【高校生が考える】日本国憲法改正私案
高校生が考える日本国憲法改正私案
こんにちは!高校2年生のYushiです。世界各国の憲法を参考に、かれこれ4年間、憲法改正私案を練ってきました。このブログは、その内容を公表するものです!ぜひあなたに読んでほしいです。
日本国憲法改正私案
起草にあたって参考にした世界各国の主な憲法
①日本国憲法🇯🇵
②アメリカ合衆国憲法🇺🇸
③ドイツ連邦共和国基本法🇩🇪
④イタリア共和国憲法🇮🇹
⑤スイス連邦憲法🇨🇭
⑥インド共和国憲法🇮🇳
⑦大韓民国憲法🇰🇷
⑧ブラジル連邦共和国憲法🇧🇷
⑨モンゴル国憲法🇲🇳
⑩ブータン王国憲法🇧🇹
前文
日本国民は、すべての法の上に立つ源泉であり、すべての法の目的として、われらの譲渡できない生来かつ平等な機会、自由及び権利を相互に承認する。国の主権は、現在及び将来の日本国民の機会、自由及び権利の保障水準を維持し、向上するために必要となる国家の利益を開拓及び確保するためにのみ行使されなければならず、その生産された国家の利益は、すべて日本国民全体に対し公平に帰結しなければならない。日本国民は、この世界のどこに居住し、生活しているかに関わらず、われらの生存、信用及び行動の根拠地である日本国に生きており、日本国に生かされている。又、日本国はそれら日本国民の根拠地たるをもたらす責務を常に履行しなければならない。われらは、日本国を構成する個人として、この相関社会の原理を永久に履行するために導かれる生来の責務を自覚し、遂行する。この原理は、われら自身の倫理的指針であり、日本国及びその郷土の倫理規範として承認する。日本国民は、その原理を履行することを宣誓し、確定するために、この憲法を改正する。
第1章 天皇
第1条 天皇は、日本国の唯一の国体であり、日本国民の精神を統合する象徴である。
第2条 皇位は、国会の議決を経た皇室典範の定めるところにより、皇統に属する男系子孫が、これを世襲して継承する。
第3条 国体保障に関する事項は、これを法律で定めることができる。
第4条 国の主権は、天皇の正統性に由来するものであって、日本国民が、この憲法の規定に基づいて、これを自由に代行する。
第5条 天皇は、法律の定めるところにより、国の名誉を代表して、国事に関する行為を行う。
2 天皇は、法律の定めるところにより、国事に関する行為を委任することができる。
3 国事に関する行為における責任は、内閣に帰属する。
第6条 摂政は、天皇の名で、天皇の公務を代行する。
2 摂政を設置するにあたっては、摂政には、第4条の規定を準用する。
3 摂政を設置する要件は、これを法律で定める。
第7条 皇室予算は、現在の定額により、毎年国庫からこれを支出する。ただし、これを増額する必要のある場合は、国会の議決を必要とする。
第8条 皇室財産は、国の管理に属する。
第9条 天皇及び皇族は、品位ある生活水準を保障される。
第10条 天皇及び皇族は、刑事上の責任を問われない。
第2章 日本国民の権利及び義務
第11条 日本国民は、いかなる属性をも問わず、根拠地の擁護のもとに、この憲法の宣言するすべての機会、自由及び権利を平等に享有することを妨げられない。
第12条 この憲法の宣言する機会、自由及び権利は、日本国が、その保障を確立する唯一の根拠地であり、現在及び将来の日本国民が、その根拠地を存続及び発展させることによってのみ、その宣言される機会、自由及び権利は、ひとしく、個人にもたらされる。そのためには、いかなる苦難と試練にも、共同して堪えなければならない。
第13条 日本国の目的は、これを構成する日本国民全体に、生存、信用及び行動の根拠地たるをもたらすことにある。
2 義務を課したり、自由若しくは権利を制限するには、それが、前項に掲げる日本国の目的に適合するものであり、かつ日本国民の有する機会、自由及び権利の保障水準を維持する目的の範囲内において、法律に基づいてのみ、これをすることができる。
第14条 日本国民は、個人として尊重される。その人格の自由な発展は、これを侵してはならない。
第15条 日本国民は、政治活動の自由を奪われない。
第16条 日本国民は、法律の定める手続に基づいて、国民発案を行う権利を有する。
2 公共機関は、国民発案をしたこと又はその内容を理由に、差別待遇をしてはならない。
第17条 何人も、公務員がこの憲法又は法律に反する不法行為を行い、もって損害を受けたときは、その賠償を請求する権利を侵されない。
第18条 年齢18歳以上の日本国民は、公務員の選挙及び国民投票において、投票する権利を有する。
第19条 選挙運動の自由は、これを保障する。
2 公務員の選挙について規定する一切の法律は、前項に掲げる自由に適合しなければならない。
第20条 年齢18歳以上の日本国民は、公務員の選挙において、公務員の候補者となる権利を有する。
第21条 公務員の選挙及び政党内部の選挙においては、普通投票、投票価値の平等、投票の秘密、投票選択の無答責を保障する。
第22条 すべて投票人は、公務員の選挙において、個人の自由意思により、投票する権利を侵されない。
2 投票選択の団結及び投票選択に対する組織的な指示、要求及び強制は、これを禁ずる。組織的に、投票選択について示唆、宣伝及び要求をする権利は、公務員の候補者及びその陣営組織が専有する権利である。
第23条 公務員の候補者は、法律の定める平等な限度額の範囲内において、選挙運動で必要となる費用を公費負担とされる権利を有する。
第24条 公務員の候補者は、選挙運動のために、必要な期間の休業を取得する権利を有する。
第25条 供託金制度など、公務員の候補者に対し、一定の経済的負担を強制する制度は、これを認めない。
第26条 すべて公務員は、日本国に帰結する国家の利益のために、全力を挙げて奉仕する義務を負う。
第27条 何人も、公務員による不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、遅滞なくその救済を請求する権利を有する。
2 公務執行における公務員の責任及び免責権については、これを法律で定める。
第28条 内閣総理大臣その他の国務大臣、衆議院議員及び参議院議員、地方公共団体の長、最高裁判所長官、最高裁判所裁判官、外国政府の要人、特命全権大使その他法律の定める要職たる公務員及び外国要人が、暗殺、暴力、毒盛り、性的工作、脅迫、名誉毀損その他の危害から、公費により、最大限強力に保護される権利は、これを保障する。
第29条 日本国民は、公共機関の作成する公文書及び公の電磁的記録は、日本国民全体の普遍的公益に基づいて要求するときは、その要求により指定する範囲で、当該公文書若しくは公の電磁的記録について、これを正確に開示することを請求する権利は、これを保障する。
2 請求原告は、前項に掲げる権利に基づく請求をするにあたって、その正確な開示を要求する公文書若しくは公の電磁的記録が、確実に存在することを立証することを要しない。
第30条 公共機関の作成する公文書及び公の電磁的記録は、用途の別に関わらず、著作権を有しない。何人も、公共機関の作成する公文書及び公の電磁的記録を利用することができ、これに関して法律上の責任を問われることがない。これがため、公共機関の作成する公文書及び公の電磁的記録の一部について、法律上の特別な保護を与えることは否定しない。
2 法律上の特別な保護を与える公文書及び公の電磁的記録については、これを守秘する義務を負う当事者及びその利害関係者のみが、法律上の責任を問われるのであって、当該当事者及びその利害関係者から、すでに社会一般に漏洩した公文書及び公の電磁的記録が、無関係の第三者によって、重ねて頒布された場合においては、その無関係の第三者については、法律上の責任を問われない。
第31条 政党を組織する自由及び政党活動の自由は、これを侵してはならない。
第32条 政党は、その政治的立場を確立しつつ、日本国民の利益を公平に代表する責任を負う。
2 政党を代表する職位は、定期に、その政党の構成員による直接選挙によって、選挙されなければならない。
3 政党の有する財産及び収入並びにその使途は、法律の定めるところにより、定期に、正確な公表がされなければならない。
4 公の議会に議席を有する政党は、法律の定める平等な限度額の範囲内において、国庫から、その活動資金を提供される権利を有する。
第33条 国際法規が、日本国の独立及び尊厳並びに日本国民の機会、自由及び権利を侵害することのできる抜け穴となってはならないから、国際法規の締結及び維持に関する一切の政治行為は、日本国民による直接の監視及び意思決定を必要とする。
第34条 国が国際法規を締結しようとするときは、毎度、国会の承認を経た後に、速やかに実施される日本国民による国民投票により、その投票者の過半数の賛成を得ることによる承認を得なければ、国は、その国際法規を締結することができない。
第35条 すでに国が締結している国際法規については、衆議院議員総選挙が行われるたびに、毎回、国民投票により、その国際法規の締結を維持するかどうかを問わなければならない。
2 国民投票により、その国際法規の締結の維持について、投票者の多数が反対した場合は、日本政府は、直ちに、その国際法規を破棄し、又はその国際法規から脱退する手続を開始しなければならない。
3 国際法規の締結を維持するかどうかを問う国民投票の対象となる国際法規は、日本国民による請願により、その国民投票の対象とするように要求された国際法規のうち、当該請願の賛同者の数が多かった上位相当数の国際法規を、その国民投票の対象とする。
第36条 国際法規の締結及び維持に関する国民投票の実施に関する事項は、この憲法の規定に基づいて、これを法律で定める。
第37条 税は、われらの根拠地たる日本国に対する集団的投資を本旨とする。
第38条 すべて納税者は、必要のあるときは、無償で、資格を有する税務会計人により、納税に関する相談若しくは補佐を受ける権利を有する。
第39条 税務上の強制的な調査及び差押を執行するには、各別に、税務委員会の委員長による認可状を必要とする。
