艦これ舞台 礼号作戦2025ーそこには、本当に艦娘がいたー
「艦これ舞台」を観る2日前、Xにこんな投稿をしました。
艦これ舞台。
発表から実装まで想像以上に早かったので、最初は申し込みを躊躇いました。
でも「しーちゃんが作るものなら、間違いはないのだろう」と腹を括って申し込みました。……結果は、昨日の皆さんの「絶賛タイムライン」です。
思い切って申し込んで良かったという思いと、なぜ今舞台なのか?という疑問も、昨日のタイムラインで、ある程度は溶けた気がします。
この12年が練度になって、舞台である種の完成を見たのかもしれません。
あさってが楽しみです。(2月23日、Xに投稿)
迎えた当日、2月25日(火) ソワレ(夜の部)
(ソワレって言葉も今回の舞台で覚えた……)
C2機関「艦これ」舞台2025 ー突入!礼号作戦1944ー
劇場:Club eX(品川プリンスホテル内)
……そこには、確かに「艦娘(かんむす) 」がいたのです。
徹底した情報封鎖から始まった「艦これ舞台」
舞台初日、2月22日(土)、昼夜2回の公演を終えた夜。
タイムラインには、観劇した提督たちの「興奮」と「混乱」の声が、あふれかえりました。
「脳が灼かれた」
「88分(上演時間)があっという間」
「……情緒が、情緒が破壊される」
「気づいたら出演者ブロマイド、全部買っていた……」
そして何人もの提督が口をそろえて言ったのが……
舞台の内容については、以下の〝3つの情報〟が伝わってきました。
「配信は無理、円盤化もできない」
「出演者がインラインスケートで滑る」(すぐ横を風が通り過ぎた)
「ハズレ席がない」
その他、ストーリー展開、セリフ、細かい演出について、SNS上にはほとんど流出しませんでした。
「なんでも拡散」される、いまのご時世において異常なことです。
「これから観る提督には、事前情報ゼロで存分に楽しんで(脳を灼かれて)欲しい」という提督たちの「鉄の意志」を感じました。
徹底した情報封鎖について、ありがとう、ありがとう、何度も言いたくなります。
劇場に入ると静かな「波音」
座席はこんな感じでした。
ぼくの席は大体このあたり。
「27番」と「28番」間には、グレーの通路がありました。
「……まさか、ここをインラインスケートで演者さんが駆け抜けるのか?」
そう思っていると、タニベさんの影ナレが入ります。
(文言は正確ではありません)
「通路側のお客さまへ。
上演中はグレーの通路も使用します。
その際、大変危険ですので、出演者には手を触れたり、通路に足を伸ばさないよう、お気をつけください」
ここでようやく、以下の3つの謎が溶けた気がしました。
「配信は無理、円盤化もできない」
「出演者がインラインスケートで滑る」(すぐ横を風が通り過ぎた)
「ハズレ席がない」
上演中、赤い矢印のように演者さんがインラインスケートで、縦横無尽に駆け抜けます。
「配信は無理、円盤化もできない」
→ここまで客席をオープンに使っての演出だと、映像として残すのは困難です。
「出演者がインラインスケートで滑る」(すぐ横を風が通り過ぎた)
→通路と客席の距離が近いので、風を感じるのも分かる。
「ハズレ席がない」
→客席全体を演者さんがゼロ距離で駆け抜けるのですから、あらゆる席に至福の瞬間があります。
せり出し付近の提督は軒並み尊死……
舞台中央には「せり出し」もあります。
ここで物語のカギとなる「重要なシーン」も演じられます。
それを、〝超至近距離〟で見ることができるのです。
上図の赤丸付近に座った提督は、もれなく脳みそ(情緒やら何やら、人間として大事な諸々)を、こんがり焼かれる致命傷を負います。
Club eXが巨大な〝提督オーブン〟〝提督トースター〟と化したのです。
(千秋楽近くになると「品川ベーカリー」なんて呼び名も流布しました)
舞台が終わってから気づきましたが、BOX席の前を通り過ぎる「ぐるっと反時計回り」の演出もめちゃくちゃ多かったです。こんな感じですね。
つまり、最後列付近(K、L、M)であっても、そこに艦娘の存在を感じることができたのです。
過去に、何度か舞台を見てきましたが、ここまで「狂った臨場感」と「舞台設計」は見たことがありません。
これはすごいことが始まりそうだ。
劇場に入って以来、BGMがわりに聞こえる、静かな「波音」とは裏腹に、心臓は鼓動を速めていったのです。
冒頭、このセリフから引きずり込まれる
この瞬間、品川泊地から一気に「艦これの世界」に転生させられました。
「艦娘が目の前にいる」
