いつ声が出なくなるかもわからないので、可能性があることは試してみたい——稲葉浩志が語る初紅白、コラボ活動、そしてこれから #アジア文化最前線
2024年の大みそか。「第75回NHK紅白歌合戦」で日本中の話題をさらったB'z。フロントマンである稲葉浩志は、実は同時並行で別のプロジェクトのアルバム制作にも入っていた。2017年に開始したギタリストのスティーヴィー・サラスとのコラボ・INABA/SALASの3月のツアー準備をしながら、それに合わせたニューアルバムを急ピッチで制作している最中だったのだ。「本当にできるのかな」と思うほど多忙な日々を過ごしたという稲葉に、「激動」の年末年始、そして今後の活動について語ってもらった。(Yahoo!ニュース オリジナル 特集編集部)
ときには責められながら、急ピッチでアルバム制作
「今後もう何回もできそうもないから、せめてツアーだけはやっておこうという話は、ずっとしていたんです」 2020年に開催予定だったINABA/SALASのツアーは、コロナ禍で中止の憂き目に遭い、2025年に仕切り直しともいえるツアーがすでに決まっていた。 「ツアーの日程を定めて、それに先駆けて記念に曲を作ると、形として整うかなと、レコーディングを(2024年)11月から始めたんです。いろいろやっているうちに、気がつくと、この物量になってしまったんです、自分たちで(笑)」
当初は1曲のつもりが、作業を始めると4曲、5曲と収録曲が増えていった。 「僕が全然、足元にも及ばないぐらいのアイデアを彼(サラス)が持っているんです。それと僕が持っているものを組み合わせていくという感じでしたね」 サラスのアイデアに刺激されて、稲葉のアイデアも増え、ときにはサラスに責められることさえあった。
お祭りだし、もし自分が視聴者だったら「やってよ」と思うので
「スティーヴィーが『これをやりたい』って言う物量に対して、『時間がないから無理だよ』と言ったら、『おまえのせいだ』って、あいつは僕に言いましたよ(笑)。『浩志がこの曲もやろうって言わなかったら、俺、やってない』って。曲がよくなりそうだったんでね」 サラスとのレコーディングは、非常にスリリングだという。スタジオに入ったあとも、どの音が使われるか油断ができないのだ。 「最初に音を鳴らしはじめたときから、使えるものは全部使うというスタンスなんです。何を使うかはわからない。だから、最新の音と、一番最初に仮で入れたアコギ(アコースティックギター)が一緒に使われていたり。そういうことはしょっちゅうありますね」