見出し画像

第三章 停点〜マンデラエフェクトの意味

梯子の物語

皆さんは梯子の物語と呼ばれる、2ちゃんねる発祥の話を知っているだろうか。2008年9月21日、後に「梯子」と呼ばれる青年が謎の紳士からメモとピアスを渡された。メモには来年1月2日に指定した神社である女性と必ず出会い、ピアスを渡すように書いてある。その他にも、他人ならわかるはずのない彼の家族関係や、予言めいたことが書かれていた。翌日彼はこの件を2ちゃんねるで相談し始めた。メモには英語やラテン語、よくわからない式も書かれていたが、色々な人たちの考察でその内容が少しずつ解明できてきた。

画像
実際のメモ。梯子氏の了承を得てアップしている
画像
続きのメモ
「未来も過去も現在も全て同じ板の上にある」の一文が非常に興味深い

(なるべく見やすくしたのですが、まだかなり読みにくいので在野で時空現象を研究しているBTTP氏が書き起こした画像の使用許可をもらいました)

画像
©BTTP
画像
©BTTP
BTTP氏のHP

10月11日、もうすぐ妹と二人で暮らし始めるとの書き込み。彼の両親は幼い頃に亡くなり、唯一の肉親である妹が何よりも大切だと力説し続けた。梯子氏は非常に妹思いのようだ。その後同居し始めた11月に異様なことがおきた。11月1日に迷子のような少年に出会い交番に連れて行ったのだが、翌日、その子から預かっているものがあると警察から電話が来て出向くと、ある写真を渡された。その写真には成人した彼と妹、そして彼が中学生の時に亡くなった両親が一緒に映っていたのだ。

数日後、彼を名指しで呼び止め、あなたに起きていることを話すから喫茶店に入りましょうというスーツの女性が現れた。そして梯子氏は未来に発見されるはずの停点理論を聞かされる。未来・現在・過去というのは実際は存在しなく、本当に存在しているのは数え切れないほどの同時多発的な可能性、つまり停点だけだと言うのだ。女性は、梯子氏の見た写真は、停点として存在している可能性から引っ張ってくれば可能だと説明した。更に彼女は停点のデモンストレーションを見せてくれた。彼女が実験用のプレパラートを少し大きくしたくらいの透明な板に何かすると、次の瞬間、しんと静まった店内には彼女と彼だけしかいなかった。すぐにざわめきは元に戻り、彼女は笑って、おわかりになられましたか?と梯子氏に言った。彼女は選ばれなかった一つの可能性を、彼に見せたのだ。

スーツの女性は、梯子氏が会った紳士や子供は、この停点理論の発見を阻止しようとしている立場で、彼女とは反対の立場だと述べた。1月2日に梯子氏が女性に会うことが未来を変える鍵だという。梯子氏はその後も両陣営から接触を受け、妹にもすべてを話した。

画像
謎の紳士とスーツの女性は、それぞれ対立する思惑があるようだ

2009年1月2日、梯子氏は指定の場所に行ったのだが、そこで女性にピアスを渡すことはできなかった。実は友人が彼からそれを取り上げて、先に彼の役割を果たしてしまったのだ。1月14日に彼の妹が2ちゃんねるに現れ、梯子氏は具合が悪くここ何日かは高熱も出てうなされていると伝えてきた。

3月28日、梯子氏による久しぶりの書き込み。そこで、とても妹思いだった彼はなぜか「僕の妹と名乗るこの女性は誰なんですか?」「僕の姉はどこへ行ってしまったんでしょうか」と言ってきた。それから彼は自暴自棄になってきて、スーツの女性に聞いた、他に言ってはいけないと言われた情報をどんどん書き始めたのだ。そして5月21日、謎の書き込みとともに、梯子氏の書き込みはまた途絶えた。そして、25日に現れた重要人物がいる。彼女の書き込みは「梯子来いよー」と始まった。その後もしばしば書き込んでいたが、2011年3月9日「いや、今日はやめておこう、その時が近づいているから。お前はお前のために時間をお使いね」と書き込んで消えた。東日本大震災の2日前のことだ。

彼女は2ちゃんねるの人たちによって「ゆんゆん」と呼ばれることになった。ゆんゆんは梯子氏の妹と契約したと言って、停点理論や梯子氏に接触した人たちのことをすべてわかっているような書き込みを続けた。掲示板では彼女と妹のやり取りも見られる。ただ「彼女」と書いているものの、実際に会った梯子氏は、少なくとも人間ではない、と表現している。実際のところ、ゆんゆんの言動は人間離れしていた。

梯子氏が次に書き込んだのは2011年2月18日。2009年の謎の書き込みのあと、他の世界線に行っていたことを明かした。この話は現在でも続いていて、その全体像はとても一つの記事では紹介できない。梯子氏は、フィクションの形で自分の知っていることをすべて公開するつもりで、ライターに頼んでいると語っている。

とても興味深い話なのだがこの記事では、停点理論についてのみ、その内容に踏み込んでいくことにする。

画像
梯子の話に興味を持った方にはこちらのサイトまたは先述のBTTP氏のサイトをお勧めする
彼自身の書き込み、ゆんゆんその他の書き込みが数ページにわたって保存されている
https://w.atwiki.jp/jikuunoossan/pages/41.html

