとキャスターさんしか交戦していませんがとても強いと聞いています。
『出現したサーヴァントはそれぞれ、トリニティに暴食のセイバーと推定になりますが色欲のバーサーカー、アビドスに強欲のアーチャー、ミレニアムに怠惰のランサーと嫉妬のアサシン、ゲヘナに憤怒のライダーの計六騎。強欲のアーチャーの発言からキャスターは召喚されなかったと思われます』
『真名が把握できているのは怠惰のランサー、憤怒のライダーの二騎。それぞれ、クー・フーリン、丑御前……という英雄だそうです』
『彼らの最大の特徴としまして通常のサーヴァントとは違い宝具やスキルとは違う権能、と呼ばれるスキルを所持しているようです』
『聖杯陣営の長期的な目的は現在不明……ですがこれもまた私達が確認した限り、聖杯戦争の円滑な運営こそが彼らの目的であり、今回の侵攻は我々の戦力を削る目的の他に今後行われる聖杯戦争において不都合な存在の抹消……』
アヤネさんはそこで一度言い淀んでから瞼を閉じて、けどすぐに開いてしっかりと言い放たれました。
『つまり標的を殺す事を求めてだと思われます』
『……狙われたのは各サーヴァントの発言からトリニティは桐藤ナギサ、百合園セイア両生徒会長。ミレニアムでは早瀬ユウカ会計。アビドスでは砂狼シロコ委員。ゲヘナでは丹花イブキ役員と現地にいたシャーレの先生の以上6名。今挙げた人達を……排除する事が彼ら聖杯陣営にとって利のある行動のようです』
『また強欲のアーチャーの発言に陸八魔アルさんへの言及もあった事、同盟陣営の拠点への奇襲が確認された事。以上2点から不確定事項にはなりますが、上記6名に合わせて各マスターへの接触ないし攻撃を加える事も昨晩の侵攻目的だった可能性もあります。その他にもランサーの魔術によって大規模な通信妨害も行われ、自治区を越えての連絡が途絶される状況になりました』 - 257二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 21:19:50
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- 258二次元好きの匿名さん25/02/28(金) 22:29:18
ルーンによる妨害、矢避けの加護による飛び道具無効、戦闘続行による粘り強さ、そして必殺の朱槍と羅列するだけで厄介すぎる要素だらけだなランサー
仮にキャスターが召喚可能だったら誰が現れてたのか・・・
傲慢って言えばあの金ピカだがそんなの召喚したら逆に黒幕がやられるだろうし・・・
星見の魔術師が召喚されてしまう世界線もあり得たのかな - 2591じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 22:50:52
怠惰のランサー。真名は本物であるなら、セイバーさんやキャスターさんが小さな頃にお伽話として聞いていたという大英雄クー・フーリン。そしてアサシンさん、彼女のお弟子さんです。
『次に昨晩の被害について。幸いな事に死者はまだ確認されていません。ですが交戦時や避難時に負傷者が発生、建造物やインフラ関連なども大きな被害を受けています。それにあたり各校の復興状況と今後の目処を教えて下さい』
『トリニティは本校舎にかなりダメージを受けたがそれ以外は軽微だ。復興等は気にしなくて良い』
『ミレニアムは今晩までに電気等インフラのシステム再構築を目指すわ。市街地も通常の銃撃戦で受ける程度の被害だから問題なし。幾つかフロアを爆破されたミレニアムビルも既に修復工事を始めているわ。ただ発電所』
ユウカちゃん達がなんとか電力を復旧させようとしたその場所は戦場になったと聞いています。それについて触れるリオ会長の顔はいつになく暗くされておられました。
『あちらに関してはしばらく稼働が難しいわね。向こう半月は節電等を指示するつもりよ』
『お二方、ありがとうございました。アビドスについては既に避難所も閉鎖。元々戦闘も市街地外でしたので当面は瓦礫の撤去等ぐらいで、自治区の運営としては大きな問題はありません』
ゲヘナは市街地のうち二割がライダーさんと憤怒のライダーの宝具が戦った関係で機能停止。アビドスは既に元の日常に戻りつつあるようですが、トリニティはナギサ様、ミカ様、ツルギさんが入院中。そしてミレニアムについてはまだ電力の供給源が限定されている状態。幸い拠点は大型魔力炉があったり地下発電設備もあるので稼働できますけど、それでも自治区の防衛って点で見るとかなり厳しい現状です。 - 2601じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 22:57:57
『続いて、各自治区で収集した情報についてです』
『《映像を見て頂いた皆さんもご存知のように》、アビドスは強欲のアーチャーとの戦闘で今回の聖杯戦争の勝利条件について本人から直接聞くことが出来ました』
『強欲のアーチャーは聖杯陣営内のサーヴァントでもかなり特殊で与えられた権能を限定的かつ方向性を絞ることで自我を保っている、とありました。その事から権能には強化だけでなく思考汚染の効果もあるのかもしれません』
権能。セイバーさんが言うには、彼らの世界にいゆ神様が持っているすごい力、なのだとか。そして本来であればサーヴァントの霊基で、そして彼らの世界ではもう《使用できない》物だと。
そんな物を一体どうやって手に入れていたのか、私達にはまだ分かりません。
『話を戻しますが……彼曰く聖杯戦争の勝利条件は二つ』
ここで私たちの意識が強くアヤネさんの方に向かいました。聖杯陣営の中で唯一、自我が正常に近いという強欲のアーチャーさん。彼が、自身が亡くなる際に最後にシロコさんへ伝えたというメッセージ。
『一つ目は予備システムの起動、二つ目は七騎のサーヴァントを撃破する事で出現する大聖杯の破壊』
それは私たち同盟陣営が喉が手から出るぐらい必要としていた情報でした。 - 2611じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 23:05:54
『どちらも私達同盟陣営がサーヴァントの方から聞いていた通常の聖杯戦争における勝利条件とは異なります……恐らくは私達の目的に近しい所にある形で勝利する為の手段、と考えて良い筈です』
予備システム。黒服さんに聞いてみようかなんて話も少し上がっていた、シュロちゃんが起動するなと言っていたシステムです。まさかまた聞くことになるだなんて、思ってもいませんでした。
『前者は妨害が発生せず、また過半数以上のマスターが同意すれば起動できるそうです』
『後者に関しては……現状では必ず一騎のサーヴァントを犠牲にしなくてはいけない、と。またこちらの場合は聖杯陣営からの妨害が行われる可能性が極めて大です』
後者に関しては難しい、という側面が強いです。サーヴァントの方の犠牲を許容しなくては達成できない勝利条件。ですが、情報を細分化してみると大きな手掛かりに繋がっています。
何せやっぱりあったんですから───大聖杯が。
『……そして、強欲のアーチャーはこのメッセージを伝えた後に、何者かの手によって退去させられたのを確認しました』
『有益な情報をありがとう、奥空さん。こちら……ちょっと何故ため息をつくのチヒロ?』
『……あんたは本当に、まあ後で私が回しとくから、早くミレニアムの報告してきなよ』
アヤネさんが少し躊躇って伝えてくれた謎の人物による強欲のアーチャーさんへの攻撃。それも含めてさらっと有益で片付けてしまえるリオ会長に、チヒロ先輩は疲れた溜め息を吐いてしまいました。でも、こういう会議で出た情報をあくまで情報として受け取って処理していけるリオ会長はやっぱりすごいです。
『なら良いけれど。ミレニアムの戦闘に関しては怠惰のランサーの言動から、阿慈谷ヒフミさんを含めたマスターに対する心理的な攻撃を目論んだというのが判明しているわ。アサシンの方は、恐らく顔のない生徒を宝具で召喚している可能性が浮上、現在こちらでも調査を進めているわ。それと……女性に対して過剰な加虐性が見られていたわ、注意してちょうだい。その他、確認できた各スキル等については資料の方を。それからキャスター』 - 2621じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 23:35:23
「うむ。奴らと対峙した際に勘づいた事であるが、妙な霊基をしていた。ネルという娘との戦闘時にも未だ自身の霊基が《未完成》であるように言っていたらしいが……あの霊基は恐らく《真っ当な魔力で編まれた物ではない》」
正体の見当はつかないが、と言われるキャスターさんも難しそうに蒸気を吐かれておられました。
『トリニティに関しては……少々混みいっていてね。まずセイバーに関して、直接戦ったミカからは借り物のように感じたそうだ。かなり主観的かつ野生の勘染みてはいるが、ミカは人との関わりを得意とする娘だ。ましてや直接戦闘したとならば尚更さ。彼女曰く、他人の顔や体を我が物顔で使っているようなチグハグさ……これはアビドスで対峙したアーチャーとの会話を踏まえて無視できない物だと考える』
『バーサーカーについては、喋らないが非常に卓越した戦闘能力を持っていたそうだ。各種スキル等は資料の方を頼む』
『ありがとうございました。憤怒のライダーについては先ほど映像を見たばかりですし省略します。では最後に聖杯戦争のマスターについて軽く触れようと思います』
別に自分が発言する、というわけじゃないですけどちょっと背筋を伸ばしちゃいます。
『同盟陣営は現在、マスターとなった生徒とそのサーヴァントを含めた全員の生還を前提とする聖杯戦争の終結を目指しています。サーヴァントはセイバー、キャスター、バーサーカーの三騎。いずれも願いよりも我々の目標を優先、ということで良かったでしょうか?』
アヤネちゃんからの確認に、御三方は笑われました。 - 2631じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 23:36:08
「大丈夫だよ、アヤネ。僕達はそれぞれのマスターと、そしてそんな彼女達が選んだ道を共に最後まで歩むつもりだ。僕はヒフミとヒフミの大切な物を守る、そのために戦うよ」
「……モモイの面倒を見るのも半ばだからな。我はどちらにせよ残らねばならんと思っていた所だ。それに聖杯を破壊した場合における魔力供給に関しても大型魔力炉第二号の設置を検討している。この聖杯戦争中は間に合わんが、恐らくは七騎が日常生活を送る分には問題なかろう」
「私は我が同胞との誓いを果たす、ただそれだけである。その道行も行末も、我が同胞は君達と手を取り合って進むと決めた。我が使命と誇りに変わりはない。聖杯という名の闘技場が幼き少女達に圧制を強いるならば、その頚城を破壊し誇りある叛逆を示すことこそがスパルタクスである」 - 2641じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 23:45:35
確かな返事に私達の胸が熱くなります。私たちと契約してくれた三騎の英雄は、こんなにも温かくてかっこいい方達で、こうして共に戦おうと笑ってくれる。手を繋いでくれる。それが堪らなく嬉しくて、こんな時だというのにどうしようもなく嬉しいんです。
その気持ちは他の二人も同じなようでモモイちゃんは照れ臭そうに赤くした頬を掻いて、ミノリさんは腕を組んで頷いてますけどその頬は緩んでます。
『お返事、ありがとうございます。みなさんのような方が私達の友達の理解者になって下さった事、とても嬉しいです……!本当にありがとうございます』
頭を下げてくれるぐらいアヤネさんも、そしてみんなも喜んでくださります。みんなが私たちを支えてくれる。そのありがたみをすごく強く感じるんです。
『……同盟陣営はミレニアム郊外の廃墟に拠点を置いています。人員も生徒の数も含めて言えば恐らく全陣営中最大。ですが、残りの陣営もまた数や質では負けていません』
『同じくミレニアム郊外にある要塞都市エリドゥに拠点を置くアーチャー陣営。マスターは飛鳥馬トキさん、アーチャーの真名はアーラシュ・カーマンガー。拠点攻略にはエリドゥの踏破が求められますが、我々は中枢近くまで侵入できる経路の確保、そして内部に協力者が存在しています』
『トリニティのカタコンベに拠点を置くランサー陣営。マスターは伊落マリーさん、ランサーの真名はレオニダス一世。この陣営に関しては彼女が以前所属していたシスターフッドの代表とコンタクト済み。現在も交渉中ですが上手くいけば伊落さんの願いについて何か手掛かりを掴めるかもしれません』
『ゲヘナの旧カイゼリン・ブリッツ記念教会跡地に拠点を置くライダー陣営。マスターは陸八魔アルさん。ライダーの真名は推定メドゥ「ゴルゴーン」……え?』
残る陣営の話の中、アヤネさんがライダーさんの真名を話そうとしたところで待ったが入りました。落ち着いたその声の主は、苦い顔をした古関先輩でした。
「……してやられたわ。あれは恐らくゴルゴーン、大地母神が零落した怪物の母よ。あの姿になるまではっきりしなかったけど……多分彼女はゴルゴーンの相を持っていて、それをスキルか宝具で強制的に発現させてる……んだと思います……よ?」 - 2651じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 23:53:43
途中で視線を集めているのに気づいてかびっくりされた彼女は声のボリュームが落ちてしまいました。ですが私達の中でサーヴァントの方を除くと、英雄譚や伝承といった事に一番精通されているのは古関先輩です。彼女の気づきについてもまたゆっく「聞きたいところです。
『ありがとうございます。見解についてより詳しく聞きたい所ですが今はまとめていきます。ライダーの真名は推定ゴルゴーン。宝具を複数種持ち、更には腐臭漂うオートマタと我々が呼称する使い魔を大量に保持しています』
『最後にトリニティの通功の古聖堂に拠点を置くアサシン陣営。マスターは黒服と呼ばれる大人、アサシンの真名はスカサハ。彼らは立場上中立である監督役を務めていて、取引を持ち掛けてきています。コンタクトを取るだけなら残る四つの陣営の中でも最も容易です』
『聖杯戦争のマスターは魔力負担による拒絶反応があり、また期間が終わると過剰な魔力を聖杯から供給されて……脱落となります。期間は二週間。残す所、今日を含めてあと五日』
『以上が現状我々が共有しておくべき内容となります』 - 2661じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/02/28(金) 23:56:03
はい、まとめはおしまいじゃんね☆
ざっくりでごめんじゃんね……
でもだいぶエネルギー持ってかれたので今日はここでおしまいじゃんね……続きはまた明日の13時ぐらいからやるじゃんね☆
とりあえずこの場にいる生徒への質問とか話し合っておきたい事を安価って感じじゃんね☆
今回のまとめについてのお詫びじゃんね……
ぶっちゃけとんでもない量があったからかなりざっくりまとめてるじゃんね……細かい部分の抜けとかあるかもだけど笛版の内容(たとえばアビドス戦とか)も含めてヒフミちゃん達はほぼ全部共有してる感じです……
セイアちゃんとアヤネちゃんは地下坑道についてだけ知らない、という感じです……
というわけで話戻るけどまとめに抜けがあっても気になる事とかあったらがんがん聞いてくだしゃい……ちょっと1はまとめるのナメてたじゃんね……とんでもねぇ文量だったじゃんね……
ではではみなさん、今日もありがとうございました!おやすみなさい……じゃんね☆
キャスターがもし召喚されてたら誰だったかはやっっっっと今日決まったじゃんね☆
- 267二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 00:08:27
おつかれさまです
- 268二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 00:10:03
おつかれじゃんね!
そういや前スレでもアーチャーがアビドスの面々に言ってた冠位とかの英霊召喚本来の意味も話しといたほうがいいのかなやっぱり…… - 2691じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 00:16:40
- 270二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 00:22:09
お疲れ様です
聖杯戦争の二つの勝利条件が明らかになったか
予備システムに関しては今のところ勝利条件である以上モモイもミノリもヒフミが起動提案したとして拒否するとは考えにくいから後一人で起動出来そうではある
この二つに関して詳しく知ってそうなのは黒服だろうな
少なくとも前者は絶対知ってるはずだし
この勝利条件に関しては聞いたとしても空中分解につながるとも考えにくいし黒服に多少のリスクがあれど聞きにいきたい気持ちはある
やっと見えてきたハッピーエンドの具体的な方法な訳だからその方法について詳しく知るのは最優先だと思うし
詳しく知らなきゃ説得の際その方法は具体的には分かりませんじゃ説得が上手くいくとは考えにくいし - 271二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 00:32:32
明日の流れとしては導入やって安価してボーナスのこと話してって流れかな?