2 税務委員会の委員長は、税務上の強制的な調査及び差押の認可状を請求されたときは、その執行を認可する必要を信ずるに足りなければ、これを認可してはならない。
3 税務上の強制的な調査及び差押の認可状は、事前に発されなければならない。
4 税務上の強制的な調査及び差押の認可状には、強制的な調査又は差押を認可する理由及び調査若しくは差押する場所及び物を明示しなければならない。
5 何人も、税務上の強制的な調査及び差押について不服のあるときは、裁判所に
出訴する権利を妨げられない。
6 税務上の強制的な調査又は差押の認可状を請求できる要件は、これを法律で定める。
第40条 何人も、税制的教養の不足による納税上の過失があったときは、本来納税するべき額に対する不足額分を追って徴税される以外に、法律上の責任を問われたり、懲罰的な追徴課税を受けさせられない。
第41条 納税者情報は、法律の定めるところにより、保護されなければならない。
第42条 納税者の有するその他の諸権利は、法律の定めるところにより、これを保障する。
第43条 日本国民は、思想、信条及び良心の自由を有する。
第44条 日本国民は、個人として、宗教を信仰するかどうかの自由を有する。
2 日本国民は、宗教又は宗教団体の祭事、行事及び式典その他の宗教行為に参加することを強制されない。
第45条 宗教団体の組織及び活動は、宗教が、その構成員に幸福と救済をもたらすという宗教の本質的目的に拘束される。宗教団体は、その教義のために、その構成員を経済的、身体的、精神的、信条的及び生活的に利用したり、搾取したり、拘束してはならない。法律は、宗教の教義に対し、優越する。
2 宗教団体の行う利益ある活動は、一般の営利結社と同等の課税を受けなければならない。
3 宗教団体は、何人に対しても、宗教団体による不法行為により損害を受けた場合に、法律による救済を請求する権利を制限又は禁止させることができない。これを容認又は承認する契約は、いかなる場合も無効である。
第46条 宗教団体及びこれに関連する組織は、政党を組織したり、政治上の権力を行使することができない。
2 宗教団体及びこれに関連する組織は、公務員の選挙において、公務員の候補者を擁立することができない。
3 宗教団体及びこれに関連する組織は、いかなる場合も、公共機関及び教育機関、公務員及びその候補者、政治団体及び政党に対し、その資金及び財産並びに人員を提供、譲渡又は貸与することができない。
第47条 日本国及びその郷土が、その長い国史のなかで育んできた固有の宗教的文化及び宗教的文化財は、あくまでも、日本国及びその郷土の文化的固有性を保護する目的の範囲内でのみ、これらについて法律上の保護を与えることができる。ただし、その宗教又は宗教団体であることを理由に、法律上の保護を与えることはできない。
2 前項にいうところの文化的固有性を保護する目的で与える法律上の保護のための根拠法律は、普遍的効力を有する一般法律としてでなければ、これを制定することができない。
第48条 営利の報道結社は、法律の支配に属する。この場合、特定又は一部の報道結社のみに適用する法律を制定することはできない。ただし、個人又は個人事業による営利の報道活動は、法律の支配に属しない。
第49条 個人又は組織が、取材及び報道をする自由は、これを保障する。
2 取材できる機会は、個人と組織の別及び組織と組織の別を理由に、差別してはならない。
第50条 何人も、取材を拒絶する権利を妨げられない。
第51条 日本国民は、思想を告白し、言論を交わし、自由な表現を使用する権利を侵されない。
第52条 日本国民は、表現物の作成、所持及び頒布の自由を有する。
第53条 日本国民は、自由に通信する権利を有する。
2 通信内容、通信識別及び通信経路の秘密は、これを侵してはならない。
3 国の行政機関は、適法な水準でない通信である場合、国家安全保障にとって有害である場合又は日本国民の個人情報を不法に収集している場合は、国会の議決による承認を経ることにより、当該アプリケーション若しくはインターネットサイト又はその両方について、日本国内からの接続及び日本国内に向けた接続を排斥することができる。
第54条 日本国民は、集会及び運動の自由を有する。
第55条 日本国民は、結社の自由を有する。
第56条 日本国民が、個人の範囲において、社会的な名誉及び信用並びに私生活の秘密を保護される権利は、公人又は私人の別に関わらず、ひとしくこれを保障する。
2 国は、社会的な名誉及び信用並びに私生活の秘密が、特に侵されやすい地位にあることを鑑み、充実した公人保護の制度を整備しなければならない。
第57条 事前の検閲及び事後の削除命令は、前条に掲げる日本国民の権利を保障する目的の範囲内で、かつ必要最小の限度でのみ、これを実施することができる。
2 事前の検閲及び事後の削除命令並びにこれに基づいて受けた措置若しくは行為について、不服のある個人又は組織が、裁判所に出訴する権利は、これを妨げてはならない。
3 事前の検閲及び事後の削除命令に関する事項は、これを法律で定める。
第58条 日本国民は、経済活動の自由を有する。
2 国は、市場独占の禁止及び公正取引の保護並びに公正な市場競争の確保に努めなければならない。
第59条 日本国民は、法律の定めるところにより、消費者の権利を有する。
第60条 日本国民は、職業選択の自由を有する。
第61条 すべて労働者は、必ず定期に、人たるに値する生活水準を維持するに足りる相当額の賃金を受ける権利を有する。
2 すべて労働者の賃金は、基礎賃金及び最低賃金その他の賃金で、これを構成する。
第62条 基礎賃金は、国庫から、国の責任で、これを支給する。
2 基礎賃金の支給額は、国の財政能力を考慮しつつ、定期的に増額されるものとする。
3 基礎賃金の支給額は、国の財政能力が窮迫の事態に陥らない限り、減額されない。
4 基礎賃金の制度を支える財源は、労働者から徴収したものであってはならない。
第63条 最低賃金及びその他の賃金は、法律の定める基準に従い、雇用者の責任で、これを支給する。
第64条 すべて労働者は、一日あたり、六時間を超えて労働させられない。
第65条 すべて労働者は、毎週のうち、少なくとも三日を定期休日とする権利を有する。
第66条 すべて労働者は、休日及び就業時間外において、労働及び労働者関係に拘束されない。
第67条 休日及び就業時間外における労働は、これをさせてはならない。
第68条 すべて労働者は、必ず定期に、相当日数の有給休暇を支給される権利を有する。
2 最低限度支給するべき有給休暇の日数及び有給休暇を貯蓄する権利に関する事項は、これを法律で定める。
第69条 すべて労働者は、傷病に因る休息を必要とする場合、労働能力が回復するまで、完全な賃金保障の下、療養休養を受ける権利を有する。
2 療養休養を取得できる期間の上限は、これを法律で定める。
第70条 すべて労働者は、労働の因果により傷病を負った場合、遅滞なく、労働者災害補償を受ける権利を奪われない。
第71条 人事権は、労働者の成長のために、行使されなければならない。
2 雇用者は、人事権を行使した履歴及びその理由について、法律の定めるところにより、定期に、所管の行政機関に正確に報告しなければならない。
第72条 すべて労働者は、自己の適性に応じた人事を受ける権利を有する。
2
第73条 すべて労働者は、兼業及び転職の自由を有する。
第74条 すべて労働者は、労働環境における心理的安全性を享受する権利を有する。
2 労働環境における心理的安全性を構築する責務は、労働者各人ではなく、雇用者に帰属する。
第75条 すべて労働者は、個人で、又は団結して、労働条件について交渉する権利を有する。
第76条 労働者に対し適用される一切の規則は、この憲法の宣言する労働者の権利に反してはならない。その規則を定める際に従わなければならない最低基準は、これを法律で定める。
2 雇用者と労働者の間で締結される一切の契約及び規約は、この憲法の宣言する労働者の権利に反してはならない。その契約及び規約を定める際に従わなければならない最低基準は、これを法律で定める。
第77条 労働者の権利は、一般労働者及び中間労働者並びに幹部労働者に対し、不合理な差別なしに、これを保障する。
2 すべて公務員は、国又は地方公共団体の正常な業務を遂行する目的の範囲内で、かつ必要最小の限度を超えて、労働者の権利を制限されることがない。
第78条 すべて雇用者は、労働者の権利の保障及び労働条件の履行について、これらが適法な水準であることを検証する財力を有しないときは、法律の定めるところにより、その全部又は一部を公費負担として、資格を有する労働条件監督人を附する権利及び義務を有する。
2 資格を有する労働条件監督人は、労働者の権利の保障及び労働条件の履行が、適法な水準に満たないときは、法律の定めるところにより、労働条件監督行政を所管する行政機関に告発する義務を負う。
3 資格を有する労働条件監督人は、公費負担により、これを附するときは、国がこれを選任する。この場合、雇用者の人事権は、国が附した労働条件監督人に対しては、これが及ばない。
第79条 すべて労働者は、自己又は同僚が、適法な水準で、その労働者の権利又は労働条件の履行がされていないと信ずるときは、法律の定めるところにより、いつでもその旨を告発する権利を有する。かかる告発によって、いかなる不利益な扱いも受けさせられない。
2 国は、労働者の権利が適法な水準で保障されているかどうかを監視し、その適法な水準に満たない事件のあるときには、強力な指導を実施できる労働条件監督行政を整備しなければならない。
3 労働条件監督行政を所管する行政機関は、労働者の権利又は労働条件の履行が適法な水準に満たない旨の告発に真実であると信ずるに足りるときは、裁判所に出訴する義務を負う。ただし、この義務は、告発した当該労働者が自ら裁判所に出訴する権利を妨げるものと解釈してはならない。
第80条 受療の自由は、これを保障する。
第81条 日本国民が受ける医療は、最大限安価で提供されなければならない。