停点における現実

ここから停点とはどういうものなのかを考察していくのだが、2ちゃんねる発祥の胡散臭い話にそろそろ呆れてきた人もいるかもしれない。ここで、これから書く内容を受け入れてもらうために、梯子氏が実際に経験した停点と似たような空間を体験した知人霊能者のことを少し紹介しよう。

霊能者神楽京氏はある結婚式場に行く時、異様な気配を感じた。彼が式場に入ってみると、すべてが静止していた。ただ、その中で一人だけ動いている女性がいる。彼女は神楽氏を見つけると、彼の動きも止めようとしてきた。しかし彼はなんとかそれを跳ね除け、女性を説得して、結婚式が滞りなく行われるように持って行った。彼は女性が使った能力を「邪眼」と呼んでいた。邪眼は世界中にある民間伝承のひとつで、相手を睨みつけることによって呪いを掛ける魔力とされている。だがこの状況はまるで、スーツの女性が見せた、他の誰もいない、停止した空間のようではないだろうか。このとき、神楽京氏とその女性以外の人たちは、すべて止まっていたのだ。まるで時間を切り取ったように。

画像
神楽京氏は数多くの漫画の題材となっている。
神楽京氏のXアカウント

筆者は今までに何度か、人の想像によって無限の「今」が創造され、人はそれを一瞬一瞬選択しながら生きていること、その軌跡が世界線であることを述べてきた。停点とは当にこの、「一瞬の今」のことだと言える。停点理論では、停点のつながりは「バイブル」と呼ばれている。これはどうも、世界線の中の何らかの法則によって区切られた一区間のようだ。ゆんゆんは「バイブルは量が決められてるんだ」「完成されたバイブルは一つだけ、あとは落丁のようなもの、しかしそれもまた本編たりうる」と言っている。バイブルには本流と支流があり、その本流の中にも様々な分流がある。ある本流に属している個人は、その本流に逆らわない範囲で次の停点を選べる。こうした概念を理解するには、停点における現実が多層構造になっていることを理解しなければならない。

現実というのは大きく捉えれば、集合無意識と個々の人々の意識によってできている。イメージとしては各自が自分の周りに球を持っていて、それらの球が結ばれた部分に集合無意識による補正がかかったものを現実として認識している感じだ。例えば二人が出会うとき、私の作りたい現実とあなたの作りたい現実とがせめぎ合い、その妥協点が現実として認識されると言えよう。

画像
これから何を食べるか話し合っている男女のイメージ図
こんな風にお互いの現実が作用し合うのを想像してみて欲しい

霊能者たちはしばしば、相談に来た人たちが霊能に目覚めてしまうという経験をしている。おそらく彼らは現実を創る力が強いのだと思う。そうした人と縁ができてその球と結ばれると、しばしば依頼者たちの現実の球の中に、霊能者の日常が流れ込んでしまうのではないのだろうか。

エイリアンのシェイプシフトも、このタイプの現実の干渉と言える。タイターたちの行動は、クローン人間であるジョン・タイターIIを生み出した。彼はダルシー基地でレプティリアンの上官の元で働いていたという。タイターIIは上官が一瞬で、爬虫類っぽい体型から普通の人間へと変わるのを見たことがある。その上官は、シェイプシフトは周りのすべての人の心に、人間だというイメージを投影しているようなものだと説明してくれた。上官は体調が良ければ数時間、人間の姿でいることが可能だった。ちなみに、誰か特定の人の姿になるのはできない。なんとなく一般的な人間になるのだ。

画像
タイターIIのこの本は現在入手困難だが、非常に濃密な、知られざる事実に溢れた本だ

梯子氏が初めてゆんゆんに会ったとき、その姿は衝撃的に美しい女性に見えた。梯子氏が見とれていると、女性は「なるほど、おまえは、こういう女と出会えるかもと期待してここに来たわけだ」と笑ったという。ゆんゆんは物理的な実態を持たないか、持ったとしても人間体ではないのかもしれない。しかしそれでは人間に会えないので、シェイプシフトのような原理で一般的な人間の姿を見せようとした。この件は、それが梯子氏の現実・願望と干渉して絶世の美女に見えたということなのではないだろうか。ちなみに彼女は一度「油断してる時とか鋭いやつは違う風に見えるかも」と言ったことがあるのだ。

こうした現実が実際にはマルチレベルで存在する。自分だけの現実、親しい人たちと作る現実、国単位、民族単位、宗教単位、人類単位、命あるものすべての単位など、様々なレベルの現実がある。この中で一番大きな現実の球は、命あるものすべての集合無意識が作るものだ。こうしたさまざまなレベルの現実が無限に入れ子になった一瞬のことを、停点と考えて良いと思う。この構造を踏まえた上で、さらに停点理論に踏み込んでいこう。

第二章に戻る
次の章へ


いいなと思ったら応援しよう!

コメント

ログイン または 会員登録 するとコメントできます。
第三章 停点〜マンデラエフェクトの意味|冨山詩曜(Siyoh)
word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word word

mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1
mmMwWLliI0fiflO&1