動きを決めるのは明後日になる感じかな
聞きたいことをしっかり考えた方が良さそう - 2721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 00:42:30
言いそびれてたけどカスミちゃん達の検査は一瞬で終わるじゃんね☆
だから特に希望がなかったらお昼か夜に200人がぞろぞろっと来るじゃんね☆
もうずっっっっとみんなにちゃんとお話出来てなくてやきもきさせちゃってた勝利条件じゃんね☆
遅くなって本当にごめんね、じゃんね☆
ホシノちゃんとシロコちゃんが話し合った結果、あんまりにも曖昧だったから伝えるつもりのない詳しい内容だったりは笛版の115話、最新話の一個前で強欲のアーチャーが語ってくれたじゃんね☆
……本当、他の子達がお喋り苦手だから随分強欲のアーチャーには頑張ってもらったしシロコちゃん達はよく聞いてくれたじゃんね☆
合ってるじゃんね☆明日は議題っていう体でみんなで疑問とか話しておきたい事を安価でしちゃう日じゃんね☆
10日目午前の行動含めた大まかな流れは明後日安価(予定)じゃんね☆
……そう、9日目がめちゃくちゃ長かかったからあれだけどまだ10日目は午前行動も始まってないじゃんね☆
1も笛版投稿してて9日目だけで全体の文章量の1/3ぐらい占めてるのに気づいた時は乾いた笑いが出たもんじゃんね☆
作中時間は現在多分5時〜6時ぐらい、戦闘後にパトロールまでして会議出席してるホシノちゃんや徹夜で避難&復興指揮してるリオちゃん、チヒロちゃん、セイアちゃんは実はぼろっぼろじゃんね☆
- 273二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 02:04:50
ただ笛版見る限り、微妙にどちらが良い道なのかはまだわからないんだよな
”「これ以上罪を重ねまいとするのなら」
「予備システムを……」”
で聖杯側からの口封じ入ってるから、果たして、起動しろなのか、起動するのななのか
それももっと情報集めれば何か分かったりするかな?
あと笛版読んだ時も地の文で気になった個所なのですが
”勝利条件は二つだというのに、採るべき選択肢が一つしかないような話であった。
もしこの話がヒフミ達に届いたのならば、選ぶのは後者しかないだろう。
何せ彼女達はハッピーエンドを、誰一人の犠牲も許容しないと選んだのだから。”
この部分の”もしこの話がヒフミ達に届いたのならば、選ぶのは後者しかないだろう。”って前者じゃなくて表記通り後者で合ってます?
後者の道はサーヴァント1騎の犠牲を必要とするはずなので矛盾してる気がするのが少し気になって
それはそうと対処に追われてるホシノたち各学校の代表たちというか生徒会陣営というかはほんとお疲れ様過ぎる……
聖杯戦争中は気が休まらないだろうけど、聖杯戦争終結後はゆっくり休んで憩って欲しい - 2741じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 08:14:30
- 2751じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 13:20:16
『ここまでが今回の会議と昨晩の侵攻についての大まかなまとめになります』
長くなったのお茶休憩を挟みつつ、会議は再開しました。昨晩、ホシノさんが訪ねて来られた時も思いましたけどこうやって改めてお茶を皆さんに用意すると私達も大所帯になったと感じちゃいます。
『この後は議題を募った後に陣営間でディスカッションに移る予定です。補足等あれば今のうちによろしくお願いします』
この場にいる16人。「おしゃれなハーブティーで女子力アップ!ヒフミには負けないよー!」「モモイはその前に食事の支度を手伝うところから始めたらどうですか?女子力について以前ミレニアムが自治区内で集計したデータで74.9%の男性が自炊能力のある女性に対して」「やめようコトリ……私達にもそれ刺さるから……」なんて声を聞きつつ私は紅茶の香りに一息ついていると補足があるかという話が挙がりました。
『うへー。アヤネちゃんが立派に司会してておじさん泣きそうだよぉ』
『もうっ!ホシノ先輩!今そういうの良いですから!』
なんだか気の抜けちゃうぐらい普段通りのお二人を見て、ほっとしつつ私もアヤネさんへ感謝の言葉を口にします。
「あはは……でもまとめて下さってありがとうございました、アヤネさん!」
「私達も昨日から色んな事が起きましたからこうやって話を改めてしてもらえるとありがたいよね」
モモイちゃんや炭酸飲料や珈琲をそれぞれ飲んでるアリスちゃんやウタハ先輩と違って、私と同じように紅茶を飲んでいるミドリちゃんの言う通り、昨日から本当にバタバタしっぱなしです。おまけに私達が直接戦った相手だけじゃなくて四つの自治区で行われた戦闘とその後始末の話までとなると、もう何が何だか。
「現状か……それなら少し良いだろうか」
そう思っていると、静かに珈琲の入ったマグカップを下ろしたミノリさんが挙手をなさいました。昨日から私達の陣営に仲間入りしてくださった、頼れる先輩。そんな彼女がどんな補足をして下さるのか、みなさんが気になって目を向けたところで。
「私達の陣営が抱えている戦略的な弱点についてだ」
意外、というか考えてもみなかった話題を口にされました。 - 2761じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 13:23:06
【Recommend BGM……《ホワイトアウト》】
「私達同盟陣営は恐らく現状のキヴォトス内でも戦力としてかなり強大な部類に入るだろう。それは皆も理解していると思う」
みなさん一様に頷くのは当然でした。
「サーヴァントが三騎、しかも宝具はいずれも高い破壊力をそれぞれが有している。話に聞くアサシンや怠惰のランサーのような即死性、ライダーのような単騎で複数所持しているような特殊性はない。だが、取れる戦略の数という意味ではサーヴァントの数が揃っているという時点で肩を並べているような物だ」
セイバーさんは広範囲のすごいビーム、キャスターさんは大きなハンマーを凄い勢いで振り回して突撃する質量攻撃、そしてスパルタクスさんは相手から受けたダメージ分だけ威力が上昇するご自身を中心にした爆発。宝具に限定しただけでも三者三様。これに御三方それぞれのスキルや戦闘技術、そして生前から今日までの経験だって加わります。
頼りになる、なんて言葉でも足りないぐらいです。
『(ヒフミ、ヒフミ。僕の宝具についてだけなんか雑じゃないかい?)』
雑じゃないです。というかご自身でビームって言ったじゃないですか。
「何より私達の最大の強みは数だ。キャスターの使い魔に限らず、こうして志を同じくする仲間達に恵まれている。その志もまた大義名分……という言い方は好ましくないがキヴォトスにおける倫理的な秩序の観念に則った物だろう」
こちらについてはもっと分かりやすい、そう思いながらみなさんを見渡します。最初はセイバーさんと二人、そこからハナコちゃん、コハルちゃん、アズサちゃん。次にモモイちゃん達にウタハ先輩達。そしてミノリさんやヴェリタスの皆さん。リオ会長、古関先輩が協力して下さって、ホシノさん達も駆けつけてくれました。今この場にはいないナギサ様やユウカちゃん、カスミさんだって私達に力を貸して下さっています。ヘルタースケルターさんだってたくさんいます。間違いなく、聖杯戦争が始まったあの日から今日に至るまでに、私達の陣営は強くなりました。
「だからこそ、それが私達の弱点なんだ」
そう、ある意味で強く、そして大きくなり過ぎたんです。 - 2771じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 14:46:15
仲間が増えました。みんなで一緒に頑張っていこうと決めました。昨日の襲撃だって、大変でしたけど学外にもこうやって助けてくださる方達がいたからこそ、大きな被害にまで至りませんでした。その上で、ミノリさんは私達の陣営の強さは弱点でもあるのだと仰られました。
「なるほど。人に限らず色々な意味で守るべき物が多い、だからこそ取れる選択肢が限定されてしまう……そういう事ですね」
『ふむ……その話題を出来るなら避けていく、と思ったが君達から触れるなら話は別かな、火中にあって組織を大きくする以上、いずれは向き合わねばいけない問題。遅いか早いか、己への問い掛けは何時だってそれだけさ』
今一つ分かっていない私と違ってハナコちゃんは悩ましげに眉間に皺を寄せています。ハナコちゃんの言う、守るべきもの。セイア様もまた、紅茶に口をつけつつ淡々とそれについて触れます。
『時は得難くして失い易い。皆が集って膝を突き合わせる良き機会だから、私も今のうちに考えを述べよう。確かに昨晩の騒動で狙われた彼女達についても我々同盟陣営の協力者や関係者に寄っている面は否めない。直接的に言えばだ、協力者を増やし陣営が強大になった事で協力者が狙われた』
そこで一度、頭を殴られた思いでした。改めて言葉にされると、足元とお腹の奥の方が冷たく感じてしまいます。
「でもそれは……!……ごめんなさい、つい大きな声出しちゃいました……」
『いいや、才羽ミドリさん。君の気持ちは分かるとも。これは君達の罪では決してない。それだけは誰が見ても……ナギサもミカも、実際に狙われた誰もがそう言うだろう。再度言うが協力者が襲われた罪の在処は同盟陣営にはない。昨晩寝込みを襲いに来た下手人こそが咎を背負うべき事だ。けれど一方で無視できない問題でもある。違うかな?サーヴァントの御歴々』
ミドリちゃんが叫びそうになった気持ちをセイア様は代弁して下さいましたけど、仰っているようにだからと言って私たちは悪くないから知りませんだなんて馬鹿みたいな話はありません。そんな事、考えられません。 - 2781じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 14:48:55
「騎士道を重んじて、という話が通用しないのも聖杯戦争の通例であるのは確かだよ。そしてサーヴァントやマスター本人ではなくその身内を狙う、というのも褒められこそしないが十分にあり得る戦術だ」
『成功した場合の相手マスターの心因的な負担がどれほどかは個人差によるでしょう。ましてや報復という分かりきったリスクはある。特に私達のような自治区を抱え込んだ相手に仕掛けるとなればそのリスクは跳ね上がる。はっきり言って他の陣営にしてもそれをするのは釣り合いが取れないわ……でも』
「現状が変わった。自治区を敵に回しても問題がない手合いであればそのリスクを無視できるそれが実際に起きたのが昨晩で、今後私達が新しく敵に回す存在はそういう相手になります」
古関先輩が締めくくった未来の話は、避けては通れない話題ですけど私達の中にどんよりした空気が流れてしまって仕方ない問題でした。聖杯戦争を解決するためにとみなさんと手を取り合って作った同盟。これまではリスクとリターンが吊り合っていないの一点で無視できていましたし、実際に起きませんでした。でも私達に協力して下さった方を狙っての襲撃が起きてしまった以上、直視しなきゃいけません。
そして多分直感ですけど、ミノリさんは再発防止ではなく、もっと抜本的な部分に触れる為にこの話題を出したんだと思います。
「そもそも、な話になっちゃうけど……多分私達は聖杯戦争に向いてない、と思う……もっと、小回りが効く感じで戦うのが多分本当のやり方なんじゃないかな……って」 - 2791じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 14:59:33
ヒビキちゃんが言うのは何度かセイバーさん達からも聞いた事でした。これだけ大きな規模の陣営、というのは聖杯戦争では珍しいと。そして私達はたくさん協力して下さる方がいるからこそ、今日まで脱落したりする事なく戦って来れたのは間違いない事実です。これまではそれで大丈夫だったんです。
「マスターとサーヴァント。ツーマンセルを基本とする戦術が基本だとすると、私達同盟陣営の存在は勿論、新しく確認した聖杯陣営も同じようにイレギュラーだ。その点で言えば戦力は多いに越した事はない……だけど、陣営同士が大きければ戦闘もそれだけ激しく、大きくなるのは必然だ。それこそ被害は今後も増える可能性が出てくる」
でも古関先輩の言う通り、状況が変わりました。アズサちゃんが話すように新しく確認された聖杯陣営とぶつかる事を考えれば、大きな戦力同士で戦うことになります。そしてそれはきっと大きな被害を生むかもしれません。もしかしたらまた、私達のお友達や大切な人達を傷つけられるかもしれません。母数が多い、ということはその数だけ狙われる人も多い。
『……なんかさ、ちょっと話変わっちゃうけど……カスミちゃんの反応見てて思ったんだよね。多分あの子のがキヴォトスでは当たり前なんだろうって』
今後の被害や戦闘について頭を悩ませていると、ホシノさんは少し言い淀みながらも話し始められました。カスミさんの話題ですが今ここで言わなくてはいけないとホシノさんが思ったのなら多分。
『私たちは皆、友達だったり大切なものがあったりするから、聖杯戦争に直接乗り込んで終わらせよーってしてる。でも他の、本当に何も知らない第三者からしたらさ……聖杯戦争なんて出来るなら関わりたくないんだと思うよ』
この話もきっとこれからに関わる大事なことなんでしょう。 - 2801じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 15:17:15
「そういう意味でも先ほどのお願いは綱渡りでしたね。カスミさんが願い事を聞き受けると申し出たのは間違いなく本心でしょう。でも彼女の本意は関わってしまったことで立場が危うくなった部活自体の存続……」
「……温泉開発部を守りたいってことはさ、きっと本当だったら聖杯戦争自体にもこれ以上関わらせたくないもんね」
ハナコちゃんとモモイちゃんの言葉に上手く言葉に出来ていなかったカスミさんの気持ちがすとんと受け止められました。彼女が部活を守る事に必死な気持ちも、そして交渉を頑張っていたことも分かっていたつもりでした。けどその根底にあるのは、怖いって気持ちだったんです。
「私もモモイちゃんの考えと同じです。私達が戦力的な意味で最大限彼女達に頼れて、カスミさんが居場所がなくなるかもしれない恐怖に怯えず最大限協力出来るお互いにとって最善手、それがヒフミちゃんの出した提案でした。もし、直接的に戦場へ出て戦って欲しい……そう言ってしまっていたら、彼女は頷いてくれたかは私には分かりません」
『……私達は、ヒフミさん達は聖杯《戦争》をしてる……辛いですけど、それは普通に生活してる子達からすると酷く恐ろしい物に見えるんでしょう。命の奪い合い、というのは昨晩の戦いを通して私たちも少しですが理解したつもりです……多分きっと、キヴォトスという社会の中で聖杯戦争は……』
『私達生徒会の役員が当初から懸念したり、これ以上表立った武力的な支援が出来ないと言っていたのはまさにそういった一面ね。どうしても現代的な価値観において、どんな正当性や大義名分があっても殺し合いは受け入れ難いというのが社会のシステムであり民意になるでしょう』
私達はみんな話し合って、きちんと伝え合って、その上で納得して集まれたと思っています。でもそうじゃない人達にとって。たとえば昨日のゲヘナで起こった戦闘を見た人たちにしてみれば、自分の命を奪い兼ねないとても危険な物に見えるのでしょう。
実際、リオ会長が言うように私たちに生徒会や自治区自体が肩入れをしていたという事実はかなりナイーブな話なのだというのは聞いていました。
今も多分、聖杯戦争が起こっているという情報も私達がマスターであるということも決して表に出ることがないよう対処してもらってます。 - 2811じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 15:20:56
- 2821じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 16:01:06
「立ちはだかる壁は非常に嶮しくそそり立っている。叛逆の意思を秘めながら暴虐たる兇行を敷く圧制者の走狗達に対して、集った我らの兵力は凡ゆる圧制を跳ね除ける剣となるだろう。だが、剣とは力無き者達とって己に向くか分からぬ兇器でしかない。剣を持つ者は……民衆の希望にもなるが常に畏れを抱かせる者でもあるのだ」
サイズが合わないということで急遽用意した専用の椅子に座っていたスパルタクスさんの語り口はとても厳かでした。
「民衆にとって武力とは、時に存在するだけでも圧制となり得る。圧制とは恐怖であり恐怖とは圧制なのだ。そしてその剣が巨大であればあるほど、振える場所を選ばなくてはどんな形であれ周りを傷つける事になるだろう」
スパルタクスさんのお話というのはとても難解です。ミノリさんとは以心伝心で、彼が話す事をすぐに翻訳して下さるんですけど、何故か今回は腕を組んだまま黙っておられます。
それが私には、言葉通りに受け取って欲しいというスパルタクスさんの気持ちとそれを汲んだミノリの態度の現れだと感じました。
戦う力は持っているだけで人から見たら怖い。キヴォトスでは銃撃戦があり触れていて、戦うっていうのは別に珍しい選択肢じゃありません。だけど、命の奪い合いは違うんです。なら、その当事者も、その奪い合い自体もきっと第三者から見たら怖がられてしまう。これから先、私達は大きな戦力を率いて戦う、という選択はこれまで以上に大きな意味が生まれます。
いえ、もしかすると。
───手前様が選ばれたのはそういう祭ですよ、人殺し。
「(見過ごして、見ないふりをして。私は違うって……でも側から見たら、これまでもそうだったんです……)」
私は誰かの命を奪わない覚悟を決めました。その一線を譲るつもりは絶対にありません。
