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第五章 記憶と人間存在〜マンデラエフェクトの意味

マイヤーズが死後に送ってきた本

フレデリック・マイヤーズ(Frederick Myers)は心霊現象研究の開拓者であり、初期の深層心理学研究における重要人物でもある。彼の著書『人間の人格とその死後存続』は、死後100年以上経った今でも色褪せていない。しかし彼の真価はむしろ、その死後にある。

SPR(イギリス心霊現象研究協会)に属していたマイヤーズは死後、あの世の同僚と協力しながら、交差通信という手法をしかけて来た。これは互いに関係のない霊媒たちに切れ切れの通信を送り、それらを一緒にすると初めて意味がわかるようにするものだ。詳細は割愛するが、30年ほど続いたこの実験の記録は、意識が死を超えて残ることを示唆する、最も重要な証拠のひとつと言える。

マイヤーズは交差通信に一段落がつくと、今度は二冊の本を送ってきた。

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一冊目の「 The Road to Immortality」は
「不滅への道」「永遠の大道」などのタイトルで翻訳されている
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二冊目は「Beyond Human Personality」
「人間個性を超えて」「個人的存在の彼方」などのタイトルで翻訳されている

これはジェラルディン・カミンズ(Geraldine Cummins)の自動書記によって書かれたが、SPRのE・B・ギブズ(E. B. Gibbes)女史はその内容を吟味し、生前にマイヤーズが生み出した造語が使われている点やその他から、これらは彼からの通信と言っても良いと結論している。ところでマイヤーズはあるとき霊媒を通じた通信を

「見通しが悪く声も通らない霜のついたガラス窓の外側に立ち、いやいや仕事をしている血の巡りの悪い秘書に指示を与えているようなもの」

と表していた。霊媒を通した通信はなかなかうまく行かないのだ。しかしこの本に関しては、そうした制限の中にあってもそれなりにうまく伝えられたとも語っている。

これとは別に、筆者は一時期ITC(電子機器によるトランスコミュニケーション)研究に関わっていた。ドイツ・ルクセンブルクを中心にして世界中に、電子機器を用いてあの世からの声や映像を得ていた研究者たちが各国にいたのだ。実験に関わっていたあの世の高次存在は、この形式の方が霊媒の脳を用いた通信より精度が高いと言っていた。

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白血病で亡くなったこの少年は
生前からITCに興味を持っていたため、あの世の送信ステーションに辿り着いた
この写真はそこから送られてきたもの
「また自慢の髪がすっかり生え揃った」というメッセージも届いている

あの世の特定の階層から、電話やラジオ、テレビ、FAX、コンピューターテキストで、向こうで目覚めて生活する人(霊)たちの生々しい声がたくさん届いている。それ以外にも、世界の仕組みや、太古の歴史、パラレルワールドなどに関する情報なども送られてきている。このITC研究を見守っていた七体の高次存在たちがいるのだが、彼らはマイヤーズの本の内容は概ね正しいと言っていた。これからマイヤーズとITCによってわかる、死後の世界と人間存在について書いていこう。

死後の階層、そして記憶

人間の身体は図のように、肉体と3つのアストラル体、この二つの接着剤的な複体、2つのメンタルコーザル体と魂でできている。死というのはこれらの身体を脱ぎ捨てていく過程だ。

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複体はエーテル体と呼ばれることが多い
しかしアストラル体をエーテル体と呼ぶ流派もあり混乱を招くので
ここでは複体とした

人は死ぬとまず肉体を脱ぎ捨てる。そしてしばらく複体で過ごすが、すぐに複体も脱ぎ捨てて、アストラル体となりアストラル界へと行く。この際、脱ぎ捨てられた複体は放っておけば霧散するのだが、本人に強い心残りがあったり、遺族がどうしても故人を忘れられないでいると、それらにエネルギーを得て動き出す。これがいわゆる幽霊だ。複体を脱ぎ捨てる前も、それはそれで中身の詰まった幽霊なわけだが、このタイプはあまり多くないという。ほとんどの幽霊は、アストラル体が抜けてしまった抜け殻なのだ。筆者は、意識の焦点が合っていない停点にいる「自分」も、この複体だけの幽霊と同じ存在だと考えている。もう少し詳しく書こう。

