2025-03-03

野ぐそは癖になる

大人になると冒険をしなくなる。

立場というものがあるし、失うものがでかいとなれば自重するのが自然なこと。

若い頃のようなやんちゃはなくなり、安定した生活享受する。

それはそれで良いことなんだとは思う。

しかし。

メリハリに欠けていた。

クワクするようなことがない。

毎日、同じような業務をこなし、独身四十過ぎともなれば休日ルーティーン化してしまう。

刺激に飢えていたのかもしれない。

ある日の休日自分人生を振り返ってみた。

たいていのことは体験してきたつもりだった。

そのときふいに「あ、野ぐそしたことないな」と気がついたのだ。

ほんの冗談みたいな思い付きだったものの、翌日日曜にやることもなく、昼間から怠惰ビールを飲むよりは有意義ことなのではないか?と酔った頭でそう考えた。

それから野ぐそのことばかりを考えていた。

何処でする?

不思議とそこでの迷いはなく、自分イメージでは何故か野ぐそ=山と決まっていた。

ではどの山にするか?

スタイルはどうする?

ジーパンは駄目だ、脱ぎにくい等と熟考を重ね、翌日の昼過ぎには家を出た。

車で一時間ほどの距離にある登山用の山で、登山客も程々。無人の山では駄目だ。それでは野ぐそであって野ぐそでない。これは理屈でない。しか重要直感であった。

腹のコンディションは悪くない。事前に牛丼の大盛りを平らげ、昨日から排便はない。

お茶も多めに飲み、私は妙な緊張感を持って登山を始めた。

幸い当日は小春日和のような陽気な暖かさのある春の日で、私は軽装で山を登り始めた。

じんわりと汗をかき、首にかけたタオルで顔と汗を拭いながら進み、登山客はたまにちらほらとすれ違う程度であった。

ちょうど30分ほど登ったところだろうか。

……きた!!

今度は運動による発汗とは別の汗がじんわりと全身から滲み、私は茂みを探すように付近へ目をやった。

道を逸れ、少し進めば適度な茂みは周りに溢れていた。近くに登山者が居ないことを確認すると私はそっと茂みに入り素早くしゃがみこんだ。

イメージトレーニング通りの動き。

濃い草木のにおいに囲まれたまま和式便所方式に足を広げ、踏ん張った。

うん○はゆるゆると私の肛門から溢れ出る。驚くほどすんなりと排便を終えたものの、私は未だドキドキしていた。

なんだこの気持ち…このスリルは!

私はそれ以来、すっかり野ぐそに嵌まってしまった。気づけば毎週末、野ぐそに出掛けるようになり、適度なスリルとそれに伴う快い解放感…!

野ぐそをするということは、自然と一体になることだ。

実際、野ぐそほど犯罪ではないのにスリルを味わえる行為はないのではないか?と思っている。

しかお勧めはしない。癖になるからだ。

私は今でも、週末が近くなると野ぐそのことばかりを考えている。

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