でも同時に私は命の取り合いをしている当事者でもあるんです。その力を向ける先だけじゃなくて、力の使い方もきちんと慎重に考えて使わなければ、多くの人を傷つけたり怖がらせてしまうんです。 - 2831じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 16:05:17
「……通常、聖杯戦争が開催される時代というのは所謂現代。このキヴォトスとよく似通った時代だ。当然人命のやり取りは一般的社会における法に縛られているし、何より神秘は秘匿するという遵守すべき魔術社会でのルールもある。監督役もいるから多少の騒ぎっていうのは揉み消されるんだ。だから……こんな風に大規模な集団だからこそっていうのは本当に珍しい悩みの種になるね……」
私達同盟陣営っていう大きな集団と大きな力は、今回の騒動を経て敵に狙われるし第三者から後ろ指を指される可能性も、無意味に怖がらせてしまう可能性も大きくなりました。
つまり、聖杯戦争を無事に解決出来ても日常に戻れない、なんて結末に繋がる可能性もあるんです。
だからと言って消極的にも動けません。
そんな形で解決を待ち望んでいられる時間は、私たちマスターには、私にはもう。
「……じゃあ!この先どうすればいいのよ!」
そこまで考えたところで、コハルちゃんが机を叩きました。
「セイア様の言う通り守らなきゃいけない人達が私たちにはいる。でもみんなで動いたら他の人たちから後ろ指さされちゃうかもって……それに昨日よりずっと大きな被害がでるかもって!でも!でもそんなの!」
「……コハルちゃん」
たくさん考えくれていたんでしょう、目の端にいっぱい涙を溜めています。座っていた椅子を蹴倒すぐらい力一杯彼女は私達を想って、叫んでくれました。
「私達がやらなきゃヒフミもモモイもミノリ先輩も!それにそれこそあんな奴ら次は何してくるか分かんない!時間だってもう足りない!早く、早く解決しないと……ヒフミ達は……っ!」
時間制限。勝利条件こそ分かりましたけど、それだってまだ《完璧じゃありません》。だというのに、私達マスターは今日合わせてあと五日間しか時間が残されていません。そして、五日を過ぎれば今度は新しいマスターが選ばれてしまいます。
新しいマスターに選ばれる、それはつまり新しい被害者が出来ると言ってるのと、私達が感じた辛い思いを他の人にさせると言ってるのと何ら変わりがないんです。 - 2841じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 16:25:14
「だから、だから!コソコソなんてしてられない!大体後ろ指なんて何よ!私達がやってるのは間違ってな「幼いコハルよ」……ひゃい」
唐突に、ですが努めて穏やかに。深みのある優しい声がコハルちゃんの話を遮りました。
「君の心根は好ましい。だが戦いの場ではいつだって朗らかな笑みを浮かべるべきだ……焦ってはいけないよ」
声の主は、朗らかないつもの笑顔をしたスパルタクスさんでした。
「私達の叛逆は、少女達に強いる圧制からの脱却を目指す物である。悪しき圧制者を挫かんと誇り高い叛逆の旗を掲げ荊の道を進む我らの中で、その戦いを詰るものは誰もいない」
彼はいっそ注意深く壊れ物に触れるような、そんなゆっくりとした言い方でコハルちゃんだけでなく私達みんなに言うように話しをされていきます。
「だが剣を掲げる時、その刃は敵と己、両方に向けられている事を忘れてはいけない。どんな大義があっても、掌にある鋼の重さを忘れてはいけない。……幼くも正しき道を歩まんと励む我が同士よ、どうか覚えていてほしい」
「(……スパルタクスさんはどうして今この話をしたんでしょう……)」
彼の言葉が刺さったように座り込んで顔を伏せてしまったコハルちゃんへ掛ける言葉が思いつかない頭の中で、ふいにそんな疑問が浮かびます。
「スパルタクスの話は面倒なほど分かりにくいが、要するにだコハル。拳を振るえば良いものじゃない。大義もなく拳を振るえばそれはただの暴力だ。そしてその大義が周りからどう見えるかも大切なんだ。何せ、私たちが目指すのはハッピーエンドの向こう側……全部終わった後に笑って元の生活に戻らなきゃいけない」
これから話をしてハッピーエンドを目指す道筋を見つけていこうとしたこのタイミングでミノリさんは、この話題を口にされました。
「(この話をするタイミングは別に昨日の夜の会議でもありました。時間的な余裕も襲撃までは全然あって……あっ)」
そこで漸く、私はミノリさんの意図に気づいたんです。恐らくですがこれは結論を出す類の話ではなかったんです。 - 2851じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 16:33:53
「でも……あの……わたしも、その……コハルちゃんと同じ気持ちです……」
「……私達は強い。セイバー達の強さは言うまでもないし、準備だって整えてきた。大勢の仲間もいて……そしてタイムリミットがある。だから一日でも早くヒフミ達を早く聖杯戦争から解放したい。そのために私は……本音を言えば、どの陣営にしろ戦って勝利するという最短のルートというのを選びたい気持ちがないわけじゃない」
「……アリスも、アリスもです。聖杯戦争を早く終わらせて、またみんなで……今度はキャスター達も一緒にゲーム開発がアリスはしたいです……」
「ユズ、アリス、アズサ……」
目を赤くしつつ顔を上げたコハルちゃんの背中を撫でながら、何かに気付いたようなミドリちゃんはミノリさんの方を見ました。
「でもそれが私達の弱さ、なんですね?ミノリ先輩」
「そうだ、ミドリ。私達がハッピーエンドの向こう側、皆が共に笑って戦争の終わりを迎えて元の生活に戻る事を目標に定めた以上、仲間を増やしていく事は戦力の拡充と繋がらない。もっと言えば、個々の願いを叶えたい他の陣営と違って、私達は戦って勝つ事が目的ではなく手段でしかないんだ」
ミドリちゃんも、彼女を見つめるミノリさんの表情も微笑んでいます。
「戦力の増強を目的に仲間を増やしているのではなく、ハッピーエンドを叶える過程で結果的に仲間が増えているのが私達です。陣営として強大にはなりました。でも強大だからこそ、安易に闘争という手段を選べない。それは戦う事で否応なしに目立ってしまったり、被害が増えることにも繋がります」
ミノリさんの言葉を今度は今まで静かに見守ってくれていた古関先輩達が引き継いでくださります。
「早く終わらせたくても、最短の手段を選べない……それがこの陣営の弱点、というわけね。はぁ……なんて心の贅肉、とてもじゃないけど聖杯戦争らしくない贅沢で厄介な悩みね……」
「本当だね。僕やバーサーカーからすれば戦力が多いなんて、羨ましい限りの話だよ」
「お前達だけではない。人手が有り余るほど、というのは研究者もまた同じだ。ましてやそれが志を同じくする気心知れた友であるなら尚更である」
「……だったら、どうしたらいいのよ……」
呻くコハルちゃんの頭にそっとセイバーさんの手が載せられました。後でお説教です。 - 2861じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 16:44:28
「いいかい、コハル。これは僕の考えだけど、やるべき事はきっと今までと変わらない……誰も自らの手で犠牲にしない。君達が選んできた道行は信じて進めば良いし僕らも共にその道を歩きたい。これから先、どんな困難な旅路になってもきっと君達なら幸多き結末に辿り着けると僕らサーヴァントは信じてる」
「でも……今までのやり方じゃ……」
「そうです!ミノリはアリス達の陣営には弱点があって!……そしてそれは経験値を稼いだり仲間が加入して強化し過ぎたからって……だから今までみたいに戦ったら新しくエンカウントした聖杯陣営との戦いでは……」
それは間違いなくミノリさんが私達に教えてくれた同盟陣営の弱点です。
そうなんです、ミノリさんが昨晩の襲撃を受けて現状について話す今このタイミングで挙げた弱点なんです。
「君達がしているのは聖杯戦争で、けれど僕らの知る戦争じゃない。確かに命の取り合いに否を叩きつけると決めた君達は、仲間を単純な数と兵力で見て戦略を練るという選択肢が乏しくなる」
「だがよく聞け、アリスよ、コハルよ。これは純粋な暴力装置として我らも、そして己の自身も振るってはいかんという話なのだ。殺し合いを忌むと決めた事がお前達の弱点になった。最早、敵を斃せば済むという単純な最終手段すら奪われた。故にこそ我らは状況の受け取り方を───考え方を変える必要がある」
これからの話が議題にのぼる会議の直前でミノリさんが弱点について話さなきゃいけなかったのは。
強いとか弱いとかを話したかったので、ましてや自分達がこれまでやってきた事。選んできた道のりは間違って、そんな話じゃないんです。 - 2871じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 17:19:18
【Recommend BGM……《Hue》】
『恐らくこの聖杯戦争という惨劇の舞台にはそれを引き起こした黒幕の影がある。陰惨極める殺人劇には秘された事実があり、我々は仕掛け人から邪魔者と見做されている。未だ手を取り合えていない陣営も半分、だというのに刻限は迫ってきている』
セイア様はゆっくりと私達を、いいえ。
『だけれど、君達はもう、一度それを乗り越えた筈だろう?』
補習授業部四人の顔を見て、温かく頬を綻ばせられました。
『あの時と同じです、ヒフミさん。私達がピンチに陥った時、ヒフミさんは私達の呼びかけに応えてくれました。だから私達もあのエデン条約の時、駆けつけられたんです。駆けつけたいって、みんながそう思ったんです』
アヤネさんの言葉にあの青空を私は思い出します。あの時だってどうなるか分からないけどがむしゃらでした。
『忘れているようだから、私も付け加えておくわ。モモイ、ミドリ、ユズ。貴女達はあの時……私の手からアリスを、私が提示した二択に第三の選択肢を示して勝利した。誰も、何も取りこぼしたくない。いっそわがままなぐらい真っ直ぐな気持ちで……きっと私が見て見ぬふりをしてしまった結末を拾ってみせた』
それはモモイちゃん達だって一緒です。
『模索するのよ、もうこれしかないと言われても。何度だってそれは違うと叫んで、この聖杯戦争という犠牲なしでは解決し得ない難題に立ち向かう。お誂え向きに、勝利条件も提示されたわ。だったらやる事は変わらない筈よ』
あの時のようにがむしゃらに、走っていく。その理由も同じ。戦う為に、誰かを傷つける為に戦うんじゃないんです。大切なものを手から溢し落とさない為に、戦うんです。 - 2881じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 17:20:11
「聖杯陣営とかいう黒幕らしい新しい敵も出てきた、被害だってこれから大きくなるかもしれない。勝利条件は教えてもらったのにそれはそのままじゃ使えない。だから改めて現状を把握して、自分達の立ち位置を見てこれからぶつかってくる問題を最初に知っておく……というわけだ。随分と荒治療だね」
「この先間違いなく戦いは激化するでしょう……そうなった時、今みたいにゆっくり集まって問題を受け止めるのは難しい。足を止める時間はもう貴女達に残されていません……だから今、先に現状とそこから考えられる問題をまとめて受け止めて気持ちを作っておく。そしてやるべき目標を再設定、ですか……本物の聖杯戦争がこんなしち面倒い物だとは思いもしませんでしたよ」
ウタハ先輩は肩をすくめて、古関先輩は溜め息を吐かれて。でもお二人とも目が言ってるんです。
これから先は大変な事だらけ。苦しいこともあるかもしれない。だけど支えるから心配するなって。
「さて、諸君。新たな問題も出てきた。どうやら目の前に立つ壁は嫌になるぐらい大きく、ゴールへの道筋が見えなくなりそうにもなるみたいだ。で、だ。そうなるかもしれないと腹は括れたかい?」
つまりは、そういう事。ミノリさんは最初からこれが言いたかったんです。
「それって、今も一緒だね……モモイ、ヒフミちゃん」
「ええ、そうです!微力であっても私たちが力を貸そうって、助けたいって思ったのは私にとって皆さんが友達で、皆さんの選択に共感したからです!通常の聖杯戦争で我々の陣営やその悩みがあり得ないというのなら、あり得ないからこそ出来る結末を!私達同盟陣営という変数だからこそ新しい結果が出る筈です!」
ユズちゃんが、コトリちゃんが。いいえ、二人だけじゃありません。 - 2891じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 17:21:05
「仲間が増えたからといって私達の選択肢は増えちゃいない。抱えた数は戦いにそのまま使えるわけじゃない、強くなる事が私達の目的をそのまま叶えてくれるわけじゃない……だけどそれはあくまで通常の聖杯戦争、他の陣営と戦って勝つ事を目的とする場合での弱点だ」
「私達は敵と戦って勝つんじゃないのさ。私達は聖杯戦争という仕組みそのものに戦いを挑む。バッドエンドしかないという難題に、ね。その為に私達はこの場に集った。君達に協力する数は戦争に勝つの武力ではなく、君達が辿り着きたい未来へ向かう為の燃料さ」
みんながこれから改めて挑む相手をしっかり再確認できました。これからがむしゃらに走っていく中で起きるかもしれない事を、先に知りました。そしてその上でハッピーエンドに向かう。その気持ちを固められたんです。
「私は……たとえ最短ルートじゃなくたってたくさん寄り道してでも最高の結末に辿り着きたい。だってさ、そっちの方がきっとゴールに辿り着いた私は笑っていられるから!」
「みんなでハッピーエンドに向かいましょう!たくさん難しい問題はあります、だけど私は一人じゃありません!みなさんと一緒なら!きっとマスターになった人も、サーヴァントの方も、誰も欠けない終わりに辿り着けます!」
難しいことが一杯です。考えなきゃいけない事も山積みです。でも勝利条件は見えてきました。大聖杯の存在もどうやら確認できました。マリーちゃんやアルさん、トキさんとだってきっと分かり合える筈です。その為の《鍵》も少しずつ集まってきました。だから───。
「同盟陣営、ふぁいとー!」
───おー!
「(私達の頑張り、見ててくださいね!ペロロ様!)」
「(あれ?でもどうして私いま……)」
「(ペロロ様にお願いしたんでしょう……?)」 - 2901じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 17:25:29
- 2911じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 18:00:03
はーい18時になったから安価するじゃんね☆
安価の内容は『>254〜>265のまとめ含めて今日までに出た情報で話し合いたい、聞いておきたい、確認しておきたいこと』じゃんね☆
笛版の内容に触れたりも含めて、そこら辺も特に制限なしじゃんね☆
全体に聞いてみたり、特定の誰かに質問したり、とにかく疑問解消タイム、みたいな感じじゃんね☆
個数制限も特になし、じゃんね☆
安価先は>>299
長めにしてるしゆっくりで大丈夫じゃんね☆
ではではよろしくお願いします……じゃんね☆
- 292二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 18:06:08
戦う場所を人がいない場所に誘導するのにはどうすればいいか
黒服が過去に関わっていた企業などが黒服に援助してる可能性はあるか
二つの勝利条件を一番詳しく知ってそうなのは誰か
アサシンの即死宝具に対する対策
考えたくないが万が一聖杯戦争による犠牲者が出た場合どう対応するのか
ライダー陣営は令呪を使い切ってるはずだが他にゴルゴーン化する方法を持っているか
仮に生徒の誰かが一線を超えてしまった際どういう対応を上層部はするのか
これはゲヘナに問い合わせてもらう形になるけど万が一にも誰かがライダー陣営の拠点に迷い込まないようライダー陣営に文句言われない範囲で周辺を風紀委員で監視できないか
誰かしら、特にゴルゴンダあたりがマスター権を奪い取って参加しようとすることはありそうか
先生が行方をくらましたことでD.U.での悪影響は考えられるかかな?
最悪の事態の対応とかは集まって話している今のうちに話しておいた方がいい気もするし - 293二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 18:10:54
会議で話し合っておきたい事として思い浮かぶとすれば、
・トキの説得について(トキ関連の情報自体はもう出揃った感じはあるから、あとはどう説得するか、発動するかどうかはともかくとして現時点にトキが加わっただけでも実行可能な対案として予備システムの起動もある訳だから、説得材料自体はある程度揃ってもいる気はするし。
特に、トキ陣営を説得出来ればヒマリが加わる事にもなるから聖杯戦争への対処の手段に関してももっと見つけやすくなるだろうし)
・サクラコの心を開くには(前日のサクラコの様子を伝えて、ランサー陣営を攻略するのというかマリーを説得するのにはきっと必要な事だからと話し合っておくのもありかも)
・【便利屋68内に、陸八魔アルの聖杯戦争に対する方針と噛み合わないメンバーがいる】についてや、ライダー陣営そのものについて(これは便利屋とそれなりに交流のあるホシノとアヤネがこの場に居るしに聞くのもありかな?と)
・監督役でもある黒服、アサシン陣営との交渉というか取引をどうするか
・予備システムについてシュロは起動するなと言っていた事を話、それについての見解を聞いてみる
・現状生存しているっぽい怠惰のランサーをどうするか。正直、宝具の即死効果とスキルによる生存能力厄介だし、下手すると聖杯陣営で一番厄介(データ面でもスキル構成の生存能力の高さがエグイから倒そうとした場合おそらく一番大変な気がする)な気がするから対処を話し合っておいた方が良い気がする。ついでに他の倒し切れてない聖杯陣営のサーヴァントについても
辺りかな?