2 日本国民が、法律上の資格を有する医薬品を購入する場合は、最大限安価で提供されなければならない。
第82条 何人も、法律の定める手続を経て、自己の明示する同意を確立しない限り、治験又は実験のために、その身体、精神及び財産を供することを強制されない。
第83条 医療機関への収容は、その収容の原因となっている傷病が、社会復帰できるまでに治療されたときに、これを終了する。
2 何人も、医療機関に不当に長期収容されている場合、直ちに解放され、速やかに保護され、正確な調査を受け、補償を請求する権利を奪われない。
3 児童が、家庭の都合により、医療機関に収容させられることは、絶対にあってはならない。
第84条 医療機関に収容されている人の機会、自由及び権利は、治療を遂行する目的の範囲内で、かつ必要最小の限度を超えて、これを制限してはならない。
2 医療機関に収容されている人が、遅滞なく、資格を有する弁護人と面会し、交談する権利は、いかなる場合も、これを侵してはならない。
第85条 遺伝子情報の秘密は、これを侵してはならない。
第86条 身体障害、精神障害、神経障害、発達障害及び知的障害その他医学的に認められる障害を有する日本国民は、できるだけ自立した生活を営む権利を有する。ただし、この権利は、必要かつ合理的な配慮を受ける権利を妨げるものではない。
2 障害者の生活に適応した開発計画及び再開発計画は、推進されなければならない。
3 国は、障害の早期発見及び障害者福祉の増進に努めなければならない。
第87条 婚姻及び家族の制度については、婚姻関係にある男女の家族的及び子孫的な発展に対する特別な保護を与える目的で、これを構築する。
第88条 すべて婚姻は、男と女のあいだに、法律の定める手続を経てのみ、成立する。
第89条 夫妻は、婚姻の際に定めるところに従い、夫又は妻の氏を称しなければならない。
第90条 日本国民は、戸籍に属する権利を有する。
2 日本国民は、戸籍を有しない場合、公費による手続で、遅滞なく、戸籍を取得する権利を有する。
第91条 家族内の慣習の自由は、これを保障する。
第92条 家族のふれあう権利は、これを侵してはならない。
第93条 家族団欒のために求められる時間的条件は、これを保障する。
第94条 家族の名誉を保護される権利は、これを保障する。
第95条 法律上の性別の認定は、身体の性別に基づかなければならない。
第96条 性的欲求、性的嗜好及び性交渉を追求する権利は、これを保障する。
2 夫妻の性生活は、これを保障する。ただし姦通は、これを許さない。
第97条 事前かつ正確に、性交渉の相手人が出生したときの身体の性別を知り得る権利は、これを保障する。
2 前項に掲げる権利は、何人もが、自己の希望する相手人と性交渉することを追求するために、当然に要請される正当な権利である。
第98条 性別転換治療及び性別転換手術を受けられる権利は、性同一性障害であることが医学的に認められた成年者のみに属する専有の権利である。
第99条 日本国民が、人たるに値する生活水準を維持する権利は、これを保障する。
2 人たるに値する生活水準の定義は、これを法律で定める。ただし、人たるに値する生活水準の定義を定める際は、国際人権標準に立脚しなければならない。
3 法律で規定された人たるに値する生活水準を満たす能力に欠ける場合は、国による保護及び救済を受ける権利を有する。
第100条 日本国とその郷土が、その国史のなかで育んできた固有の伝統文化、伝統祭事及び伝統的生産は、日本国民全体の国民生活に浸透及び普及するように、国は、常に努めなければならない。
2 日本国とその郷土が、その国史のなかで育んできた固有の伝統文化、伝統祭事及び伝統的生産は、国による特別な保護及び育成を受けなければならない。
3 日本国とその郷土の文化的固有性を保護し、普及させ、維持し、又これらに関係する産業を育成するために、国は、必要な法整備及び積極的な投資に、常に努めなければならない。
第101条 研究活動の自由は、これを保障する。
2 何人も、研究活動の内容を理由として、差別待遇を受けさせられない。
第102条 日本国に帰結する国家の利益に適合する研究事業は、法律の定めるところにより、国庫から、特別水準の投資を受ける権利を有する。
2 国は、電子技術及び軍事技術並びに宇宙航空技術の研究事業に注力する。
第103条 学歴社会は、これを廃止する。
2 国は、学歴社会の廃止を達成するために、その推進に努めなければならない。
第104条 一切の公教育及び公金を投じて整備される社会教育は、法律の支配に属する教育とする。
第105条 法律の支配に属する教育は、日本国に帰結する国家の利益のために策定及び実施されなければならない。
第106条 日本国民が、その能力に応じて、教育を受ける権利は、これを保障する。
第107条 障害を有する児童及び特に高度な能力を有する児童には、その能力に応じて、特別教育を受ける権利を保障する。
第108条 公教育において、主権代行人としての積極的な政治教育及び日本国を構成する個人としての全国民国防教育を受ける権利は、これを保障する。
第109条 初等及び中等の公教育を受ける費用は、入学料、授業料、服装料、教材料、物品料及びその他通常必要となる費用について、すべて公費負担とする。
2 高等教育については、国が認定する優秀な高等教育機関で受ける場合に限り、その受ける費用を公費負担とする。
3 法律の支配に属する特別教育は、特別教育であることを理由として、特別料金を設定又は請求することができない。
第110条 法律の支配に属する政治教育は、少なくとも、積極的な賛成意見、消極的な賛成意見、消極的な反対意見、積極的な反対意見をひとしく教授するものでなければならない。
2 法律の支配に属する政治教育は、政党又は党派に対する支持若しくは反対を示唆、要求又は強制することができない。
第111条 法律の支配に属する教育は、宗教又は宗教団体の教義に立脚してはならない。
2 法律の支配に属する教育は、宗教又は宗教団体に対する支持若しくは反対を示唆、要求又は強制することができない。
3 法律の支配に属する教育における宗教教育は、学問的視座から宗教を観察若しくは研究する目的でのみ認められる。
第112条 法律の支配に属する教育は、日本国に帰結する国家の利益に適合する範囲内で、かつ必要最小の限度を超えて、性教育を実施してはならない。
第113条 教育を受ける児童の有する諸権利は、法律の定めるところにより、これを保障する。
2 教育を受ける児童は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、その在籍する公教育施設内を自治する権利を有する。
3 教育を受ける児童は、法律の定めるところにより、公費で、適当な栄養のある美味で文化的な公教育給食を提供される権利を有する。
4 教育を受ける児童は、身体的及び精神的な健康のために適する環境を提供される権利を有する。又、これらの健康の全部又は一部が害されたときは、積極的に救助を受ける権利を保障する。
5 教育を受ける児童は、身体の秘密を侵されることがない。
6 教育を受ける児童の財産権は、法律の認める場合を除くほか、これを制限してはならない。
7 各教育機関が、教育を受ける児童に対して適用する一切の規律は、教育を受ける児童の有する権利及びそのために制定される法律の規定に適合しなければならない。
第114条 法律の支配に属する教育の労働者の労働条件については、法律の定める基準に基づいて、特に優遇されなければならない。
第115条 法律の支配に属しない教育については、教授の自由を保障する。
第116条 何人も、自己の遺伝的血統に属する子又は法律上の同意に基づいて保護を決定した養子でなければ、子を養育する責任を負わせられない。
第117条 親権は、子の健全な成長のために資するように、行使されなければならない。
第118条 親権者又はこれに代わる保護者は、人として一般に認められる能力を超えて、保護する子に対する法律上の監督責任を負わされない。
第119条 親権者又はこれに代わる保護者は、保護する子の育児上必要な行為を円滑に遂行する権利を有し、育児上必要な行為を理由として、社会的生活において、差別又は排除をされない。
第120条 親権者又はこれに代わる保護者が、適度に休息する権利及びそのための条件は、これを保障する。
2 国は、前項に掲げる権利を保障するために、社会一般に要請される合理的配慮の推進及び啓発に努めなければならない。
3 国は、公費で利用できる公的保育を整備しなければならない。又、公的保育に務める職員は、労働条件について、特に優遇されなければならない。
第121条 日本国民たる児童が、衣服、食材、保育、教育、体験、児童医療、児童福祉及び育児用品その他通常必要となる条件を提供するためにかかる費用は、すべて公費負担とする。これらは、各家庭の家計負担となってはならない。
2 前項に掲げる社会保障を実現するために必要となる方式については、これを法律で定める。
第122条 ひとり親及び未成年の親は、保護する子を育児するにあたって、特別な後援を受ける権利を有する。
第123条 日本国民たる児童は、機会を得、自由を享受し、権利を行使する主体である。
第124条 日本国民たる児童は、日本国及びその郷土並びに親権者又はこれに代わる保護者から、常に愛される絶対の権利を奪われない。
第125条 日本国民たる児童は、ひとしく私的な幸福を追求する権利を有する。
2 私的な幸福を追求する権利を保障するため、日本国民たる児童は、法律の定めるところにより、国庫から、定期に、青少年おこづかい給付金を受ける権利を有する。その支給額は、年齢に応じて、ひとしい額でなければならない。
第126条 日本国民たる児童は、公園など、児童が遊ぶことに利用されるべき場から、正当な理由なしに、排斥されない。
2 児童が遊ぶことに利用されるべき場には、児童のために、必要な条件を整備しなければならない。
