同じ数の割り算を一回だけ計算するなら、答えを出すのは簡単かもしれません。しかし、今回は割り算を三回する必要があります。
さて、どのように答えたらよいのか分るでしょうか。
問題
次の計算を暗算でしなさい。
9÷9÷9÷9
解答
正解は、「1/81」です。
小数で答えようとしていた人にとっては、意外な数だったかもしれませんね。
次の「ポイント」で、どうしてこのような答えになるのかを確認してみましょう。
ポイント
この問題のポイントは、「割り算の答えを分数で表すこと」です。
割り算はいつでも割り切れるとは限りません。この問題も、以下のように途中で割り切れなくなります。
9÷9÷9÷9 ←9÷9からスタート
=1÷9÷9
=(0.1111...)÷9?
「9÷9」は簡単に「1」と答えが出ますが、次の「1÷9」は割り切れず、0.1111....と小数点以下に1の数が延々と続くことになります。これをさらに9で割るとなると、どうしたらよいか分からなくなりますよね。
そこで、「1÷9」以降は、割り算の答えを分数で表すようにします。
まずは、1と9を分数で表してみましょう。1は1/1、9は9/1ですね。よって「1÷9」は「1/1÷9/1」と表せます。分数の割り算では、割る数の分子と分母を入れ替えた数(逆数)を割られる数に掛けます。
さらに分数の掛け算では、分子どうしと分母どうしを掛けますので、計算過程は次のようになります。
1÷9÷9 ←1÷9の答えを分数形式で表すため、1と9を分数にする
=1/1÷9/1÷9
=1/1×1/9÷9 ←9/1の逆数を掛ける
=(1×1)/(1×9)÷9 ←分子どうし、分母どうしを掛ける
=1/9÷9
複雑に見えた「1÷9」の割り算が簡単に終わりましたね。
最後の計算も「÷9」を「÷9/1」と分数形式にして進めていきましょう。
1/9÷9
=1/9÷9/1
=1/9×1/9 ←9/1の逆数を掛ける
=(1×1)/(9×9) ←分子どうし、分母どうしを掛ける
=1/81
このような計算過程なら、暗算もしやすいですね。
割り算の答えを小数で求めるよう指示されていない場合は、分数形式で答えてみましょう。ややこしい計算をスキップできるので、とても便利です。
まとめ
今回の問題では、同じ数で三回割る割り算に挑戦しました。
割り算はいつも割り切れるとは限りません。そんなときは、割り算の数を分数形式に直して計算した方が答えが出しやすくなります。
なお、一回の割り算であれば、「割られる数/割る数」という形にすればすぐに答えを出せることを覚えておくとよいでしょう。
例:1÷2
1÷2
=1/1÷2/1
=1/1×1/2
=(1×1)/(1×2)
=1/2 ←割られる数/割る数の形になる
複雑な割り算の式に出会ったら、ぜひこの方法を試してみてくださいね。
※当メディアでご紹介する数学関連記事においては、複数の解法をもつものもございます。 あくまでも一例のご紹介に留まることを、ご了承ください。
文(編集):VY
数学とIT技術学習が趣味のWebライター。実用数学技能検定2級と数学教員免許を取得後、家庭教師や学習支援スタッフとして数学指導を行ってきた。文系と理系の別、年齢にとらわれない、誰でも楽しめる数学解説作成を目指している。
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