そう思った瞬間、自分でもよくわかりませんが、目頭が熱くなりました。
礼号(れいごう)作戦。
ぼくは事前にあまり調べずに観劇しました。
それでもストーリー展開はわかりやすく、駆逐艦・霞(かすみ)を旗艦とした艦娘たちが「最後の血戦」に挑む流れが、手に取るようでした。
シリアス一辺倒にならなかったのも、素晴らしかったです。
前半の「演習パート」では、なかなか真剣にならない「樫(かし)・榧(かや)・杉」3人娘の尻を叩きながら、霞が鍛えるシーン。
いつもは飲まない大淀に「たまには一杯付き合え」と、足柄が声をかけるシーン。
ちなみに、劇中カツカレーを食べる場面もあるので、劇場のすぐ下にあるフードコートでカツカレー(&たこ焼き)を食べる提督が続出しました。
この流れは、後半公演に入りさらに「加速」したので、Curry shop SHER(シエール) さんも「どうして最近、こんなにカツカレーの注文が入るの⁉︎」と、混乱されたと思います。
……すみません、基本提督はぼくも含めて「大変にちょろい(影響されやすい)」ので、まあそうなってしまいます(^_^;)
※なお拡張公演辺りから、カツカレーを食べまくる提督に影響されてか(?)
キャストのみなさんも、カツカレー画像をXに上げる現象が起こり始めました。
(CoCo壱で、チキンカツカレーを食べていた方もいらしたような……)
演者さんたちの役の理解に脱帽
「艦これ」の世界観は独特です。
ちょっと知識をかじったぐらいでは「?」と思うことも多いハズです。
……にもかかわらず、演者さんたちの演技には一切の迷いがなく、完璧に艦娘になりきっていました。「憑依している」と言った方が良いかもしれません。
そのぐらい、どの方も素晴らしかったです。
霞は駆逐艦ながら、立派に艦隊を率いていました。
(……というか、舞台初めてってホントですか⁉︎ シンジラレナイ……)
清霜と朝霜は、どんな苦境でも元気いっぱいでした。
3人娘「樫(かし)・榧(かや)・杉」が、成長していく姿が頼もしく。
足柄は「父」であり、大淀は「母」でした。
伊勢・日向も素晴らしかった……。
「まあ、そうなるな」は、いつ何度聞いてもシビれるセリフです。
最後、艦娘連合艦隊が〝大きな家族〟に見えました。
限られた準備期間の中で、どのキャストの方も、渾身の素晴らしい演技を見せてくださいました。
心を鷲づかみされる、圧巻の深海ダンス
開幕が迫る中、主催のC2(シーツー)機関がX海域に投下した「キービジュアル」
見た瞬間、「カッコイイ!」と思い、これまで艦娘の敵役だった「深海棲艦(しんかいせいかん)」に一気に興味が湧きました。
開演から40分ほどたった頃でしょうか。
艦娘たちの「最後の血戦」を迎え撃つ、深海棲艦たちが舞台に登場しました。
セリフは一切なし。
「シズメ、シズメ」に合わせて……。
不気味に美しく、おそろしく統制が取れた「深海ダンス」で、一気に心を持っていかれました。
そういえば観劇前、すでに一度舞台を見た提督がおっしゃっていたんです。
「舞台まるっと円盤化はムリだったとしても、あのパートだけ売って欲しい!」
実際に「深海ダンス」を見て、あのパートとは〝このパートなのだな〟と分かりました。
集積地棲姫(しゅうせきちせいき)の美しき存在感
中でも目を引いたのは、集積地棲姫(しゅうせきちせいき)。
その圧倒的な美しさと存在感には心底シビれました。
物語中盤、舞台のせり出しに這うような姿勢で沈み込み、虚空を見つめる演技。
その目に異様な空気が匂い立つのを感じて、舞台後方に映されたモニターを見ました。……総毛立ちました。
「完全にイカれている目」
「こちらのルール(倫理)が一切通じない目」
「艦娘に対する、純度の高い真っ黒な憎悪」
せり出し近く、目の前で見た提督たちは、一瞬ですが「心臓が止まる感覚」を味わったのではないかと思います。……怖かった。
忍び寄る深海の追手たち……
傷ついた清霜と、護衛の杉を、闇討ちするシーンもゾッとしました。
舞台の上では、ようやく最低限の修理が済み、ホッと息をついた二人がいます。
そこに、ゆっくりゆっくり深海の魔の手が迫ります。
こんな動線で迫っていったのです……。
この時、まったく気配に気づかず、気づいたら真横20センチ「すぐ左隣」に深海がいたのです。
そのまま、音もなくスーーっとゆっくり舞台に向けて迫っていきました。
集積地棲姫(しゅうせきちせいき)を筆頭とした深海棲艦チーム。
みなさん、素晴らしい悪役っぷりでした。ありがとうございました。
一糸乱れぬスケート技術&艤装(ぎそう)が見える!