あとはモモイについても気になる点(検査での体重だったり、怠惰のランサー戦の時にネルに使ったものだったり)はあるけど、そこら辺はヒフミ知らない部分だしな - 294二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 18:47:24
基本はここまで出てきたのでいいとして
・シュロちゃんが言ってた「風情も解さず何もかも手遅れな鈍間、理念と心中するつもりの頭でっかち、法螺しか吹かない大嘘吐き、一人で歩く事すら出来ない臆病者、曇り硝子を覗いて良い気になる間抜け」の意味を考える
・怠惰のランサーへの対処について師匠であるアサシンに協力してもらえるよう交渉すべきか
当たりかな
前者は考えるだけ無駄な気もするけど一応他陣営のヒントだし - 295二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 18:58:15
あと思いつくのだと、マリーの覚悟についての何か心辺りや思い当たる事が無いかウイに聞く(一応ウイはマリーが発症した際の対応とかに関わってた訳だし) とかかな
- 296二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:00:27
黒服はなんで古聖堂を拠点にしてるのか
黒服が言っていた禁止事項である”ルール違反はただ一つ───学園都市キヴォトスに対して大きな禍根を残すことです”
”例えば無関係な民間人の虐殺、マスター間の闘争外での自治区への大々的な攻撃、戦闘を除くサーヴァントの私的な運用、聖杯戦争についての情報を大々的に漏洩する事で社会的混乱を招く行為”
”正確には聖杯戦争の情報漏洩も含めたシャーレへの過度な干渉”
だったけど、私的な運用って具体的になんなんだろう
後黒服はどうやって隠蔽する気なのか
それと黒服と黒服が所属してるゲマトリアについて改めてみんなで考えてみる
セイアはゲマトリアの会議を見ちゃったことがあるからゴルゴンダ以外の構成メンバーのことも知ってるはずだし
後ゲマトリアメンバーを見かけたら報告してもらうとか? - 297二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:13:11
だいたいこんな感じかな?
後は各陣営とどんな感じで交渉すべきか
先生が行方不明になったことで何が起きるかとか? - 298二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:18:13
- 299二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:18:28
- 300二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:22:38
とりあえず、まとめるとこんな感じかな?
陣営攻略関連
・トキの説得について
・サクラコの心を開くには
・マリーの覚悟についての何か心辺りや思い当たる事が無いかウイに聞く
・【便利屋68内に、陸八魔アルの聖杯戦争に対する方針と噛み合わないメンバーがいる】についてや、ライダー陣営そのものについて
・これはゲヘナに問い合わせてもらう形になるけど万が一にも誰かがライダー陣営の拠点に迷い込まないようライダー陣営に文句言われない範囲で周辺を風紀委員で監視できないか
・監督役でもある黒服、アサシン陣営との交渉というか取引をどうするか
・各陣営とどんな感じで交渉すべきか
戦闘関連
・戦う場所を人がいない場所に誘導するのにはどうすればいいか
・ライダー陣営は令呪を使い切ってるはずだが他にゴルゴーン化する方法を持っているか
・アサシンの即死宝具に対する対策
シュロ関連
・予備システムについてシュロは起動するなと言っていた事を話、それについての見解を聞いてみる
・シュロちゃんが言ってた「風情も解さず何もかも手遅れな鈍間、理念と心中するつもりの頭でっかち、法螺しか吹かない大嘘吐き、一人で歩く事すら出来ない臆病者、曇り硝子を覗いて良い気になる間抜け」の意味を考える
聖杯陣営関連
・現状生存しているっぽい怠惰のランサーをどうするか。ついでに他の倒し切れてない聖杯陣営のサーヴァントについても
・怠惰のランサーへの対処について師匠であるアサシンに協力してもらえるよう交渉すべきか
その他
・二つの勝利条件を一番詳しく知ってそうなのは誰か
・最悪の自体について(考えたくないが万が一聖杯戦争による犠牲者が出た場合どう対応するのか&仮に生徒の誰かが一線を超えてしまった際どういう対応を上層部はするのか)
・誰かしら、特にゴルゴンダあたりがマスター権を奪い取って参加しようとすることはありそうか
・先生が行方をくらましたことでD.U.での悪影響は考えられるか&先生が行方不明になったことで何が起きるかとか?
・黒服について - 301二次元好きの匿名さん25/03/01(土) 19:23:20
まとめてたらというか文字数削ってたら安価終わってた
- 3021じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 19:24:05
- 3031じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/01(土) 20:28:46
- 304二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 01:00:06
了解です
となると行動安価は明後日かな? - 305二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 03:36:36
どんな感じの会議になるんだろうな
- 306二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 04:48:16
そういや今更思いついたけど各陣営との交渉においてのサーヴァント側へのアプローチの仕方について、伝承を元に何か思いつくかウイに聞く、とかも良かったんじゃないかな?とかふと思いついたり
以前にくれたスパルタクスについてのアドバイスみたいな感じの - 307二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 11:29:24
そういえばなんでシュロは聖杯戦争に結構詳しいんだろうな
- 308二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 11:30:04
札幌
- 3091じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/02(日) 12:42:27
素でぐったりしてて今じゃんね……良い感じというか出せるギリッギリまで頑張って書いてきますじゃんね☆
明後日、じゃんね☆
とりあえず会話文は思いついて書き起こし始めたけどどうなるか謎じゃんね……
……おお
サーヴァント側へのアプローチ、については面白い案じゃんね☆
実際にその情報、つまりランサーなライダー達の出自や伝承からどうのこうのは書かないけど、アプローチする事自体については触れるじゃんね☆
多分セイバーは笑うし、キャスターは呆れるし、バーサーカーは歓迎するし、ウイちゃんは微笑んでくれるじゃんね☆
設定はざっくりしてるけど一応あるから全部終わったらお話ししたいとこじゃんね☆
シュロちゃんのスタンスはあくまで観客で推しを見に来てるファンじゃんね☆
あー、確か今なんか例の二文字を使うとどうのこうのって話があるんじゃんね?気を利かせてそれでもスレに書き込んでくれてありがとじゃんね☆
1は札幌行った事ないけど釧路あたりなら仕g、課外授業で行ったことあるじゃんね☆
海鮮が美味しかったじゃんね☆
- 310二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 20:04:34
保守保守
- 311二次元好きの匿名さん25/03/02(日) 23:25:23
伏線関係まで見つけてる話題ってなんなんだろうな
- 3121じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/02(日) 23:37:21
- 313二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 00:57:14
楽しみに待たせてもらおう……
笛版を読み返したりしつつ - 3141じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 06:05:38
- 315二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 12:01:33
何の話題から話すんだろうな
- 316二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 18:21:33
このレスは削除されています
- 3171じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 20:11:52
【①シャーレ陣営】
【Recommend BGM……〈Fade Out〉】
・先生が行方をくらましたことでD.U.での悪影響は考えられるか?(>>292、>>296)
『まず貴女達が気になっているだろう事から話をしておきましょうか』
会議のスタートはリオ会長からでした。私達全員に共通して気になる事、となると話す内容は一つになるでしょう。私達の先生、彼のことについてです。先生は昨晩のゲヘナでの戦いの後から行方がわかりません。手元にある手掛かりは彼からのメッセージが入っていると思われるUSB端末だけ。それもまだ解析作業に入っていませんから、残すところは。
『昨晩の襲撃はミレニアムやトリニティ、ゲヘナやアビドスの他にもD.U.で確認されたのは、実際に現地へバーサーカーとミノリさんを派遣した貴女達なら把握済みね』
シャーレの先生が不在、という今この現状そのものについての話になります。
連邦生徒会。キヴォトス全体を運営管理する行政機関です。シャーレと同様、D.U.に本拠地があるので昨晩の襲撃に関しては先生と連邦生徒会のどちらを狙ってか自体は私たちにも判断できません。そしてその襲撃を、ミノリさんが到着するまでの間も完璧に対処し切っていたというのですから流石です。
『その上でD.U.への襲撃を対処した連邦生徒会が今朝発表した声明は、大規模な暴動が発生したが未明には終息、直ちにD.U.やキヴォトス全体の運営への支障が出る恐れはない。また本件に関して他自治区との関連がある可能性は極めて低い、と言っている。同様にクロノススクールも一言一句同じ見解ね。先生が行方不明だなんて情報はどこにも流れていないわ』
クロノススクールはキヴォトスの報道機関系専門学校です。色々なニュースをテレビ、ラジオ、ネット、アプリ、雑誌等で発信していてキヴォトス全体でマスメディアと言えば、という立ち位置にあります。そんな彼女達も連邦生徒会と全く同じ見解を伝えているとなれば。
『間違いなく言えるのは情報に圧力をかけているということ。少なくとも私が知り得る限り、連邦生徒会は聖杯戦争を公的に把握し発表するつもりは現段階でも恐らくないわね。徹底的に情報統制してでも社会的な混乱を避けたい、というのが彼女達の意思よ』
- 3181じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 20:14:12
マスターである私としてはありがたいところです。D.U.でも決して小さくない被害が出たと聞いています。それでもまだ、見て見ぬふりをしてくれる。どんな思惑があってなのかは分かりませんが、今はそれに感謝して恩恵に預かる他ありません。
『当然、先生が作戦中に行方不明になった件についても同様ね。無駄に知らせた所で不必要な混乱を招くなら少なくともすぐにどうこうという事はないわ』
先生の不在も含めて、D.U.は勿論キヴォトス全体でも大きな混乱は起きていない。もちろん連邦生徒会の方達の働きかけも、そしてきっとそうなるように事前に取り計らってくれていただろう頼れる《大人の姿》があってなのは間違いありません。でもそれだけじゃなくて。
『いつまでも、とはいかないがそれでも残る五日間。混乱は抑えてみせるさ。もっとも君達が考えなしに行軍でもしようものなら、その限りではないけどね』
『情報の漏出については問題ないわ。可能な限り……いいえ、私に出来得る《最大》を使ってもカバーしてみせる』
『まあアビドスは人少ないしねぇ……来てくれてた子達もどの子も良い子だったから、きっと大丈夫。混乱なんて起きないよ』
こうして実際に被害に遭ったというのにそれでも味方でい続けてくださる各自治区の代表者の方が。自治区にいて私達を助けてくれる人達がいるからこそ、大きな社会的混乱を現状は心配しないで済むんです。
「だから私達が考えるべきは今できる事、というわけさ。先生の行方は分からないけど……おや、来たみたいだね」
ウタハ先輩の声に私達が吊られて振り向くと、そこにいらっしゃったのは昨日振りに見る姿。
「どっかのおばかの所為でね。来て早々だけどとりあえずデータの解析を先に進めとくから、私は気にしないであんた達は好きに話をしてて」
さっきの今で早速来てくださったチヒロ先輩は、ウタハ先輩からUSBと端末機を受け取るとそのまま解析作業に没入されました。 - 3191じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 20:34:04
【②聖杯戦争全般】
・戦う場所を人がいない場所に誘導するのにはどうすればいいか(>>292)
・考えたくないが万が一聖杯戦争による犠牲者が出たりマスターの誰かが一線を越えた場合どう対応するのか(>>292)
・二つの勝利条件を一番詳しく知ってそうなのは誰か(>292)
『解析についてはチヒロがいれば問題ないわ。話を続けていきましょう』
『なら個々の話は後回しにしちゃって、まずは大きいところから話してこっか?たとえば……さっきの話にも出てたみんなが気になる、数の弱点とかさ』
ホシノさんが口にしたのはミノリ先輩も言っていた問題です。私達は強くなって仲間も増えました。その分、出来ることは増えましたし、単純な戦力強化という面でも新しい敵勢力が出現した今はありがたい。
ですが数が増えた分だけ、強くなった分だけ増えてしまった弱点がある。たとえば他の陣営からは厄介な存在として見られようになるとか、仲間の数だけ身内やお友達の母数が増えますからそれだけ危険に晒される可能性が増えたとかです。そして、もう一つ。
「全戦力をぶつけるとなれば当然被害が大きくなる。だから戦える場所は……限られる、のかな……?」
ヒビキちゃんの言う通り、これが問題です。私達は大っぴらに戦うことは出来ません。強みの数を最大限活かすとなれば、そして今後数と数をぶつけ合う戦いをするなら、被害が出ない場所での戦闘や立ち回りが必要になります。
「で、でもそれって……あ、あぅぅ……」
ヘルタースケルター119機に私も合わせて前線で戦闘可能なのは10名以上。ここから30名以上の工務部部員さん達が明日には合流されますし、何より私達と一緒に戦ってくださるサーヴァントの方は所持する宝具が強力な分小回りが効きにくい。
全力で戦う必要がある場合、昨日の先生のように周囲に誰もいなくて建物とかの被害を考えなくて済む場所で戦いたいところです。そうなるとどこが良いのか、そう思って私達がそれぞれ思い当たる場所を言い合おうとした時に聞こえてきたのは、言い淀むユズちゃんからの疑問でした。
「そ、その……わたし達がその……能動的にソコを選ばなきゃですよね……だからあの……主導権のその……」
初対面のセイア様だったりアヤネさんもいたりの中、顔を赤くして恥ずかしがりながらでも何とか言葉にしようとしているユズちゃん。
- 3201じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 20:35:17
「……それってどっちが先に殴ってきたか、とかの話?」
そんな彼女の後を引き受けるように聞こえてきたのは一人言のように小さな声。
助け舟は緊張したようにちょっとだけ唇を尖らせたコハルちゃんからでした。
「な、なによ!別にこういう事ぐらい正義実現委員会で勉強するんだから!……あ、合ってるよね?ユズぅ」
「う、うん!わたしが言いたかったの、それだよ……!ありがとう、コハルちゃん」
「ほら見なさい!合ってるじゃない!」
「あはは……はい!コハルちゃんはやっぱりすごいです!私はここらへん、ちっともですから。よかったらこのまま教えて下さい!」
意外でもなんでもなく、コハルちゃんは正義実現委員会の一員です。言われてみればこうやって部隊の運用だったり戦術だったりっていうのも馴染みがあるんでしょう。
「任せて!……じゃ、じゃあ話すけど、相手が昨日の夜みたいに市街地に部隊を展開されたら、もう誘導なんて無理よ。前にユウカ先輩が言ってたみたいなその……『少数、つまり聖杯陣営以外であれば避難と保安部の攻撃である程度は誘導できるわ』そう!それ!……です」
リオ会長の補足につい意気込んでしまって敬語を忘れてしまいましたが、構わないの一言でホッとしているコハルちゃん。礼儀正しいところが彼女の素敵な点ですね。
「とにかく!……昨日と同じでたくさんの敵が市街地に入り込んだら、もう人がいない場所に誘導なんて無理よ。昨日みたく避難勧告して被害を抑えれたなんてのはいっそ奇跡みたいな……それだけすごい話なの。だから被害を抑えたい、戦う場所に誘導できるようにしたいっていうなら、待ってるだけじゃダメ。私達が先に相手の居場所を特定して、作戦を組み立てて、それが出来てやっと戦う場所を選べるの」 - 3211じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 20:56:54
昨晩と同じなんだとコハルちゃんは言います、事前予告もなくいきなり現れた敵に対してはどうしても後手に回ってしまうのだと。言われてなるほどと、私達は頷くばかりです。
「幼くも賢きコハルよ。君の意見に私も賛同しよう。迎え撃つとなれば強靭な砦や広い荒野が必要になる。だがそれは敵が攻め落とすべきこちらの城が一つの場合だ。大部隊を展開し、一斉に奇襲を仕掛けてくるとなれば、全ての戦場に対応できる数が必要」
『前の空が赤くなった時みたいに各自治区の全戦力を投入して防衛戦と敵の攻略戦を同時に進められるのなら話は別ですが、聖杯戦争を周知出来ない以上、守る側は後手にならざる得ません。そしてサーヴァントという通常の補給が不要な存在が相手となるなら、私達は敵の本拠地を一刻も早く特定して叩く事が求められます』