そもそも記憶と人は別々のものだ。マイヤーズは人が何かを思い出す様を、次のように説明している。我々が何かを思い出そうとするとき、その意志は現在物理でわかっているよりもはるかに細かい、精妙なエッセンスを引き寄せる。引き寄せられたエッセンスは、意志の力に応じて見えない流体に刻印をする。その刻印がされると、それと脳細胞がつながり、思い出したいものが認識されるのだそうだ。この作業をよりよくこなすための「意志」だが、マイヤーズはこれが、自分自身ではなく、もっと大きな存在から来ていると述べている。意志とは、私たちの外部にある、より大きな意識から流れ入るエネルギーのことだというのだ。

複体だけの存在であっても肉体的な記憶には結びついている。そこに遺族の思いが集まると、その幽霊は肉体記憶に基づいて、生前の特定シーンだけを繰り返す。一方、故人の意思も強く働いている場合は、その意識は「より大きな意識」を呼び寄せ、「より大きな意識」が記憶を引き寄せれば、単なる複体が、すでにアストラル体になっている自分と簡単には見分けがつかないほどの存在になるのではないだろうか。実際霊能者たちは、生きている人と見分けがつかないほどの幽霊がときどきいると言っている。

ところで先ほどから出てきている「より大きな意識」というのは一体何を示しているのだろう。それを説明するには、我々の死後の過程をもっと紹介しなければならない。

アストラル界でしばらく過ごした魂はまた地球に戻ってくる。これを何度か繰り返すと、アストラル界に止まり続けることが困難になり、アストラル体をも脱ぎ捨て、第二段階の死が訪れる。この段階に至る前の、アストラル体の振動数が十分高くなった状態で、私たちはグループソウルに属していることを感じ始めるのだが、このグループソウルの意識が、マイヤーズの言う「より大きな意識」だ。グループソウルとは魂の集団で、それ自身の意識を持つ。一つのグループソウルにはその成長段階に応じて、数十から数百、数千の魂が属している。

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上の界に行くほど自由度が高くなっていく
第二界から第四界までがアストラル界
この図は著書でさらに詳しく説明してある

第二段階の死の後、人は第五界に進み、形状を捨てて炎のような姿になる。この階層では、グループソウル内での記憶や感情の共有が始まる。その結果個人としての自我は、グループソウル全体としての自我へと移行していき、やがてグループソウルとしての死を迎える。しかしその先には、他のグループソウルとのつながりが待っている。この先も死後の旅程はどこまでも続いていくのだが、今はここまでにしておこう。グループソウルにはいろいろな階層の魂がいて、それらの総体としての意思は、地上にいる人間にまで届く。人が記憶を思い出す時、そこに働くのはグループソウルの意識だというのに注意してほしい。

魂は複数の世界線を生きているが、それらの別々の人生を歩んでいる自我たちが、混乱せずに自分特有の記憶を引き寄せられるのは、グループソウルのおかげなのだ。しかしその際、グループソウルは間違って、あるいは意図的に、他の「自我」の記憶を持ってきたりしないのだろうか。同じグループソウルに属する他の魂の記憶を引き寄せたりしないのだろうか。もしそのようなことが起きたら当然、マンデラエフェクト的な現象が起きる。

ここに至るまでの考察で、マンデラエフェクト的な現象は、異常な停点移動や、グループソウルのバグまたは意図によって起きることがわかった。そしてタイムトラベラーとの関わりが異常な停点移動の原因となり得ることもわかった。しかしこれらで起きるのはあくまでマンデラエフェクト的な現象。実際のマンデラエフェクトは非常に多数の、互いに関係のない人たちに共通に起こるものだ。それがなぜ起きているかを知るには、今我々がどのような時代に生きているのかを考察する必要がある。

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コメント

1
たくみちゃん
たくみちゃん

私が見たものはコメント欄で公にするのが怖いです。圧倒的な存在なので、ムーにも投稿はためらってます。が合点はいきました。

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第五章 記憶と人間存在〜マンデラエフェクトの意味|冨山詩曜(Siyoh)
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