第127条 日本国民たる児童は、故障した家族を養育する責任を負わせられない。又、その児童が、家族を養育させられる原因となっている故障した家族は、法律の定めるところにより、遅滞なく、公共機関の責任で、これを保護する。
第128条 日本国民たる児童は、その意思に反して、労働させられない。又、自らの意思による労働であっても、それが家庭の家計を支える目的の労働の希望である場合は、労働することができない。
2 日本国民たる児童は、独立して賃金を請求する権利を有し、その収入は、家計に投ずることを要求されない。
第129条 権限を有する公務員は、不法行為又はその未遂、不良な行動、家出又は放浪、自殺企図のある児童を現認したときは、法律に基づいて、当該児童に対し、保護拘束を執行することができる。
2 保護拘束の権限を有する公務員は、保護拘束を執行するために必要な限度において、法律の定めるところにより、拘束用具及び抵抗阻止装備を携帯することができる。
3 保護拘束は、刑事上の逮捕ではない。保護拘束を受けた履歴は、公に開示されない。
第130条 公務員は、法律若しくは条例に基づいて、児童に対する保護拘束又はその他の指導を執行した場合、当該児童の生存、尊厳及び権利にとって有害な家庭内問題を抱えていることがないと明確に判明しない限り、帰宅を命じてはならない。又、児童に対する保護拘束又はその他の指導を執行した場合には、当該児童が、その生存、尊厳及び権利にとって有害な家庭内問題を抱えていないかどうかの調査は、法律に基づき、遅滞なく実施されなければならない。
第131条 保護拘束又はその他の指導を受けた児童が、その生存、尊厳及び権利にとって有害な家庭内問題を抱えていると判明した場合又はその恐れを信ずる場合は、当該児童は、遅滞なく、法律の支配に属する児童養育施設において、その生活及び成長を保障される。
2 法律の支配に属する児童養育施設に在籍するすべての児童は、その職員から、常に愛され、保護され、養育される権利を保障される。又、その在籍する児童の有する私的幸福を追求する権利及び外出する権利並びにその他の個人の自由は、最大限尊重されなければならない。
3 法律の支配に属する児童養育施設は、収容所的性格を負ってはならず、家庭的性格を有していなければならない。又、法律の支配に属する児童養育施設のすべて職員は、その在籍する児童に対し、職務上生ずる労働負担による感情の発露を児童にぶつけてはならないのであって、常にその在籍する児童に対し、誠実な態度である義務を負う。
4 法律の支配に属する児童養育施設は、これに在籍するすべての児童のために、法律の定める基準に基づいて、衣服、栄養、食事、娯楽、保育、初等及び中等の公教育、医療、福祉、公衆衛生、個室の提供及び生活上の秘密の保護、相談体制及び法的救助その他の物質的及び精神的な環境について、通常要請される条件を提供しなければならない。
5 法律の支配に属する児童養育施設は、これに在籍するすべての児童が、健全な社会的成長と健康な精神的発達とを両立して享受するために、それら在籍児童各人に対しては、生活上の個室を提供しなければならず、施設内の集団生活は必要最小の限度に抑えて、その児童らに、常時の集団生活を強いることのない環境を構築し、維持しなければならない。
6 法律の支配に属する児童養育施設の職員は、法律の定めるところにより、特別水準の待遇及び賃金を受ける。又、その職員らは、勤務中、適度な休息を受ける権利を妨げられない。
7 法律の支配に属する児童養育施設のすべて職員は、その在籍する児童らの成長及び幸福のために、全力を挙げて、その職務に専念する義務を負う。
8 法律の支配に属する児童養育施設に在籍する児童は、その施設が、唯一の居場所であり、根拠地である恐れがあることを鑑み、その児童の精神的幸福を充実させることについては、特に考慮が加えられなければならない。又、いかなる場合も、法律の支配に属する児童養育施設の職員は、児童に対し、身体的及び精神的な暴力並びに屈辱的な扱い及び過剰な指導をしてはならない。
9 法律の支配に属する児童養育施設は、すべて国費により運営される。国は、法律の支配に属する児童養育施設が困難なく運営されるために、積極的に投資しなければならない。いかなる場合も、法律の支配に属する児童養育施設に在籍する児童及びその保護者に対し、その施設において、保護され、養育されていることを理由として、対価としての労働、奉仕及び費用負担をさせてはならない。又、法律の支配に属する児童養育施設に在籍する児童は、法律の認める必要最小の限度を超えて、その所有権を制限されることがない。
10 法律の支配に属する児童養育施設に在籍する児童が、成年を控えるときは、就業又は起業の支援その他必要な自立支援を受けることができる。
11 何人も、法律の支配に属する児童養育施設の職員及び職員になろうとするときは、あらかじめ、法律の定める資格を有していなければならない。
12 法律の支配に属する児童養育施設は、本条に掲げる基準に基づいて制定される法律の規定する基準に立脚して、国内各所に整備されなければならない。
13 法律の支配に属する児童養育施設に在籍する児童及びその職員は、当該法律の支配に属する児童養育施設の環境及び条件について、この憲法及びこれに基づいて制定される法律に規定する基準に満たないことがある場合は、遅滞のない法律的及び資金的な救助を受けることができる。もし、これらの救助が正当な理由なしに遅滞し、又は実施されない場合は、この旨を社会一般に告発することができる。
第132条 すべて日本国民は、現在及び将来の日本国民の全体の利益のために、この世界の自然環境及び天然資源の誠実な利用と保存及び保全について、厳粛な受託を受ける立場にある。
2 国は、自然環境及び天然資源の誠実な利用を奨励するとともに、汚染及び騒音の防止と削減に努めなければならない。
第133条 私有財産の権利は、これを侵してはならない。
2 私有財産の権利の内容は、公共の利益に適合するように、これを法律で定める。
第134条 私有財産は、公共の利益に適合する場合、法律の定める手続を経て、これを収用又は徴発することができる。
第135条 何人も、法律の定める手続により、民事裁判を提起する権利を有する。
第136条 何人も、その財力の不足を理由に、民事裁判による救済請求の機会を享受できない場合は、法律の定めるところにより、ひとしく裁判費用の支援を受けられる権利を有する。
第137条 民事裁判においては、証拠が、原告又は被告その他の人による証言のほかに、証拠が存しないときは、不法行為があったものと認定することができない。
第138条 何人も、不法行為があったものと認定されない限り、民事賠償の義務を課されない。
第139条 何人も、民事裁判の原告が、あらかじめ明示して要求するのでなければ、民事賠償の義務を履行しなかったことを理由に、労役的措置又は財産的措置を受けさせられない。
第140条 懲罰的損害賠償を課すべき基準については、これを法律で定める。
第141条 犯罪の成立要件は、法律において、最大限明確にされなければならない。
第142条 過失は、犯罪とされたり、刑事上の責任を問われない。ただし、その過失が、法律の定める業務上の重大な義務に反する場合は、この限りでない。
第143条 何人も、法律の定める要件又は手続を満たさなければ、警察公務員による職務執行を受けない。
第144条 何人も、警察公務員による職務執行を受けるときは、終始これを記録される権利を有する。又、その記録は、要求があれば、正確に開示される。
第145条 何人も、警察公務員が犯罪の実行を直接現認しない限り、現行犯逮捕されない。警察公務員が犯罪の実行を直接現認していない場合又は第三者による告発によっては、現行犯逮捕されない。
第146条 軍に属する警察組織は、前条にいうところの現行犯逮捕によらなければ、文民を逮捕することができない。この場合、逮捕した身柄及びその証拠のすべては、直ちに一般警察に引き渡さなければならない。
第147条 何人も、現行犯逮捕された場合を除いては、信用できる犯罪の被疑に基づいて、裁判官が発する逮捕令状によらなければ、逮捕されない。
2 逮捕令状には、刑事被疑者となる理由となっている犯罪の被疑を明示しなければならない。
3 逮捕令状は、刑事被疑者ごとに発されなければならず、刑事事件ごとに発することができない。
第148条 何人も、逮捕、訴追、抑留又は拘禁されたときは、その都度、その立場固有の権利を事前かつ正確に通知される権利を有する。
第149条 逮捕した人の身柄及び警察公務員が確保したすべての証拠は、逮捕したとき及びその証拠を確保したときから四十八時間を経るまでに、当該刑事事件を担当する検察官の下に、これを送致しなければならない。
第150条 政治犯罪を理由として、日本国民の身柄を外国当局の下に移送することはできない。
第151条 予防拘禁は、これを禁ずる。
第152条 何人も、抑留又は拘禁の必要がなければ、抑留又は拘禁されない。
第153条 何人も、要求があれば、抑留又は拘禁される理由を告げられる権利を有する。
第154条 何人も、定期の食事、水分の補給、栄養の摂取、身体清潔の確保、清潔な衛生条件、医療の提供など、生存に必要な条件を与えられる権利を保障されなければ、抑留又は拘禁されない。
第155条 何人も、現行犯逮捕された場合を除いては、信用できる犯罪の被疑に基づいて、裁判官が各別に発する捜索差押許可状によらなければ、その身体、書類、住居、電磁的記録などに、侵入、捜索又は押収されない。
2 捜索差押許可状は、各別に発する。
3 捜索差押許可状には、侵入、捜索又は押収の理由となっている犯罪の被疑を明示しなければならない。
第156条 犯罪に因る刑事責任は、当該の刑事事件により、裁判所において確定の有罪判決を受けた個人のみに属する。いかなる場合も、犯罪に因る刑事責任を親族、同僚又は知人その他の複数人に連帯させることは、これを認めない。
第157条 犯罪者本人の行為を理由として、その親族、同僚又は知人その他の人に対し、社会的又は私的な制裁を下すことは、法律の定めるところにより、犯罪として規定される。