スパルタクスさん、アヤネさんのお二人もどうしても後手になりがちだという事から求められるのは守勢ではないと言われます。後手ではなく、先手で主導権を掴むことを意識するのがここからは大切になる、そんな直感が私もします。
『そうなった際、敵がどの自治区に拠点を置いているかで話は変わるが、こちらに関しては我々生徒会の仕事だろう。昨晩の先生達と同じさ。迅速な避難体制を構築し、避難を最小限に抑えてみせよう……ただし、これはあくまで我々が主導権を握っている戦いの場合だ』
「リオの話にあった聖杯陣営以外というのがこの話の肝だな。エリドゥにしろ教会の跡地にしろ数を並べて戦う事はできるし被害も目撃者も抑えられるだろう。マリー達についても目的がマスター狙いだというのならある程度主導権は握れる。だから被害面を考えると」
「問題は聖杯陣営との戦い、ですね」
他の陣営は戦力の多さという意味でアルさん達については懸念点がありますが、彼女達の拠点でとなれば話は別。結局のところ、ここでも問題になってくるのはまだちっとも情報がまとまっていなくて、相手の拠点も分からない聖杯陣営です。 - 3221じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 21:02:21
「……昨日ような、散発的な遭遇戦になった場合……どうしてもわたし達は後手に回っちゃいます……」
「エネミーのランダムポップですね!」
「うん、合ってるよアリス。そうなった時、人気のない場所の近くとか時間帯で遭遇した場合なら誘導できる。ミレニアム内ならユウカが約束してくれたようにオペレートと避難誘導もしてもらえる。けどそれが難しい場合、たとえば街中で急に、それも昼間とかになると……」
「被害を拡大せんように宝具の使用やヘルタースケルターの部隊展開が著しく制限される。だが同時にヘルタースケルターの増産を止めれば、昨晩のような多方面に陣を敷かれた場合やライダー共の雑兵に遅れを取る。数を増やす事自体が必要不可欠だというのに、それが足を引っ張るとは……頭を悩ませてくれるものだ」
腕を組んで唸るキャスターさんに頷きながらホシノさんも両手を上げつつ眉を下げられました。
『どっちにしても、早く敵を見つけて倒さない事にはどんどん被害が大きくなる。だけど見つけるたびに、戦うたびに全戦力を投入したら大変なことになっちゃう。だから見極めが大事だね』
『人がいない場所に誘導できる戦いが出来る状況は限られます。夜間で、避難する対象の数と移動距離が少ない地域でかつ相手の狙いが明確で誘導できる場合。そしてミレニアム、トリニティ、アビドスといった自治区運営サイドと協力体制を構築済みの自治区でのみです』
今アヤネさんが挙げてくれた自治区名はアビドスを除けば私達同盟陣営とマリーちゃん達ランサー陣営、トキさん達アーチャー陣営、そして黒服さん達アサシン陣営が拠点を置いている自治区です。逆に言えば、ゲヘナやD.U.といった他ので戦闘になった場合は基本的には今のままだとサポートは全く受けられませんから、被害の予測も立てられません。
「相手の動きが読めない以上、理想的な戦場で一切の被害を出さずにというのは私達が主導権を握れる戦いじゃないと不可能だ。もし市街地で戦うような状況や被害の拡大を防ぎたいとなると、そもそもそれが発生する可能性自体を減らすしかない。つまり」
「迅速な聖杯陣営の拠点把握と討伐しかない」
ミノリ先輩が話をまとめたところで次に手を挙げられたのはここまで静かに資料を確認されていた方。
「……話がひと段落したようですから。確認、良いでしょうか?」
古関ウイ先輩でした。 - 3231じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 21:15:53
【Recommend BGM……〈Crucial Issue〉】
古関先輩は疲れたように眉間を細い指で揉んでから、重たそうに口を開かれました。
「……はぁ。トリニティ総合学園図書委員会委員長古関ウイが同学園生徒会ティーパーティと、ミレニアムサイエンススクール生徒会セミナー及びアビドス廃校対策委員会に解答を要求します」
溜め息一つ。そこから飛び出たのは想像よりずっと固い口調。何より次に飛び出してきたのは、考えてもみない、いいえ。
「自治区の運営サイドは、今回の聖杯戦争で被害が出た場合は……いえ、明確な死亡者やマスター側が一線を越えた場合はどうなさるつもりですか?」
きっとこの場にいる誰もが考えないようにしていた事について尋ねるものでした。
「っ!……うふふ。ウイさん?急にびっくりしちゃいますよ。別に今それは「今だからでしょ。甘やかさないで」……ウイ先輩……」
「ウイ……何も君が話さなくても……」
古関先輩とは思えないぐらい鋭い声が、ハナコちゃんのやんわりとした言葉をぴしゃりと跳ね除けてしまう。さっきまでとはまた違う緊張感が私達の中で走りました。喧嘩とかそういうのではなく。
「……私だって叶うならこんな事聞きたくない。この質問は貴女達マスターに対するある種の侮辱でもある。お前達の頑張りは信用出来ない、犠牲者が出るに違いない。そう言ってると捉える人がいてもおかしくない」
きちんと聞いておかなきゃいけない、大切な事なんだとひしひしと伝わってくるんです。 - 3241じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 21:29:12
「だけど……それでも。聞いて、はっきりさせておかなきゃいけない。だってこれは、マスターである人間の……聖杯戦争に携わる人間の責務だから」
息を呑んでから深呼吸。
「解答をお願いします。百合園生徒会長、調月生徒会長、小鳥遊委員長。貴女方は聖杯戦争で甚大かつ取り返しのつかない被害が起こった場合、どういう対応を執る事が出来ますか?」
それからウイさんはいつも静かさに包まれてる瞳が嘘みたいに力強く、モニターの向こうにいる三人の長へ解答を要求されました。毅然とした態度に思わず呑まれてしまうんじゃないかと思っていたのは果たして数秒のことなのか、数分のことなのか。
暫く沈黙が続いてから目をつぶったまま、セイア様はゆっくりと口を開かれました。
『……君の想像通りだ、ウイ。最悪の事態が起きた場合、少なくともティーパーティは聖杯戦争で起きた痛ましい事件の全てを事故として処理する』
『……我々も残念ながら同じね。聖杯戦争への関与を公に出来ない以上、私達は泣き寝入りするしかない。説明という責任を果たす事すら自治区の存続を揺るがしかねない以上……私達は何も言えない。そうなった時はきっと……百合園生徒会長の言うように淡々と事故として処理するのでしょうね』
同じように、普段とはずっと違う苦い物を噛み締めてしまったような顔をしてリオ会長も仰います。お二人の様子とその内容に、私達は言葉を失ってしまいました。だってそうなんです。お二人が言った言葉の意味、そしてそれを言ってしまった彼女達の気持ちを考えるとあまりにも。
「ありがとうございます……では、アビドスはどうですか?」
そして古関先輩の視線は一点に、まだ解答をしていないホシノさんへと向きました。サーヴァントの方についてや伝承についてお話ししてくださる時の叡智溢れる姿とは違う、毅然とした態度の古関先輩。対するホシノさんは。
『あー……そうだなぁ。うちはどうしよっか?アヤネちゃん』
柔和な笑みとふにゃっとした返事でした。 - 3251じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 21:40:37
『っちょ!……ふぅ、はぁ……ちょ、ほ、ホシノ先輩!?ま、真面目に考えて下さい!』
『うへー、やだなぁ。おじさん、ちゃんと考えてるってばぁ……まあ、うちはこの様子だし、とりあえずは保留かな?』
のらり、くらり。
必死なぐらい思わず、と言った様子で隣にいるホシノさんを問い詰めるアヤネさんに対して、笑みを崩さないままでいたホシノさん。
「では質問を変えます」
『おっ!おじさん、今の話題、ちょぉっと苦手だからありがたいかなぁ。いいよいいよ、おじさんが受け止めたげるから、どーんときなぁ』
「アビドス自治区内で聖杯戦争によって致命的な被害が起こった場合」
古関先輩の態度やセイア様達の苦々しげな姿と比べてしまうと、いっそのこと不真面目にも見えてしまう対応。
「───ご自身はどうされるつもりですか?」
それに古関先輩は、さらりと急所を刺しにいきました。自分でもどうしてそんな風に思ったのかは分かりません。
『……へぇ、顔に似合わずってやつ?あんまりシャーレで組んだ事なかったけど……ほんっと、聖園ちゃんといい正実ちゃんといい、トリニティってすごいねぇ』
けど、古関先輩が言った一言はあまりにも鮮やかな形で話題を避けようとしたホシノさんの笑顔に亀裂を入れたのは間違いありませんでした
『まあ、それこそだよ。その時になったら決める。ああ、けど。ここまで図書委員長ちゃんや会長ちゃん達に言わせて、私だけ明言しとかないのは流石に卑怯だから言っておくよ』
『もしもアヤネちゃんや対策委員会のみんなが、私の大切な物が……誰か一人でもそうなってしまったら。多分私はアビドスの委員長を降りるよ』 - 3261じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 21:50:08
アヤネさんの動揺の声は今度は途中で遮られてしまいました。
『なっ!?ホシノ先輩っ!またそ『アヤネちゃん』……っ!』
他ならぬ、ホシノさんの温度なんてない静かな声。
『聖杯戦争は殺し合いだよね?キヴォトスって社会の枠組みの中では絶対に受け入れられない、受け入れちゃいけない。これは不文律で、だけど間違いなく存在するルールだよ。そしてマスターにはヒフミちゃん達も……私や私の後輩達の友達がいる。私達を助けてくれたあの子達の中にも、きっと友達な子がいる。だからどんな事があって自治区として聖杯戦争の事実は公表できない、したくない』
セイア様もリオ会長も小さく頷いていました。神秘の秘匿なんてルールがないキヴォトス。だというのにこの地でも聖杯戦争は絶対に公にしてはいけない、したくない物でした。
『ヒフミちゃんが殺し合いに参加してる事実も、私達が聖杯戦争に携わった事で殺し合いに関与していた事実も公には出来ない。それは多分、先生にも出来なかった。出来なかったからこそ、生徒会と関わりの薄い子を集めて特殊部隊を作ったり、私達生徒が自分達で助け合えるよう働きかけてくれた。それぐらい、この問題は根深くて取り扱いが難しい』
どうあっても自分の願いの為に誰かと殺し合いをする、異なる世界から呼び出した人を使って殺し合いをする。そんな陰惨な戦いを、私達は受け入れられないから。だから生徒会の皆さんもこっそりと協力してくださって、先生も大々的には決して動かなかった。
『だから最悪の事態が起きた時、私はアビドスという自治区の枠組みの外に出て、私という個人で聖杯戦争に対してケリをつけなきゃいけなくなる……無責任、なんだけどね。でもきっと、そういう責任の取り方をするよ』
そういう状況で、恐らくホシノさんのような立場の方が、彼女が考えている方法で責任を取るのならば。自治区も立場も捨てて身一つにならないといけないのだと、そうするのだとホシノさんはちょっとだけ寂しそうに言いました。
『そんなのはッ!……そんなの、また……っ!』
あんまりな話でした。噛み付くような勢いで、溢れるような怒りと哀しみと、そして僅かな納得すら滲ませて。アヤネさんは出てこない言葉の代わりに吐息だけを吐き出している。
『そう、だからこれはさ……そうならないようにしてほしいなぁって話』 - 3271じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 22:10:14
ウィンクを一つして、座っておられる正面の机に持たれ掛かるホシノさん。そのすぐ後に通信が切られました。
「理解して。私達は、是が非でもこの戦争を終わらせなきゃいけない」
それを見て、今度は静かに古関先輩が喋り始められました。
「個々の生徒会の立場からではどうあがいても聖杯戦争にはこれ以上関われない。このキヴォトスを守れるのは事情を知っている私達しかいない。何故なら聖杯戦争は公的に存在しない。誰も聖杯戦争に対して社会的な責任を果たせないし背負えない」
それから古関先輩は私とモモイちゃんとミノリさんの三人の目を見られました。タンザナイトはハッとするほど力強くて、仄暗い夜の渚のように静かでした。
「私達が戦っているのはそういう物よ。ヒフミさん、ミノリさん、モモイさん。貴女達当事者以外は誰も皆、泣き寝入りするか、立場を捨てて私人として責任を果たす他なくなる」
覚悟しなさい。
言葉の裡が、私たちを見つめるその瞳が。そう言っているように、私には感じました。今までだって覚悟はしてるつもりでした。でも今改めて、私の背中に、私達の背中にはとてもたくさんの大切な責任と命を背負っているのだと確認する気分でした。
背中が痛むぐらい冷えるのは汗が伝うから、いつの間にか口の中まで渇いてしまって、呼吸するのも忘れてしまう。目には見えません。だけどそれぐらい重たい物が私の背中にあるのを感じるんです。
「……だから……これ以上の被害を食い止める為に少しでも早くこの戦争を終わらせる……ですね?う、ウイ先輩」
ウイさんと二人だけになったような錯覚すら覚えていた時間は、ふいに掛けられた控えめな声で終わりました。
「……はぁ、そう。それが当事者の……いえ、マスターの責務よ。戦って勝つ。そして終わらせる。そうしなきゃ、全部終わった時に誰も報われないし浮かばれないんです」
ユズちゃんの言葉に、鼻から可愛らしい息を吐き出してからウイさんは目線を逸らしてしまいました。重々しい空気も一緒に払拭されました。 - 3281じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 22:29:47
【Recommend BGM……〈不屈の覚悟〉】
「ならさ、だったらさ!やるっきゃないね!……いつも通り、私達に今出来ることを全力で!」
けど、確かに感じた重さに私もモモイちゃんもミノリさんも頷き合います。
「私がよくウジウジ考えて……って言うのとはさ、全然違う。こうやってしっかり考えてくれるウイ先輩達がいてくれるから、私達のやるべき事はハッキリした。ありがとう、ウイ先輩!」
今こうやってたくさんの人達が一堂に介して会議をする機会だったからこそ、ミノリさんがこれから起きるかもしれない被害や私達の弱みを話されたように。古関先輩も、最悪の事態を見据えた上で、それを起こさない責任について今一度考えれる時間と答えをいっぺんにくれました。
ほんの少しでも余裕がある今だからこそ受け止められる、大事な責任です。今話してもらえて、リオ会長達から聞くことが出来て本当に良かったと、心から思いました。
「どういたしまして……嫌味の一つでも言ってくくれば良いものを。まあでも、その前向きさはこれからの戦いで必要でしょうから忘れずに。もしかして、なんていうくだらない空想は幾らでも私が考えます、それしか出来ませんから」
「その分、私達は前だけ見てられます。悲劇的な現実が待ってるかもしれない。だったら私たちはそれご起きないようにその現実と戦うだけです!」
「暗い話はこれでお仕舞いだな。ここから先は勝ち方を考えていくとしよう」
にやりと笑うミノリさんに古関先輩は暑苦しそうに顔を顰めます。でもそれがまたちょっと不器用で、可愛いくて頼りになる先輩だと一層私達は感じたんです。 - 3291じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 22:32:27
「私達がハッピーエンドを目指す以上、重要になってくるのはおそらくは三つです!残る四つ陣営との交渉、そして明確な脅威となっている聖杯陣営の撃破!そして勝利条件についての調査となります!特に最後の一つについては私も気になっています!強欲のアーチャー!彼の発言を振り返るに……恐らくこちらは聖杯戦争そのものを恒久的に終わらせる方法になるのではないでしょうか!」
コトリちゃんの言葉に続く形でセイバーさんも補足をしてくれます。強欲のアーチャーさん。シロコさんとホシノさんから聞いた、彼が最後の時に彼女達へと託してくれたメッセージ。
「片方が大聖杯の破壊となれば自ずともう片方の予備システムについても達成する事で大きな恩恵を僕達側が受けられる物だろうね。ただし通常の聖杯戦争の勝利条件じゃない点は注意が必要だ。この件について詳しいというのは……少なくとも僕の知る限りでは一人しか思いつかないな」
今回の聖杯戦争における二つの勝利条件。少なくともこれまでどの陣営からも聞かなかったその言葉。けれど私達の頭の中には一人の姿が思い浮かんでいたんです。
【③アサシン陣営について】
・黒服と黒服が所属してるゲマトリアについて改めてみんなで考えてみる(>>296)
・黒服はなんで古聖堂を拠点にしてるのか(>>296)
・ゲマトリアメンバーを見かけたら報告してもらうとか?(>>296)
・黒服が過去に関わっていた企業などが黒服に援助してる可能性はあるか(>>292)
・黒服はどうやって隠蔽する気なのか(>>296)
・セイアにゲマトリア構成メンバーの事を聞く(>>296)
・第三者がマスター権を奪い取って参加する可能性(>>292)
・黒服が言っていた禁止事項である学園都市キヴォトスに対して大きな禍根を残す行為のうち私的な運用って具体的に何を指すのか(>>296)
・各陣営とどんな感じで交渉すべきか(>>296)
・監督役でもある黒服、アサシン陣営との交渉というか取引をどうするか(>>293)
・予備システムと起動の是非についての見解を聞く(>293)
・アサシンの即死宝具に対する対策(>>292)
- 3301じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 22:35:26
- 331二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 22:42:14
おつかれさまです
- 332二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 22:43:55
おつかれです
いやー流石に量が多いから大変そうだー
無理せずに確実にやっていきましょう - 333二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 22:54:36
???「一歩一歩、着実に前進していきましょう」
- 3341じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/03(月) 23:03:36