いよいよクライマックス。
窮地に駆けつけた、伊勢・日向・龍鳳(一度、大鯨と呼び間違えるのステキ)・初霜・響を加え、艦娘連合艦隊 VS 深海棲艦の「最終血戦」が幕を開けます。
動きの激しい舞台なので、衣装以外に「艤装(ぎそう)」は装備していません。
腕を中空にかかげ、効果音、肩と上腕の動きだけで「砲撃」を表現します。
……それでも、不思議と見えないはずの「艤装」が見えるのです。
やがて客席両サイド、下手に「深海棲艦」、上手に「艦娘連合艦隊」に分かれて、客席の上で壮絶な砲撃戦が繰り広げられます。
普通の舞台観劇なら考えられない、右を見たり左を見たり、どっちを見ればいいのか、客席も大混乱です。
ついに最後の一人になった深海棲艦が舞台の上へ。
その周りを艦娘たちがグルグルと回りながら、ジリジリと追い詰めていきます。
この場面、スピードスケートの「チームパシュート(3人組で滑る団体戦)」を思い出しました。
艦娘同士の距離は1メールもない近さ、少しでも接触したり、つまずけば全員が転倒してしまいます。
とてつもないプレッシャー、薄氷を踏むようなスケーティングだったことでしょう。(いっぱい転んだりしながら、めちゃくちゃ練習したんだろうな)
徐々に徐々に、包囲網を狭め、最後の深海棲艦を撃破したのでした……。
「華の二水戦」「月夜海」で勇壮にしっとり締めくくる
最後の血戦。
暁の水平線に勝利を刻んだ艦娘たちが「勝利の凱歌」を披露してくださいます。
ここで、探照灯の使用解除(青点灯のみ)が出ます。
提督は一斉に、用意した探照灯を取り出します。
舞台の上では、霞率いる連合艦隊がみんなそろっています。
80分以上、インラインスケートで舞台はおろか、客席までも走り回り、セリフの言い淀み、ミスもなく、全てを完璧にこなした「戦士たち」が高らかに、優しく2曲歌い上げてくださいました。(いやホント、分かりやすいミスはなかったと思います。スゲー!!)