第158条 何人も、この憲法及び法律の定める手続を経なければ、その生命又は自由を奪われ、若しくはその他の刑罰を受けない。
第159条 逮捕された人が、検察官にその身柄を送致された日から起算して、二十日以内に刑事訴追されることが確定しない場合は、刑事訴追をしない処分となったものとする。
第160条 身柄の拘束を受けている人であって、刑事訴追をしない処分となった場合は、直ちに、その身柄は解放される。ただし、別に、刑事訴追をするかどうかの判断が確定していない犯罪の被疑がある場合は、この限りではない。
第161条 何人も、裁判所において、資格を有する裁判官による刑事裁判を受ける権利を奪われない。
第162条 何人も、軍人又は軍属である場合を除くほか、軍事裁判にかけられない。
第163条 刑事被告人が、公開の刑事裁判を受ける権利は、これを保障する。
第164条 何人も、裁判秩序を妨げない限り、刑事裁判を傍聴することができる。
2 何人も、裁判秩序を妨げない限り、刑事裁判を取材することができる。
第165条 刑事被告人が、遅滞のない迅速な刑事裁判を受ける権利は、これを保障する。
第166条 何人も、刑事被告人となった場合であって、日本語を使用する能力に欠けるときは、法律の定めるところにより、公費で、遅滞なく、ひとしく資格を有する通訳人を要求する権利を有する。
2 資格を有する通訳人の選定は、その刑事被告人の使用する言語に配慮し、公平な基準により、国が、これを行う。
3 選定された資格を有する通訳人は、その刑事被告人のために、常に、誠実かつ正確に通訳する義務を負う。
4 刑事被告人の使用する言語が極めて特殊又は希少なものであり、資格を有する通訳人のうち、これを通訳する能力を有する人材のいないときは、法律の指定する国際共通言語による通訳を行う。
第167条 刑事被告人が、精神障害、発達障害、知的障害のいずれかを有する場合は、行為の責任を弁識する能力、裁判を受ける能力、刑罰を受ける能力について、合理的な範囲内において、特別な考慮を加えなければならない。
第168条 何人も、刑事被告人である場合、常に、無罪と推定される権利を奪われない。
第169条 何人も、裁判所において、確定の有罪判決を受けない限り、犯罪者とされない。
第170条 何人も、確定の有罪判決を受けない限り、犯罪報道の対象とされたり、その氏名、肖像、職業、年齢、住居を公にされない。ただし、国防犯罪及び裁判官の独立にかかわる事件は、この限りでない。
第171条 未決拘禁のための勾留請求は、刑事被告人個人の単位で請求されなければならず、刑事事件ごとに請求することはできない。
第172条 未決拘禁を受けさせられる期間は、これを開始した日から起算して、一年を超えてはならない。
2 未決拘禁の執行日数が、前項の上限に達した場合は、法律の定めるところにより、その未決拘禁されている者を仮に釈放しなければならない。
第173条 何人も、逮捕、訴追、拘禁されたときは、遅滞なく、資格を有する弁護人を要求する権利を有する。
第174条 何人も、自己に適する資格を有する弁護人を選択するために、資格を有する弁護人の情報が掲載されている出版物を自由に貸与され、これを看読する権利を有する。
第175条 刑事被疑者又は刑事被告人が、資格を有する弁護人を依頼するために必要となる費用は、すべて公費負担とする。
第176条 資格を有する弁護人は、依頼を受けた刑事被疑者又は刑事被告人の利益のために、全力を挙げて、その弁護に専念する義務を負う。
第177条 公務員は、尋問又は聴取をする場合、その対象となる人の人格及び尊厳を尊重しなければならない。
第178条 尋問及び聴取は、一回あたり三時間を超えて実施してはならない。
第179条 尋問及び聴取は、一度実施した場合、これの対象者に、少なくとも三日間の休息期間を与えなければ、次の尋問又は聴取を受けさせることができない。
第180条 尋問及び聴取は、終始これを正確に記録しなければならない。又、要求があれば、その記録は、正確に開示される。
第181条 供述の自由は、これを保障する。何人も、自己にとって有益か不利益かを問わず、供述を強制されない。
第182条 刑事被疑者又は刑事被告人に対する精神鑑定又は発達程度鑑定は、遅滞なく実施されなければならず、鑑定留置の準備若しくは実施を長期拘禁の理由としてはならない。
第183条 犯罪事実の立証責任は、検察官のみに属する。
第184条 刑事被告人は、自己及びその行為が無罪であると立証することを求められない。
第185条 検察官は、すべて証拠を裁判官に提出しなければならない。すなわち、刑事被告人にとって不利な証拠ないし検察官にとって有利な証拠のみを提出してはならない。
第186条 刑事被告人は、公費で自己のために強制の手続により証人を求める権利を有する。
第187条 刑事被告人は、すべての証人に対して審問する機会を充分に与えられる。
第188条 何人も、犯罪事実を認定されなければ、有罪判決を受けさせられない。
第189条 何人も、犯罪を犯したものと認められる直接かつ決定的な証拠が示されない限り、犯罪事実を認定されない。
第190条 刑事被告人の自白、関係者の証言及びその他の間接的証拠又はその集合のみしか証拠が存しないときは、何人も、犯罪事実を認定されない。
第191条 犯罪を犯したのであろうと予想又は推認できる程度でしかなく、前二条の規定に従い、当然に犯罪を犯したものと確信できるのでなければ、有罪判決を受けさせられない。
第192条 刑事裁判に提出される証拠のすべては、事前に、法律に基づいて設立された中立的かつ第三者の公共機関によって、証拠としての能力が鑑定されなければならず、法律の定める基準により、そこで証拠としての能力が認定されない限り、証拠として無効であり、いかなる刑事裁判においても、直接又は間接の証拠として認めることができない。
第193条 刑事裁判に提出される証拠が、証拠としての能力を有するかどうかの鑑定は、検察官が、これをすることはできない。
第194条 公務員による拷問は、これを絶対に禁ずる。
第195条 強制、拷問又は脅迫により取得した証拠は、すべて証拠として無効である。
第196条 裁判上、法律の定める手続により、上訴、不服、異議、抗告を行う権利は、これを保障する。
第197条 人質司法は、これを絶対に禁ずる。
第198条 未決拘禁を受けている人は、いつでも保釈を請求する権利を有する。
2 保釈を認めた理由又は保釈を認めない理由は、未決拘禁を受けている本人及びその弁護人に、遅滞なく、正確に通知される。又、その理由は、いつでも公にすることができる。
第199条 裁判官は、不合理な額の保釈金を設定してはならない。
第200条 裁判員裁判については、これを法律で定める。
第201条 刑事裁判の判決は、刑事被告人及びその弁護人の前で、正確に宣告されなければならない。やむを得ず、これができない場合は、その判決の内容は、即時かつ正確に、刑事被告人及びその弁護人に通知されなければならない。
第202条 民事裁判の判決は、原告及び被告の前で、正確に宣告されなければならない。やむを得ず、これができない場合は、その判決の内容は、即時かつ正確に、原告及び被告に通知されなければならない。
第203条 憲法訴訟の判決は、日本国民全体に対し、最大限速やかかつ正確に公表されなければならない。
第204条 刑事裁判により確定の有罪判決を受け、もって自由刑を科された人は、直ちに受刑が開始される。やむを得ず、受刑の執行が遅滞する場合は、別の場所で拘禁される可能性があるが、この場合、当該受刑の執行が遅滞したことによる拘禁の期間は、受刑を執行した期間に算入する。すなわち、確定の有罪判決を受けて自由刑を科された人は、その受刑の執行までに、受刑を目的としない拘禁をされない。もし、この場合において受刑を目的としない拘禁があれば、それはこの憲法の認めない行為とする。
第205条 身体の能力、生殖の能力及び精神の健全を損なう又はその恐れのある刑罰は、これを絶対に禁ずる。
第206条 生命刑は、これを引き続き存置する。
第207条 無期刑は、これを廃止する。
第208条 自由刑を受けさせられる期間は、これを執行開始した日から起算して、六十年を上限とする。
第209条 刑事施設の規則は、法律の定める最低基準に適合しなければならない。
2 すべて受刑者は、前項の規定に基づくところにより、権利及び義務を有する。
3 刑事施設の規則は、受刑者の権利及び義務を掲げなければならない。
第210条 すべて受刑者は、再犯を防止し、その罪を償うために、再教育を受ける権利を有する。
第211条 すべて受刑者は、刑事施設による検査を経て、外部の人と、文通を行う権利を有する。
第212条 すべて受刑者は、刑事施設による検査を経て、外部の人から、物を受け取る権利を有する。
第213条 すべて受刑者は、要求があれば、自己のために、いつでも資格を有する弁護人と面会し、交談する機会を与えられる。
第214条 すべて受刑者は、将来の社会復帰に資する目的の範囲内において、刑事施設の規則が定める定期に、異性の受刑者と面会し、交談する機会を与えられる。
第215条 何人も、確定の有罪判決を受けた場合、法律の定めるところにより、ひとしく再審を請求する機会を奪われない。
第216条 何人も、実行のとき適法であった行為について、法律上の責任を問われない。又、何人も、同一の犯罪によって、再度刑事上の責任を問われない。
第217条 刑事被疑者又は刑事被告人であったときに、当時、この憲法及び法律の定める根拠に基づかない不法な扱い、不法な拘束、不法な検査、不法な拘禁若しくは不法な長期拘禁、人間的尊厳の侵害、公務員による暴力又は脅迫があった場合は、法律の定める手続により、別途救済及び補償を受ける権利は、たとえ刑事裁判の結果、確定の有罪判決を受けた場合であっても、これを制限されない。又、刑事裁判の結果、確定の無罪判決を受けた場合であれば、この権利は、当然に保障する。
第218条 何人も、逮捕又は拘禁された後、裁判所において、確定の無罪判決を受けた場合、要求があれば、最大限速やかに、名誉回復の措置を受ける権利を有する。