- 335二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 23:12:10
お疲れ様です
黒服に関する話し合いで何が出るのか
間違いなく重要人物だし
後スレ主的に一番想定外だった話題は何かは気になるな
話し合いを書き切った後でいいから知りたい気持ちはある - 336二次元好きの匿名さん25/03/03(月) 23:35:03
ゲマトリアが監督に関与してる可能性は高いはずだから
ゲマトリアという組織について話す必要はあるだろうし
この話し合いは結構重要だろうな
ゴルゴンダとフランシスが入れ替わったタイミング的にフランシスの情報についてはこの場のメンバーはほとんど知らないだろうけどそれ以外のメンバーについてはある程度知ってる人がいるわけだし
何かしら分かることがあればいいが - 337二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 08:39:55
保守です
- 3381じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 12:37:30
お昼じゃんね☆今日は帰りが21時前後だからとりあえず21:30目掛けて投下してくじゃんね☆
ありがとじゃんね☆
黒服については……かなり悩んでるじゃんね☆そこら辺は黒服関連の会議が終わってから補足、というか1は言い訳させてくだしゃい……じゃんね☆
想定外だった質問じゃんね?もちろんオッケーじゃんね☆書き終わったらお話しさせてくださいじゃんね☆
原作読み直して絶賛頭抱えてる最中じゃんね☆
残りのアーチャー、ランサー、ライダーとはあまりにも状況が違ってて、整合性の問題もあるからまぁじで書いても書いてもな感じじゃんね☆
視点の違いは本作の肝ではあるけどまさかこんなところでブーメランがぶっ刺さってくるとは思わなかったじゃんね☆1は己の浅はかさを恨むじゃんね☆
……なんとか上手いことまとめたいとこじゃんね☆
保守ありがとじゃんね☆
- 339二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 13:15:36
黒服が拠点にしている場所が通功の古聖堂っていうのがな
あそことカタコンベは繋がってるしアズサは古聖堂の地下でヒエロニムス見てるから
セイアがどこまで知ってることを話すのか
全部話したらゲマトリアへの警戒度は一気に上がりそうではある
アリウスを支配していた人物もアリウスにミメシスを提供していた人物もゲマトリアの構成メンバーってことが分かるわけだし - 340二次元好きの匿名さん25/03/04(火) 19:21:38
会議に参加してるメンバーでゴルゴンダとフランシスが入れ替わったこと、ベアトリーチェが追放されたことを知る人はいない状況だから
前者はともかく後者を把握していない状況だとベアトリーチェが怪しく見えてもおかしくない状況ではある
古聖堂にてトリニティとゲヘナを襲撃しているアリウスのトップだった人物であり
ロイヤルブラッドであるアツコを犠牲にして儀式を行おうとした人物で
その儀式ではキヴォトスにいない何かを呼ぼうとしていた
聖杯戦争も儀式だしキヴォトスにいないはずの存在であるサーヴァントを呼んでいるわけだから
関連性があるし
まあ黒服に聞けばもう追放してるって話はしてくれそうだが - 3411じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 20:41:53
- 3421じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 21:33:18
【③-1.アサシン陣営について】
・黒服と黒服が所属してるゲマトリアについて改めてみんなで考えてみる(>>296)
・黒服はなんで古聖堂を拠点にしてるのか(>>296)
・ゲマトリアメンバーを見かけたら報告してもらうとか?(>>296)
・黒服が過去に関わっていた企業などが黒服に援助してる可能性はあるか()
・黒服はどうやって隠蔽する気なのか(>>296)
・セイアにゲマトリア構成メンバーの事を聞く(>>296)
・第三者がマスター権を奪い取って参加する可能性(>>296)
【Recommend BGM……〈Let me think about it〉】
二つの勝利条件。アビドスに侵攻してきたシャドウサーヴァントの軍団を指揮して、恐らく霊基が汚染、というのを受けていながらホシノさん達に大切なメッセージを残してくれた強欲のアーチャーさん。彼が最後に残してくれたのがサーヴァント七騎を倒すことで現れる大聖杯の破壊、もしくは予備システムという物を起動する。そのどちらかが私達の勝利条件だという物。そしてそれをよく知っているだろう人物に、私達は一人だけ心当たりがありました。
「監督役……黒服さんですね」
キヴォトスで始まった聖杯戦争の監督役。本名は存じ上げませんけど、黒服と呼ばれるアサシンさんのマスターである大人。恐らく私達が知る中で唯一勝利条件について知っていると思われる人です。
「普通に考えればああいう如何にも怪しそーな人が黒幕、なんだろうけど……なんていうか、今一つ決定打に欠けるよね」
モモイちゃんが頭を掻いていますけど、私も同じ気持ちです。黒服さんは怪しいです。見た目も言動も真っ黒です。でも、彼は私に対して誤魔化したり言わなかったりする事はあっても、嘘は吐いたことがありませんでした。
「実際、ケーキ奢ってもらったりアルさんとの戦いでも間一髪のところを助けてもらっちゃってますからね……個人的にはあんまり疑いたくない、って気持ちがあります」
「うん。あそこの店で食べたケーキは美味しかった。奴は話も真剣にしてくれた……けど」
聖杯戦争開始から五日目にトリニティのカフェで会った時も。七日目の夜にモモイちゃんやアリスちゃん、アズサちゃんが倒れてヘルタースケルターさん達もやられちゃった中、アルさん達と正面衝突しそうになった時も。
- 3431じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 21:45:10
そして二日目の時だって。彼は直接私を殺す機会が何度もあったのに、素振りすら見せず必要な事を教えてくれました。
けれど、同時にもう一つ。
「私はヒフミほどはだな。現状、陣営として敵対はしていないだけで味方でもない。何より……アサシンはヒフミを一度殺そうとしている」
「アズサちゃん……」
俯いて唇を噛む彼女の言う通り、黒服さんと契約したアサシンさんに、私は殺されかけてそれを庇ってくれたアズサちゃんも大怪我をさせられました。今思い出しても、苦くて、つらい思い出です。
「僕がヒフミに召喚されたあの日の事だね。ここまでの話の中でもあったように聖杯戦争は秘匿される物だ。僕らがいた世界では魔術師社会の秩序に則って、そして此処キヴォトスでは聖杯戦争その物が社会に対する巨大な異物であるからだろう。目撃者への対応は各マスターや監督役に委ねられるけど……」
「口封じ、というのはまあ考えられる話というやつか。これだから監督役なんて役職にふんぞり返っている権力者というのは……」
理解はしたが納得は出来ないと怒ってくれるミノリさんに他のみなさんも頷いてくれています。実際のところ、その事についての整理は私だってついていません。聖杯戦争の目撃者を口封じする為に、手に掛ける。そういう残忍で私からすると軽挙にしか見えない手段を取れる、というのは納得なんて出来ません。何より、アズサちゃんは治りこそすれど大怪我を負いました。それが私の中でしこりになっています。
「ある意味で我らの知る聖杯戦争に最も行動が近しいのがあの男だ。聖杯戦争や魔術の秘匿、被害の隠蔽、果ては各陣営の状況を把握し必要とあらば調停。そして目撃者に対する口封じ。いずれも我らにしてみれば実に聞き慣れた立ち振る舞いだ……今回が初、いやそもそも土壌として聖杯戦争という概念すらなかった土地である……というのにな」
「職務に全う、というわけか?気に入らないな、本当に……ただ、確かに奴は仕事に対してはきっちりしていた。直接の関わりが薄いからあれだが、口封じなんて碌でもない仕事以外にまマスターへの説明、なんてのもしていたな。ヒフミ達だけでなく、たとえば私なんかには契約継承の事もあの男から説明を受けている」 - 3441じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 22:12:05
キャスターさんの説明にミノリさんが頭から湯気が出ちゃうぐらい怒っている中、彼女がふと思い出したように口にしたのは黒服さんの仕事ぶりについて。中身は違いますけど、やはり私と同じようにしっかり色んなことを教えていて、マスターになってしまった生徒へのアフターフォローをしているんです。なんというか律儀だなぁ、だなんて間の抜けた感想が頭を掠めたところでセイア様が疑問の声をあげられました。
『すまない、そのブローバックファンタズム、だっただろうか?それについての説明をお願い出来るかい?』
しまった、とはしたないですけど思ってしまいました。セイア様は今朝の会議からの参加して下さっています。一応ある程度の話、たとえば聖杯戦争のあらましでしたり、マスターの事でしたりはナギサ様やユウカちゃん達ミレニアムの方を通して聞いているというのは伺っています。けど直近、昨晩あった会議で出た契約継承と呼ばれる特殊なスキルについてはお伝えできていませんでした。
「簡単に言えば、契約しているサーヴァントのスキルを一部共有出来るんだ。私であればスパルタクスの……まあそのなんだ、あるスキ「被虐の誉れである!」ええい!うるさい!言うなっ!隠そうとしてただろうがっ!私の性癖がお前と一緒だと勘違いされるだろうがっ!」
「おお、これもまた愛……」
「バーサーカー。年頃の少女との会話はっていうのは難しいね……」
なんでかセイバーさんとバーサーカーさんの二人して黄昏れますけど、無視しましょう。キャスターさんも呆れてため息を吐いておられますし。
「……ブローバックファンタズム、逆流性感応現象はざっくりと言ってしまえば霊基と私達の肉体が契約を通して相互に干渉した結果、偶発的に発生した特殊事例らしい。召喚されたサーヴァントのスキルのうち、相性さえ合えばマスター側もスキルの恩恵が適用される」
ちょっぴり顔を赤くしつつ咳払いをされたミノリさんのお話は昨晩も聞いたものです。私の場合は『直感』というスキルで、自覚はありませんでしたが私を助けてきてくれた物です。
『ふむ、偶発的……だとすると件の現象は、どうやらキヴォトス特有の現象、或いはシステムのようだね。そして黒服と呼ばれる大人は君にはその説明をしていたが、阿慈谷ヒフミさんと才羽モモイさんへは説明しなかった。そういう認識で捉えるが構わないかい?』 - 3451じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 22:26:41
ここでセイア様が切り込むのは説明が私達にされたか否かについて。監督役の務めだからと度々口にしていた黒服さんですが、確かに私には説明がありませんでしたし、彼とモモイちゃんが初めて会った四日目のカフェでもそういった会話はありませんでした。ただそれについては何となく予想できます。
『(聞かれなかったから答えなかった、当たりだろうね)』
『(あはは……まあ、そうでしょうね。自分の身体とかに反映するスキルですから説明が欲しいですけど……)』
『(逆に言えば、自身の身体に起こる事ならいずれは何かしら違和感を覚えて聞きに来るだろうってとこか。本当になんというか……)』
底意地が悪い、というのともまた違うなんとも微妙な塩梅のやり口です。この分だと私がタイムリミットについて知るのもトキさんから教えてもらわなかったら、多分拒絶反応を発症してから悠々と教えにきた感じですかね。
そんなありそうだった想像をしているとミノリさんのやたら低い小声が聞こえてきました。
「……不本意ながら私は聞いたからな、直接」
不本意を強調しつつ、直接聞いたと言うミノリさんはいつもと違って覇気もないですし、何より珍しく下を向いておられました。
「召喚された直後から心当たりがあったのかい?君に適用されたスキルは肉体の回復が主たる物だったから……たとえば怪我が突然治ったような」
モニターの向こうにいるセイア様も様子が気になるのか、心配そうに声を顰めておられます。みなさんも、何故か手を口に当ててにこやかにしているハナコちゃんとにやにやしてるウタハ先輩以外、普段と全然様子の違うミノリさんに心配しておられます。もちろん、私も思わず彼女に声をかけようと思いましたけど。
「……不本意だ。不本意なんだが」
そこで声と一緒に伸ばした手は止まりました。
「……この筋肉ダルマと契約することで発生する肉体的な変化はあるのか、と尋ねたんだ……」
だって顔を上げたミノリの頬と耳は真っ赤にお化粧されていましたから。 - 3461じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 22:33:05
「……同居をするとルームメイトと性格が似てくるとかあるだろ?たたでさえ魔術とかいうファンタジーな契約なんだ。正直こいつにつられて無駄に筋肉がついたりするっていう嫌な想像が頭を過ったんだよぉ……」
きょとんとしているセイバーさんと朗らかに笑って何のことかさっぱり理解してなさそうなスパルタクスさんは放っておくとして。私達が涙目でぷるぷる肩を震わせておられる頬を赤くしたミノリさんへ思う事は一つでした。
「思った以上に切実な問題だったね……」「切実ですね……」「それはちょっと私も嫌だな……」「私も少しそれには抵抗が……」「ごめんなさい、ミノリ先輩……それは聞いても仕方ないです……」「細身ならまだ、いいんだけどね……」「今ある服着れなくなるのはほんといや……」「コスプレ関係は切実ですよね、そうじゃなくてもお気に入りの私服とかも……」「わ、わたしも……」「そうですよね、ミノリさん……」「気持ち、すごい分かるから。貴女も一人で大変だったのね」『おじさんもちょっとそれは……いや、だいぶやだなぁ……ところでみんな、今なんの『何勝手に通信開き直してるんですか!?まだお説教!すんっ!終わってないんですよホシノ先輩っ!あ!シロコ先輩!ノノミ先輩!セリカちゃんにそれからハイランダーのお二人まで!ちょっとこっち来て聞いて下さいっ!』う、うへ〜』「くくっ、いやぁ改めて聞いてもだね、ミノリ。確かにその心配の種は……言葉にするのも恐ろしい話だよ……くくっ」
「みんな……あとウタハ、拠点裏」
訂正。どうやら昨晩あたりにでも話を聞いておられたのかウタハ先輩は笑っていました。
「筋肉がつくのは悪いことじゃないぞ?身体は資本だ」
「はい!グラップラーにジョブチェンジが出来るチャンスです!」
『確かに不必要な筋量が増えるというのはコスト面を考えるとパフォーマンスに劣るわ。けれど総合的に見た時に労働力や健康の向上に繋がり、更に本来必要な運動をせずとも一定以上の筋量をノーリスクで得られるという利点があるのも無視できないのは事実ね』
「お前達……」
再度訂正です。アリスちゃんはまだしも、アズサちゃんとリオ会長にはまたちょっと後でお話がいりますね。ついでにショッピングにでも連れ出してスタイルと可愛いお洋服の相互関係を説明しなきゃです。 - 3471じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 22:45:50
『君が懸念した理由はよく分かったよ、ミノリ。そしてそこの三人に淑女としての教育が必要な事もね』
セイア様も嫌な事を思い出させて悪かったね、と謝罪をされてこの話はおしまいです。ちなみに契約継承以外ではサーヴァントの方との契約によって起こる肉体の変化、というのは基本的にはないというのも、初対面の時に聞いたそうです。
「でもやっぱり……黒服さん、色んなことを知ってるんですね……」
「彼の話では聖杯戦争の仕組み自体には関与していないそうだけど、やはり監督役だからでは説明が付かないね。そもそも第一のマスターという話だし。……それに聖堂教会もないこのキヴォトスで、彼が一体誰から言われて何のためにその役職に就いたのか、それすらまだ分からないからね。全てにおいて推測が難しいと言わざる得ないな」
改めて話をしていても、まるで全てを網羅しているような感じだと思ってしまう黒服さんの言動。セイバーさんも顎に手を当てて訝しんでしまうぐらいにはやはり怪しいと感じているようです。ただ気になる言葉が一つ。
「セイドウ教会、ですか?」
『魔術協会』というのがセイバーさん達が元いた世界にはあって魔術師と呼ばれる方達が所属している、というのは以前伺いました。けど今セイバーさんの話の中にあったセイドウ教会というのは初耳でした。
「魔術の世界には神秘の秘匿という規則がある。当然、取り締まる組織も幾つかある……という話は前にしたな?聖堂教会もその一つだ」
「通常、という区分が正しいか分からないけど、少なくとも僕が知る限り聖杯戦争の監督役には聖堂教会から派遣された人間が任に着くものだった筈だよ」
「許し難き圧制者の総本山!唾棄すべきは驕り高ぶっ「はいはい。分かったからそういうのは念話で私に伝えてくれ。話を遮って敵わん」……ぬぅん」
「あはは……御三方とも、ありがとうございます」
セイバーさん達な言うにはどうやら魔術協会とは別にある組織みたいです。こっちで言うとちょうどシスターフッドのような組織なんだとか。黒服さんがシスター服、はちょっとどころじゃないぐらい似合いませんね。
「教会……だったら黒服って人が通功の古聖堂を拠点にしてる事にも、もしかして意味がある……とか?」
そんな風にスーツ姿以外は想像できないと思っているところに飛び込んできたのは、ユズちゃん呟きでした。 - 3481じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 23:02:45
「こ、こういうのって……RPGとかだとその……教会に隠されてるっていうか隠してるその……大切なアイテムとか……あ、ああるかも!……とか、なのかなって?そ、そその!意味がある!意味があるとしたらって意味で!」
慌てるユズちゃんでしたが、私達の中にあったのは納得です。私達にとって通功の古聖堂は大きな意味を持っています。とはいえ、あまりにもその印象が強くて拠点自体の意味というのを今日まで考えてこれませんでした。確かに言われてみれば、わざわざまだ壊れたままになっている古聖堂を拠点にしている意味は一体何なんでしょうか。
「教会はどく消しやふっかつの呪文をかけてくれるところです!アリス、ドラゴンテストとファイナルファンタジアで学びました!パラディンにジョブチェンジも出来ます!」