「華の二水戦(にすいせん)」
「月夜海(つきよみ)」
今までもLiveで何度も聴いてきた2曲でしたが、品川泊地だと全く違ったものに聴こえました。
ぼくが知りうる内容については、これでおしまいです。
ただ、最後にどうしても書きたいことがありました。それが「演者さんたちのチームワークの良さ」です。
この時間がもっと続けば良いのに
皆さんのチームワークの良さは、楽屋からも伝わってきました。
キャストのお一人が、差し入れたパンの争奪戦が繰り広げられたり、主演のペットボトルに可愛い落書きがされたり……。(あの落書き商品化してください)
毎日楽しそうに過ごす様子を、X海域で見させていただきました。
……舞台も後半に入り、終わりが見えてきた時、キャストのお一人がこんな投稿をされました。
どこかで似たような言葉を聞いた記憶がありました。
またしても恐縮ですが、スポーツの世界です。
侍ジャパン、侍ブルー、なでしこジャパン……、厳しいトーナメンを勝ち進み、結束を高めていく中で、みな口々にこう言い始めるのです。
「もっとこのチームで戦いたい」
こんな夢のような楽しい時間も、いつか必ず終わりがくる。
それでも、心の底からこんな風に思えるって、めっちゃステキですよね。
そんな皆さんの思いが詰まった舞台を1日でも観られたことに、心から「ありがとうございました」とお伝えしたいです。
全てのみなさまに感謝
キャストの中には、遊撃隊以外の方たちも多数いらっしゃいます。
これまでの人生で「艦これ」に触れてこなかった人ばかりだと思うのです。
それでも、限られた時間の中、艦これ・艦娘という特殊な世界観を全身全霊込めて「理解」して「表現」してくださいました。
ひょっとしたら遊撃隊の方は、艦これ・艦娘とはどういうものなのか、他のキャストの皆様に伝えてくださったのかもしれませんね。
最後に。
艦これ舞台に関わってくださった全ての皆様。
(舞台装置(机や椅子など)を転換させる、黒子さんにも楽しませて頂きました)
連日、脳を灼かれ、情緒を蹂躙されながら、厳に「情報封鎖」してくださった提督の皆様。
25日、一緒に物販に並んでくださった皆様、本当にありがとうございました。
……艦これ舞台、またいつかきっと、あの海で。(マジで会いたいですね!)
余談①:なぜ今、舞台だったのか?
最初はちょっと不思議だったのです。
氷祭り(2018年)やって、サーカス(2019年)やって、ここで舞台⁉︎
……って、正直思っていたんですね。
でも、ここに至るまで、ブラウザゲームとしての蓄積、全国の鎮守府で開催されたリアイベ及びカレー機関がありました。
提督の中で、それぞれの推し艦・嫁艦・聖地とそれを支える人たちへの「思い入れ」が、少しずつ積み上がっていったのだと思います。
だからこそ「清霜、お前いつか戦艦になるんだろ!」がトリガーになり、
「ぼくたちが追いかけてきた世界が、いまそこに本当にあるんだ」って、情緒がグチャグチャになってしまいました。(舞台が始まる前から、ボロ泣きしている提督の気持ちもわかります)
この舞台に、推し艦・嫁艦がいようがいまいが、もはやどうでもいい状態にまで、提督全体の「思い入れの練度」が高まっていたのです。
パシフィコ横浜で「観艦式(かんかんしき)」をやっていた2014年〜2017年頃に舞台が実装しても、きっとここまでの盛り上がりはなかったと思います。
……正直言えば、観艦式で時々プログラムに入っていた「艦娘声優さんのミニ朗読劇」がちょっとパワーアップしたぐらいなんだろうな〜って思ってました(^_^;)
いまこのタイミングで〝舞台〟をぶち込んできた運営ってクレイジーだし、スゴいなって思いました。ホント、侮っててごめんなさい。
余談②:小さな勝利の意味
これは舞台本編のお話です。
激しい戦いが終わりに近づき、敗戦濃厚な深海棲艦がこんな言葉を叩きつけます。
「こんな勝利に……意味は無い……!」
すると霞が、凛々しくこう言い放ちます。(台詞はうろ覚え)
「意味はあるわ!
この小さな勝利は、確かな何かにつながっている… きっと……必ず!」
礼号作戦(ミンドロ島沖海戦)の遂行は終戦前年の1944年(昭和19年)12月です。
当時、大和は健在でしたが、武蔵が2ヵ月前に沈没しています。
神風特攻隊も常態化していたそうなので、戦局はかなり厳しかったと思われます。
だからこそ、深海棲艦は「こんな勝利に意味はない!」と言い放ったのです。
この場面、あとから思い返し、人生になぞらえてしまいました。
人生というのは、ままならないことの方が多いです。一発逆転の出来事(幸運)なんて早々起こりません。だからこそ、目の前の小さな仕事をコツコツやって、その日その日で小さな勝利をつかんでいくことが大事なのだな〜、なんてことを考えました。
……まあ、考え過ぎかもしれませんが、ひょっとしてこんなメッセージも込めたのかな、なんて思ったりしました。
余談③:最後に教訓を……
C2機関がぶち込んでくる艦これイベントは、告知された瞬間、たとえどんなに頭に「??????」が乱舞しても、時間と予算が許す限り、とりま申し込んでおけ。……ということが、今回の舞台でよーーーく分かりました。
1日しか観られなかったけど、最高に面白かったーーーー!!!!
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