第219条 何人も、逮捕又は拘禁された後、裁判所において、確定の無罪判決を受けた場合は、直ちに、法律の定めるところにより、相応する額の補償を受ける権利を有する。
第220条 何人も、自己が無罪であると確信し、もって逮捕又は拘禁の状態から逃亡し、又はしようとして責任を問われた場合、逮捕又は拘禁されている原因となっている犯罪の被疑そのものが、後に裁判所において、確定の無罪判決を受けた場合は、その逃亡犯罪の責任についても、これを無罪とし、刑罰を科さない。
第3章 国会
第221条 国会は、国権の最高機関であり、国の唯一の立法機関である。
第222条 国会は、衆議院及び参議院の両議院で、これを構成する。
第223条 両議院は、日本国民に直接選挙された議員で、これを組織する。
第224条 両議院の議員の定数は、これを法律で定める。
第225条 選挙区、投票の方法、選挙人の資格については、これを法律で定める。
第226条 国会議員は、日本国民全体の利益を公平に代表する使命を負う。
第227条 衆議院議員は、その良心を保持しつつ、合議して意思決定を導くことに努めなければならない。
2 衆議院議員及びその候補者は、政党に属する自由を有する。
第228条 参議院議員は、その良心に従い、個人として職務を行わなければならない。
2 参議院議員及びその候補者は、政党又は党派に属することができない。
第229条 衆議院議員の任期は、その就任した日から起算して、四年とする。ただし、衆議院が解散された場合には、その任期満了の前に、その地位を失う。
第230条 参議院議員の任期は六年とする。ただし、三年ごとにその議員の半数を改選する。
第231条 何人も、同時に両議院の議員となることはできない。
第232条 両議院は、各々その議長及びその他の役員を選任する。
2 両議院は、各々その議院規則を定めることができる。
3 各議院の議長は、法律の定めるところにより、会期中その議院内において、警察指揮権を行使することができる。ただし、会期外において、普通警察権の行使を制限又は禁止することはできない。
第233条 両議院には、法律の定めるところにより、委員会を置く。
2 委員会は、提出された議案を最初に審議し、議決する会議である。
3 各委員会は、委員長を選任する。
第234条 両議院には、本会議を置く。
2 本会議は、委員会で可決された議案を審議し、議決する会議である。
第235条 決議案、法律案、予算案、国際法規承認案その他一切の議案は、まず衆議院の適当な委員会で審議及び議決を受ける。ただし、この憲法の規定により例外がある場合は、この限りでない。
2 衆議院本会議で可決された議案は、参議院の適当な委員会に送付される。
3 参議院の委員会で可決された議案は、参議院本会議で審議及び議決を受ける。
4 参議院本会議で可決された議案は、成立する。
5 衆議院本会議で可決された議案が、参議院の委員会若しくは本会議で否決された場合は、内閣が要求する場合は、衆議院本会議で再び審議及び議決を受ける。もし、この場合において、再び衆議院本会議で可決された場合は、この衆議院による議決を国会の議決とする。
第236条 両議院は、各々日本国民の提出する請願を受けることができる。
第237条 宣戦布告の審議及び議決は、衆議院の専権事項である。
2 宣戦布告の審議及び議決については、これを法律で定める。
第238条 逮捕同意案の審議及び議決は、参議院の専権事項である。
第239条 両議院は、それぞれその総議員の三分の一以上の議員が出席しなければ、議事を開き、議決することができない。
第240条 両議院の委員会及び本会議は、これを公開する。
2 何人も、議事秩序を乱さない限り、委員会及び本会議における議事を取材し、報道し、及び傍聴することができる。
3 各議院は、その属する議員の四分の一以上が要求した場合には、当該会議の全部又は一部を秘密会とすることができる。
4 議長及び委員長は、議事秩序を乱す取材人及び傍聴人に対し、退場を命ずる権限を有する。
第241条 両議院の議事は、この憲法に特別の規定がある場合を除いては、出席議員の過半数が賛成した場合に可決される。ただし、可否同数のときは、否決したものとみなす。
第242条 国会は、毎年一回、通常国会を召集する。
第243条 内閣は、臨時国会を召集することができる。
2 いずれかの議院の総議員のうち四分の一以上の議員が要求する場合は、内閣は、召集期日を定めて、臨時国会を召集しなければならない。
第244条 通常国会の会期は、これを法律で定める。
2 臨時国会の会期は、両議院一致の議決で、これを定める。
3 会期は、召集された日から、これを起算する。
第245条 内閣総理大臣は、衆議院の解散を決定することができる。
2 衆議院が解散されたときは、解散の日から四十日以内に、衆議院議員総選挙を行われなければならない。又、その衆議院議員総選挙が執行された日から三十日以内に、国会を召集しなければならない。
3 衆議院が解散されたときは、参議院は、同時に閉会する。
第246条 内閣は、衆議院議員が解散され、衆議院議員のいない時期において、国に緊急の必要があるときは、参議院の緊急集会を召集することができる。
2 参議院の緊急集会において採られた措置は、臨時のものであって、次に国会が開会されたときに、その開会の日から十四日以内に、衆議院本会議の議決により同意を受けない場合は、その措置は、効力を失う。
第247条 国会議員は、法律の定めるところにより、その議員の資格に応じて務める職務に必要な費用について、すべて公費負担とされる権利を有する。
第248条 国会議員は、国庫から、必ず定期に、歳費を受ける権利を有する。
2 国会議員の歳費の額は、これを法律で定める。
第249条 国会議員は、法律の定めるところにより、公費で、その職務の本拠となる事務所及びその事務所職員を与えられる権利を有する。
第250条 国会議員は、国内すべての公共交通機関を無償で利用できる特権を有する。
第251条 国会議員は、現行犯罪による場合を除くほか、在任中、逮捕されることがない。
2 逮捕された国会議員は、逮捕された日から起算して二十日以内に、参議院本会議で逮捕同意案が可決されなければ、直ちに解放される。
第252条 国会議員は、議院内の演説、討論又は表決について、議院外で責任を問われない。
第253条 国会議員は、他の国会議員から、私生活の秘密を侵されたとき及び名誉毀損をされたとき並びに侮辱を受けたときその他前条に掲げる国会議員の特権の濫用による被害を受けたときは、その議院に訴えて、必要な処分を求めることができる。
第254条 両議院は、各々国政に関する調査を行い、これに関して、証人の出頭及び証言並びに書類若しくは記録の提出を命ずることができる。
第255条 内閣総理大臣その他の国務大臣は、両議院の一に議席を有すると有しないとにかかわらず、いつでも議案について発言するため議院に出席することができる。又、答弁又は説明のため出席を求められたときは、出席しなければならない。
第256条 参議院は、心身の故障により適切に裁判官の職務を遂行する能力に欠けている裁判官の罷免の可否を決するため、参議院議員により裁判官裁判職務能力審判所を組織する。
2 裁判官裁判職務能力審判所に関する事項は、これを法律で定める。
第4章 内閣
第257条 行政権は、内閣に属する。
第258条 天皇は、国会の指名に基づいて、内閣総理大臣を任命する。
第259条 内閣総理大臣は、衆議院議員のなかから、衆議院の議決により、これを指名する。この案件は、他のすべての案件に先だって、これを行う。
第260条 内閣は、行政権の行使について、国会に対し連帯して責任を負う。
第261条 内閣総理大臣は、国の行政の長であり、内閣の首長である。
2 内閣は、法律の定めるところにより、その首長たる内閣総理大臣及びその他の国務大臣で、これを組織する。
第262条 内閣総理大臣は、国会議員のなかから、国務大臣を任命する。
2 内閣総理大臣は、任意に、国務大臣を罷免することができる。
第263条 内閣総理大臣及びその他の国務大臣は、文民でなければならない。
第264条 内閣総理大臣は、国の行政各部を指揮監督する。
第265条 内閣総理大臣は、国の行政官に対する最高人事権を有する。
2 国務大臣は、内閣総理大臣に、国の行政官人事について提案をすることができる。
3 国の行政官の免職処分又は免職処分の撤回については、内閣総理大臣の裁決に基づかなければ、その処分をすることはできない。ただし、法律の定めるところにより、内閣総理大臣は、その裁決権の一部を各国務大臣に委任することができる。
第266条 国のすべて行政官は、内閣総理大臣の指揮監督に従わなければならない。
第267条 内閣総理大臣は、日本国が戦争状態にあるとき、講和を決断することができる。
第268条 内閣総理大臣は、内閣を代表して、国務一般及び外交関係について、国会に報告する。
第269条 内閣総理大臣は、いつでも閣議を召集することができる。
第270条 閣議で決定された事項は、この憲法に特別の規定がある場合を除いては、行政各部の範囲内のみに、その効力が及ぶ。
第271条 内閣が議案を国会に提出するためには、閣議による承認を必要とする。閣議で承認された議案は、内閣総理大臣が、内閣を代表して、これを提出する。
第272条 内閣として国会に提出するために法律案を起草するときは、内閣総理大臣又はその他の国務大臣が直接これを起草することができるほか、もし行政各部にその起草の全部又は一部を委任するときは、内閣総理大臣が、直接その起草指針を定めなければならない。
2 内閣として国会に提出する法律案の起草を担当する行政官は、内閣総理大臣の定める法律案の起草指針に従って、法律案の起草を遂行しなければならない。
3 国の行政官及び行政各部は、内閣総理大臣又はその他の国務大臣が直接要請していない場合には、法律案を起草して、内閣又は内閣総理大臣若しくはその他の国務大臣に提案することはできない。ただし、この規定は、ある法律案を起草する必要性について誠実に報告することを妨げない。