「聖杯戦争に関連した物が納められている、だから古聖堂を拠点している。筋は通る、な。そして私達が知る情報だと」
「聖杯、そして……」
黒服さんが拠点を置いた理由。それが古聖堂自体にあるとすると考えられるのは二つ。まだ見つかっていない大聖杯かその魔術の式というのが刻まれている場所その物。もしくは以前説明を受けた一時的に敗退したサーヴァントの方の魂を保管する小聖杯。
そしてハナコちゃんが、この場にセイア様がいるからこそ言い淀んでしまう。
『地下数十キロにも及ぶ巨大なカタコンベだね。話に聞く、ゲヘナが開発した例の地下坑道……そのオリジナルといういうべき物がアリウス自治区まで延びている』
ゲヘナとの戦争の引き金になり兼ねない、ゲヘナの旧カイゼリン・ブリッツ記念教会跡地から各自治区へと延びる秘密の地下通路。その元になったらしい迷宮のようになっているらしいカタコンベの存在です。
「もう、聞いていたんですね?セイアちゃん」
『さて?今ここにいる私は確かに百合園セイアだが、あくまでこの場も含めて聖杯戦争に関連する全ての内容は非公式だったとティーパーティは認識している……それで良いかな?』
カタコンベの存在自体、別にトリニティ側では大きく風聴しているような物ではありません。未だ調査中らしく、内部の構造も古い地図や私達が受け取った写しこそありますけど、まだまだ分からない部分が多いらしいです。 - 3491じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 23:19:10
なにより、カタコンベと関わりが一応あるゲヘナの地下通路。元々他自治区への侵攻用という話で、かなり政治的にもデリケートな物です。それをセイア様は澄まされたお顔で静かに微笑んで流して下さいました。その様子を見る限り、きっと私達が全部を終わらせた時には、丁寧に、そして秘密裏にこの問題を処理して下さるのだと確信を持てます。
「……ありがとうございます。では、話を戻しますけれどエデン条約の一件以降、通功の古聖堂の地下にはカタコンベが存在するのが確認されました。昨日サクラコさんが私達に渡してくれた地図がそれです……さて、みなさん」
セイア様の言葉を聞いてから一度目を伏せたハナコちゃんがもう一度前を向いた時、その瞳の色に私は驚いてしまいました。いつだって優しい彼女の瞳が、この時はすごく痛々しさと強い覚悟を秘めた色に染まっていたからです。
「私達はカタコンベを利用していると思われる陣営に黒服さんとは別で心当たりがありますよね?」
カタコンベを利用しているかもしれない陣営。私達が調べた限り、それは一つしかありません。
「……ちょっと待って。じゃあなんなの?マリーがその……黒服って人と協力してるってこと?」
ランサー陣営。私達のお友達である伊落マリーちゃんがマスターで、ランサーさんの受肉を叶える為に戦っている彼女だけです。
「もしもカタコンベの存在の有無で通功の古聖堂を選んだというのなら、になりますが。ただ大聖杯という物が地下に隠されている可能性もありますし……それにコハルちゃんの考えに対する一応の否定材料を私は用意してあります」
驚いて、けどすぐに首を振ってから静かに尋ねたコハルちゃんへ、ハナコちゃんは唇を一文字にしつつ言葉を選ぶようにして答えていました。
「ただ根拠としてはとても弱い。少々、乱暴ですし希望的観測なんです……だから監督役がアサシン陣営として、聖杯戦争で何らかの目的を達成する為に他陣営と繋がっている可能性を私は否定しきれません」
「希望的観測で乱暴か。随分と気弱だな、ハナコ。思うに君は伊落マリーさんと黒服は繋がっていないと考えたいようだが、私は逆だぞ」
釈然としない、そう言いたげながらも何かを確認するように聞くミノリさんへハナコちゃんは頷きました。 - 3501じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 23:31:12
ぐるっとこの場にいる私達を見てから話し始めてくれました。内容は監督役のお仕事について。
─── 聖杯戦争の監督役とはつまりその戦いが規範に沿って正常に運営されているかを監視する事です。
─── したがって、我々が規範として掲げているのは一つ、聖杯戦争の被害を最低限に留めること。
─── その役割は少なくとも今次に限っては被害状況や戦闘の実態を調査、補填し、極端に大規模な被害の発生を抑制する。
───何より、聖杯戦争というとびきりの異物がどういう形で推移し幕を閉じるのかを全て記録する。
かつてそう教えてくださった彼の役割の中で、ハナコちゃんが注目したのは事態の補填について。
「では……セイアちゃん、リオさん、それからもうそろそろお説教が終わってこの会話をこっそり聞いておられるでしょうホシノさん。自治区内で黒服さんの活動は確認できましたか?」
私達が頷いたのを確認してから次に尋ねるのは各学園の運営に携わるお二人と、さっきまでアヤネさんに叱られていて通信を閉じておられたホシノさんへ。
『ふむ、分かっているだろうから簡潔かつ次の質問についても答えようか。それは特定出来ないよ』
『残念だけど、うちも同じね。黒服と呼ばれる人物と彼の組織の活動について、私は聖杯戦争期間中の行動を自治区内で確認したのはあの一夜限りよ。それにチヒロにしても私にしても……いえ、ミレニアムに限定して《アレ》を使えば可能だろうけど……やはり貴女が聞きたいことについて調べるのは困難ね』
『うへ〜、みんなただいまぁ。やぁっと、うちのママからのお説教終わっ『ホシノ先輩……?』……おじさんが知る限りではあいつが自治区で何かしてるっていうのは知らないかな』
返事はみなさんいずれも、いいえ。自治区内で黒服さんが確認できた事は、七日目の夜に私達と会った時だけのようです。それを考えると。
『(君の考えている通り、四日目のカフェで遭遇した時のことはカメラ類だったりの監視網には引っ掛からなかったのだろうね)』
『(あはは……謎の多い方ですね……)』
『(さもありなんだよ。黒服にせよ、彼が契約してるアサシンにせよだ。神代の魔術を修めてるとなれば大抵の監視だっていとも容易くすり抜けられる)』
『(魔術って本当に便利ですね……)』
『(一応、色々と小難しい部分はあるんだけどね)』 - 3511じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/04(火) 23:52:29
つくづく魔術という物と、アサシンさんを擁する黒服さんの規格外さに頭を悩ませてしまったところで、話はセイア様の仰られた次の質問に移ります。
「ありがとうございます。ではもう一つ……そうですね。今回の襲撃、それからミレニアムで起きたモノレールステーション半壊の被害について。これらの被害へ金銭的な支援というのが届く予定はありますか?」
『(あ、ヒフミ。君がやらかした話が出てるよ)』
『(あはは……いやだなぁ、セイバーさんがドリフトして壊したんじゃないですか!)』
『(ははは……もう忘れたのかい?僕は───君のサーヴァントだよ)』
そんな念話越しに爽やかな感じで言ってもなにも感じませんよ、私は。あと会議の邪魔にならないように念話してるんですからサムズアップとキメ顔もやめて下さいね、セイバーさん。
『合理的だからまとめて私がまとめて説明するわ、ハナコさん。貴女の考えているように、連邦生徒会を含めた複数の団体から支援金や補助金の打診が届いたりしている。だから特定が出来ないのよ』
リオ会長がまとめられた話について、ホシノさんもセイア様も異議なしという様子です。それを見るに、どうやら色んなところから支援金や基金による寄付なんかはあるのだとホッとしたところで疑問も浮かびます。特定が出来ないとは一体何のことか。
「……もしかしてだけど、ハナコちゃん。お金の流れが見えないから黒服さんが実際にどうやって補填してるか特定出来ない。もっと言ったら、そうやって流れを掴ませないみたいに……そもそも黒服さんについて調べたり特定するのが難しいとかって話なの?」
それを考える前にミドリちゃんが答えを言ってくれました。
「はい、私はそう考えています。考えて頂きたいのは聖杯戦争で発生する被害の規模です。彼がしていると考えられるのは金銭面での支援。起きた被害をなかった状態する原状回復こそが彼の言う聖杯戦争の補填になるのでしょう。ではそれがどのようにか、と言えば先ほど三人に聞いた支援金等による援助で、となります。そして、支援は複数の団体から届けられる」
ミドリちゃんの言葉に頷いたのハナコちゃんはいつの間にか取り出したペンで、これまたいつの間にか持ってこられたホワイトボードに矢印を書き始めました。 - 3521じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 00:07:51
「黒服さん個人の資金を流しているのかそれとも、支援をする流れ自体を作っているのかまでは分かりません。ですが各学園の生徒会でも追えないとなれば……どうやら彼は表社会にもある程度融通が効くみたいですね。少なくともこの手の資金流しは一個人でやるにはあまりにも回りくどいですし、限界があるやり方です」
自治区に向かう矢印の始まりに描かれたのは黒服さんの顔とお金。ですがその矢印が自治区に向かうまでの間を、ハナコちゃんはわざと消してしまいます。つまり、どうやって、どんな経路で支援金が届いているのか分からないという図。
「でも……名義は個人じゃない。しかもどの団体に関わっているのかも分からない。そして百合園生徒会長さんが特定できないって言うなら団体や基金とかも色んなところ、それも有名な企業とか団体とかからも届いてる……ってとこかな?」
「はい♡というわけで黒服さんは各自治区への直接的な干渉ではなくキヴォトスという社会を維持、回復させる形での補填という手段をしている可能性が浮上しましたね♡……ではダメ押しに」
消された矢印の中間には幾つものビル、つまり会社が描かれていきます。それを何度も経由したかと思えば別の場所に飛んだりと、とにかくスタート地点にいる黒服さんから複雑にお金が渡っていくのが描き込まれていきます。
「先ほどの話の中にもあった通り、聖杯戦争での被害というのはあのナギサ様も頭を抱える程度には頻発したり、或いは大きい物であったりします。それについて私は、一個人の資金で賄うというのには限度があると思うんです」
『そうね。ユウカのような資産運用が出来るレベルでないと個人では限りなく難しいと思うわ』
「……すみません、その話はすごく気になりますけど取り敢えず割愛しますね?では改めて」
どうしてユウカちゃんはお一人の資産で聖杯戦争関連の被害を補填できちゃうのか。そして何故リオ会長はいくら仲の良い後輩とはいえユウカちゃんの資産運用の実態を把握しているのか。謎は深まりますが一先ず置いておきましょう。よく考えたら私も補習授業部のみなさんのお財布の中身とか知ってますし。 - 3531じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 00:16:59
「この中で黒服さんが過去から今に至るまで公益法人や大きな企業……たとえばカイザー系列のような企業と付き合いがあったのをご存知の方はいらっしゃるでしょうか?カイザーからの侵攻を嘗て受け、黒服さんと古い付き合いのあるホシノさん?」
『もぉ……それ知ってて聞いてるよねぇ。というかウチの事までよく調べて』
「ヒフミちゃんが以前、対策委員会の皆さんとの思い出話をしてくださいましたから♡」
ほとんど決め撃ちの理由は以前したおしゃべりというわけで、つい私も照れちゃいます。とはいえ、補習授業部のみなさんにも聞いてほしかったんです。私とアビドスのみなさんが出会ってからこれまでの事を。
『(ヒフミ、ヒフミ。僕それ聞いてないよ?)』
『(あはは……まだセイバーさんが来る前でしたから。また今晩とかにゆっくりお話させてください!)』
『(違う、違う。君が昨日ホシノが来た時に言いかけたブラックマ……)』
はい、聞かなかったことにしましょう。
『うへー、ちゃんとおじさんのこと、かっこよく話してくれた?ヒフミちゃん……はぁ、合ってるよ。私が知る限りでは黒服とカイザーPMCは繋がりがあった』
まあ繋がりってだけで黒服自体はカイザーの人間じゃないけど、とホシノさんが続けたところでモモイちゃんが首を捻りました。
「あれ?カイザーってさ、ええっとなんだけど……あのほら!なんか名前出てた!」
「オクトパスエンジニアリング、それとオーベッドグラフィック。どちらもカイザーコーポレーションの系列企業でライダー陣営との関与がある」
「アズサ、ありがとっ!あれ……え、ちょっと待ってよ!じゃあ今度は……マリー達だけじゃなくてライダー達と黒服って人が繋がってるっていうか仲間かもしれないの!?」
『安直にはなるけれど三段論法で考えるのならそうでしょうね』
あわあわしだす可愛いモモイちゃんを見ているのでなんとか私達の方は落ち着いてますけど、飛び込んできた情報はあまりにも大きいです。マリーちゃんとアルさん。まだきちんとお話も出来てない二人が、もしかすると本来中立の筈の監督役も含めて三陣営で協力関係にあるかもしれない。 - 3541じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 00:25:31
被害が拡大しちゃうって点から数の多さは弱点とはいえ、反面その分戦力層も数も多いのは間違いなく私達同盟陣営の強みです。だというのに、もしアルさん達が協力関係にあった場合、私達の聖杯戦争における優位性と唯一性が一気に瓦解しちゃいます。
「ええ、ですからミノリさんはその方が楽と仰ったんです。私達がこれから早急に解決しなくてはいけない問題、聖杯陣営を含めた五つの陣営への対応。そのうちランサー、ライダー、アサシンの三つの陣営が既に協力関係を築いているというのなら……戦略として考えなくてはいけない攻略目標が五つから三つまで減りますからね」
とはいえ考え方を変えれば、攻略しなきゃいけない相手がまとまってくれた、という風に見えます。だからミノリさんは逆が望ましいと仰い、ハナコちゃんもその方が楽だとまで言ってたんです。
「だが、ハナコ。君はそれを否定できる材料があると言っていたね?出来れば、教えてもらいたいかな。攻略目標が減るとは言ってもだ、ライダー、アサシン、ランサーが手を組んでいるとなれば少しなんてとてもじゃないが言えないほど厄介だからね」
「……単純に私達のような協力関係を結ぶ理由に乏しいんです。最終的な目標が一致している私達は手を取りあえますが、マリーちゃんにしても陸八魔アルさんにしてもそれぞれの願いを叶える事を第一優先にしています。第一、マリーちゃんは願い自体、陸八魔アルさんはこれまで確認できた苛烈なまでの攻勢から。少なくとも両陣営は相容れないと思います」
ウタハ先輩の質問にやはりちょっとだけ暗いお顔のハナコちゃんが答えます。ライダー陣営とランサー陣営は度々トリニティとゲヘナの境界線近くでぶつかっていた、とナギサ様方のお話で伺っています。そしてマリーちゃんとアルさん、お二人それぞれの戦った時の様子を思い返してみても、やっぱり手を組む姿というのがあまりピンときません。それぐらい、お二人とも願いを叶えるのに必死な様子でしたから。
「たとえば聖杯戦争が終わるまでの同盟関係ではなく、強力な敵を倒す為、もしくはお互いを牽制しあってスムーズに他の陣営の数を減らす為……というのであれば分かります。とはいえこれも難しい話です。後者に関しては既に私達三陣営が同盟を組んでこれ以上放っておいても数は減りません。強力な敵、という事ですがこれも変です」 - 3551じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 00:33:57
「ライダー陣営は聖杯戦争初期からタトゥーシールの販売という手段で撹乱をしていた。つまりかなり早い段階でカイザーと繋がっている。そして黒服さんに至ってはカイザーと聖杯戦争以前から関わりがあった。ましてや監督役という立場もあれば、両者が接触したのも恐らくかなり早いものだろう……となるとだ」
「ええ、疑問が一つ浮かび上がります。何故黒服さんは七日目の夜にライダー陣営を牽制したのか?ですね、アズサちゃん」
そう、黒服さんはあの晩私達を助けてくれました。令呪を切って宝具も使う、そういう覚悟を抱くぐらいの状況にあった私達をです。もし仲間だとして、そして私達が邪魔なら、助けるメリットなんて私にはちっとも思いつきません。
「もし同盟を組んでいるとすると、あのタイミングでライダー陣営の凶行を止める理由が黒服さんにはないんです。同盟関係を隠す為にというのも考えられますが、そうなると今度は昨晩の動きに理由がつきません。先生ほどの戦力を相手に出し惜しみなんてしたら、下手をすればライダー陣営は敗北どころか説得されて丸ごと彼らの敵に回ります」
何より、昨晩のライダー陣営と先生が率いられた《聖杯戦争対策部》の衝突。もしも憤怒のライダーの横槍がなければ、結果はどうなっていたかはわかりません。けど、先生の生徒として、先生とこれまで過ごしてきた一個人として。彼が負けるなんて、きっとないんじゃないかと思うんです。そしてそれはアルさんやマリーちゃんだって知っている筈です。先生は事前にアポイントメントを取っていたようですし、来るのもアルさんは知っていたでしょう。だったら、備えないなんて私が同じ立場なら絶対にできません。
「そしてもう一つ。恐らくですが……いえ、黒服さんにもうひと『でもそれは仮定になる、そうでしょ?ハナコさん』……リオさん?」
ハナコちゃんが何かを言い掛けたところでリオ会長が珍しく話を遮りました。どこか固い言葉の後で、キャスターさんの労わるような言葉も続きます。 - 3561じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 00:50:31
「論証としてはここまで聞けば十分だろう。あくまでも仮定であるが故に、ハナコは否定材料として弱いと言った。だが黒服にせや、彼奴が所属するゲマトリアについても、本当にライダーやランサー達と繋がりがあるかの決定的な証拠もまたない……証拠が見つかるまであくまでもその可能性がある、程度に考えるべきだな」
それに対してハナコちゃん。
「……なるほど。分かりました、私の話はこれでおしまいです♡」
静かに微笑んでからそう言ったんです。
「結論としてはあくまでそういう可能性が浮上した、という事で良いんだね?」
「うむ。奴と会う際、必要以上に敵視する事もないが全面的に味方や中立だと思うのもまた違う。我は警戒を怠る事なく会うのが肝要だと思う……如何か?陛下」
「……なら、結論も出たところで僕からも良いかな?ゲマトリアという組織についてだ」
キャスターの言葉を受けてセイバーさんは次の話題を口にされました。
