仮想通貨教材で賠償義務 「簡単に利益」と強調
インターネット上で、簡単に利益を得られると誤解させ、暗号資産(仮想通貨)のDVD教材などを販売して消費者被害が出たとして、救済に取り組む特定適格消費者団体「消費者機構日本」が販売会社側に損害賠償義務があることの確認を求めた訴訟の差し戻し審で、東京地裁は28日、賠償義務があるとの判決を言い渡した。
販売会社は福岡市の「ONE MESSAGE」。判決で大寄麻代裁判長は、誰でも確実に稼ぐことができると表示して購入を勧誘する一方で、実際には利益を得ることができるものだとは言いがたいと指摘。著しく事実に相違する表示で違法だとし、賠償義務があると判断した。
被害を集団的に回復するための消費者裁判手続きの特例法に基づき、団体が提訴した。訴訟では、請求内容が法律上の要件を満たすかどうかが争われ、最高裁は昨年3月、訴えを却下した一、二審判決を破棄。地裁で審理をやり直していた。
特例法は泣き寝入りしがちな被害者に代わり、国が認定した団体が裁判で一括救済を目指す制度。今回の判決が確定すれば、団体が購入者に対し、賠償額を確定させるための次の手続きへの参加を募り、東京地裁が個々の額を決定する。〔共同〕