第273条 内閣は、閣議の承認を経て、法律を誠実に施行するため、政令を制定することができる。ただし、法律により明示された委任がある場合を除いては、政令には、罰則を設けることができない。
第274条 内閣は、国務を総理し、外交関係を処理しなければならない。
第275条 内閣は、日本国を代表して、国際法規の締結、批准、脱退又は破棄について、交渉する。
第276条 国際機関に加盟しようとするときは、国際法規の締結と同様の手続を経なければ、これに加盟することはできない。
2 内閣は、日本国を代表して、国際機関の加盟に関して、交渉する。
第277条 国際機関から脱退する手続は、内閣の閣議による承認を経た場合には、いつでもこれを開始することができる。
第278条 内閣は、毎会計年度、必要な予算を作成して、その予算案を国会に提出し、審議を受け、議決を経なければならない。
第279条 大赦、特赦、減刑、刑の執行の免除及び復権については、その対象となる名簿若しくは範囲を作成し、これを国会に提出し、審議を受け、国会の承認を経た場合に、これを執行することができる。
第280条 内閣総理大臣は、自己の心身が故障して職務を執れなくなったときに備えて、国務大臣のなかから、あらかじめ、若干名の職務代行者及びその職務代行順位を定めなければならない。
2 内閣総理大臣は、すでに職務代行者に指名している国務大臣を罷免した場合には、新たに職務代行者及びその順位を指名し直さなければならない。
第281条 成立した憲法改正及び法律並びに政令には、内閣総理大臣及びその他の国務大臣の副署を必要とする。
2 前項の規定に反して内閣総理大臣若しくは国務大臣が副署しなかった場合でも、その定める期日において、当該の法律若しくは政令が施行されることを妨げない。
第282条 内閣不信任決議案の審議及び議決は、衆議院の専権事項である。
2 衆議院において、内閣不信任決議が可決された場合又は内閣信任決議が否決された場合は、十日以内に衆議院を解散しない限り、内閣は、総辞職しなければならない。
3 衆議院議員総選挙が執行された後、初めて国会の召集があったときには、内閣は、総辞職をしなければならない。
4 内閣総理大臣が欠けたときは、内閣は、総辞職しなければならない。
第283条 前条に掲げる場合、内閣は、新たに内閣総理大臣が任命されるまでは、引き続きその職務を続行する。
第284条 内閣総理大臣及びその他の国務大臣は、在任中、訴追されない。ただし、これがために、訴追の権利は害されない。
第285条 電子行政は、推進されなければならない。
第5章 司法
第286条 司法権は、一つの最高裁判所及び法律に基づいて設置する下級裁判所に属する。
第287条 特別裁判所は、これを設置することができない。
第288条 行政機関は、終審として裁判権能を有しない。
第289条 すべて裁判官は、この憲法及び法律のみに拘束されるのであって、その良心に従い、独立して職務を行わなければならない。
第290条 最高裁判所は、訴訟に関する手続、弁護士、裁判所の内部規律及び司法事務処理に関する事項について、規則を定める権限を有する。
2 最高裁判所は、下級裁判所に関する規則を定める権限を、下級裁判所に委任することができる。
3 検察官は、最高裁判所の定める規則に従わなければならない。
第291条 内閣は、最高裁判所長官及びその他の最高裁判所裁判官の人事について、閣議で承認した人事名簿を参議院に提出し、その承認を受けなければならない。
2 天皇は、参議院の承認を受けた人事名簿に基づいて、最高裁判所長官及びその他の最高裁判所裁判官を任命する。
第292条 最高裁判所裁判官は、裁判官裁判職務能力審判所において心身の故障を認められて罷免される場合を除くほか、最高裁判所裁判官国民審査により罷免を可とされなければ、罷免されない。
2 下級裁判所裁判官は、裁判官裁判職務能力審判所において心身の故障を認められて罷免される場合を除くほか、罷免されない。
3 裁判官の懲戒処分は、行政機関がすることはできない。
第293条 最高裁判所長官及び最高裁判所裁判官は、現行犯罪による場合を除くほか、在任中、逮捕されない。
2 最高裁判所長官又は最高裁判所裁判官が逮捕された場合は、逮捕された日から二十日以内に、参議院本会議が逮捕同意案を可決しない限り、直ちに解放される。
3 前項の場合、参議院本会議が逮捕同意案を可決したときは、その裁判官は、直ちに裁判官の地位を失う。
第294条 最高裁判所は、最高裁判所長官及び法律の定める員数の最高裁判所裁判官で、これを構成する。
第295条 下級裁判所の人事は、最高裁判所の作成した名簿に基づいて、これを指名する。
2 下級裁判所の裁判官の任命は、最高裁判所の作成した名簿に基づいて、内閣がこれを行う。
第296条 検事総長は、最高裁判所長官及び最高裁判所裁判官で組織する全員会議において、出席裁判官の全員一致の決定により、これを指名する。
2 検事総長の任命は、前項の指名に基づいて、天皇が、これを行う。
第297条 裁判官は、必ず定期に、特別水準の報酬を受ける。その報酬額は、在任中、これを減額されない。
第298条 一切の裁判官は、その裁判官たるの職務に専念する義務を負い、営利を目的とする兼業をすることができない。
第299条 裁判官は、法律の定める年齢に達したときは、退官する。
第300条 最高裁判所裁判官は、その任命後初めて行われる衆議院議員総選挙の際、日本国民による最高裁判所裁判官国民審査に付する。又、その後十年を経過した後初めて行われる衆議院議員総選挙の際、さらに審査に付する。その後も同様とする。
2 前項の場合において、投票者の多数が裁判官の罷免を可とするときは、その最高裁判所裁判官は、罷免される。
3 最高裁判所裁判官国民審査に関する事項は、これを法律で定める。
第301条 刑事裁判の対審及び判決は、すべて公開する。
2 民事裁判の対審は、その被告が求める場合には、その全部又は一部を非公開とすることができる。ただし、判決は公開しなければならない。
第302条 最高裁判所は、一切の国際法規、法律、命令、規則、措置及び処分が、この憲法に適合するかしないかを判決する終審裁判所である。
第6章 税務委員会
第303条 税務委員会は、日本国民の実際生活に適合する税制を実現する使命を負う。
第304条 税務委員会の委員は、その良心に従い、独立して職務を行わなければならない。
第305条 税務委員会は、法律の定めるところにより、各地方公共団体に設置する。
2 極度に人口の少ない地方公共団体及び交通の困難な離島については、別の地方公共団体に設置する税務委員会が、その管轄を兼ねることができる。
第306条 税務委員会は、国又は地方公共団体の設置する税の税率及び税額を定める権能を有する。
2 税務委員会には、法律の定めるところにより、税務に関するその他の権能を与えることができる。ただし、税務の範囲を超えて政治的権能を与えることはできない。
3 関税及びその他の国際税に関する事項は、税務委員会の管轄外とする。
第307条 税務委員会の委員は、日本国民が直接選挙する。
2 税務委員会の委員の定数は、これを法律で定める。
第308条 税務委員会は、委員長を選任する。
第309条 税務委員会は、国又は管轄の地方公共団体が新たに税を設置した場合には、集会して、審議を経た上で、議決し、その税率又は税額を定めなければならない。
2 前項に掲げる場合の他、税務委員会が集会される必要のある場合については、これを法律で定める。
第310条 税務委員会の委員は、会議中の演説、討論又は表決について、税務委員会外で責任を問われない。
第311条 税務委員会の委員であって、その委員たる資格に値しない行動のある委員については、税務委員会において、懲罰審議にかけることができる。ただし、委員たるの地位を失わせるには、税務委員会の委員の全員一致の賛成を必要とする。
第312条 税務委員会の委員がその地位を失ったとき及び税務委員会の委員が故障し、又は欠けたときは、速やかに、補欠選挙を執行しなければならない。
第313条 税務委員会の委員は、国会議員及び地方公共団体の議会の議員並びに地方公共団体の長と、その職を兼ねることができない。
第314条 税務執行当局は、法律の定めるところにより、税務委員会の指揮監督に服する。
第315条 国又は地方公共団体は、それぞれ税務委員会に対し、税制について意見することができる。
第316条 税収は、国と地方公共団体と税務委員会が、対等な立場で交わされる三者会議において、国と地方公共団体のあいだの税収分配の詳細を決定する。
2 前項にいう三者会議は、税務委員会委員長又はその職務代行者が、これを主宰する。
3 第一項にいう三者会議に関する事項は、これを法律で定める。
第7章 領土及び軍事
第317条 日本国は、その完全かつ平等な主権に基づいて、軍を運用する。
第318条 日本国の有する交戦権は、その完全かつ平等な主権に基づいて、不可侵であることが保障される。
第319条 軍は、文民たる内閣総理大臣が、これを統帥する。
2 内閣総理大臣による軍の統帥は、国会による監視を受ける。
第320条 軍は、その行動のために需要のある生活物資、装備及び弾薬、修理部品、食糧及び医薬品その他の補給のために、毎会計年度、充足ある額の資金を受ける権利を有する。
第321条 軍の内部規律は、国会の制定する法律又はこれに基づいて委任された権限により、これを規定する。
2 国は、法律の定めるところにより、国内各所に軍学校を設置する。
第322条 樺太島南部、千島列島、北海道島、本州島、四国島、九州島、沖縄島、小笠原諸島、南西諸島、竹島、尖閣諸島、沖ノ鳥島、南鳥島及びこれらの附属島嶼は、日本国固有の領土である。
2 国及び軍は、これらの日本国固有の領土の完全性の保持に対し、崇高な使命を負う。
第323条 日本国が直接武力攻撃を受けていない場合、第三国たる外国と外国とのあいだの戦争に介入することはできない。
第324条 日本国内には、いかなる場合も、外国の軍隊及び武装勢力を駐留させることができない。