「さっきも話したように、本来監督役は組織から任命される物だ。マスターのように聖杯に選ばれてとか自主的になるものじゃないのはここキヴォトスでも同じだと仮定したい。そうなると、やはり彼の所属組織が聖杯戦争やその成り立ちには大きく関わって来ている、と考えるのが筋だ」
ゲマトリア、というあまり聞き馴染みのないその単語が黒服さんが所属する組織の名前だそうです。あの晩に初めて聞いてから今まできちんと話し合えていませんでしたから、この機会に検討するのは大切ですね。ただ問題は。
「であれば!ゲマトリアなる者達について圧制に包まれた隠匿のベールを引き剥がす事はこの逆境を進む光明となるだろう!おお、これぞ愛!我らが行末は輝いている!……で、ゲマトリアについて君達はどの程度知っているんだね?」
「すみません……こういう時こそ説明してお役に立ちたいのですが、ほとんど分かりません……」
いつもの柔らかな笑顔に対してコトリさんがしょぼんとしてしまうように、私達はゲマトリアについて全く何も知りません。精々が名前と、それから。
───この聖杯戦争で用意されたルールと聖杯について、我々の組織、ゲマトリアの人間はそのシステム構築に一切関与していない。謂わば自然発生した『事故』の副産物。
七日目の夜に黒服さんから一度だけ聞いたお話の内容についてだけです。 - 357もうちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:11:44
となると、こういう時に頼りになるのは。
『そんな目で見られても私が知るゲマトリアはあくまで提出された報告書を受けての情報がほぼ全てよ。あとは貴方達から聞いた話程度』
と私達の目が古関先輩やリオ会長を代わる代わる見ますけど結果は芳しくありません。古関先輩はちょっとだけ悩んでから首を振っていましたし、リオ会長も殆ど知らないとの事です。
『ゲマトリアが確かな記録として私が知る所になったのは、先生。彼が接触した事を連邦生徒会に報告し、その報告書を私が閲覧したから』
『……あくまで、連中についてはその報告書に書かれてた内容以上の事は知らないってこと?』
『小鳥遊委員ちょ『長いからホシノで良いよぉ』……ホシノのように以前から知っていたわけではないし、その以前という足取りも追えていないわ』
リオ会長の珍しい溜め息混じりの言葉から、彼女がきっとこれまでにゲマトリアについて調べてくれていた事が窺えます。そしてその頑張りでも、ゲマトリアという組織の手掛かりが見つけられなかったという事も。
『私が知っているのはゲマトリアという集団があくまで研究者である、という話だけよ。キヴォトスに根付いた神秘について独自のアプローチで研究している組織。それぐらいよ。本当に何も分からないの』
「じゃあその、黒服さんとかゲマトリアって組織が今どんな風にしてるかを見かけたら報告してもらうとかっていうのは」
『これまで不可能だった事を今すぐには出来ないわ。被害への補填、という役割を果たすつもりがあるなら潤沢な資産や企業の後ろ盾はあるかもしれない。話に出たカイザーとの協力関係だって、聖杯戦争に関しては不確定とはいえ以前には確かに繋がっていた。けれど、それすら今の私たちには調べようがない。恐らく彼らは私達が思っているずっと入念にキヴォトスという社会に溶け込んでいるわ』
これまで先生の報告書に名前が載るまで、キヴォトスで全く知られていなかった謎の組織。彼らの動きを追うどころか、その足跡さえ見つけられないのが現実でした。
「相手の足取りが追えない以上、本人と話をして少しでも情報を引き出さないと調べるべき物も検討がつかないね」
せめて先生がいてくれたら直接お話が聞けたのにと思いつつも、今できる事、今考えるべき事をなんとか捻り出していきます。 - 358もうちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:13:52
「あとは……黒服さんの言うフランシス、という方が聖杯戦争について研究していたらしいですし……その方が怪しいでしょうか?」
「飛鳥馬トキに召喚についてレクチャーしたのもそいつという話だったな?それにアーチャー陣営は独自にマスターの令呪やマスター権を移動する技術を持っているという話だった……もしそれもフランシスとかいう奴を経由してなら」
聖杯についてフランシスという人の技術を元にしている場合、最悪の事態というのもあり得るでしょう。たとえばこの聖杯戦争に介入して令呪を奪ってマスターになり変わる、とか。とはいえ、それについては今すぐの警戒はいらないでしょう。なにせ、マスターになったら拒絶反応とタイムリミットという大き過ぎる問題を抱える事になります。なにより、まだどの陣営も健在どころか聖杯陣営まで出てきた状況。漁夫の利なんかとてもじゃないですけど狙えません。
ですが、聖杯について研究していて、監督役である黒服さんが何度も招集を呼び掛けている相手。良い機会ですし。
「いっそフランシスさんや黒服さ『少し良いだろうか?』セイア様……?」
しっかり話し合っておこうと思ったタイミングでのことでした。
『───君達に話しておくべき事がある』
静かに、その場の空気をセイア様が引き継がれたんです。
『私は、一度だけゲマトリアと呼ばれる彼らと接触した事があるんだ』 - 359あとちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:21:45
語り出されたその内容に思わず驚きを隠せなかったのは私だけじゃありません。セイア様と以前からお付き合いがあってお友達なのだと恥ずかしそう照れながら教えてくれたハナコちゃんも目を丸くしています。
『どうやって会ったかについては説明を省こう。余計な混乱を招く必要を私は感じない……強いて言うなら、エデン条約。あの一件の時、と言えば君らも私が言えない理由が分かるかな?……とにかく、その際に君たちのように丁重な関わりというのはなくてね、どうにも手荒く扱われて袖にされてしまったよ。それが彼らのやり方なのか、それとも……いや、あの彼女だけなのか。とにかく私にそれを確認する術はもうない』
セイア様がどうしてゲマトリアの方々と関わる事になったのか。気になりはしますが、エデン条約と仰られるのであれば、かなり慎重に、そして混みいっていて説明しにくい話なのは理解できました。だから私達補習授業部は静かに話を待ちますし、そんなトリニティ生の姿を見て察してくださったのか他の皆さんも黙って待ってくださります。ちなみに古関先輩は目を白黒させていました。
「なるほど!潜入ミッションでランダムエンカウントしたんですね!リオ会長達でも見つけられなかった相手を……まるでシーフです!』
『し、シーフかい……?これはまた随分と……』
「ちがっ!?あ、あの……ぃ、今のはゲーム!ゲームの職業なんです!」
「そうなんです!アリスちゃんはちょっとつい、大好きなゲームに喩える癖があって!」
「そのまんまじゃなくてね!良い意味!良い意味で泥棒みたいって!「バカ!全然フォローになってないでしょ!」良い意味って言った!良い意味って!」
『……すまぬ、セイアよ。今の言葉は間違いなく、お前への心からの敬称としてアリスは贈ったのだ。我が保証しよう』
『いや、良いさ。私もそういうのは嫌いじゃない。好きに呼んでくれたま「はい!ではシーフよ!アリス達に隠されたメッセージを明かしたまえ!」……あー、話を戻すが』
微笑まれたところにアリスちゃんが意気揚々と言うものですからちょっと出鼻を挫かれたセイア様でしたが、咳払いを一つ。そこから切り替えるように話始められました。
『一度の邂逅から、少なくとも私から見てゲマトリアという存在は好ましくない。はっきり言おう、恐怖心もある』 - 360あと……☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:22:55
- 361もうちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:38:58
『人が人に見せる側面は様々だ。状況や時間、立場や内面。そして相手によっても人が人に思う印象というのは多寡はあれど違いが生まれる。その人物が全ての人間にとって同じように認識されるなんていうのは不可能だ。だからこそ、君達自身が相手と話し合って黒服という人物像を見定める事が求められ、それこそが大切な筈だ』
セイア様の言われることは難しいです。でも、なんとなく分かりました。人と人とが付き合う中で、私達は簡単にすれ違ってしまったりします。大丈夫だと思ってもちゃんと話し合わないと、大失敗しちゃったりします。
『私達は悩むのも不安に思うのは健全な精神活動だ。そしてそれを話し合うのも必要だろう。事実、今回の会議で色々な可能性の泡沫が私達の前で明滅した。だが同時に、その議題の中心というべき本質をまだ欠いている』
そして今、ちょっとずつ話してた事も煮詰まって、色んな話もどんどん出てきた中でセイア様が声をあげてくださったのはきっとそういう事なんです。恐いと、そう仰っていた相手だっていうのに、でも私達が最初に言っていた『疑いたくない』と感じていたその気持ち。黒服さんと直接話をしたり、助けてもらったり、そういう経緯があって、彼と関わったから生まれた彼を見る私達の目。
『ゲマトリアについても黒服についても分からない、となるとだ。私は君たちがこれまでしてきたように、まずは話に行ってみるというのも一つの手だと思う。何せ我々は、語らい合う事でこそ理解し合えるのだから。もっともその時間は些か少ないようだがね』
そういう物がある、というのを忘れずにもう一度会って直接確かめておいで。そう、セイア様は仰られたんです。
「……つまり、直接会いに行って為人含めて判断材料を掻っ払って来いってことでいいでしょうか?一言多いセイアちゃん♡」
『おや。それ以外にどんな風に聞こえたか教えてもらえるかい?泣き虫のハナコ』
「……相変わらず元気にお喋りできるようで何よりです♡」 - 362二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 01:45:54
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- 363もうちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:47:59
『まぁ、おじさんも同じ意見かな?昨日言った通り、おじさんは黒服と確かに付き合いがあった。だから為人っていうのかな、言える事もあるけど基本的にはマイナスの感情で、そしてそれは私の主観。何より聖杯戦争の監督役って立場のあいつについてじゃない』
だから自分がどう思うかは言わないのだと、ホシノさんは仰られます。そう、ちょうど昨日も確かにホシノさんは言ってたんです。取引をするなら自分の先入観で邪魔したくない、だから最後の最後まで自分の出番はない、と。
『生徒会長ちゃんの言ってるのは大事な事だよ。自分の目で確かめる、見定める。何も黒服に限った話じゃない……どんな願いと想いを持って戦いに臨んでいるのか。ぶつからないと、言葉を交わさないと、行動を示さないと理解し合うスタートラインに立てないからね。あんな奴、相手であっても……ううん、言葉を巧みに使うアイツだからこそ、かな?』
「……自分達の目で、言葉で……」
『そっ。それにね?みんな。話すっていうはちゃんと大事な仲間ともだよー?分かってると思い込んで一人で突っ走るんじゃなくてしっかり言葉にして今みたいに話し合うのはすごく大切……だよね?アヤネちゃん』
『分かっておられるなら……どぉっして!さっきは!ああいう!ことを!』
『ちょ、ちょっと待ってよー!うへー、うちのママ、ちょっと厳し過ぎるかもぉ』
『誰がママですかっ!?』
とまた、通信が切れてしまう最後にウィンクがホシノさんから贈られたところでハナコちゃんは軽く手を叩きました。そろそろ、次に進むじかんです。 - 364あとちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:49:56
「さて♡意地悪なセイアちゃんはゲマトリアについて考えるなんて時間の無駄なんてことを一生懸命考えていた私達に言っていますけど♡」
『そこまでは言ってないさ。ただあまりにハナコが必死に喋るものだから紅茶が冷めてしまった、という話だよ』
「……ですが、一つ。そうであっても確認しなくてはいけない事があります♡」
今日はみなさんの珍しい表情が見えるなぁと、青筋を立ててるハナコちゃんの姿をコハルちゃんやアズサちゃん達と並んで見ているとさっきまでの柔らかな空気がさっと引きました。
「セイアちゃん───貴女が会った、そして確認したゲマトリアの構成メンバーは何人でしたか?」
鋭く、はっきりと。ハナコちゃんは狙いを定めるようにその言葉を口にしました。 - 365あとちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 01:59:28
『っ!……ああ、これは一本取られたな。確かに思い込みはいけなかった。認めよう、こればかりは私と君達とで間違いなく差異があったね』
目を見開いたセイア様は、すぐに薄く笑ってから完敗だと口にされます。その意味は私達にはさっぱり分かりませんが、あまり気になりません。
「ゲマトリアについて考えるのは確かに現状不明瞭な事が多く、そして黒服さんと話が出来た機会は少ない、で・す・が♡」
なぜってそれはもうハナコちゃんがご機嫌ですから。
「彼との会話を思い返してみて下さい。私達は既に監督役が一人でない事を知っています」
「……ん?……あっ!そういえばずっと我々って……!」
「そう、彼は監督役について説明する際に我々と称していました。フランシス、という方は行方不明のようですがそれ以外のメンバーは監督役を請け負っているのかもしれません。そして彼らは確かに資金力はあるのもカイザーとの繋がりがあるのも確か、ですが♡」
思い出すのはいつかの会話。カフェで説明する時も、夜の廃墟であった時も。監督役について話す時、彼は決まって《我々》と言っていました。そして彼自身が教えてくれた事。
「彼らは聖杯戦争という異常事態を明確なキヴォトスの脅威として認識している。それは間違いない筈です。つまり、彼らが本当に監督役として……聖杯を使ってキヴォトスに害を為す存在を認識しているのならば」
───我々は、聖杯戦争の参加目的が『キヴォトスの破壊』とするマスターについて聖杯戦争を監督する上での明確な『敵』と定義しています。
「そこから黒服さんが要求したい物も逆算できます♡」
そうであるとすれば。監督役の仕事として私達と取引をしてでも引き出したい物があるとすれば。
「教えて下さい、セイアちゃん……貴方から見たゲマトリアはたとえばカイザーコーポレーションのような巨大な組織だったのか。それとも片手で数えられるほど少ないのか」
『……四人だね。ゲマトリアだと思わしき人物達は四人だったよ。そして、ああいった人物が他にも夥しい数がいるとは思えない』 - 366あとちょい☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 02:01:02
- 3671じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 02:07:40
「だけど、ハナコ先輩。私達の戦力を当てにするって言っても……じゃあ、それで何を?」
「そこまではまだ。ですが、取引相手の欲しい物。つまりゴールが見えたとなれば」
「話を聞きに行った時もそれを前提に探りを入れたり、交渉で良い結果を引き出すことも可能かもしれません!」
ついつい、私がはしゃいでしまったのをハナコちゃんはしっかり頷いてくれます。ゲマトリアという組織についても、他の陣営との繋がりが見えてきた事も、まだまだ分からない事は多いです。
ですが、ずっと引っ掛かっていた《取引》について。この一点に関してパッと光が射したような、そんな直感がしたんです。
『あくまで仮定。そして他陣営ではなく私達にのみ取引を持ちかけてきている場合のみに限定されるわ。けれど一蹴するには現状の情報から考えてもあまりに非合理的ね。黒服は私達同盟陣営の戦力や手数を求めてくる可能性が大きい、それを考慮しておきましょう』
リオ会長も心なしかウキウキした声で薄く微笑みながらそう太鼓判を押してくれますし、ますます気持ちも跳ねていきます。
「そう言えば……黒服さんに今日とか会うならあれも聞いておきたいですね」
「アレ……?」
「ほら!ホシノさん達が強欲のアーチャーさんから聞いた話ですよ!カンイっていうのとか先生のこととか色々ありましたけど、私は特に……」
そうなると、さっきまで悩んでいたのが嘘みたいに彼と話してみたいことが浮かんでいます。特にそう、私がずっと気になっているもの。 - 3681じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 02:09:35
「シュロちゃんも言っていた予備システムについてがすごく気になっているんです!アーチャーさんの話を聞いた限りでは、二つある勝利条件のうちで犠牲がなく出来るみたいでしたし!」
『そうなんだよねぇ。あからさまにそれについて触れようとしたらアイツ、口止めされちゃったわけだし』
いつの間にか通信が復活していたホシノさんも賛同してくれていますし、実際に黒服さんと会ったらしっかり聞いてみたい。
「予備システムって言い方ですし多分聖杯戦争自体か聖杯自体に関係する物でしょうからきっと黒服さんならって!」
そう、私は思ってはしゃいだ声を上げたところで。
「だが、君達は予備システムを《使わう筈がない》」
低くて、力強くて、でもいつも穏やかで優しい人。
「───果たして聞く必要があるのかね?」
そんなスパルタクスさんが険しい顔をして私達に尋ねてこられたんです。 - 3691じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 02:14:54
- 370二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 02:20:06
お疲れ様です
そうか、スパルタクスは予備システムについて知ってるのか
聖杯大戦に参加してたわけだし
まあ予備システムは可能なら使用は避けたいけど使おうと思えば使えるって状況にしたい気持ちはある
最悪の状況になるよりはマシだろうし - 371二次元好きの匿名さん25/03/05(水) 02:24:44
おつかれさまです
確かに、言ってみれば予備システムの起動ってもう一方の陣営を生み出す、つまり新たにマスターを生み出してしまう訳だから
無関係だった生徒を聖杯戦争に巻き込んじゃう可能性がある手段な訳だしな - 3721じゃんね☆◆cbItSHG.3g25/03/05(水) 02:32:34