第8章 地方自治
第325条 地方自治は、その地方公共団体に居住する日本国民の福利を増進することを本旨として、これを施行する。
第326条 各地方公共団体は、国会の制定する法律に反しない限り、その自治指針を明らかにし、その地方公共団体に居住する日本国民の権利を宣言するために、基本条例を制定することができる。
第327条 各地方公共団体は、国会の制定する法律及びその制定した基本条例に反しない範囲内において、条例を制定することができる。
2 条例であって、国会の制定する法律及びその制定した基本条例に反する部分については、これを無効とする。
第328条 地方公共団体は、国会の制定する法律に基づいて付与する権能により、その財産を管理し、事務を処理する権能を有する。
第329条 地方公共団体には、法律の定めるところにより、議事機関として、議会を設置する。
2 地方公共団体の議会は、その地方公共団体における条例を制定することのできる唯一の条例制定機関である。
3 地方公共団体の長及び地方公共団体の議会の議員は、その地方公共団体に居住する日本国民が、これを直接選挙する。
第330条 地方公共団体は、その長の指揮監督の下に、行政を執行する権能を有する。
第331条 地方公共団体の長は、当該地方公共団体の行政官に対する最高人事権を有する。
2 地方公共団体の長の副長は、地方公共団体の長に、当該地方公共団体の行政官人事について提案をすることができる。
3 当該地方公共団体の行政官の免職処分又は免職処分の撤回については、地方公共団体の長の裁決に基づかなければ、その処分をすることはできない。ただし、条例の定めるところにより、地方公共団体の長は、その裁決権の一部を幹部行政官に委任することができる。
第332条 国会は、特定又は一部の地方公共団体にのみ適用するため、特別法律を制定しようとするときは、法律の定めるところにより、その対象となる地方公共団体の日本国民にこれを提案し、その過半数の同意を得なければ、これを制定することができない。
第9章 財政
第333条 国の財政を処理する権限は、国会の議決に基づかなければならない。
第334条 新たに租税を課し、又は現行の租税を廃止するには、法律又は法律の定める条件によらなければならない。
第335条 国及び地方公共団体の課す税の税率又は税額を変更するには、この憲法に特別の規定がある場合を除いては、税務委員会の議決によらなければならない。
第336条 国費を支出し、又は国が債務を負担するには、国会の議決に基づくことを必要とする。
第337条 予見し難い予算の不足に充てるため、国会の議決に基づいて予備費を設け、内閣の責任で、これを支出することができる。
2 すべて予備費の支出については、内閣は、事後に国会の承諾を得なければならない。
第338条 公金及び公の財産は、次の各号に掲げる組織には、これを支出、提供、譲渡若しくは貸与してはならない。
一 国会又は地方公共団体の議会に議席を有しない政治団体
二 宗教団体及びこれに関連する組織
三 法律の支配に属しない教育
四 報道団体及びそれの営む事業
五 賭博団体及びこれに関連する組織
六 女性団体及びそれの営む事業
七 環境保護団体及びそれの営む事業
八 動物愛護団体及びそれの営む事業
九 外国人組織及びそれの営む事業
十 日本国に敵対する勢力及びそれの営む事業
第339条 内閣は、国会及び日本国民に対し、少なくとも毎年一回、国の財政状況について、報告しなければならない。
第10章 人事行政
第340条 内閣総理大臣の直轄の下に、国の行政官人事を統一して指揮監督するため、中央人事行政機関として、人事院を置く。
2 人事院の組織及び権限については、これを法律で定める。
第341条 人事院の長は、人事院総裁とする。
2 人事院総裁は、内閣総理大臣の指名に基づいて、天皇が、これを任命する。
第342条 人事院は、その長たる人事院総裁と、法律の定める員数の人事官とで、これを組織する。
2 人事院総裁以外の人事官については、内閣総理大臣の指名に基づいて、人事院総裁が、これを任命する。
第343条 人事院は、国の行政官人事の運用について、内閣総理大臣の指揮監督に従わなければならない。
第344条 人事院は、法律の定める基準に従い、適正な公務遂行及び国の行政官の規律の確立のために、人事院規則を定めることができる。
2 内閣総理大臣は、その必要を信ずる場合、人事院に対し、ある人事院規則の制定、改正又は廃止を命ずることができる。
3 人事院規則の定めが、国会の制定する法律の定めに反するときは、その人事院規則の当該部分については、これを無効とする。
第345条 人事院は、内閣総理大臣による国の行政官人事を実施するための執行機関なのであって、人事院は、内閣総理大臣又は国務大臣に対し、国の行政官人事について、提案することはできない。
第11章 会計検査院
第346条 国の収入及び支出の決算を検査するために、法律の定めるところにより、会計検査院を設置する。
第347条 国の収入及び支出の決算は、すべて、会計検査院が、これを検査する。内閣は、その検査報告とともに、これを国会に提出しなければならない。
第12章 憲法改正
第348条 内閣は、閣議の承認を経て、憲法改正の提案を国会に提出することができる。
第349条 国会に提出された憲法改正の提案は、両議院において、各々その総議員の三分の二以上の多数の賛成を得ることにより、国会は、これを日本国民に提案することができる。
第350条 憲法改正の提案が日本国民に提案されたときは、法律の定めるところにより、遅滞なく、日本国民による国民投票が実施されなければならない。
2 前項の国民投票により、総投票数の過半数の賛成があったときは、憲法改正の提案は成立し、この憲法が改正される。
3 憲法改正の提案に関する国民投票の執行期日は、内閣が、閣議の承認を経て、これを定める。
4 憲法改正の提案が、日本国民に提案されるときは、その執行期日の前に、少なくとも十日間にわたって、憲法改正の提案の内容が、公告されなければならない。
第351条 天皇は、この憲法の改正が成立したときには、直ちにこれを公布しなければならない。
2 成立した憲法改正の施行期日は、改正された後のこの憲法に、これを明示して規定しなければならない。ただし、少なくとも成立の日から起算して五年を経るまでには、成立した憲法改正は、施行されなければならない。
第352条 この憲法の第二条及び第四条並びに本条の規定は、これを改正することができない。
第13章 最高法規
第353条 この憲法は、日本国の唯一の最高法規である。
第354条 この憲法の規定に反する法律、命令、規則、措置及び処分並びに国務に関するその他の行為の全部又は一部は、その部分については、その効力を有しない。
第355条 この憲法の規定に反する国際法規は、日本国の領域内について、これを無効とする。
第356条 この憲法は、日本国全土にわたって、ひとしくこれを適用する。
第357条 天皇又は摂政、内閣総理大臣その他の国務大臣、衆議院議員及び参議院議員、地方公共団体の長及び地方公共団体の議会の議員、裁判官及び裁判所職員、警察公務員及び軍事公務員並びに教育公務員その他一切の公務員は、この憲法の規定を遵守する義務を負う。
(附則以下、略)
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コメント
4コメント失礼します。
先日は拙文を読んでいただき、ありがとうございました。
同じ高校生として憲法草案を作成しようとする意欲には敬意を表しますが、内容を読んで正直なところ、違和感と疑問が多く湧きました。以下、率直に問題点を指摘させていただきます。
まず、憲法とは本来、普遍的で時代に左右されない国家の基本原則を定めるものであり、具体的な政策や社会状況に依存するような内容を盛り込むべきではないと言うのが私の意見です。特に、日本のように憲法改正のハードルが極めて高い国においては、時代の変化に対応できない条文を入れることは、むしろ国家の足かせになるだけです。しかし、今回の草案では憲法にふさわしくない具体的な表現が散見され、この点で非常に疑問を感じました。
その他にも、前文の「国の主権は、国家の利益の開拓及び確保のためにのみ行使されなければならない」という文言ですが、これは主権の行使を「国家の利益」に限定する極端な規定であり、危険な発想です。そもそも「国家の利益」とは何を指すのでしょうか?この定義を固定すること自体が不可能であり、将来の国家運営にとって大きな障害になり得ます。国家の主権は、安全保障、外交、経済政策、福祉など多岐にわたる目的のために行使されるべきであり、また国の権力を広げすぎない為にも、「利益確保」だけに限定するのは明らかに問題があると考えます。
また、「その生産された国家の利益は、すべて日本国民全体に対し公平に帰結しなければならない」という表現も違和感を覚えます。これは市場経済の原則を無視し、社会主義的な計画経済を想定しているようにも読めます。「利益の公平な帰結」とは具体的に何を意味するのでしょうか?例えば、成功した企業が得た利益を国民全員に再分配しろという話なのか、それとも国家がすべての経済活動を管理しろということなのか?資本主義経済のもとで機能する社会において、このような理想論的な表現を憲法に盛り込むのは、誤解を招きかねないと思います。やはり、この草案全体を通じて「憲法に書くべきではない具体的な事項」が多すぎます。憲法とは「国の根幹となる原則」を定めるものであって、個別政策の羅列ではありません。細かい規定を盛り込むことで、むしろ法体系が硬直化し、将来の立法や政策決定の自由度を大きく制限することになります。
率直に言って、この草案は「憲法」というよりも「政策提言書」のような印象を受けました。憲法としての普遍性や抽象性を欠いており、内容的にも問題が多いと感じます。
私自身、何の積み重ねもない一介の高校生ですので間違いばかりかとは思いますが、上記で挙げた点についてどうお考えなのか聞かせていただけると幸いです。
長文失礼しました。